2023秋アニメ 12月31日視聴分(+最終評価) | アニメ視聴日記

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日々視聴しているアニメについてあれこれ

2023年秋アニメのうち、12月30日深夜に録画して12月31日に視聴した作品は以下の1タイトルでした。

なお「薬屋のひとりごと」の第13話は今週は年末なので放送休止で年明けの1月6日深夜に放送します。また「豚のレバーは加熱しろ」の最終話である第12話は放送延期で、放送日時は未定です。

 

 

ひきこまり吸血姫の悶々

最終話、第12話を観ました。

今回はコマリの血を呑んだネリアが烈核解放してムチャクチャ強くなって敵を倒してガードレードをぶん殴って、ガードレードは実は兄に虐待されていてネリアを守りたくてネリアを裏切っていたらしい。その後、ネリアがコマリに血を呑ませてコマリが烈核解放して、ミリセントも参戦してゲラ・アルカを追い詰めて、コマリとネリアがレインズワースを倒す。レインズワースは実は平和主義を唱えるアルカ王によって他国に売り渡された国の出身で復讐するために強くなったのだそうでネリアのことが好きだったみたいですが殺されます。そしてコマリとネリアはゲラ・アルカを滅ぼして六国大戦は終結します。逆さ月の本当の目的なゲラ・アルカを滅ぼすことだったそうです。ネリアは父親と再会し、最後はコマリはヴィルとサクナとネリアの百合ハーレムに困り果てて引きこもりたいとか言ってエンドとなります。2期の告知は特には無かったです。

 

 

 

さて、これで2023年秋アニメの視聴対象作品の全ての作品のほぼ全話の視聴が終わりました。

そこで視聴対象としていた全36作品の個人的な最終的順位とランク分けを以下に示したいと思います。あくまで自分の目で視て、自分の感性でガチで面白いと思った作品の順番で順位をつけているだけです。だから、全く人気の無い作品や長期シリーズで新規視聴者お断りみたいな作品が超人気作よりも上の順位になったりしていますが、そういう世間の人気無視のガチのランキングなのでご了承ください。

なお「薬屋のひとりごと」「葬送のフリーレン」はまだ全話終了していませんが連続2クール作品なので今期の評価対象である前半クール分は既に放送済みですので、そこまでの評価としています。また「豚のレバーは加熱しろ」の最終話である第12話はまだ放送していませんが、放送日時が未定なので第11話までで一旦終了したと見なして暫定的に評価します。この3作品に関しては今期としては「最終話まで視聴した」という扱いとします。

 

◆SSランク(別格の作品)

Dr.STONE NEW WORLD 第2クール

進撃の巨人 The Final Season 完結編 後編

 

◆Sランク(大満足した作品)

1位 16bitセンセーション ANOTHER LAYER

2位 ティアムーン帝国物語 ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~

3位 ミギとダリ

4位 星屑テレパス

5位 オーバーテイク!

6位 カノジョも彼女 Season2

7位 SHY

8位 君のことが大大大大大好きな100人の彼女

9位 Helck

 

◆A+ランク(満足できた作品)

10位 柚木さんちの四兄弟。

11位 薬屋のひとりごと

12位 葬送のフリーレン

13位 アイドルマスター ミリオンライブ!

14位 SPY×FAMILY Season2

15位 経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。

16位 聖剣学院の魔剣使い

 

◆A-ランク(普通に観れた作品)

17位 ブルバスター

18位 MFゴースト

19位 ひきこまり吸血姫の悶々

20位 僕らの雨いろプロトコル
21位 豚のレバーは加熱しろ

22位 ウマ娘プリティダービー Season3

 

◆Bランク(退屈だった作品)

23位 鴨乃橋ロンの禁断推理 <6話まで視聴>

24位 暴食のベルセルク <5話まで視聴>

25位 私の推しは悪役令嬢。 <5話まで視聴>

26位 新しい上司はど天然 <4話まで視聴>

27位 でこぼこ魔女の親子事情 <5話まで視聴>

28位 冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた <4話まで視聴>

 

◆Cランク(苦痛だった作品)

29位 川越ボーイズ・シング <5話まで視聴>

30位 婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む <4話まで視聴>

31位 ポーション頼みで生き延びます! <3話まで視聴>

32位 帰還者の魔法は特別です <3話まで視聴>

33位 攻略うぉんてっど! ~異世界救います!?~ <3話まで視聴>

34位 はめつのおうこく <6話まで視聴>

 

 

簡単に総評しますと、まず視聴対象作品の36作品のうち最終話まで視聴した作品が24作品というのは通常クールよりも多めです。ただ、その中には1話限り放送の「進撃の巨人 完結編」が含まれているので実質的には23作品なのですが、それでもやはり通常クールよりは多かった。まぁ視聴対象作品も多めだったので最終話まで視聴した作品もそのぶん増えるのは当たり前ともいえるが、やはりレベルの高いクールであったと思う。

視聴を切った作品は全て、視聴を切ると決めた次のエピソードは観るようにしており、そこで心変わりしたら視聴復活させることにしているのですが、「僕らの雨いろプロトコル」は3話で視聴を切った後、4話から9話を見返した結果10話で視聴復活しました。また「豚のレバーは加熱しろ」は7話で視聴を切ろうと決めたが8話を見て視聴復活させました。

そういうものも含めての最終話まで視聴した24作品のうち、SSランクが2作品、Sランクが9作品、A+ランクが7作品、A-ランクが6作品となっており、A+ランク以上は18作品ですが、そのうちSSランク2作品のうち1作品は「進撃の巨人 完結編」なので1クールアニメではなく、1クールアニメに限定すればA+ランク以上が17作品ということになる。これでもかなり多めであり、今期は大豊作クールと言っていいでしょう。

最近で一番の大豊作クールといえば2023年春クールであり、あの時もA+ランク以上は17作品あり、内訳はSSランク1作品、Sランク10作品、A+ランク6作品だった。あの時と比較すると今期はSランクは1作品少なくて、A+ランクが1作品多いので、僅かに2023年春クールの方が上だったように思う。ただ「進撃の巨人 完結編」も計算に入れるなら今期の方が上かもしれない。そもそも2023年春クールのA+ランク作品の中にも「かぐや様クリスマス編」も入っているわけであるし、そうなると今期も「進撃の巨人 完結編」を入れなければフェアな比較にならない。またA-ランクの作品数も今期の方が多いし質も高い。そうなると量的には今期が近年では最も大豊作クールといえるかもしれない。

ただ、豊作の指標として最重要なのは、やはりSランクの1クールアニメの量と質だと思うので、その点では「BIRDIE WING」「Dr.STONE」「ゴールデンカムイ」「神無き世界のカミサマ活動」「僕の心のヤバイやつ」「君は放課後インソムニア」「推しの子」「スキップとローファー」「アイドルマスターU149」「トニカクカワイイ」が揃っていた2023年春クールの方がSランクの充実度では勝っているようにも思える。今期のSランクもかなり強いけど、やや2023年春クールの方が質も量も強いように思えます。まぁ結論としては、今期はかなりの大豊作クールであったが、惜しくも2023年春クールには及ばなかったといえる。

 

ただ、そのように今期のSランクが強いとはいっても、世間的な意味で「今期は大豊作」という文脈でよく名前の挙がる「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」「SPY×FAMILY」「呪術廻戦」の4作品は、私のランキングにおけるそのSランクの中には含まれていません。このあたり、世間的な評価と私の評価に常にズレが生じる理由についてちょっと考えたいと思います。

それは結局のところ「趣味嗜好の違い」によるものということになります。ただ「趣味嗜好」といっても「どんなタイプの作品が好きか嫌いか」みたいな話ではない。いや「呪術廻戦」に関してだけはそういう意味合いが当てはまるのかもしれません。私はああいう「驚かせたら勝ち」みたいな中身が無くて安直な作りの作品は下品だと思うので、観続けることが出来ない。だから「呪術廻戦」は途中で視聴を切っている。1期はそれでも最後までは耐えられたんですが2期は無理でしたね。しかし「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」「SPY×FAMILY」の3作品に関しては最後まで視聴しましたしA+ランクに評価しているから、私はこれら3作品は高評価しているつもりです。だから「趣味嗜好の違い」というのは別に作品の内容がどうのこうのという話ではないのです。

