秩 | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
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心から


真夏のように蒸し暑い。


秋の涼しさを一度味わった後だから、この暑さが余計に堪える。


何もしたくない気分。


そう思っているのに、


夜更かし、朝寝坊の子供たちが、起こしもしないのにちゃんとお昼前には起きてきて、


ボーッとした顔で食卓に座っている。


ちょうどトウモロコシが茹で上がったばかり。


もう少し待って、と言ったか言わないかのうちに、湯気のたつトウモロコシに手が伸びて、ガブリ!


心から

秩序正しく見事に並んだ黄金の列に、


ぽっかりと大きな穴があいた。



「秩」。


「禾:作物」+「失:音符で意味はない」。


取り入れた作物を、


順序良く重ねて並べてビッシリ詰め込むこと。


転じて、物事のきちんと重なった順序、整ったきまりの意。



3.11直後、日本人の秩序正しい行動に世界が驚いたという。


お互いに譲り合う気持ちから生まれる秩序。


これは素晴らしい美徳。



整然と黄色い粒の並ぶトウモロコシは美しい。


だけどね、よく見ると、ところどころ列が曲がったりしているのに気づく。


ここが大切なんだよね。


その曲りやゆがみのおかげで、芯にうまく実が並ぶ。


遊びの気持ちや、曲がったものも認め合う気持ち、それがうまくいくコツかもしれないな。


あんまりきれいに並んでいたら、


ちょっと隙間に入れてもらうのもためらいがちに。


そうね、びっしり詰まってばかりでは、入り込む余地すら残っていない。


そうかぁ、じゃあ、もう一口ガブリ。


黄色い実の欠けた穴は更に広がり、これなら十分余裕ができた・・・



遊びとか余裕とか。


それが主張してしまっては元も子もない。


秩序の中の遊び。


私の中には、遊びが大きすぎるかもしれないけれど。