2024夏アニメ 8月16日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年夏アニメのうち、8月15日深夜に録画して8月16日に視聴した作品は以下の4タイトルでした。

 

 

義妹生活

第7話を観ました。

今回はまず前半パートでは時系列を遡って沙季の側の視点でここまでの物語を振り返り、答え合わせをするという趣向となります。これは第3話のCパートでやったのと同じ趣向です。その時は第1話から第3話までの物語を一旦第1話冒頭まで巻き戻して沙季視点で振り返ったのだが、今回はその続きとなっており、第4話から第6話までの物語を沙季視点で振り返ることになります。第3話Cパートでの振り返りでは、実は沙季が悠太を意識し始めていたということが明かされましたが、今回はさらに沙季の悠太への想いが進展していることが明かされます。また、第3話Cパートの沙季の日付で区切った独白形式の語りというスタイルが今回も踏襲されていきますが、それが実は沙季が毎日秘かにつけて引き出しにしまってある日記帳の文章なのだということも今回明かされます。この日記帳はかなり重要なアイテムとなりそうですね。

それで今回の前半パートの内容ですが、沙季が悠太に追試のための試験勉強の手伝いをしてもらい最初は素直に感謝していたのだが、途中で悠太が作業用BGMを薦めてくれて、その曲も沙季は気に入って聞いていたのだが、それが悠太のバイト先の美人の先輩から教えてもらったものだと聞いてからモヤモヤし始めたというものとなっている。それで沙季は自分のそうした意味不明な悠太に対するモヤモヤした感情をわざわざ日記に書く自分に戸惑ったりする。

そして悠太がレイトショーを観に行って帰りが遅くなることを両親に聞いて知り、自分がその連絡を受けていないことや、一緒にレイトショーを見に行っている相手が「バイト先の先輩」だと聞いたことで沙季は、それは例の美人の先輩なのだろうかとか、悠太がそのことを自分に伝えないのはどうしてだろうかなどと邪推してしまい、自分にそんな邪推をする権利など無いと気付き困惑したりします。そして、そういうが「嫌だ」と日記に書いたりするのだが、そうやって文字化すると自分の本当の気持ちをちゃんと言語化出来ていないような気がして、ますますモヤモヤしてくる。

それで悠太が帰ってくるのを待って顔を見たいと思いリビングで勉強をしていると寝てしまい、朝起きると身体にタオルケットがかかっていて、悠太がかけてくれたと思うとモヤモヤが少し晴れて、その後に悠太のバイト先の本屋に行ってみるとその美人の先輩らしき読売栞という人とも会えて、自分とは違って悠太にお似合いだとか、悠太もあの人と付き合えば幸せになれそうとか、僻んだようなことを日記に書く。

そして試験が順調に終わり、悠太のバイト先に寄ったらバイト募集のポスターを見て、声をかけられて面接を受ける流れになったので、義理の兄のバイト先の面接を受けるなんて変な義妹だと思われるのが嫌で、それなら面接など受けなければいいのに、高額バイトではないけど堅実なバイトもいいかもしれないとか色々と言い訳を日記に書きながら、沙季は栞みたいに悠太の近くに居たいという想いでバイトの面接の練習をするためにカラオケボックスに1人で寄り道して帰りが遅くなり、心配して迎えに出ようとした悠太とエレベーターで鉢合わせしたのが前回のお話です。

このように悠太に多くの嘘をついてしまった自分に自己嫌悪しつつ、沙季はそれでもこうして悠太に内緒でバイトの面接を受けて書店でのバイトが決まったことによって、自分が悠太と栞の関係について抱くモヤモヤした感情が解消されるなら良いことだと思う。自分がそのような感情を抱くことは間違ったことだからです。それで、沙季は自分への戒めのためにその感情の本当の名前を日記帳に書き残すことにした。どうせ誰にも見られることはないのだから大丈夫だと言いつつ、おそらく沙季自身がこの自分の秘めた感情を誰かに知ってもらいたいという潜在的な欲求があったのでしょう。

