「環」。
「王」+「「目」+「袁」からなります。
「袁」は、身体を丸く取り巻く寛衣(かんい:ゆったりとした衣類)で、
上に「目」が横たわっています。
よって右部で、目をぐるりと回す・目を丸くする意となります。
そこに「王=玉:丸く美しい石」が加わり、
「環」となって、丸い形の玉(ぎょく)や巡ることを表します。
『字統』によると、かつて死者を弔うとき、
復活を願ってその襟元に環形の玉を置き、
復活の象徴としての「目」を加えた形が、この字の起源ということです。
かつては死者の復活、つまり輪廻転生を信じての造形だったわけですが、
この世の中でも、めぐり合わせを感じます。
どこかで思いがけない人との繋がりを感じ、
そしてその繋がりが次第に広がり、いつかまた自分のところに還ってくる。
住んでいる地区や国に囚われず、もっと大きな目で見れば、
その繋がりは果てしなく広がり、
そして全てが繋がりを持ち、
やがて大きな環となることができると。
その環も、字義のように美しくありたい。
大きな環を保つために、繋がりを厚く濃く。
今できることをなし、
手を伸ばし続ければきっと環となることができるはず。
「環」はまた、「たまき」と読むことも出来ます。
ある日の我が家の、無邪気な会話を思い出しました。
次男が生まれたとき、名前を考えていて「たまき」という名が候補に挙がりました。
字は別の字を考えていたのですが、有力候補となっていました。
長男はそのとき2歳3ヶ月。
少しずつおしゃべりができるようになってきたとき。
「弟の名前、タマキにしようかと思うんやけど・・・」
「タマキン?」
「・・・・」
その名前は却下となりました。
全国のタマキさん、ごめんなさい。
こんなステキなお名前なのに。
下品な我が家の、かつての笑い話でした。
