2024春アニメ 4月18日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年春アニメのうち、4月17日深夜に録画して4月18日に視聴した作品は以下の2タイトルでした。

 

 

怪異と乙女と神隠し

第2話を観ました。

今回は新たな怪異に菫子が関わっていくようになる話であり、怪異に遭遇したところで終わり、解決編は次回ということになりそうですのでフリ回といえます。だから内容的には前回に比べると薄めにも見えますが、今回も実に面白かった。相変わらず言葉の使い方がセンス抜群で、知的興奮を刺激してくれる極上ミステリーですね。この作品の場合、そこはストーリー展開のフリとかキメとか関係なく一貫して安定している。ちょっとしたシーンや会話にも仕掛けが満載だからです。また今回は乙の級友で美少女たちがたくさん出て来て、菫子まで女子高生になってしまい、一気に萌えアニメとしてもハイレベルになり、そこも非常に楽しめました。これに関しては予想外の収穫でしたね。まさかこのミステリーホラー作品がこんな優秀な萌えアニメになるとは全く予想外でありました。

まず冒頭、前回の話をおさらいするように、菫子が出版社の人と自分の書いた小説に関して遣り取りしている場面が描かれるが、15歳の時の菫子のケースと、近年の菫子のケースが対比するように描かれている。ここでは同じような内容の小説に対して、15歳の時の菫子には出版社の人達は好意的に解釈してくれる一方で、成長して28歳前になった菫子には否定的にしか接してくれていなかったことが明白に描かれている。そしてこの15歳の場面と28歳前の場面がそれぞれ画面左右に配置されているのだが、その境界線のワイプがおどろおどろしいエフェクトで表現されていることから、そうした世間の年齢差別のような理不尽な扱いが菫子の怨念を生み出していたことが分かる。

そして、そうした対比的な回想シーンの後、前回の菫子の28歳の誕生日を迎えた深夜0時の場面が再び描かれる。前回はこの場面の後すぐに菫子は呪書に書かれた月読の変若水の和歌を詠んで若返りの呪いを発動したわけですが、その発動条件は前回も紹介されたように「深夜0時付近に」「月明かりの下で」「28歳以上の処女が」「指定の和歌を声に出して詠む」というものだった。「深夜0時」というのはおそらく呪いの発動に最も適した時間帯なのでしょう。「月明かりの下で」というのは、もともとこの若返りの信仰が月に関する不死伝説に由来したものだからでしょう。「和歌を声に出して詠む」というのは言霊信仰に由来したものでしょう。

そうなると、意味がよく分からないのは「28歳以上の処女」というものですが、冒頭の対比演出の場面を見ると、そのような「イイ歳をしていながら子供の時と同じようなことをしている人」というものは世間に冷たく扱われてしまい、恨みを溜め込むことによって呪いを発動しやすくなるということなのでしょう。菫子自身はそういう状態について前回、自分のことを「社会不適合者」と自嘲していました。つまり「社会不適合者」は怪異に親和性が高いということになります。

このことを一旦覚えておいて、この後はOP曲が始まり、それが終わると前回のラストシーンが再び描かれる。それは化野蓮が菫子から回収した呪書を「きさらぎ駅」の「きっぷうりば」に差し出して切符と交換しようとしたが、どうやら蓮はその切符が気に入らなかったようで呪書を差し出すのをやめて立ち去るという場面です。前回はここで「きっぷうりば」の中の何者かが蓮のことを「神隠し」と呼ぶ場面があったのですが、今回はそれは省かれていて、その続きが描かれます。

蓮が「きさらぎ駅」の外に出て地上に出てくると、そこには例のハザード標識がたくさん立っていて、前回の冒頭の場面で蓮と一緒に住んでいた少女が出迎えていました。この少女は「化野乙」という名前で、やはり蓮の妹のようです。そして蓮は「切符ダメだったの?」と問う乙に向かって「足りないから他にも怪異を探せってさ」と答える。この遣り取りから分かることは、呪書のような「怪異」をきさらぎ駅に渡すと、代わりに切符を貰えるのだが、今回の呪書だけでは蓮と乙が欲しい切符を手に入れるには足りないので、更に追加の「怪異」を手に入れなければならないようだということです。