そして後半パートはそこから突然に1ヶ月経った8月下旬、もうすぐ夏休みも終わろうとする頃から始まる。7月下旬から書店のバイトに入った沙季ももう勤め始めて1ヶ月になる。2人ともバイトばかりしていて夏休みは全く遊びに出かけていない。そんな中、悠太は友人から「真綾が沙季と悠太と一緒にプールに行く」という話を聞く。寝耳に水だった悠太はそのことを沙季に言うが、どうやら沙季は真綾に悠太を誘うよう頼まれたけど誘っていなかった模様です。それは、そういうのがあまり好きではなさそうな悠太への気遣いのようにも見えるが、実際はどうも違うようです。今回のラストシーンは前半パートの最後にあえて明示されなかった「モヤモヤした感情の本当の名前」が沙季のモノローグで明かされ、それが「嫉妬」であると判明したからです。おそらく真綾と一緒に行くプール遊びに悠太を誘わなかった理由も、悠太を独占したいという「嫉妬」の感情ゆえだからなのでしょう。

 

 

俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~

第7話を観ました。

今回はノールが食材の毒ガエルだと勘違いして黒死竜を倒して、魔族の少年ロロをマー族の少年だと思い込んで優しくしてリーン達に尊敬されていたところ、そこに現れた変な覆面男に話しかけられた場面から始まります。この覆面男が黒死竜の死体を見て運び荷だとか言い、文句がありそうな様子であったので、ノールはこの男がロロに食材の運搬を依頼したのだと勘違いして、食材を台無しにしてしまったことを謝罪します。しかし覆面男は用があるのはロロの方だと言い、いきなりロロにナイフで襲い掛かってきたのでノールは慌ててパリイしてロロを守る。

この覆面男は依頼主にロロの死体を引き渡すとか物騒なことを言っており、ノールは覆面男のあまりに常軌を逸した行動にワケが分からなくなりますが、どうやら食材をちゃんと運搬出来なかったロロに対して依頼主がキレてしまい乱暴者を雇って折檻しようとしているようだと思い、ロロを守ってやらねばいけないと思う。しかし、どう見てもこの覆面男の攻撃力は異常に高く、街の乱暴者とかいうレベルではない。だがノールは自己評価が異常に低いので、自分がパリイ出来ているぐらいなのだから大した相手ではないと思っている。それに上半身裸で粗末な身なりなのでどう見ても一般人だと思えた。ただ、戦っているうちに覆面男の攻撃力が今まで経験したことがない強力なものだということにはノールも気付いてくる。以前に戦った大きな牛(とノールが思い込んでいるだけのミノタウロス)と同じぐらい強いので、一般人にしては腕が立つ相手なのだと思い用心する。

一方で覆面男の方はどうして自分がこれだけ攻撃して相手がまだ死んでいないのか不思議に思い始める。実はこの覆面男の正体は死人のザドゥというS級冒険者であり、金のためならどんな悪事でも請け負う凶悪で最強の冒険者なのだそうだ。殺し屋の仕事も請け負い、以前には1人で一国を亡ぼしたりもしたそうで極めて危険な男でした。おそらく依頼主に頼まれてロロを口封じのために殺しに来たのでしょう。そうしたザドゥが相手であることはイネスは気付いていたが、あまりにザドゥが危険な相手なのでリーンを守ることを優先して、戦いはノールに任せていた。

だがザドゥが奥の手であるシルバークロスという多数の剣を飛ばしてくる技を繰り出してきて、さすがにノールのパリイだけでは全てを防ぎきることが出来なくなって、ロロを守り切れなくなりノールは身を挺してロロを守って傷を負う。それを見てイネスはさっき黒死竜に立ち向かったノールのように自分も前に出るべきだと思い、リーンに加勢の許可を得て、ノールの身をシールドで守る。そしてこのままでは劣勢だと聞いて、ノールは投石スキルを使って黒死竜の爪や牙を砕いたものをシルバークロスに向かって投げつけて、そうしたらシルバークロスが爆発して吹っ飛んでしまった。

それでザドゥも諦めて帰っていきますが、去り際に「王都で盛大な祭りがあるらしい」と言い残していった。イネスやリーンやロロはザドゥが凶悪な殺し屋だと知っていますので、もちろんそれは物騒な意味の「祭り」だと解釈していますが、ノールは相手はただの街のゴロツキだと思っているので、その「祭り」というのもそのままの意味で楽しいフェスティバル的なものだと思っています。もちろんリーン達はノールが相手がザドゥだと分かって戦っていたと思っているので、そんな間抜けなことをノールが考えているとは夢にも思っていません。

