
私の街の人は、細口(小女子、いかなご)が何でこんなに好きなんだろう。
漁が始まる2月後半になると、何かにつけてこの話題が上る。
もうそろそろかねー
もうじきやねー
おっきくなったかなー
あちこちでこんなやりとりが繰り返され、もちろん私もその中の一人。
3月に入ると漁は本番、連日細口が食卓に上がる。
それでも飽きない。
日に日に細口は体長を増し、
小さいうちは卵とじで食べていたのが、釘煮に最適な大きさになり、
それがもっと大きく大きくなると、はらわたに苦みが出てくるので唐揚げにしたりする。
本日の大きさは、釘煮に最適な大きさ。
たくさんいただいたので母のところへ持っていって、大鉢いっぱいの釘煮ができた。
残念ながら私はまだまだ若輩者で、上手に釘煮ができません。
母に頼っているからね。
でも、私も何もしないわけではなく釜茹でにして干したり、
本日はかき揚げにしました。
「揚」。
「昜」は、太陽が高く上に上がるさま。
「揚」は「扌:手」+「昜」で、威勢よく明るく上がること。
天婦羅などを揚げるという意味の「揚げる」の使い方は国字として。
右が母の作った釘煮。
これがまた美味しい!
左はのりぃー作、細口のかき揚げ。
細口より多いかと思うネギを薄く切り、しょうがの千切りとを合わせて一口大のかき揚げにします。
私の秘訣は、そこに醤油も合わせること。
見栄えはよくありませんが、醤油の香りが食欲増進!
私はこれを、今日どれだけ作ったことでしょう。
近所の方に、「典ちゃんのかき揚げは美味しいわー」とおだてられて。
おだてられて木に登ってしまった豚ののりぃーです。
私はこのかき揚げを近所に配り、おかげで今夜は何軒かから釘煮をいただきました。
少しずつ家庭の味に違いがあって、味比べ!
この時期ならではの味比べです。