それは私のアニメ鑑賞スタイルが「面白い作品を見つけること」を目的としているものであるのが、世間一般のアニメ鑑賞スタイルとズレているという話なのです。私の場合は面白い作品を見つけるためにアニメを見ており、ぶっちゃけて言えば、こうして誰に頼まれたわけでもないのにランキングをつけたりしているのも、面白い作品を見つけるための1つの有効な手段としてやっているだけなのです。またいつも長々とレビューを書いたりしてるのも、それぞれの作品の面白さを見出すために必要な作業としてやっているといえます。

普通のアニメファンは「アニメを見て楽しむこと」を目的としていますから、例えば今期では前評判の高い「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」「SPY×FAMILY」「呪術廻戦」に絞って視聴し始めて、これらが全て楽しければもうそれで満足出来ます。それ以外に面白い作品など探す理由は無いのです。今期は前評判の高かった「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」は前評判通りの出来であるし、「SPY×FAMILY」もまぁまぁ良い出来です。「呪術廻戦」だって私の好みではないけど、ああいうのが好みの人から見れば十分に良い出来だと思います。だから今期は最初からこの4作品に絞って視聴し始めて、そのまま満足している人が一番多いのだと思います。そういう人が多数派なのですから「今期はこの4作品が最も優れている」という意見が多数派になるのは当たり前です。

しかし、そういう多数派の人達はそれ以外の作品を観ていない。だから他の作品がその4作品よりも面白いのか面白くないのかは実は知らない。それが普通のアニメ視聴者なのです。しかし私の場合はその4作品で満足せずに「もっと面白い作品があるんじゃないか?」というスタンスなので、その4作品よりも面白い作品を見つけてしまう。だいたいそういうのがいつもSランク作品になってるんですよね。だいたい世間一般で「覇権」とか言われてる作品は私の場合はA+ランクあたりであるパターンが多く、それを超える面白さの作品を見つけてSランクにするパターンが多い。そういう作品は「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」「SPY×FAMILY」「呪術廻戦」で今期のアニメに満足している人達はそもそも見ていないのだから知らないのです。

「いや他の作品だって観てる」という反論はあるかもしれません。実際、アニメ評論家みたいな活動をしてる人達は30作品とか40作品とか観てる。その上でそういう人達の多くは「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」「SPY×FAMILY」「呪術廻戦」が今期の覇権だと言っている。しかし、そういう人たちの多くは他の作品をちゃんと見ていないと私は思います。

私の日頃のレビューを見ていただければ分かると思いますが、例えば「葬送のフリーレン」のレビューの文字数と「Dr.STONE」のレビューの文字数では後者の方が圧倒的に多いです。その他Sランク作品のレビューの文字数はだいたいA+ランク以下の作品のレビューに比べて遥かに多い。これは別にSランク作品を贔屓してるわけではない。そもそも私だって出来るだけ簡潔にまとめて楽したいと思っているので、ワザと長くしているわけがない。あれは自然に長くなってしまっているのであり、言い換えればSランク作品の面白さを説明するためには大変な手間を要するのです。それは作品の面白さを真に理解するのに要する労力に比例すると考えてもらっていい。簡単に言えば、Sランク作品の面白さを真に理解するためには「葬送のフリーレン」のような作品の何倍も時間と労力を要するのです。言い換えると、そういう面倒な作品を私は「面白い」と感じてSランクにしてしまうのです。面倒で手間がかかるからこそ、その面白さはより深みのあるものになると考える。

ただ、そうは考えない人だっている。シンプルで分かりやすい面白さこそが至高だという考え方もある。そういう人から見れば「葬送のフリーレン」の方が「Dr.STONE」よりも優れた作品ということになる。そうなると結局は趣味嗜好の問題ということになるのかもしれない。ただ「Dr.STONE」の面白さも「葬送のフリーレン」の面白さも両方知っている立場で言わせてもらうと、「葬送のフリーレン」を理解するのに要する時間の倍以上の時間と労力を払って「Dr.STONE」を理解した上での比較でなければフェアではないと思う。それは一見すると不平等なことを言っているように見えるかもしれないが、作品のタイプによって理解するのに要する労力に差があるのは仕方ないことなのです。それなのに費やす労力を均一にするのは、むしろ不公平な結果を生むことになるのです。

だが、これは大きな矛盾なのだが、鑑賞する作品数が増えれば増えるほど、物理的に1つ1つの作品に割く時間と労力は少なくなっていく。つまり「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」「SPY×FAMILY」「呪術廻戦」だけでなく、ちゃんと他の作品もたくさん見てる人というのは、どうしても「Dr.STONE」のような私がSランク以上に評価しているようなタイプの作品の真の面白さを理解するのに十分な時間や労力をそれらの作品に対して費やすことは出来ていないのです。私は1クール終了するまで30作品以上も律儀に観てるような「アニメ評論家」を自称する人たちが「Dr.STONE」という作品をちゃんと理解出来ていたとは到底思えないのです。とにかく今は1クールのアニメの作品数が多すぎて、理解するのに手間のかかる作品は昔に比べて不遇になる傾向がある。手軽に理解出来る作品の方が歓迎されやすいのです。もちろん難しい作品が全て面白いわけではなく、難しくてつまらない作品も結構ありますし、手軽に理解出来て面白い作品も素晴らしい。ただ私は難解で面白い作品が特に好きで、これはやはり趣味嗜好の問題といえますが。

まぁ「Dr.STONE」は有名作だから「よく分からんけど高評価しておこう」となるんでしょうけど、1クールに30作品や40作品を最後まで見るような人たちは「ティアムーン帝国物語」や「16bitセンセーション」をちゃんと時間を割いて理解しようとなどしないでしょう。そんな時間的余裕があるわけがない。安易に「よくある転生モノ」「懐古アニメ」とレッテルを貼って隅っこに置いておき、そんなよく分からない作品なんかに時間を割くぐらいなら「葬送のフリーレン」や「薬屋のひとりごと」を褒めておいた方が世間ウケが良い。かといって作品数を絞って観るタイプの人はなかなかそういうマイナーな作品は見ないのでそもそも評価対象に入らない。そういうのが普通なのです。別に私はそういうのを非難する気は無い。そっちの方が普通だと思うし、別に私は「Dr.STONE」や「ティアムーン帝国物語」の関係者じゃないからそういう扱いが不当だとか言うつもりはない。

ただ私はそういう「たくさんの作品を観てる」ということで公平な評論をしているという考え方ではなく、「作品によって理解に要する手間に差があるのは当然だ」という考え方を基にして、難解作品を理解するのに必要な時間を確保しないのはむしろ不公平にあたると考えており、だから1クールの前半で「個人的にどう見ても面白いと思えそうにない」と思える作品は積極的に切り捨てていって、難解作品を考察するために必要な時間を物理的に確保するように心がけている。そういう姿勢で私はSランク作品を見出していっているのであり、やっていることの手順が根本的に違うのだから世間と結果に大きなズレが出るのは当然なのです。

世間の普通の人は、前評判の良い作品が面白ければそこで満足してしまい、それ以外に面白い作品を探そうとはしない。他の作品も観たとしても、それはあくまで「ついで」なのでありメイン作品よりも大きな労力を割いて理解しようとなどしない。ならば、もし前評判の良い作品がフタを開けたらつまらなかった場合はどうなのかというと、「つまらない」と判明するのはだいたい3話ぐらい観た段階だから、大抵の人はそこから他の作品を1話から見返して追いつこうなどという面倒なことはせず「今期は不作だった」と文句を言って過去アニメでも観る生活に切り替えていく。まぁこういう感じで、普通は私がSランクに評価しているようなタイプの作品は世間では高い評価など受けないものなのです。

 