それで、リーンが王都に何か異変が起きるのではないかと心配していると、ノールはそんなにリーンが祭りに行きたいのかと思い、いっそ王都に戻ってみてはどうだろうかと提案する。しかし、それを聞いてロロが異常に怯え始め、ノールはロロが体調でも崩したのかと心配するが、ロロは「王都に一番大きなやつが行くと聞いた」「そうなればもうあの街は終わりだ」「黒死竜どころじゃない見世物になる」などと言い、ノールには何のことかサッパリ分からなかったが、リーンとイネスは王都にかつてない脅威が迫っていると気付いた。

それでリーンは王都に戻ると言い出し、イネスは止めようとするがリーンは最初から兄が自分を逃がそうとしていることは気付いていたが、逃げたところで国を失えば意味は無いなどと言い、イネスも了承するというアツい遣り取りとなるが、ノールは聞いていても意味が分からず、リーンがその見世物に興味があるのだろうと呑気に受け止める。そしてロロもリーンの勇気を見て心動かされ、自分に何が出来るか分からないが、きっと王都に大きなやつを連れていっているのも自分の同族だから放っておけないと言って同行すると申し出る。それを聞き、ノールは「マー族も大変だな」とロロを労り、遠い目をする。それを見てリーンは「先生はきっとこの少年の生い立ちに心を痛めているのだ」と、この危機的状況においてまだ魔族に気遣いをするノールの器の大きさに感嘆するというお約束のような勘違いをするが、ノールは単に「毒ガエルを一度食ってみたかった」と思っていただけだった。そうしてノール達は王都に向けて戻っていくことになるが、その頃王都では巨大なドラゴンが襲来してきたというところで今回は終わり次回に続きます。

 

 

女神のカフェテラス(第2期)

第19話を観ました。

今回は前回のお話の続きから始まりますが、全編とも実にくだらない下ネタのオンパレードでした。もちろん誉め言葉であり、ムチャクチャ面白かった。ギャグアニメのお手本みたいなエピソードでありましたね。こういうのでいい。

まず前回のお話は、お化け屋敷みたいなボロ旅館の1部屋に泊まることになったファミリア一行が夕食時に白菊がイノシシ鍋に使われていた日本酒で淫乱化して夕食の席は惨状となり、混浴風呂に逃げた隼は風呂に入りに来た秋水と遭遇して半ば無理矢理にオッパイも揉まされることになったというところで終わった。そして今回は、隼が風呂に入ってる間に部屋に布団が敷かれていて、その寝る場所をどうするかで流星と紅葉が話し合う場面から始まる。幸か不幸か、アルコールが入って危険生物と化した白菊は酔い潰れて端の方の布団で寝てしまっていたので、隼に夜這いをかけようと悪巧みしていた3人のうちの1人は脱落となり、流星と紅葉は隼を真ん中に寝かせて自分達がその両側に寝るということで平和的に合意した。

しかし風呂から上がってきた隼は秋水に絡まれて疲労しており、そのまま端の布団で寝てしまい、隣の布団が1つしか無くなったので流星と紅葉が揉め始め、隼はうるさいので寝れなくてキレる。結局ジャンケンで決めようということになるが桜花が割り込んでジャンケンに勝ち隼の隣で寝て色魔2人をブロックすることで平和を保つことにした。だが夜中に全員が寝静まった頃に紅葉が起きてきて隼の枕元に座り、トイレについてきてほしいと懇願してくる。怖がりの紅葉はお化け屋敷みたいな旅館のトイレに1人で行く勇気が無いのだ。一緒に行ってくれないなら部屋で漏らすと言う紅葉の脅しに屈して隼はトイレについていってやるが、隣の桜花を思いっきり踏んずけてしまう。

そうして2人でトイレに行くが、イナゴと幽霊を間違えた紅葉が慌ててエロい格好で隼に抱き着いて、それを好機と見て紅葉が浴衣を脱いで隼に迫るが、隼はもたれかかった雨戸が腐っていて、雨戸をぶち破って庭に転落する。そうして2人は部屋に戻って隼は再び就寝するが、今度は目を覚ました白菊が枕元で隼を呼び、どうしても聞きたいことがあると言う。他の皆に聞かれたくないから廊下で話したいと白菊が言うので仕方なく隼は廊下に向かうが、途中でやはり桜花を思いっきり踏んずけてしまう。

