「惑」。
「或」+「心」。
「或」の左側は、□印の上下にー線を引き、狭い枠で囲んだ区域を表します。
「或」は、「□印:囲む」+「戈:武器」の会意文字で、
一定の区域を武器で守ることを示します。
そこに「心」を合わせた「惑」は、心が狭い枠で囲まれること。
そこから、狭い枠に囚われ自由な判断ができないでいること、まどう、まどわす等の意が生まれます。
本日は滲みの強い紙を使用。
滲みを抑えようと墨を濃く磨りましたが、
そのために筆が言うことを聞かず、運筆にひと苦労。
紙と墨に惑わされた書です。
見回してみると、生きていくうえで様々な制限を受けていることに気付く。
自由気ままに生きてみたい。
そんなことも思うのだけど、
実際にそんなことになれば、あちこちで衝突が起きるのは自明。
社会生活での様々な規制、家族の中での決め事、
それらは皆、共存していくために必要なもの。
わかってはいるのだけど、
時々それがたまらなくなって、耐えられなくなって、
わがまま放題してしまう。
そんなとき、君は大きい。
一歩離れて笑って見ている。
押さえつけるのではなく。
そのひと時で、私はまた生き返る。
まるで、お釈迦様の手のひらの上で走り回る孫悟空。