まぁそういうスタンスで作っているランキングですから、その目的は作品を絞り込んで自分がより面白いと思える作品を見出していくことを目的として、その副産物として最後にランキングが残るような感じといえます。だから最初から自分が興味が無かったり前作を見ていない作品は除外しているし、途中でも自分が楽しめそうにない作品は世間の評価は関係なく切っていきます。そういう作品の中には普通に世間的には名作といわれる作品もあります。だから客観的なランキングとしては成立はしていないのですが、それでもそうした犠牲を払った上で、上位作品は世間的評価とは無関係に間違いなく面白い作品を見つけることが出来ているという自信はあります。

そういうランキングの今期の推移を大まかに振り返っていきますと、1クール通して面白さを維持した作品が多く、そこに更にクール後半に盛り上がってきた多数の作品が上位に加わって、その結果として上位陣が非常に充実したクールであったといえます。クール後半に盛り上がった作品の中でも、最初からしっかり面白くて後半になって更に面白くなったブーストタイプのものもあれば、最初はイマイチに見えたが後半になって面白くなってきたスロースタートタイプのものもあり、バラエティに富んでいた。その結果、全てのランクで順位変動の動きの激しいクールとなりました。ただ、そうした変動の中で順位を下げた作品も、ガッカリするほど面白くなくなった作品というのはあまり無く、全体的に良い作品が多いクールという印象でした。

クール序盤は、前評判の高かった「葬送のフリーレン」が初回4話分放送してスタートダッシュを決めたが、その後は落ち着いて序盤の終わる頃にはSランク下位に常駐するようになっていた。同じく前評判の高かった「薬屋のひとりごと」は放送開始が遅くて序盤終了直前に一挙3話放送でスタートしたが、まだ本筋が始まらない印象で、これもSランク下位でのスタートとなった。

あと期待の高い作品としては「SPY×FAMILY」と「ウマ娘プリティダービー」はそれぞれSランク上位で好調なスタートを切ったが、序盤の段階で調子を落としてしまいA+ランクに落ちてしまった。

こうした動きの中で序盤が終わる頃までにSランク内で確固たる立ち位置を確保していったのが「Dr.STONE」「ティアムーン帝国物語」「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」「オーバーテイク!」「カノジョも彼女」「16bitセンセーション」の6作品でした。加えて「柚木さんちの四兄弟」がSランクの最下位のボーダーラインあたりに常駐するようになっていた。

「SHY」「MFゴースト」「聖剣学院の魔剣使い」は序盤に瞬間的にSランクに入ることもあったが、序盤終了時点ではA+ランクが定位置となっていた。その他にA+ランクには「Helck」「星屑テレパス」が常駐しており、そこにSランクから落ちてきた「ウマ娘プリティダービー」「SPY×FAMILY」が加わった。序盤の一時期はA+ランク常連だった「ミギとダリ」は序盤終了時点ではA-ランクに落ちていた。

そのような形で序盤を終えてクール中盤に入ると、まず特番枠の「進撃の巨人完結編」が圧倒的完成度で今期の実質的ナンバーワンとなり尺の短さの補正の関係で取り扱いで混乱はあったが最終的にはSSランク扱いにすることになった。また上位作品の中で別次元に面白い「Dr.STONE」も折り返しの頃にはSSランクに昇格することが決定した。この2作品が今期においては完全に別格扱いとなり、中盤以後はその2作品以外の作品で順位争いをしていくことになった。

そうした中、クール中盤に入ると「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」があまり物語が動かないのでSランクからA+ランク上位に落ちて、代わりに「Helck」が物語が大きく動いてA+ランクからSランクに上がってきた。また、イマイチなエピソードを重ねていた「SPY×FAMILY」と、展開がマンネリになった「MFゴースト」はA+ランクからA-ランクに落ちて、代わりに物語が大きく動き出した「ミギとダリ」がA-ランクからA+ランクに上がってきた。

そうして折り返しも過ぎてクール中盤が終わる頃には「ミギとダリ」は一気にSランクに上がってきて、「Helck」「柚木さんちの四兄弟」と共にSランク下位グループを形成するようになった。またSランク内ではクール中盤が終わる頃には「オーバーテイク!」「ティアムーン帝国物語」「16bitセンセーション」がSランク上位の三強体制を作るようになり、ずっと安定枠の「カノジョも彼女」と、中盤やや勢いの落ちた「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」はSランク中堅グループを形成するようになりました。

一方でクール折り返しを過ぎるとA+ランクでは「星屑テレパス」がかなり盛り上がってきてSランクを窺うようになり、「経験済みなキミと経験ゼロなオレがお付き合いする話」がA-ランクから昇格してきた。また「SPY×FAMILY」も豪華客船編が盛り上がってクール前半の負債を返済した形でA+ランクにカムバックしてきた。その一方で「ウマ娘プリティダービー」は低調でA-ランクに落ちていきました。

そしてクール終盤に入ると更に全体的に順位変動が激しくなっていき、A-ランクでは「ブルバスター」が急に盛り上がって来て順位を上げてA+ランクまで食い込んだが最終的にはA-ランク最上位でフィニッシュしたり、視聴を切っていた「僕らの雨いろプロトコル」が変に盛り上がって視聴復活してA-ランクに食い込んできたりした。また、A-ランク最上位あたりをキープしていた「アイドルマスター ミリオンライブ!」が大躍進してA+ランク上位を窺うようになったりした。

そうした中、クール終盤のSランクでは序盤からずっと安定してハイレベルな「16bitセンセーション」「ティアムーン帝国物語」の2作品が頭一つ抜けた形となっていき、その下では最終章に入って異常に盛り上がった「SHY」が一気にSランクに入ってきて、更に「星屑テレパス」もSランクに上がり、「オーバーテイク!」「ミギとダリ」「カノジョも彼女」「Helck」と共に6作品で大混戦状態となりました。

そうしたSランクからは「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」「柚木さんちの四兄弟」の2作品はクール終盤に一旦A+ランクに落ちたが、最終盤に大きく盛り上がった「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」はSランクに返り咲き、良質なエピソードではあったがイマイチ盛り上がらなかった「柚木さんちの四兄弟」はA+ランク最上位でフィニッシュした。「薬屋のひとりごと」と「葬送のフリーレン」は結局ずっとA+ランク上位に留まって今期分を終えて来期分に話を繋げ、「SPY×FAMILY」も豪華客船編の後はあまり盛り上がらず無難に終わりA+ランク下位でフィニッシュした。「ウマ娘プリティダービー」はA-ランクに沈んだままフィニッシュとなりました。

そして最終盤のSランクでは、「Helck」が盛り上がりはしたものの中途半端なところで終わったのでSランク最下位の9位となり、Sランク8位に返り咲いた「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」よりも下位となった。一方で「Helck」同様に2期の導入で終わった「SHY」は終盤の盛り上がりがトップクラスであったことやキリ良く終わったというのもあり「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」よりは上位の7位となった。また1クール通してハイレベルな面白さをキープし続けた「カノジョも彼女」は綺麗に2期を終えたが、非常にハイレベルな今期の強力な上位5作品に食い込むほどの爆発力は欠いていたので6位でのフィニッシュとなった。

Sランク上位5作品の最終盤での推移は、まずしっかりエッジの効いたストーリーを1クールかけて綺麗にまとめ上げた「オーバーテイク!」は確かに「カノジョも彼女」以下の下位作品とは隔絶したものがありましたが、クール後半の怒涛の盛り上げでストーリー面もテーマ的な部分でも「オーバーテイク!」と互角なところまで持ってきてフィニッシュした「星屑テレパス」はキャラの魅力の面で「オーバーテイク!」の上をいった。だが「ミギとダリ」は「星屑テレパス」以上のクール後半の怒涛の盛り上げとトリッキーなストーリーの凄みでこの「オーバーテイク!」と「星屑テレパス」を凌駕してフィニッシュした。だが、そんな「ミギとダリ」でも1クール通しての物語の密度の濃さでは「16bitセンセーション」「ティアムーン帝国物語」の2作品には及ぶべくもなく、「ティアムーン帝国物語」が完璧で濃密な最終話を終えた後は、あまりにも未知数な「16bitセンセーション」の最終話の成否を待つだけという状況となったが、予想以上に綺麗に着地して終わったので「16bitセンセーション」が1位、「ティアムーン帝国物語」が2位、「ミギとダリ」が3位、「星屑テレパス」が4位、「オーバーテイク!」が5位となりました。