ただ、この場面で奇妙なのは、蓮も乙も口は閉じたまま会話しており、一種のテレパシーでの会話のように見えます。しかし蓮は前回は口から言葉を発して菫子や店長と会話しており、乙も今回はこの場面以外は口で言葉を発して他人と会話しています。だから、特に秘密の会話というわけでもないのだからテレパシーなど使わずに普通に会話すればいい。それでも2人きりの場面でテレパシーで会話しているということは、この兄妹にとっては本来はテレパシーが通常の会話スタイルなのでしょう。つまり、この兄妹は「テレパシーを使える人間」なのではなく、「テレパシーで通常会話をする人外的な存在」ということになる。

そして前回、呪書を差し出して「やみ駅」への切符の提供を打診されていた蓮が「異界」へ行くことを目的として「怪異」を集めているということは容易に推測出来るのだが、ここで蓮は乙に向かって「帰れるのはまだまだだな」と言っており、蓮と乙が「異界」に行く切符を手に入れようとしている理由は「異界に行きたいから」ではなく「異界に帰りたいから」だということが分かる。つまり、蓮と乙の兄妹はもともと「異界」の住人なのです。だからテレパシーでの会話が彼らの通常の会話スタイルなのでしょう。

ここで更に一歩踏み込んで考察するならば、彼らがテレパシーで会話する理由は、単に「異界とはテレパシーを使うのが当たり前の世界である」というだけの意味なのではなく、もしかしたら「声に出して言葉を発してはいけない世界」だからなのかもしれない。蓮が呪書をきさらぎ駅に渡そうとしていたところを見ると、呪書は異界由来のものである可能性が高いのだが、呪書は「書かれている内容を声を出して読んではいけない本」でした。そうなると、異界は声を出して言葉を発すると呪いが発動してしまう厄介な世界なのかもしれない。だから異界の住人は声を出さずテレパシーで会話するのかもしれないですね。

まぁそれは置いておいて、蓮は「帰れるのはまだまだだな」と言った後、乙を抱きしめて「でも、乙は必ず元の世界に戻してやるから」と言っており、乙は蓮に「一緒に帰ろうね」と応じており、どうも蓮と乙の意識には差があるのが見受けられます。まるで蓮は自分は異界に帰れなくても仕方ないと諦めているように見えます。そして、その一方で蓮は乙だけは何としても異界に返してやりたいという強い想いを抱いているようでもある。まるで乙が蓮の巻き添えでこっちの世界に飛ばされてきたかのようにも見えます。逆に蓮はこっちの世界に飛ばされて当然のことをしたか、あるいは自分の意思でこっちの世界に来たかのように見える。実際、蓮と乙は全く同じ状況ではないように見える。前回、蓮はハザード標識を使って瞬間移動のような特殊能力を使えていましたが、今回の話を見た限りでは乙には「標識が見えること」以外は特殊能力は無いようです。まぁ蓮も菫子を捕まえることも出来なかったので瞬間移動能力以外は特に能力は無いみたいなんですが、どうもこの兄妹は微妙に境遇が違うように見える。

ところで、ここで蓮と乙が「帰りたい」と言っているところを見ると、このきさらぎ駅の外の場所そのものは「異界」ではなくてこっちの世界、つまり現実世界だということが分かる。しかし、そこには奇妙なハザード標識が乱立しており、どうも現実世界っぽくない。前回もOP映像や本編冒頭にこの場所がチラリと映った時、てっきりそこは「異界」だと思っていました。しかし、そこは現実世界なのだという。ならば、このハザード標識は一体どう説明をつけるのかと思ったら、今回の話の中で説明がありましたが、どうもこの標識は蓮と乙にしか見えないようです。

なんでも蓮と乙には「怪異が出現した場所」にこの標識が立って見えるのだそうです。そして、この標識が見えることについて乙は困惑している様子であったので、現実世界に来てから蓮と乙はそうした標識が見えるようになったようです。異界に居る時はそんな標識は見えていなかったということになる。おそらく現実世界において異界由来の怪異が現れた時だけ標識が立つのでしょう。だから現実世界に来るまで蓮と乙はそんな標識は見たことがなかったのだと思います。ただ、蓮と乙以外の現実世界の住人にはそんな標識は見えていないので、異界人である蓮と乙だけがその標識を視認出来るようです。ならば異界人ならば全員が現実世界でその標識を視認出来るのかというと、そうであるのかもしれないし、もしかしたら蓮と乙だけにそんな能力が発現したのかもしれない。それに関しては比較例が無いのでどっちなのかは分からない。