ところが廊下に出ると、白菊は実はまだ酔っぱらって淫乱化したままであり、右のオッパイと左のオッパイのどっちがいいかと聞いてきて、オッパイルーレットとかいう奇行を始め、その勢いで隼を突き飛ばすと、後ろの雨戸がやはり腐っていて、隼は雨戸をぶち破って庭に転落する。

そうして2人は部屋に戻り、隼は今度は「起こしたら殺す!」と顔に貼り紙して就寝したが、流星がお構いなしに隼を起こして、2人きりで話したいと言ってくる。隼はキレますが、流星は真面目に夜這いしに来たようで、あまりに強引に誘ってくるので仕方なく隼は桜花を踏んずけて廊下に行き、何もせずそのまま雨戸をぶち破って庭に自ら転落し、ついでに第四の壁もぶち破って「どうせ三段オチだろ!これで満足か!」と作者に向かって怒りをぶつけます。

そうして朝となり、女子4人は起床したが寝不足の隼は寝たまま起きない。桜花は何故か腰が痛いと訴え、流星と紅葉はしらばっくれて、白菊はマジで何も覚えていない。そして桜花が隼の布団を引っ剥がして起こそうとすると仰向けに転がり出てきた隼の浴衣がはだけて、隼のチンコがパンツからはみ出してしまった。それで桜花以外の痴女3人はハミチンを凝視して、それが果たして一般的基準で大きいのかどうかと議論をし始める。そんなことをしている間に隼が寝ぼけて姿勢を変えると、更に陰嚢までがハミ出してきて、痴女たちはそのグロテスクな姿に動転し、白菊が新メニューの参考にするとか言って至近距離で観察しようとする。それを制止しようとした桜花が転んでしまい隼のハミチンとハミタマを至近距離で見てしまい目が腐りそうになる。すると、そこに秋水がやってきて隼のハミチンとハミタマにアイアンクローをして、隼は悶絶して起床した。

そうしてファミリアの6人は旅を終えて帰路につき、帰りの列車で隼はなんかイイ話にまとめようとしたが、やっぱり二度とこの連中と一緒に旅行したくないと思わざるを得なかった。そうして6人はファミリアに戻ってきたが、隼が近所に土産を渡しに行っている間に千代田食堂の5人が、流星たちと隼の間にエロいことがあったかどうかを聞きたくて、わざわざ店を休んでやってくる。真面目に商売しろよ。

それで隼がハミチンしていたという話になってしまい、流星たちは男性経験豊富そうな舞乙に隼のチンコが大きいのかどうか教えてもらおうとするが写真などを撮ってないのでよく分からない。それで秋水がエリンギを持ってきてこれぐらいだと言うので、舞乙はそれなら大きい方だとか言う。そうやって下ネタばかりで不満な梨々歌は何か恋愛的な進展は無かったのかとしつこく聞くが、結局は下ネタになってしまい、秋水が隼と一緒に風呂に入って、隼がどうしてもオッパイを揉みたいと言うから揉ませてやったとかテキトーなことを言う。その後、隼がファミリアに戻ってくるとティナから「皆で隼のハミチンの話題で盛り上がってる」と聞き、怒って部屋に入っていくとまた秋水とティナの変な技でお茶をぶちまけた後であり、全員が下着姿であったというオチで今回は終わり次回に続きます。

 

 

先輩はおとこのこ

第6話を観ました。

今回は前回のラストで咲に「もう先輩のこと諦めます」と言われてしまったまことが風邪で休んでいる竜二のお見舞いに来る場面から始まります。竜二は先日、好きな相手がいることをまことに疑われてしまい、慌てて変な態度をとってしまい、そのため自分の好きな相手がまこと本人であることをまことに気付かれてしまったのではないかと思い焦っていました。それで、お見舞いに来たまことが改まって「竜二の好きな相手が誰なのか分かった」と言い出したので竜二は、てっきり自分の本当の気持ちをまことに気付かれてしまったのだと思う。