 

 

続いて各ランク別に各作品の総評を簡単にしていきます。まずSSランクは「Dr.STONE NEW WORLD 第2クール」と「進撃の巨人 The Final Season 完結編 後編」の2作品となっています。通常はSSランクは常設はされておらず、特に別格の作品がある場合のみSランクから昇格させて別枠として扱うのですが、今期はそれが2作品あるということになる。ただ「進撃の巨人」の場合は1話限りの特番枠なので実質的に1クール作品としてのSSランクは「Dr.STONE」だけです。

この2作品は原作漫画からして金字塔的な超大作で、そもそも物語の持つ力が今期の他の作品とは完全に別格で、しかも両作品ともその物語の中でもかなり盛り上がる部分のアニメ化なのでこういう扱いになるのは当然と言うしかない。特に「Dr.STONE」がSSランクになるのは最初から予想出来ていた。ただ「進撃の巨人」に関しては尺的には4話分ぐらいで話数補正でランクは下げる予定だったのでSSランクは無いだろうと思っていたのだが、それでも改めてこの最終エピソードをアニメで見てみるとあまりにも圧倒的でこれまでの歴代SSランク作品と同列に扱うのは不適切と判断して結局は実質は異例のSSSランク扱いにした上で2ランク弱を下げてSSランクの最下位あたりの評価としました。

 

まず「Dr.STONE NEW WORLD 第2クール」は「Dr.STONE」のアニメシリーズの第3期にあたり、その第3期が分割2クール作品だったので、今年春クールに放送された第1クールの続きの話の第2クールの話が描かれています。春の第1クールもトンデモなく面白かったのですが、春には同じぐらい面白かった「ヴィンランド・サガ」と「BIRDIE WING」があって、この2作品がしっかり話を締めて終わったのに比べて第1クールが話の途中で終わったので下位にしていました。だがこの第2クールが綺麗に話を締めて終わって第4期に繋がったのでトータルとしての第3期はこれら2作品よりも上位となります。それはやはり第2クールが第1クールを更に超えて面白かったからであり、まさに科学王国と宝島の石化王国の大決戦が描かれた物語となり、同じくSSランクの「進撃の巨人完結編」が今期は特番枠であくまで例外的扱いなので、この作品が今期のナンバーワン作品と言っていいでしょう。内容としては第1クール最終話のプラチナ獲得の感動展開を承けて、さすがにあの感動展開の後は少し溜めるかと思ったらいきなり今期1話目から海中の石像引き上げ作戦で怒涛のクラフトワーク開始と檄アツ展開が描かれてロケットスタートを切った。そして2話目でコハクと銀狼の犠牲と引き換えにメデューサの重大情報を得るという神回が描かれて、もうこの段階で他にどんな良い作品があろうともこの作品の独走はほぼ決定的となった。ただSSランク昇格はあくまで慎重に様子見は続けたが、3話目で敵の最強戦士モズと頭脳戦の末に裏切りの密約を結び4話目で決戦の準備でドローン製作などのクラフトワークが面白過ぎて決戦開始前にもう十分だろうと判断してSSランクに上げた。その後、6話目で決戦が始まって以降は面白さが更に加速していき、敵味方の様々な陣営の思惑が入り乱れて状況が二転三転する大混戦状態となり、7話目で追い詰められた千空たちが禁断の最強戦士の氷月を復活させ、モズと氷月の戦いが始まり、8話目で武術の研鑽と継承が科学の精神と通ずることでかつて敵同士だった千空と氷月の心が繋がり、凡人の地道な継承が天才を凌駕する展開は感動的でした。そして8話目でイバラによって全島石化が仕掛けられて回避不可能な状況を科学王国の総力を結集して突破するのが描かれた9話目で物語は最高潮に達して、メデューサを使っての奇策の応酬の末に千空がイバラを石化して勝利を掴み取り9話目で一旦一区切りとなり10話目と11話目はエピローグと4期への導入となった。だがこの部分も感動展開とワクワク展開の畳みかけとなり、全く勢いは衰えることはなく物語は4期へ続いた。

 

「進撃の巨人 The Final Season 完結編 後編」は「進撃の巨人」のアニメシリーズの最終章の完結編を前後編に分けたもののうちの後編にあたり、本当に最後の最後の最終話ということになります。完結編の前編は今年の3月にこの後編と同じように1話限りの特番枠でテレビ放送され、前編は尺的には約3話分に相当し、今回の後編の約4話分と合わせて完結編は全部で約7話分ぐらいの尺になっています。前編は今年の冬アニメとして扱っており、実質SSランクで話数補正で2ランク下げてA+ランク最上位にしたが、この後編は前編を遥かに上回る濃密な内容で実質がSSSランクで話数補正をかけてSSランク下位という評価になっています。この後編はさすがに大河巨編の最終話だけあって内容的には今期の「Dr.STONE」全話分のストーリーさえも超えて今期一番の作品だといえますが、4話分しか無いのでこの後編だけならば順位的には「Dr.STONE」より下位として扱います。内容としてはホントにとんでもなく濃密で、3月の前編の続きから始まるのでいきなり最終決戦の開始場面となり、そこから調査兵団と歴代9つの巨人の激闘が描かれ、絶体絶命の危機にファルコの鳥型巨人に乗ってアニとガビが駆けつけて態勢を立て直して再度アタック、同時に座標でのアルミンとジークの問答の場面にこれまで彼ら戦っている者たちに因縁のある巨人継承者の死者たちが現れて力を貸してくれる激アツ展開からリヴァイがジークを討って亡きエルヴィンとの約束を果たして地ならしを止め、更にジャンが終尾の巨人の首を落としアルミンの超大型の爆発で終尾の巨人を吹き飛ばすが、そこで戦いは終わらずエレンが超大型巨人化し始祖の正体の奇怪な生物によりジャンやコニーも含むエルディア人が全員巨人化して襲ってくるという地獄のような状況の中、エレンと最後に会った時の記憶を思い出したミカサがリヴァイとアルミンとファルコと共に特攻してエレンを討ち、同じくエレンと最後に会った時の記憶を思い出したアルミンもエレンの真意が「巨人の力を世界から駆逐すること」であったことを思い出す。そして戦いの後の様々な感動の場面の後、巨人のいなくなった世界の3年後が描かれて物語は完結するが、ED曲のバックの映像では物語完結後の巨人のいない世界でも人々が戦争を重ね長い時を経て文明は廃墟となり、エレンの首を埋めた樹だけが大樹へと育ち、そこから再び始祖の巨人が現れることを示唆して、歴史が繰り返すことを暗示する不気味な終幕で締められました。これほど壮大で緻密な物語をこれだけ見事に完結させたのは偉業であり、不気味なメッセージ性と共に永遠に記憶されるべき作品といえます。

 

続いてSランクですが、「16bitセンセーション ANOTHER LAYER」「ティアムーン帝国物語」「ミギとダリ」「星屑テレパス」「オーバーテイク!」「カノジョも彼女 Season2」「SHY」「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」「Helck」の9作品となりました。途中からSSランクに上がった「Dr.STONE」「進撃の巨人」が加わっていた時期はあったが、序盤を除いては上記の作品と「柚木さんちの四兄弟」以外の作品がSランクに入ってくることはなく、上記Sランク作品がA+ランク以下に落ちることも少なかった。それだけSランク作品の定着率が高く、Sランク作品とそれ以下のランクの作品との差が明確であったといえる。ただ、それはあくまで最終結果においての話であり、序盤から最後までSランクを維持していた「16bitセンセーション ANOTHER LAYER」「ティアムーン帝国物語」「オーバーテイク!」「カノジョも彼女 Season2」「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」の5作品と、中盤から終盤にかけてSランクに成り上がってきた「ミギとダリ」「星屑テレパス」「SHY」「Helck」の4作品という2つのタイプのSランク作品群が入り混じった順位になっていることから、Sランク内の順位変動はかなり激しいクールであったといえます。

