
「引」。
「弓」+「|:伸ばすこと」で、真っ直ぐひっぱることを表します。
右部「|」を「人」のように書く例も多くあるので、今回は、それをとりました。
漢字には何種かの意味がありますが、
この「引」も例外ではなく、今回は退く意からの連想です。
特に今回の朝青龍の引退には、
真っ直ぐな引退ではなく、何かしら曲がったものも感じられたので、
上のように書いたという訳。
ウチの長男、大の相撲好き。
中学生の時には、新聞スクラップで相撲を取り上げ、入賞させていただいた。
高校になって、相撲に対する持論を展開、評論の部で雑誌に載せていただいたことも。
折も折、相撲ブーム真っ只中の頃のこと。
力士の才能が無いのは自明なので、
行司になろうと、決まり手を研究、書の練習にも励んでいた。
進路を突然翻しはしたものの、未だに相撲にはやたら詳しい。
というわけで、我が家の一角には、こんなスペースが・・・
左の番付表はお馴染みだが、毎回呼び出しの方から送っていただく。
真ん中のカレンダーは取り寄せる。
右は、絵番付といい、毎年名古屋場所を見に行った時に買ってきてもらう。
どれも中央に朝青龍。
強さは超一級の力士だった。
さて、日本には「散り際の美学」というものがある。
桜が、なぜあれほどまでに日本人の心に入り込むかといえば、
あの潔さは大きな理由のひとつであるはず。
開花を待ちわびて、やっと開いたすぐその後から散っていく。
もしかしたら、武士の切腹も、これが絡んでいるのかも。
死を以って名を残す。
何においても、難しいのは引く時だ。
朝青龍の引退が良かったのか悪かったのか。
立場によって感じ方が異なるが、強い横綱であったことは事実。
番付を見ても、上位に日本人がいないのは淋しい。
ただ、朝青龍を凌ぐ力士の出現を期待しつつ・・・。