まことの方は咲がもう自分のことを好きじゃないということを伝えてきたのは、てっきり竜二と相思相愛になったからなのだと勘違いしていて、それで竜二に「僕に遠慮しなくていいから自分の気持ちを大事にしてね」と伝える。今まで竜二と咲が好き同士なのに正式に交際していなかったのは自分に遠慮していたからなのだとまことは勘違いしていたのでそういうことを言ったのですが、竜二の方はまことが自分の気持ちを受け入れてくれたのだと勘違いします。それで竜二は思い切って自分の想いをまことに告白しようとするが、そこでまことが「竜二と葵さんのこと応援する」と言ったので竜二は放心状態となってしまい、そのまままことが「葵さんはもう僕のこと好きじゃないから大丈夫だよ」と言って帰っていくのを呆然と見送るだけとなってしまった。

その後、竜二はまことが自分と咲が好き同士だと誤解していたようだということに気付き、翌日になって風邪が治って登校して、まことと昼食を摂った際に自分は別に咲のことを好きではないとまことに伝えて誤解は解きました。まことは驚いて、それなら

竜二の好きな相手は誰なのかと聞いてくるが、竜二はまさかまことが好きだと言えるわけもないので答えなかった。その一方で竜二はまことがどうして「咲がまことを好きじゃない」ということを知っていたのだろうかと不思議に思っていたので、どうしてそのことに気付いたのかと問いかける。するとまことが「本人に聞いた」と答えたので竜二は驚く。そして、ますます咲が何を考えているのかよく分からなくなります。咲がまことのことを以前ほどは本気で好きではなくなっているということは竜二も気付いていましたが、それをわざわざ本人に伝えたり、自分とまことのことを応援したいと言ってきたりする咲の真意がどうにも竜二にはよく分からなくなってしまったのです。

一方、学校ではまことや竜二には2年生の秋ではあるがもう進路調査票が配布される。それで竜二はもうまことと一緒にいられるのは残り1年ちょっとなのかもしれないという事実に気付く。まことの方は高校在学中に自分がこの先、男として生きていくのか女として生きていくのか決めるようにと父親に言われていたので、そのことについて考えざるを得なくなるが、父親はもしまことが女の子になると決めたとしても、その場合はすごく悩むだろうけど、まことが幸せになるために自分がどう手伝えばいいのかずっと考えることにすると言ってくれる。そして、母親のことは何とかするから安心して答えを出すようにとも言ってくれた。

それでもまことはまだ男として生きるか女として生きるか結論は出せない。身体的には男であり、そのことに苦痛は感じていないのだから男として生きることももちろん可能なのだが、その場合はどうしても女装や可愛いものが好きな自分の嗜好を抑えて生活しなければ無用なトラブルに晒されることになり、トラブルを避けるために趣味嗜好を抑え込む生活は苦痛となる。それならいっそ女装趣味をカミングアウトして外見上は女性として生活して、それに合わせた将来の進路を考えた方が良いのかもしれない。ただ、その場合は本来の男としての人生を完全に捨てなければならなくなり、やはり世間体だって悪いし、変な誤解をされることも増えるだろう。とにかく高校2年生の秋となると、確かにそういう選択を考えなければいけない時期なのです。

また、同時にまことはもう1つ些細な悩みも抱えていた。それはバスケ部から正式に入部してほしいと頼まれていた件だった。まことはバスケは好きだったが、自分みたいな男か女かハッキリしない人間が入部したら迷惑がかかるんじゃないかと思い迷っていた。そんな時に校内でたまたま咲と顔を合わせて、バスケ部の件について相談をして、咲ならば入部するかしないか、どっちを選ぶのかと質問してみた。

すると咲は「どっちかじゃないとダメなんですか?」と問い返す。咲の言うには「悩んでいるということは、どっちも選びたくないということ」とのことで、だったらどちらも選ばなければいいのだという。だから「参加したい時だけ混ぜてもらえばいい」というのが咲の結論でした。それを聞いて、まことは「確かにその通りだ」と思い「葵さんは凄いな」と感心します。そうしてバスケ部には咲の言うように「入部はせず参加したい時だけ参加する」という答えを伝えたところ、快く了承してくれた。だからまことは「迷っていることは無理に答えを出さなくてもいいんだ」と思い、進路調査票にも漠然と「進学」と記入して、男を選ぶか女を選ぶかについては結論は先送りして深く考えないことにした。