そうした中であまり順位の変動の影響を受けなかったのが「16bitセンセーション」「ティアムーン帝国物語」という共に奇しくも「歴史改変」を扱った最上位の2作品で、この2作品は序盤から安定してトップレベルだったため他の作品に抜かされることなく常にSランクの頂点付近に君臨していました。どちらかというと「ティアムーン帝国物語」が最初はリードしていたが中盤から「16bitセンセーション」が一気に面白さを加速させてほぼ並んだ。終盤前まではここに「オーバーテイク!」も加わって順位を入れ替え合ったりしていましたが、終盤に入って「オーバーテイク!」が落ちたのではなく、むしろ順当に面白かったのですが、どちらかというと「16bitセンセーション」「ティアムーン帝国物語」が更に面白さを加速させた結果、差がついて二強体制になり、更にその中で危なっかしいほどに大風呂敷を広げた「16bitセンセーション」が常に1位という状況となっていき、後は無事に着地出来るかどうかという状況となったのですが見事に着地を決めて1位が「16bitセンセーション」で、2位が「ティアムーン帝国物語」という結果になった。

そうなると最後まで順当に面白かった「オーバーテイク!」も3位確定、また三強に次ぐ位置でずっと安定していた「カノジョも彼女」も4位確定と予想はされたんですが、そこに終盤の盛り上がりならばトップ2作品以上だった「ミギとダリ」「星屑テレパス」が割り込んできて3位と4位を奪取してしまいました。「オーバーテイク!」も終盤前までずっとトップ争いをしていた作品ですから、その上にいくというのは「ミギとダリ」「星屑テレパス」もコンスタントに面白かった作品なのであり、「16bitセンセーション」「ティアムーン帝国物語」は神作品、「ミギとダリ」「星屑テレパス」「オーバーテイク!」は名作として他人に自信をもってお薦めできる作品といえます。「カノジョも彼女」は超安定の傑作、「SHY」は後半だけなら十分な名作であり神作品に近いぐらいで、トータルでは傑作レベルでした。「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」は終盤の頑張りでSランクに返り咲き、逆に「Helck」は終盤勢いがやや落ちたがSランクには残れた作品といえます。

 

ではSランク各作品ですが、まず1位の「16bitセンセーション ANOTHER LAYER」は2023年のイラストレーターのコノハが過去にタイムリープして美少女ゲームを作るという物語で、当初は昔の美少女ゲームを懐かしんだりタイムリープを面白おかしく描く作品なのかと思っていたが終わってみればトンデモない作品でした。この作品よりも優れた作品はSSランク2作品を別とした上でも今期だけでも幾つかはあると思うが、それでもこれが1位なのは正にこの作品のテーマである「熱量」に溢れた作品であったからです。まず何といっても主役のコノハの熱量溢れる存在感が素晴らしい。彼女の絞り出す言葉に何度感動させられたか分からない。そしてストーリーだが、コノハのタイムリープに至るまでが描かれた1話は序章に過ぎずコノハのキャラと意外な展開に惹きつけられ掴みは十分だったがまだ未知数の作品だった。そして2話では1992年の美少女ゲーム制作現場の描写が物珍しいだけでなく情熱がしっかり伝わりコノハの幸福感に共感した途端、3話で2023年に戻ってしまい再びコノハが過去に行くと1996年になっており、そこでコノハがタイムリーパーだと気付いた守との交流が描かれるが4話で再びコノハは2023年に戻ってしまう。ここまでの序盤は単にストーリーの意外性や謎に惹きつけられてそれだけで十分Sランクだったが、5話からの1999年編からこの作品の本領発揮となる。6話で莫大な借金返済のために歴史を改変するリスクを冒しコノハが未来知識を使ったゲーム制作を決意し7話で皆で一丸となってゲーム作りを始める展開が激アツで、この段階でSランク三強の1つになっていた。そして8話で謎の1985年編の超神回があり9話でゲームが完成して感動の別れから変わり果ててしまった2023年に帰還する予想を超えた怒涛の展開によって1位にほぼ固定された。ここから10話以降は元の世界を取り戻すためにコノハが「売るため」ではなく「本当に作りたい」ゲームを作るという話となり、11話から12話にかけて予想を超えた超展開となって無事に着地出来るのか不安になったが、それらも全て謎だった8話も含めて、人間がAIの奴隷となる未来社会を風刺して「人間の想像力こそが世界を変える」という作品のメインテーマを補強する仕掛けであったことが完結して納得できた。そのテーマを体現するように自らの想像力でコノハが世界を変え望んだ世界を手にしたところで物語は綺麗に終わり納得の1位となった。「進撃」や「Dr.STONE」や「ヴィンランド・サガ」みたいに原作の物語自体が圧倒的に面白い超大作を除けば今年最高の作品であり、未来に残る作品だったと思います。

 

2位の「ティアムーン帝国物語」は革命で処刑された皇女ミーアが処刑直後に何故か12歳の自分に転生して人生をやり直し革命や処刑の運命を回避するため奮闘する物語。基本的にはミーアの自分が死にたくないという利己的動機による言動を周囲が勝手に好意的に解釈し尊敬し協力していく勘違いコメディだが心理描写が緻密で人間ドラマや政治ドラマとしても深みがあり感動も出来て教訓を得ることも出来る上質コメディ。動機は利己的だが革命を経て改心したミーアが基本的に善人だし周囲も有能だがバカで愛嬌がある。転生以外は安易な魔法設定なども無い点も良い。初回冒頭が処刑シーンから始まりシリアス全開から一転して転生後には転生の事実に気付いて歴史改変の決意までの明るい場面転換は鮮やかで1話は掴みが抜群で、2話でさっそく内政改革に着手しラストで前世の出来事と繋がる感動描写で締めて一気に面白くなったところで3話から学園編に入って外交改革が始まり更に面白さにブーストがかかった。ダンスパーティーや剣術大会などを通して前世で敵だった連中を避けようとして関わってしまい友人になったり恋愛展開が描かれたりするが、コメディ展開の中でミーアも周囲の人々も変化し成長していくことで運命が変わっていくドラマは爽快感がある。そうして前半を終え後半に入ると7話から再び内政改革に着手し革命の発端となった内戦も阻止し8話で遂に革命の運命回避に成功するまで非常にテンポが良い。更にここで物語が終わらず9話から歴史改変の結果生じた大事件への対処を通じて前世での革命の黒幕まで判明して退治する展開でコメディの中で正義と寛容の本質を描く重厚なドラマで最終話を綺麗に締めたのは素晴らしかった。主人公ミーアのキャラが魅力的でコメディとしての完成度が極めて高く物語の密度も非常に濃い神作品であるのは間違いないが、完成しすぎているからか突き抜けた展開からグッと溜めて深く感動する場面がやや少なく、物語もキリが良かったが中途で終わった感もあった点、あとスケール感の差などから「16bit」には及ばなかった。

 

3位の「ミギとダリ」は最初は得体の知れない双子のミギとダリが老夫婦を騙して養子となり何かを企んでいるミステリーかと思ったら予想外のシュールギャグが連発されて爆笑させられた。ただこのシュールギャグ路線は3話の段階で飽きてきた。だがミギが女装したダリに失恋するという謎の感動回の4話を経て、5話からシュールギャグを交えたミステリー路線が本格始動してミギとダリが8年前の母の死の謎を解いていく展開となって以降は面白さが急上昇して、特に双子設定ならではのすれ違いコントを利用した同音異義語の会話トリックなど天才的で評価はSランクに上昇した。そしてドタバタ展開の後、9話からクライマックスの怒涛の展開となり11話では驚愕の真実が明かされ、12話で悲劇的な形で全てに決着がつきミギとダリの復讐が終わる。毎回が予想外に次ぐ予想外の展開で、先が全く読めずオンリーワンの名作であることは理解しつつも、あまりに超展開なのでどうまとめるつもりか分からず評価に迷うところもあり最終話前までは「星屑テレパス」や「オーバーテイク!」の安定感の方を高く評価していた。しかし最終話である13話でそこまでの物語を全て回収して見事な大団円で物語を完結させたのを見て、全体的に作劇のセンスが際立っていたことも評価して3位とした。ただスケール感や出足が遅めだった点で上位2作には及ばなかった。