とにかく、こうして蓮と乙が会話している場所は現実世界ということになる。だが「きさらぎ駅」は「異界」への入り口のような場所であり、蓮と乙は「異界」行きの切符を使わないと「異界」に帰ることは出来ない立場のようですが、どうやら切符を使ってなのか別の方法でなのかは不明だが、他にも「異界」から「きさらぎ駅」を通って現実世界を訪問している異界人や前回の呪書のような「怪異」は存在しているようで、だから「きさらぎ駅」の出口付近には特に多くの「標識」が乱立しているのが蓮と乙には見えるのでしょう。その一方で菫子のような現実世界の人間にはこの「標識」は見えない。また、同じように「きさらぎ駅」の駅名の表示された看板も菫子のような一般人には見えていないようです。

そういうわけで、きさらぎ駅の外の場所はあくまで現実世界であり、蓮と乙の横には前回の騒動の末に蓮に呪書を渡してから力尽きて気絶した菫子が蓮に運ばれてきてベンチで眠っていた。ところがここで奇妙なことが起きます。菫子が寝言で「天なるや 日月のごとく 吾が思へる 君が日に異に 老ゆらく惜しも」という前回の話で詠んだ若返りの呪いの反歌を詠んだところ、菫子がまた子供の姿になったのです。

前回も菫子はこの若返りの能力を使いこなしていました。だがそれは呪書を手にしていたからだった。しかし今回は呪書は蓮が手にしており、菫子は呪書を使わずに若返りの呪いを発動したことになる。これは普通は考えられないことです。しかし前回もよくよく考えたら菫子は「深夜0時付近」という発動条件抜きで一旦元の姿に戻ってから再び若返っており、既にあの時点で呪いの発動条件から自由になっていたように見える。だから、前回も蓮から逃げる時にも菫子が勝手に「呪書が無ければ若返ることが出来ない」と思い込んで蓮から呪書を奪って逃げ、若返ったり大人になったりしながら逃走したが、実際はもうあの時点で呪書無しで若返る能力を獲得していたのかもしれません。

こうした菫子に起こった奇妙な現象を見て、蓮は菫子をきさらぎ駅内にある自分たち兄妹の住居に運んでいき、目を覚ました菫子に「怪異」について何か知っているかという話をして、菫子が「神隠し」なら知っていると答え、有名なものとして平田篤胤の「仙境異聞」があると付け足すと、蓮は我が意を得たりとばかりに「さすがです」と感心する。ただ、ここで「仙境異聞」の内容について突っ込んだ問答が交わされるわけではない。今回のエピソードの内容と「仙境異聞」に何か関係があるというわけでもない。このちょっと意味不明な遣り取りは、要するにこうして菫子の身に起こった不思議な現象と「仙境異聞」の内容の間に通じるものがあるということを暗示しているのでしょう。

「仙境異聞」は江戸時代の1822年に刊行された平田篤胤の書いた神道書です。その内容は「天狗に連れられて神仙界に行き呪術を身につけて戻ってきた少年からの聞き書きをまとめたもの」であり、少年がウソを言っているという可能性はあるものの、一応これはフィクションとして書かれたものではなく「現実にあった話」として書かれたものです。実際にこの「寅吉」という名の少年は呪術を使って見せて江戸で評判になっており、その評判を聞きつけた平田篤胤が寅吉から神仙界の様子を詳しく聞いて書き残したものがこの「仙境異聞」なのです。

つまり、これは「異界」への訪問記なのであり、いわゆる「異世界転生」が実際に起こった記録といえます。つまり「リアル異世界転生」といえます。こういうのを昔は「神隠し」と言ったのですが、この「仙境異聞」の話で特徴的なのは、単に「異界へ行った」という話なのではなく「異界に行って呪術を身に着けた」ということです。「仙境異聞」の内容によれば寅吉は神仙界で修業をして呪術を身に着けたらしいが、同じ修行を現実世界でやったとしても呪術を身につけられたかどうかは分からず、異界に行ったからこそ呪術が身についたと考えるのが妥当でしょう。これはアニメの「異世界転生」モノによくある「異世界転生したら特別なスキルを貰えた」みたいな話に通じるものがある。