ただ、まことが思ったように本当に咲は「凄い」のだろうか?咲がどちらも選ばないことが出来たのは、そもそも前回のエピソードで描写されたように、咲が「特別に大切なもの」を何も持たない人間だからなのです。咲自身は自分のそういうところがダメだと思ってまことのことを諦めることにしたのですが、まことのような究極の選択に悩める人間にはそうした咲の「どちらも選ばない」という在り方が一種の「救い」のように見えるのかもしれません。いや、一種の「逃避」なのかもしれない。そうなると、まことが咲に惹かれているのは自分に都合の良い「選ばなくていい」という甘い言葉を囁いてくれる「逃避先」として惹かれているだけなのでしょうか。だから、まことがそうした咲のような在り方を否定してしっかり結論を出すのがこの作品のゴールかもしれない。ただ、全く逆に、まことのような「男でも女でもなく、特別に大切なものを選ばない生き方」が肯定されることによって、咲のような「特別」を持たない人間にとっての救済になるというのがこの作品のゴールなのかもしれない。そのあたり、この作品の目指しているゴールはまだ不明であり、どうにも予想がつかないところが面白いところです。

一方で竜二の方は咲とは対照的に、まことのことを特別に好きです。同時に「男でも女でも好き」だとか「男でも女でも愛していい」なんていう軽薄な博愛思想を口にしたりもしない。だから、まことのことを好きだけど男であるまこととは恋人にはなれないということも分かっている。そして、それを分かった上で、それでもまことのことを諦められない。それこそが「真実の愛」なのであり、咲には持ち合わせていないものです。

つまり、竜二のまことへの愛は「最初から結ばれないことが前提」なのであり、非常に不毛なものです。不毛ゆえに純粋で美しい。だが不毛なので、いっそ諦めて楽になってしまいたいという想いも竜二には常にある。そういうところに進路調査票が配布され、もうまこととも会えなくなるかもしれないと実感することで、竜二の中に芽生えてきた感情は、寂しさや悲しみももちろんありましたが「今度こそまことを諦められるかもしれない」という期待感もありました。

だが、そんな時に教室でクラスメイトの女子が3年のもうすぐ卒業する先輩に告白するとかいう話をしているのが耳に入ってきた。その女子は卒業したらもう先輩と会えなくなってしまうから、後悔しないように告白するのだと言う。つまり、先輩と恋人になるために告白するというよりも、たとえ振られたとしても後悔を残さないために告白をするのだということです。言い換えれば、想いを告げることなく離れ離れになってしまったらきっと後悔を引きずることになってしまうということです。それを聞いて竜二は、自分もこのまま何も言わないまままことと離れ離れになってしまったら、きっと後悔を残してしまい、まことを綺麗に諦められなくなってしまうのではないかと思えてきた。それなら、いっそまことを綺麗に諦めるために最後に告白すべきなのではないかとも思えてくる。どうせ別々の大学に行けばもう会わなくなるのだから、告白してまことを驚かせたとしても、その後のことは深刻に考えなくてもいいから大丈夫なんじゃないかとも思えた。

そうして文化祭となり、まことのクラスは屋台のタコ焼き屋をやり、咲のクラスはお化け屋敷をやりました。そして竜二のクラスな女装メイド喫茶をやっており、竜二はクジ引きで負けてしまい女装してメイドをやっていた。そこにまことと咲が遊びに行き、さんざん楽しんだ後、咲は自分のクラスに戻っていき、まことだけが残っていたところ、竜二のクラスのメイド担当の男子が1人体調不良でシフトに入れなくなってしまい、竜二の推薦でまことがメイドの助っ人をすることになった。

それが大好評で、そうして無事にメイド喫茶が終わった後、校庭では文化祭の締めのキャンプファイヤーが始まろうとしている中、教室でまだメイド服のまま居残っていたまことと竜二は、そろそろ制服に着替えようということになり、まことが竜二の制服を手渡そうとしたところ、制服のポケットに入れていた竜二の生徒手帳が床に落ち、ページが開いて、中に挟んであるまことの寝顔の隠し撮り写真がまことに見られてしまう。それでまことが竜二の好きな相手というのが自分なのだと気付いてしまったというところで今回は終わり次回に続きます。