 

4位の「星屑テレパス」は引っ込み思案で他人と話せないので宇宙人の仲間が欲しいと思っていた女子高生の海果が自称宇宙人の同級生ユウと出会って一緒にロケットで宇宙を目指すというお話。とにかくキャラの可愛さは今期一番で、何とも不思議なお話はひとまず置いておいてキャラの可愛さを愛でるところから始まった。だがこのポンコツ2人に癒し系世話係の遥乃が加わり、更にツンツンキャラの瞬が登場してから物語が動き出し4話で瞬とロケット勝負をして、ここがまず素晴らしくて必ず後半は盛り上がると確信できた。そして瞬が当たり強めにツンデレになり、5話で瞬も加わった4人で同好会を結成して6話で皆でロケット選手権大会に出場すると決まってから俄然面白くなってきた。ただここで一気に楽しくせずギスギス展開で溜めつつ緻密な心情描写で魅せるエピソードを7話と8話で重ねた結果、ギリギリでSランクに上がることは出来なかったが、溜めたぶん9話から11話の挫折からのリスタートと各自の成長を描いた神回の連発に繋がって一気にSランク上位にステップアップし、不器用で居場所の無かった少女たちが失敗を糧にして自分の居場所を確固たるものにしていく姿が感動を誘う青春アニメの名作となった。ユルめの日常描写も魅力の作品だが、最終話が今後に繋がる形で終わったことも含めて上位作品と差がつく要素にはなった。

 

5位の「オーバーテイク!」はF4レースのドライバーとフォトグラファーの2人の男性を主軸に据えた硬派のヒューマンドラマを描いたオリジナルアニメです。まず綿密な取材に基づいて描かれたF4レース関連の完成度の高い描写の臨場感が作品への没入感を高めてくれた。その上でじっくり丁寧に描かれる人間ドラマは、自分と向き合いながら人生を戦っていく人々にとっての「頑張ること」と「応援すること」の意義を、それぞれF4レースと東日本大震災における後悔によって苦しむ主人公2人やその周囲の人々の葛藤を通して描くというものだった。このようにストーリーは重めなのだが絵柄がポップで脚本でもライトな遣り取りが重視されていて見ていて常に爽快感があり、最後は見事に盛り上げて物語が完結したのも良かった。脚本の完成度は極めて高くて、おそらく今期一番。これはもちろん高評価ポイントだが、脚本に隙が無さ過ぎて上位作品にあるような規格外のスケール感を欠いていたかもしれない。それでも名作であるのは疑いの余地は無いが、丁寧すぎてちょっと意外性も足りず小さくまとまった感はある。エピソードも毎回同じように完成度が高くて起伏が少し乏しかったかも。そんな中で異質だったのは9話の東日本大震災を描いた回で、あれは別格だが、むしろ9話が凄すぎてその後のクライマックスの印象が薄くなったかもしれない。

 

6位の「カノジョも彼女 Season2」は2021年夏アニメで1期をやった二股ラブコメ作品の続編でした。誠実ゆえに二股してしまう主人公、二股を許容するヒロイン達、そのヒロイン達から主人公を奪おうとするヒロイン、二股主人公に秘かに惚れながら二股を邪魔するヒロインなど、やってることは全員イカレてるのだが本人たちは大真面目というハイテンションな笑いが魅力の作品です。また、心情描写がかなり細やかでギャグ抜きで普通にラブコメとしても十分楽しめ、むしろ心情を理解した方が滑稽さが増して笑える。1期はヒロイン3人体制だったが2期は4人目のヒロインが加わり大活躍し1期よりパワーアップしており、1クール通して各ヒロインに見せ場が割り振られてイベントも多くエンタメとしてもかなり楽しめた。エッチでバカバカしいコントシーンも秀逸だった。コンスタントに面白さを維持して終わり、物語途中で今期は終わったが締めも綺麗で実力は出し切ったと思う。基本的にバカな作品なので今期の上位5作品のように深く感動する場面もあまり無く、まぁ妥当な順位だと思う。

 

7位の「SHY」はアメコミ風な世界観で恥ずかしがり屋の女子中学生が変身する日本の新米ヒーローのシャイの成長物語が描かれると最初は思えたが2話で心の闇によって人間が怪物化する強烈な描写で印象がガラッと変わり「心を巡る戦い」というヒーローものの王道でありながらこの作品独自のおどろおどろしいセンスと、あくまでひたむきな主人公のコントラストが印象的な作品となった。クール前半は物語の序章のような感じだったが各話の完成度は高かった。ただ内容の薄い日常話もあり、まだA+ランク作品だった。ただクール後半になって始まった母と子の悲しく恐ろしく美しい物語が凄い完成度で描かれた「氷の故郷編」がこの作品の本来の姿であり徐々に盛り上がってSランクに上がり最後は超神回を連発して終わった。もし1クール通して「氷の故郷編」であったらSランク1位でもおかしくなかった。クール前半に内容の薄い回があったことや最終話が2期の導入が主で内容が薄かったことを考慮すると今期の上位陣とは差がついたが、ヒーローアニメの傑作となる潜在力のある作品。

 

8位の「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」は運命の彼女100人と付き合わないと自分も相手も死ぬというイカレた設定のラブコメで、ラブコメというより完全にギャグ作品。ギャグは天丼で強引だが勢いとセンスが凄まじくてかなり笑える。また、この作品の場合は時々挟み込まれるシリアスも妙にレベルが高いところが面白い。ただギャグがぶっ飛びすぎているので正直食い合わせは良くない。良くないのだがあえて食い合わせているところがこの作品の特殊なセンスでもある。ただそうしたこの作品のパワーの最大値が発揮されるのはキワ者キャラ揃いのヒロイン達が追加される2期以降と思われ、この1期はまだ序章に過ぎない。今期序盤はそうした序章ならではのむしろ普通のギャグ多めのラブコメっぽさが新鮮であったが中盤はややパワー不足を感じて一旦終盤前にはA+ランクに落として様子を見た。しかし終盤に6人目の彼女である羽々里が加わると2期以降に描かれる狂気の世界が始まり、これがギャグもシリアスも調和してかなり面白くて一気にSランクに返り咲いて終了した。

 

9位の「Helck」は連続2クール作品であり、前のクールから引き続いての後半クール分であった。魔族に身を投じて人間を滅ぼそうとする人間の勇者ヘルクを中心とした群像大河ドラマだが、前のクールはギャグ回が多めだったりしてあまり本筋が進まず主に伏線を置いていっている印象だった。しかし今期の後半クール分に入るとヘルクの過去回想編に入り人間世界でそもそも何が起こったのかがヘルクの幼少期からじっくり語られた。これが少しじっくり過ぎるきらいもあったが面白くて徐々に盛り上がってきてSランクに上がってきて今期分の6話目で物凄い神回で過去編が終わり、このまま現代篇に戻って物語の完結まで突き進めばもしかしたら1位も狙えるんじゃないかとまで期待した。だが今期分の後半になり現代篇になると確かにどんどん謎解きが進んで盛り上がってきたのだが物語の進行はゆっくりになっていき今期では物語は完結しなかった。最終話は盛り上がったがこの物語はもっと盛り上がるはずなのでちょっと期待外れで中途半端な部分で終わり続編告知も無くその分評価が下がった。

 

そしてA+ランクですが、7作品あります。まず最上位の「柚木さんちの四兄弟」は地味な感じのハートフルホームコメディであったが、両親を亡くして兄弟で助け合って暮らす四兄弟とお隣さん一家との心温まる交流や心情描写が秀逸で、とにかくホームドラマとしてのクオリティが非常に高かった。序盤の兄弟過去編や中盤の前後編構成のあたりはオーソドックスな展開に見えて心情の描き方に意表をついたところもあり毎回感動できて地味ながらSランク下位をずっとキープした。ただ終盤は目新しさを欠いたエピソードが続き、ややパワーダウンした印象であったので最終的にギリギリSランクに届かない結果となった。

 

