
昨日の残りのカレーを温め、
母が作って持ってきてくれた きんぴらと がんもどきの煮物を添えてのお昼ご飯。
不思議な組み合わせ。
家族の留守を預かる主婦のお昼ご飯は大抵がこんなもの。
庶民を実感しての昼食は、ニュースを見ながら。
テレビから聞こえるニュースに、思わずカレーののったスプーンを置いた。
本日は歌会始。
そうだった、すっかり忘れていた。
食べかけていたスプーンを置いて、耳を澄ませて歌を拝聴。
今年の御題は「岸」。
不勉強の私ではなかなか味わいつくせないが、
それぞれの歌に詠まれた情景を想い、その奥の心情を考える。
短時間ではとても察することはできない。
が、皇后さまの歌に心を強く惹かれる。
「帰り来るを立ちて待てるに季(とき)のなく岸とふ文字を歳時記に見ず」
待つことの切なさ。
その時間は時間軸を越えて存在し、永遠に続くかもしれないことを連想させる。
待つことを経て「岸」には辿り着くことができないのかもしれないという諦めともいえる想い。
彼岸と此岸(しがん)の間の計り知れない深さは、
人の命の大切さを十分に感じさせるものだと思う。
様々なことを経て一つの歌が生まれるのだと、何もかもを真っ直ぐに見つめる覚悟を思う。
彼の岸へ向けて指先伸ばせども応えぬ人よ今何をする
・・・未推敲の作、お目汚しをご容赦くださいませ。
「岸」。
「厂」は、「厂」型に切り付けた様。
「岸」の下部は、「厂」+「干」の形声文字で音符。
よって「山」を加えた「岸」は、「厂」型に角だった水際を表します。