ここで蓮は菫子が「仙境異聞」を「神隠し」の例に挙げたことを承けて「神に隠される者とは、元の世界に要らないと判断された者かもしれませんね」と言っている。つまり「異界に行くこと」「神隠し」「異世界転生」が同種の現象だとして、ひとくくりに「怪異」であるとするならば「怪異に触れる者というのは世界から要らないと判断された者である」ということになる。これは今回の冒頭の場面で、菫子が呪いを発動させた要因として「社会不適合者は怪異に親和性が高い」と考察したことに相通じる。

菫子は自分でも「社会不適合者」と言っていたように、世の中から見捨てられたような存在でした。その世の中に対する「自分が若い時だけ持ち上げておいて大人になったら冷遇したのが恨めしい」という怨念が若返りの呪いを発動させる決め手になった。こうした「社会不適合者」が「自分は世界から拒絶された」という恨みゆえに「異界」に関連した「怪異」を発動する力を持つと考えるならば、例えば「無職転生」の主人公が異世界転生したのも、彼が無職の引きこもりのいじめられっ子で世界を恨んでいたからなのではないかと考えるとしっくりくる。他にも「異世界転生モノ」の転生者の主人公たちはブラック企業の社畜だったり、引きこもりの廃ゲーマーだったり、社会に適応出来ていない者が多い。

ただ、ここで重要なのは、こうした「怪異を発動させる者」の条件を「世界に要らないと判断された者」と定義して、暗にそれが菫子に当てはまることを示唆するに際して、蓮がそれを「仙境異聞」に関連づけている点です。それはつまり菫子のケースが「仙境異聞」と同じだと示唆しているということになる。それはどういう意味かというと、「仙境異聞」は「神隠し」という「怪異」を発動したというだけの話ではなく、それによって「呪術を身につけた」という話なのであり、それを菫子のケースに当てはめると、菫子が「呪書」の若返りの呪いという「怪異」を発動させたことによって「呪術を身につけた」としても不自然なことではないということになる。そういう考え方をするならば、菫子がその抱いていた怨念の大きさゆえに、呪書を使って一度呪いという「怪異」を発動させた結果、その後は自分自身が呪術を使えるようになり、呪書無しでも若返りの呪いを発動させることが出来るようになったとしてもおかしくはない。

少なくとも蓮は菫子が呪書無しで寝言で和歌を唱えて子供の姿になったのを見てそのように理解した。そうして菫子に向かって「今、あなた自身が呪いそのもの」「いわば変若人となった」と言い、菫子は今や例の和歌を声に出して詠めば自分の意思で若返りの能力をコントロール出来るはずだと指摘し、試しに高校生の姿に若返るようにと指示すると、それを試してみた菫子は確かに高校生の頃の身体に戻ることが出来た。もはや呪書を手にする必要も無くなっており、深夜0時や月明かりの下という制限も無くなっていた。おそらくそれらは普通の人間が呪いを発動させるための条件なのであり、呪術を身につけてしまった菫子にはもはやそうした手続き的なものは必要無くなっているようです。身体への負担も解消されているようでした。

但し、蓮はこんな奇妙な能力を使えるようになったことを意味もなく菫子に教えてあげたわけではなく、蓮にはしっかり目的がありました。それは中学生である乙の通う中高一貫の名門お嬢様学校である「コオネ女学院」の高等部に潜入して、学院で起きている奇妙な事件について調べてほしいというものでした。どうして蓮がそんな事件に興味を抱いたのかというと、乙の言うにはその事件は「怪異」が絡んでいる可能性が高いと思われるからでした。どうやら最近その事件が起きるようになってから学院内で例の「標識」が幾つも出現しているらしいのです。もちろんその「標識」は学院内では乙にしか見えていないわけだが、おそらく事件は「怪異」が関係している。ならば事件を探ることで新たな「怪異」を手に入れて、それを呪書と一緒に「きさらぎ駅」の「きっぷうりば」に持っていけば、蓮や乙が「異界」に帰るのに十分な切符が手に入るかもしれない。

そういう思惑で蓮はコオネ女学院の事件を探ろうと思ったが、何せ女子校なので男の蓮では潜入しても目立ってしまう。乙はまだ子供であるし、コオネ女学院に本当に通っている学生なので、おかしな行動をとって目立ってしまうと後々の学院生活に支障をきたしてしまうかもしれない。そもそも異界からやって来た者である乙がそんな名門学院に通えていること自体が不自然であり、かなり無理のある偽装工作で学院に通えているのでしょう。だから乙が変に目立って教師たちに不審に思われるのは避けねばならない。そうなると女生徒に化けて潜入して事件についてさっと調べて引き上げる潜入員のような者を別口で用意せねばならないが、もともと交遊関係の乏しい蓮にはそんな都合の良い中高生の知り合いなどいない。そこで自由自在に若返ることが出来るようになった菫子に高校生に化けて潜入してもらおうということになったのです。