「薬屋のひとりごと」は架空の中華王朝の後宮ミステリーという触れ込みだが、連続2クール作品の前半クール分であり、まだそんなに本筋の物語が動き出していないという印象でした。それでも全体的なクオリティは高くて、後宮内の人情ドラマも秀逸に描けていて見応えはあった。物語序盤ということで主人公の猫猫のキャラを丁寧に描いていたが、この部分が女性向けにウケそうな作りになっていてやや個人的には嗜好に合わない部分もあった。それでも肝心のミステリーの描写が良いので挽回は出来ていたのだがミステリー展開や壬氏や猫猫の真実に関わる物語が大きく盛り上がりかけた所で前半クールが終わった印象。

 

「葬送のフリーレン」は今期最も人気の高い作品であり連続2クール作品の前半クール分にあたる。初回が金曜ロードショーで4話分を一気に放送して他の作品よりも常に話が進んでいたが基本的にストーリー展開がゆっくりだった。ただ全体的なクオリティが非常に高くて世界観が秀逸で各エピソードもシリアスからコメディにバラエティに富んでいてその完成度も非常に高かった。アクションもかなり盛られていて見応えがあった。キャラの魅力も非常にある。ただ物語が大きく盛り上がってこず異世界の秀逸な日常旅物語オムニバスという趣だった。これは前半クール分だからではなくこの作品の全体的な特徴と思われます。

 

「アイドルマスター ミリオンライブ!」は39人のアイドルグループのデビューまでを描いたメディアミックス作品であり、最初はキャラが多すぎて区別がつかず、ファン向けのありきたりで印象の薄いアニドルアニメになるかと思ったが、序盤からメインキャラの作劇が巧くてしっかりキャラを立て、中盤以降は各ユニットごとにバラエティに富んだドラマを描いて盛り上げてくれてキャラも印象が深まっていき、終盤には感動展開を重ねて評価も上昇していき、最後にはライブで盛り上げてフィニッシュした。全体的にCGの出来が良くて特にライブシーンは映えたが、やはり描き切れないキャラもいたのは仕方ないとは思う。

 

「SPY×FAMILY Season2」はハイクオリティな大人気作品の2期だが、すっかり長編アニメのムードになっていて、本筋と関係ない日常回が多めとなっている。第1話はフォージャー家大活躍の良回だったが、その後の序盤はイマイチな日常話が続きA-ランクまで一旦落ちた。その後の豪華客船編もスローな立ち上がりだったが徐々に盛り上がってきて、クライマックスは素晴らしい出来で、ここでA+ランク上位を窺うところまで順位を戻してきた。しかしその後はまたあまり話が動かなくなり、どうでもいい話もあったりして最後も中途半端に終わり、しっかり最後を締めた「ミリアニ」に抜かれて終わってしまった。

 

「経験済みなキミと経験ゼロなオレがお付き合いする話」は始まる前は陰キャオタクの妄想みたいな話かと思っていたのだが、始まってみると意外にピュアなラブストーリーで、高校生同士の恋愛心情が丁寧に描かれていた。女子高生ヒロインで非処女設定でこれだけ魅力的に描かれているのは珍しくて新鮮な印象だった。サブヒロインも魅力的ではあった。ただサブキャラ周りのストーリー展開は割と雑で、オタクのノリがややキツかったのは個人的に苦手だった。全体的に駆け足で詰め込み過ぎな印象で、やはり真面目な作品であるぶん展開も地味で華やかさにも欠けた。だがそれらも含めて全体的に好印象な作品だった。

 

「聖剣学院の魔剣使い」は古代の魔王が近未来風な世界に子供の姿で復活して美女に囲まれるというオネショタ作品だが、オネショタ趣味自体は興味は無いがヒロイン達が可愛くてエッチそうだったので期待した。だがエロ要素はあまり大したことはなく意外に話が面白かった。といっても本筋自体はあまりに壮大な世界観なのでほぼ進まず終わったが、各章の盛り上げ方が上手くエンタメとして作り方を心得てる感じがした。また時代錯誤な魔王様や眷属たちとのコントなどは普通に面白くて笑えた。基本的に魔王様の言動が面白い。さすがに終盤は本筋も進まないしあらゆる要素が飽きてきたが完全に飽きる前に終わった。

 

A-ランクは6作品あって、まず「ブルバスター」は最初はかなりつまらなくて視聴を切ろうか迷ったレベルだったが終盤に巨獣の発生原因が判明して以降急激に面白くなって結構盛り上がって完結したのでA+ランク最下位でフィニッシュしたんですが、やっぱり前半かなりつまらなかったのでA-ランク最上位に修正した。「MFゴースト」はレースシーンが凄くカッコ良くて序盤はSランク評価もしたが、さすがに同じような場面ばかりでいくらカッコ良くても飽きてきた。ストーリー面はあまり進まず、そもそも前作要素とかよく分からないし、ズルズル順位が下がって順当にA-ランク上位となったが悪印象は無い。「ひきこまり吸血姫の悶々」は世界観の説明不足で話がよく分からずキャラ設定やストーリー展開が中二病全開でかなりキツいんですが、キャラのビジュアルは可愛いので頭を空っぽにしてそれなりに楽しめる。またアクション作画を結構頑張っていて各章の纏め方も案外上手いので、その点は評価。

「僕らの雨いろプロトコル」はeゲームの描写が酷くて話もつまらなかったので3話切りしてたんですが近親愛や同性愛で変に盛り上がってきたと聞いて面白半分で視聴再開したが案外マトモに話をまとめて完結した。結局は雑な点が目立ったがそれなりに話をまとめてちゃんと物語が完結した点は評価できた。「豚のレバーは加熱しろ」は最初は豚のオタクノリが苦手だったがヒロインの魅力で中和はされた。ただ話がほとんど進まず非常に退屈で辛くなり視聴を切ろうかとしたが終盤ちょっと面白くなり、その期待も裏切られたが遂に世界観の謎が明かされて面白くなって最終話を迎える前に放送延期になった。「ウマ娘プリティダービー Season3」はそもそもキタサンブラックの史実が面白くない上にキャラ描写が下手でレース描写も下手で史実に振り回されてチグハグ感が強くて話もずっと薄っぺらくて、ちょっとだけ面白いエピソードもあったが全体的に低調で結局最後まで盛り上がらないまま終わってしまった。

 

BランクとCランクについては全て途中で視聴を打ち切っているので大したことは言えない。「鴨乃橋ロンの禁断推理」は各話はそこそこ面白かったが本筋が進まないので飽きてしまった。「暴食のベルセルク」は話はつまらなかったがキャラの魅力やテンポが良かったが飽きてしまった。「私の推しは悪役令嬢」は最初は話が面白かったが主人公のキャラに耐えられなくなってきて、話も陳腐化したので切った。「新しい上司はど天然」はギャグが面白いところもあったが、ちょっと腐女子向けっぽいところがあって切った。「でこぼこ魔女の親子事情」は当初面白かったが、面白い話より面白くない話の方が増えてきて、これ以上観る気が無くなった。「冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた」はなんか牧歌的なノリの作品で退屈になって観る気が起きなくなった。「川越ボーイズ・シング」はあまりに話しの中身が無かった。「婚約破棄された令嬢を拾った俺がイケナイことを教え込む」は質は高いけど方向性が合わなかった。「ポーション頼みで生き延びます!」は主人公の印象が悪かった。「帰還者の魔法は特別です」は何をやってるのか分からない。「攻略うぉんてっど!」はゲームの映像みたいな作品。「はめつのおうこく」はグロアニメでひたすら不快だった。

 

あと、0話切りや1話切りした作品の中では、視聴を切ったことを後悔した作品は特に無いが、「聖女の魔力は万能です2期」はだいぶ良かったみたいですね。どうも女性向け作品という感じで苦手だったのでどっちにしても観なかったとは思いますが、クオリティは高くて女性にはお薦め作品だと思います。「アークナイツ 冬隠帰路/PERISH IN FROST」も結構良かったみたいですが、原作ゲームやってないと意味が分からないみたいなので私には無理な作品ですね。あと「呪術廻戦2期」「ダークギャザリング」「陰の実力者になりたくて!2期」あたりはよく話題になってるようです。「東京リベンジャーズ 天竺編」も原作では一番盛り上がるところだと思うので見応えはあるとは思うんですが私はもう原作の終わり方のヒドさを知って「東リベ」は観る気が無くなってしまったんですよね。あと「アンデッドアンラック」は悪くないんだと思うけど、私の好みではないんですよね。

