気が付くと台所のあちこちに、きらきら光る白いものが。
そういえば、昨日友からいただいた鯛をさばいた。
気を付けて片付けたつもりでも、
堅い鯛の鱗が、知らない間に飛び散っていたらしい。
乾いて白っぽくなって、よく見えるようになったのだ。
集めてみる。
昨日の片付け方が悪かったのか、思ったよりたくさん。
こんなにジッと鱗を見るのは初めてかもしれない。
へぇー、年輪見たいな模様があるって聞いたことがあったけど、ホントだ。
生臭い。
もう一度水分を与えると、白くカサカサしていた鱗がまた輝きだした。
まるで水晶のように透明に光る。
こんな儚げなもので体を覆い、魚は海の中を光りながら泳いでいるのか。
「鱗」。
「粦」は、連なって燃える「燐(りん)」の火(鬼火)を表す会意文字。
「鱗」は、「魚」+「粦」で、きれいに並んで連なるウロコを表します。
半透明の身を口に入れたら、
春の便りが届いたような。