この蓮の奇妙な依頼に菫子は二つ返事で引き受けた。蓮には呪書の件で色々と世話になったというのもあったが、何よりも名門お嬢様学校で怪事件が起きているという話を聞いて小説家の好奇心の血が騒いだというのが最も大きかった。更に加えて、ずっと暗い青春時代を送っていた菫子は一度でいいから青春ドラマみたいに名門お嬢様学校の女生徒たちとキャッキャウフフしてみたいという願望もあった。

だが高等部の菫子の「友達」という設定で菫子のサポートをするよう蓮に言われていた乙は、自分と違って巨乳で蓮と仲良くしている菫子に嫉妬しているようで、菫子とあんまり打ち解けてくれません。登校中も菫子が話しかけても乙は「気安く話しかけないでもらえますか」とつれない態度で、乙の友人の中等部の女生徒たちがやってくると、乙はその子たちに菫子のことを「高等部の若造先輩」と酷い命名をして紹介する。まぁ若作りなのは事実なんですけどね。これですっかり菫子は乙の友人たちに「若造先輩」として認知されてしまった。そして2人きりになると乙は「あなたなんて認めない!蓮兄に色目使わないで!この団地妻!」と菫子に悪態をついて走り去ってしまう。なんで「団地妻」なのか謎ですが、菫子の豊満な身体が団地妻っぽく見えたのでしょうね。どういう媒体で得た知識なのか知らないが、よほど「団地妻」のイメージが豊満でエッチそうな身体とむすびついて悪いイメージなのでしょうね。

そうして学院に潜入した菫子であったが、さすがに堂々と授業を受けるわけにもいかず、かといって授業中にウロウロしていると不審なので、放課後まで女子トイレに閉じ籠って隠れる羽目になってしまう。思い描いていた青春ドラマのような展開とあまりに違うので菫子はガッカリしますが、放課後になってようやく乙が迎えに来て、一緒に事件の手掛かりのありそうな場所に向かう。それは乙が「標識」を視認している場所であった。それはつまり、そこに「怪異」が出現していたという痕跡なのだが、怪異そのものはその場所にはもう残っておらず、ただ痕跡としての「標識」が立っているだけなのですが、その乙が指さす「標識」は菫子には見えないわけですから、乙は何も無い場所を指さしているような形になってしまう。何も無い場所を指さして「ここに何かがあったはず」と言う乙は、こんなことを言っても菫子はどうせ信じてくれないだろうと思う。

だが菫子は乙の言うことを信じて「その標識の立っている場所に怪異が現れていたということだね」と納得してくれる。どうして標識が見えないのに自分の言うことを信じてくれるのかと驚く乙であったが、菫子は乙が何も無い空間を指さしている指先が震えているのを見て、乙を怯えさせる何かがそこに存在しているのだと感じたのだという。しかし、それも乙が怖がる演技をしていると疑えば信じることは出来ないわけだから、菫子は乙が自分のことを嫌ってはいても、怪異に関わることでウソをつくような子ではないと信じてくれたということを意味していた。それで乙はちょっと嬉しくなって、ちょっと菫子を信頼するようになった。そして、標識が学院内に現れるようになったのは最近1ヶ月のことだと菫子に伝える。

そうしていると、2人は乙の級友たちに捕まってしまいいつの間にか「乙の恋人?」と噂となっていた「若造先輩」を囲んでのガールズトークをすることになる。なんか乙は級友たちの間で人気者みたいです。まぁ特に愛想が良いわけじゃないけど可愛いからなんでしょう。しかし可愛いといえば級友たちもみんなタイプはバラバラだが可愛い。声優陣も割と豪華だから準レギュラー化してくれるんじゃないかと期待してしまいます。

菫子はこの可愛い女子中学生たちに囲まれての女子会に「こういうことがしたかった」とご満悦で、女子たちは百合カップルの浮気話とか学内の恋愛ネタで盛り上がり、高校生の「若造先輩」ならばエロい経験も豊富だろうと思って、菫子にエロい体験談を話すよう求めてきます。菫子は暗い青春時代を送って28歳になっても男性経験ゼロの喪女なので残念ながらエロい体験談は無いのだが見栄を張って、さも男性経験豊富なフリをして、それを見て乙は面白そうにニヤニヤします。