 

 

なお、クール開始前の期待順位との照合ですが、事前の期待順位は下記の通り。

 

1位 Dr.STONE NEW WORLD 第2クール

2位 ウマ娘プリティダービー Season3

3位 SPY×FAMILY Season2

4位 君のことが大大大大大好きな100人の彼女

5位 星屑テレパス

6位 カノジョも彼女 Season2

7位 Helck

8位 薬屋のひとりごと

9位 ひきこまり吸血姫の悶々

10位 聖剣学院の魔剣使い

 

一応は上記10作品が本命グループということになっていますが、実際のところ事前に私が確実性の高い鉄板の本命作品と見なしていたのは「Dr.STONE3期」「ウマ娘プリティダービー3期」「カノジョも彼女2期」「SPY×FAMILY2期」「Helck」「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」あたりであり、これに世間的に本命と見なされていた「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」に更に「進撃の巨人完結編」を加えた9作品あたりが「本命作品」ということでいいでしょう。

対して事前に「ダークホース候補扱い」と明言していたのは「星屑テレパス」「ひきこまり吸血姫の悶々」「聖剣学院の魔剣使い」「経験済みなキミと経験ゼロなオレがお付き合いする話」「16bitセンセーション」「僕らの雨いろプロトコル」「鴨乃橋ロンの禁断推理」「オーバーテイク!」「柚木さんちの四兄弟」「川越ボーイズ・シング」「アイドルマスター ミリオンライブ!」「ティアムーン帝国物語」「SHY」「私の推しは悪役令嬢」「ブルバスター」あたりです。

こうした事前予想と結果を照合してみると、まず上記の期待順位には「進撃の巨人完結編」は除外してありますが、もともと最上位に予想していたので結果は当然ながら予想通りだったといえます。また「Dr.STONE3期」も予想通り。まぁこのあたりの予想は外れるわけがないです。それから「カノジョも彼女2期」はほぼドンピシャで的中し、「Helck」もほぼニアピンで的中していると言っていい。また「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」は順位的にはちょっとズレて下になったが、結果的にSランク作品の上位が予想より充実していたので「100カノ」はあんまり大きく予想を外した印象は無い。このあたりはさすがに鉄板作品という扱いだったので予想もよく当たっています。

ただ鉄板作品の中では「SPY×FAMILY2期」と「ウマ娘プリティダービー3期」はかなり大きく予想を下回る結果となって予想を外してしまいました。このうち「SPY×FAMILY2期」の方は1期後半の低調ぶりを知っているのである程度予想はしていたのですが、あえて期待込みで高めの順位にしていたので仕方ない結果だったとは思います。ただ「ウマ娘プリティダービー3期」の低調ぶりは全く予想外でした。ただ史実ベースですから事前に調べていればある程度予想は出来たまもしれないのですが、やはり事前にネタバレになる情報は入れたくないので仕方なかったと思います。

あと「薬屋のひとりごと」はやや予想よりも下の順位になってしまいましたが、この予想順位の8位というのは案外来期の後半クールあたりで的中するかもしれません。あと「葬送のフリーレン」は世間的な期待順位よりかなり低くトップテンの少し下あたりと予想していましたが、これは結果的にほぼ的中しました。

そしてダークホースとして期待していた作品の中では「星屑テレパス」はほぼ予想通りの順位となったので、見事にその期待に応えてくれたと思います。ただ同様に事前予想でトップテン内に入れていたダークホース候補の「ひきこまり吸血姫の悶々」「聖剣学院の魔剣使い」はだいぶ予想は外してトップテンよりは遥かに下でした。まぁ「聖剣学院の魔剣使い」は体感的にはそんなに大きく外してる感じはないですけどね。また「経験済みなキミと経験ゼロなオレがお付き合いする話」はトップテンに次ぐ位置あたりに予想していたので割とニアピンとなっていて、この作品もダークホースとしての期待に応えてくれた方だと思いますが、もともとの期待値が低めなので実質的にダークホースとして機能したかどうかは微妙なところです。

それよりも同じダークホース候補の中でも期待値低めだった「柚木さんちの四兄弟」「アイドルマスター ミリオンライブ!」が期待よりもだいぶ高い順位でフィニッシュしてる方が、ダークホースとして機能している例だといえるでしょう。そして、それのもっと際立った例が一応はダークホース候補にしていてもトップテン予想もしていなかった「16bitセンセーション」「オーバーテイク!」「ティアムーン帝国物語」「SHY」がSランクという結果を得ていることでしょう。これらの4作品こそが予想を大きく超えた真の意味でのダークホースだといえます。そして今期代々のダークホースは、事前にダークホース候補にすら挙げていなかったのにSランク3位に昇りつめた「ミギとダリ」だといえるでしょう。

結局、その「ミギとダリ」も含めてSランク内では全9作品のうち「16bitセンセーション」「ティアムーン帝国物語」「ミギとダリ」「星屑テレパス」「オーバーテイク!」「SHY」というように6作品がダークホースという扱いになっており、やはり今期も意外性の高いクールであったといえます。

 

あと、続編の状況ですが、途中で視聴を切った作品は続編があっても観ないのでどうでもいいとして、最後まで視聴した作品の中で「Dr.STONE」は4期の制作が発表され、「SHY」は2期の制作が発表され、「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」は2期の制作が発表され、「MFゴースト」は2期の制作が発表されました。また「SPY×FAMILY」は続編制作が示唆される終わり方をしました。なお、これらは全て放送時期などの告知は無かったです。また「葬送のフリーレン」と「薬屋のひとりごと」は連続2クール作品ですから来期に引き続き話は続いていきます。一方で今期で物語が完結した作品は「進撃の巨人」「16bitセンセーション」「ミギとダリ」「オーバーテイク!」「アイドルマスター ミリオンライブ!」「ブルバスター」「僕らの雨いろプロトコル」の7作品といえます。こうして見ると今期は完結作品が多めですね。このうちオリジナルアニメが5作品と多かったからかもしれません。

さて、そうなると、続編が作られる余地がありながら続編制作の発表が無いのは「ティアムーン帝国物語」「星屑テレパス」「カノジョも彼女」「Helck」「柚木さんちの四兄弟」「経験済みなキミと経験ゼロなオレがお付き合いする話」「聖剣学院の魔剣使い」「ひきこまり吸血姫の悶々」の8作品といえます。

このうち、終わり方が中途半端なので続編制作の可能性が高そうに見えるのは「Helck」「聖剣学院の魔剣使い」「ひきこまり吸血姫の悶々」で、締め方が綺麗なのでむしろ続編制作が無さそうに見えるのは「ティアムーン帝国物語」「星屑テレパス」「カノジョも彼女」「柚木さんちの四兄弟」「経験済みなキミと経験ゼロなオレがお付き合いする話」でしょう。ただ既に原作完結済みなのに2期を作った「カノジョも彼女」はいずれ3期を作る可能性はあると思う。また、好評だったので続編制作の可能性がありそうなのは「Helck」「ティアムーン帝国物語」「星屑テレパス」「カノジョも彼女」あたりであり、このあたりは私も続編作ってほしいです。ただ、正直言って今期の続編決定告知の無い作品は告知が無かったことに意外性はあまり無い。「まぁそうだろうな」と思う作品ばかりであり、つまりあんまり続編の期待はしない方が良さそうということです。

なお「豚のレバーは加熱しろ」はまだ最終話を放送していないので2期の制作告知があるのか無いのかもまだ分からない。また「ウマ娘プリティダービー」については劇場版の制作の告知はあったが3期の物語自体は完結しており、いずれテレビシリーズの続編として4期やそれに準ずる作品は作られる余地はあるでしょうけど、現時点ではテレビシリーズに関しては特に何の告知もありません。