しかし珠緒という乙の級友はもっと生々しいエロい話をしてほしいと強く迫ってきて、あまりの勢いに皆もちょっと引いてしまう。どうしてそんなに必死なのかと聞くと、珠緒曰く、この学校はあまりに刺激が足りないのだそうです。「イジメなんかも全く無くて平穏すぎて薄気味悪いぐらい」と珠緒が言うのを聞いて、菫子はそれは確かに不自然だと思う。これだけ大勢の女生徒が集まっていればイジメなんてあって当然というものです。

それで菫子が不自然だと指摘すると、麻里という子は「私は平和でいいと思います」と言うので、それを承けて菫子は「でも最近は不登校の生徒が増えてるんだろ?」と上手く水を向ける。菫子が乙や蓮から聞いてきた「コオネ女学院で最近起きている事件」というのは、この謎の不登校事件のことだったのです。最近、コオネ女学院で多くの生徒が突然奇妙な状況で不登校になる事件が頻発しており、それと乙が「標識」を学院内で発見するようになった時期が重なっているので、もしかしたらこの不登校事件に怪異が関係しているかもしれないというのが乙の推理だったのです。

ただ、現状ではその「不登校事件」と怪異との関連性は不明です。ならば、まずはその「不登校事件」について生徒たちの生の声を収集しようというのが菫子の思惑であり、その思惑で発された言葉に反応して珠緒が「ああ、よだれかけのことですか」と応じて、その通称「よだれかけ」と言われている「不登校事件」について語り出してくれた。

それは、最近コオネ女学院で頻発している「突然に生徒の身体が火のように熱く発熱して昏倒する不思議な現象」であり、その発症の最初に生徒は大量の涎を垂れ流すのだそうで、それで「よだれかけ」と呼ばれるようになったようです。これは伝染病の類ではなく、発症者に規則性は無く、治療しても効果も無いのだそうです。ただ、帰宅すると回復するのだそうで、だから普通の病気とはちょっと違うみたいです。しかも学校に来ると再発するのだそうで、それゆえ「よだれかけ」になった生徒は再発を恐れて学校に来なくなり不登校になってしまうのです。そんな事件が頻発しているのだ。

これはおそらく普通の病気ではない。考えられるとすれば学校に来ることで何らかのストレスを受けて発症する心身症のようなものであろうけど、もし怪異によるものだと考えるならば、当該生徒を不登校にさせるための呪いのようなものとも考えられる。ここで聞いた話だけではまだハッキリとしたことは分からない。ただ、「よだれかけ」になった生徒に規則性が無いので、もし「呪い」だとすれば「呪い」の動機が分からない。あるいは呪書の例のように何らかの条件が揃うと勝手に発動する呪いという可能性もある。

そんな感じで色々と想像を働かせた菫子であったが、乙の級友たちは「よだれかけ」の話などあんまり興味は無いみたいで、再びエロい話に話題を戻して、菫子に体験談を聞かせてほしいと迫って取り囲み腕を掴んで引っ張ってくる。すると、そこに「やめなさい!」と言って誰かが教室に入ってきた。それは「畦目真奈美」という中等部の若い女教師でした。畦目先生はなんかいきなり入ってくるなり転んでパンツが見えたりしていて、ドジな泣き虫先生って感じですが、どうやら乙の級友たちが集団で菫子を囲んで虐めているように誤解したらしく「イジメはダメよ!」と叱ってくる。

級友たちは慌ててイジメではなくてはジャレ合っていただけだと弁明しますが、畦目先生は聞く耳を持ってくれず、級友たちには今日はもう帰宅するようにと言い渡す。そして菫子に対しては話があるから一緒に来るようにと言う。実は畦目先生とは菫子は朝に登校してきた時に一度会っており、菫子の顔に見覚えが無かったのか怪しんで名前を聞いてきた畦目先生に対して乙が「高等部の若造先輩です」と誤魔化していたのだが、こうして1人だけ話があると言われて、菫子はこの学院の生徒ではないことがバレたのではないかと焦った。

しかし2人で屋上に行くと、畦目先生は真剣な表情で「イジメられてるかどうか正直に教えてほしい」と質問してくる。どうやら畦目先生は菫子のことを「高等部の若造」という生徒だと信じ込んでおり、その上で本気で中等部の生徒にイジメられているんじゃないかと心配してくれているようだった。正体がバレているわけじゃなかったと知って安堵する菫子であったが、同時にそんなに自分が本気で中等部の若い子たちに馴染めていないように見えていたのかと思うと情なくもなった。

それで菫子はちょっと凹みながらも、畦目先生にちゃんと事情を説明した。といっても自分が学院の生徒に化けた部外者だという事情を話したわけではなく、あくまで女子会でジャレ合っていただけであってイジメなどではないということを説明したのでした。それを聞いて畦目先生は自分の早とちりであったと赤面して菫子に誤解していたことを謝ってきた。そうした畦目先生の様子を見て、菫子は「生徒想いの良い先生なのだな」と思った。この学院にはイジメも全く無いという話だったが、そんな状況でもイジメが起こっていないか気を配ってくれているこういう先生がいるからこの学院にはイジメが無いのだとも思えた。

そうして菫子が第一印象はドジっ子っぽいと思った畦目先生のことをちょっと見直していると、畦目先生は菫子に「夢や目標はある?」と質問してくる。それに対して菫子は「私、昔から小説家になりたかったから、だから夢はムチャクチャ面白い小説を書くことですかね」と正直な夢を語る。すると畦目先生はちゃんと夢があって素敵だと言って感激して褒めてくれる。菫子も自分の夢を他人に語って褒めてもらったことなどずいぶん久しぶりだったので嬉しくなり思わず口元が綻びます。

そんな菫子に畦目先生は笑顔で「生徒の夢を応援することが私の夢なの」と言うと「いつか先生にも読ませてね」と言ってくれる。そうやって菫子の背を押してくれているのです。もちろん畦目先生は菫子の本当の恩師ではなく、あくまで若造という架空の生徒の背を押してくれただけなのだが、菫子は本当に夢を語り、それに対して畦目先生は本気で背を押してくれた。だから、いつか自分の書いた小説が畦目先生に読まれるようなことがあれば嬉しいと思い、菫子は畦目先生と別れると放課後の校舎の廊下を爽やかな気持ちで軽やかに歩く。

ところが、そこに帰宅するように言われていたはずの珠緒と麻里が現れて、エロい体験談の続きを聞かせてほしいとしつこく食い下がってきて菫子の腕を両側から掴んで引っ張ってくる。菫子は女子中学生のエロへの好奇心の強さに驚き呆れるが、そこに続いて乙と級友たち全員が現れた瞬間、菫子の腕を両側から掴んでいた珠緒と麻里が突然に大量の涎を口から垂れ流して昏倒したので菫子も乙たちも仰天して呆然とする。まさに「よだれかけ」の発症の瞬間だったのですが、菫子はもちろん、乙も級友たちも「よだれかけ」発症の瞬間を初めて見たのです。

そうして一瞬呆然とした後、級友たちは悲鳴を上げ、それでハッと平静に戻った菫子は乙や級友たちに先生や救急に連絡するようにと指示し、自らは珠緒と麻里の様子を診ようとする。ところが乙だけ1人呆然と立ったままなのでどうしたのかと思って乙の方を見ると、乙は震えた指先で何も無い目の前の空間を指さしたまま固まっている。それを見て、さっき乙が「標識」のある場所を指さした時と同じように震えているのだと気付いた菫子は、今まさに乙が目の前に出現した「標識」を指さしているのだということに気付いた。

乙の視界で捉えられた世界では、確かにそこには2本の「標識」が立っていた。その標識は珠緒と麻里の倒れた場所のすぐそばに立っており、しかもその2本の標識はついさっきまで立っていなかった。つまり、珠緒と麻里が「よだれかけ」を発症して倒れたのと「標識」が現れたのは同時であった。それは言い換えると、「怪異」が現れた瞬間に珠緒と麻里が「よだれかけ」になったということを意味する。これで「よだれかけ」は「怪異」の仕業だということがハッキリしたことになったのです。

そして、そうして呆然と佇む菫子と乙を物陰から見つめる人影があった。いや、正確には「よだれかけ」で倒れた珠緒と麻里の無惨な姿を確認している人影であり、おそらくはこの「怪異」に関わっている者であろう。その人影はなんと畦目先生であった。しかも畦目先生の様子はどうも尋常ではなく、四つん這いになって「石は流れ、木の葉は沈み、馬は吠え、牛はいななく」と謎の言葉を発しながら廊下の床面に落ちた涎のような液体を自分の舌で舐めている。そして立ち上がると「言ったでしょ?イジメはダメだって」と冷酷な表情で呟く。

ここで今回の話は終わり次回に続くのですが、この様子を見る限り、おそらく「よだれかけ」の「怪異」を起こしたのには畦目先生が関わっている。その方法は全く謎ですが、動機は何となく分かる。おそらく畦目先生は菫子が廊下で珠緒と麻里に腕を掴まれるのを見て、やはり珠緒と麻里が菫子をイジメていたのだと思ったのでしょう。そして「よだれかけ」の怪異で制裁を与えた。いや、これまでの「よだれかけ」が畦目先生の仕業だったとするなら、それは単なる制裁以上の意味合いがあるのでしょう。そうやってイジメをやる生徒を見つけては「よだれかけ」で不登校に追い込み、その結果イジメをするような生徒は学校に来なくなり、そうしてコオネ女学院は「イジメが全く無い学校」になったのです。

それがおそらく畦目先生の目指す「理想のコオネ女学院」なのでしょう。どうして畦目先生がそういう極端な信条の持ち主であると思うのかというと、先生が呟いていた謎の言葉「石は流れ、木の葉は沈み、馬は吠え、牛はいななく」にそのヒントがある。石というものは川に落ちたら沈むものであり、木の葉は川に落ちたら流れるものです。だから、その逆に石が流れて木の葉が沈むというのは「本来間違っていることが起きている」ということを意味する諺なのです。馬が吠え、牛がいななくというのも、本来は馬は吠えたりしないし、牛はヒヒーンといなないたりしないですから、これも同様に「本来間違ったことが起きている」という意味の諺です。これらの諺は通常は「間違ったことがまかり通っているのはけしからん」という怒りや皮肉などの意味で使われるものであり、ここでも畦目先生は「間違ったことがまかり通るのは許さない」という強い意志を示していると考えられる。その「間違ったこと」とは、その後に「言ったでしょ?イジメはダメだって」と冷酷な表情で呟いているところを見ると「イジメ」を指すのは明白です。つまり畦目先生の「怪異」の原動力になっているのは「イジメを許さないという激しい怒り」ということになるのでしょう。その背景に何があるのか、次回明らかになるのだと思われます。

 

 

出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした

第3話を観ました。

今回はアレンとノエルがノエルの師匠を殺した魔物と遭遇して、ノエルは自分の作った剣でその魔物を殺すようアレンに頼むが、魔物は強力な防御結界を張っていてその剣では傷をつけることも出来ないとアレンに指摘されてしまい、ノエルは剣を作り直します。アレンはその魔物は誰かに操られて此処に来ているのではないかと思いリーズに話をすると、どうやら悪魔が王国の貴族と組んで要人の暗殺をしているらしいことが分かり、リーズはそれを調べに来ているらしい。

それで新たに出来上がった剣を持ってノエルは魔物を殺しに行くが、ノエルを殺そうとしていた悪魔がその魔物を操っており、ノエルの前に姿を現し、ノエルの師匠を殺したのもその悪魔の仕業と分かり、ノエルは悪魔に仲間になるよう誘われるが拒絶し殺されそうになる。だがそこにアレンが現れて、悪魔はアレンの居ない間に魔術で従属させていたアマゾネスのミレーヌにリーズを暗殺させようとするが、それを見破っていたアレンの作戦で暗殺は失敗してミレーヌは捕らわれる。

そしてアレンはノエルの件で魔物を一撃で倒して、恐れおののいた悪魔は撤退していく。そうしてノエルを背負ってリーズのところに戻ったアレンはミレーヌの従属の魔術を解除し、ノエルが身内のいないミレーヌを引き取ることになった。そしてアレンは逃げた悪魔に遠隔で攻撃を加えて捕えて秘密を吐かせようとするが、一足遅くもっと上級の悪魔が悪魔を口封じで殺してしまう。その上級悪魔がアレンの父や弟と組んで悪巧みしており、悪魔がリーズとノエルを引き続き狙い、一方でアレンの弟が勇者アキラと大司教を狙うらしいというところで今回は終わり次回に続きます。いや、今回はバトルシーンの作画が紙芝居でヤバかったです。