2023秋アニメ 12月13日視聴分(+最終盤前の状況) | アニメ視聴日記

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日々視聴しているアニメについてあれこれ

2023年秋アニメのうち、12月12日深夜に録画して12月13日に視聴した作品は以下の1タイトルでした。

 

 

ミギとダリ

第11話を観ました。

この作品は全13話構成ですので今回を含めて残り3話となります。いよいよクライマックス展開に突入し、今回は驚愕過ぎる真実が明かされました。まさかこんな展開になるとは始まったばかりの頃は想像もしていませんでした。今回でほぼ全ての謎は解明されて、話が全て繋がったように思えますが、それでもまだ謎も少し残されており、まだ次回以降の残り2話で話がひっくり返る余地もありそうです。

今回はまずは怜子によるミギとダリの母メトリとの出会いに遡っての思い出話から始まります。怜子は子供の頃から「完璧」であることを目指して人生を送ってきて、医者である一条家の夫と結婚して完璧に幸せな家庭を築こうとしていました。実際に怜子は完璧で優秀な妻であったようです。その一条家にメトリという金髪長毛の家政婦がやって来て、メトリは美しい容姿ではあったが、怜子とは対照的にドジばかりの「完璧」とは程遠い女性であり、怜子に対して強い憧れを抱いており、怜子はそんなメトリを妹のように可愛がった。2人は姉妹のように良好な関係であったといえます。

しかし、怜子は医者から妊娠しない体質だと告知されてしまいます。確かに女性にとってショックなことではありますが、そういう体質の女性は少なくはありません。そういう女性たちは皆、苦しみながらも現実に折り合いをつけて生きていくものですが、子供の頃から「完璧」な家庭を築くことを夢見て生きてきて、まさにその夢を実現したと思い込んでいた怜子にとって、その告知は晴天の霹靂であり、彼女の心を壊してしまったようです。

だが怜子自身は自分の心が壊れていることには無自覚で、いつも通りに完璧な計画に基づいて目の前の問題点の解決に当たろうと考えていました。その完璧な計画というのは、背格好が自分とほぼ同じで、妹のように絶対的に信頼している相手であるメトリに黒髪のカツラを被せて自分の変装をさせて、薄暗い寝室で夫とセックスをさせて子供を妊娠させて、産まれた子供を自分が産んだ子として育てようという計画でした。

いわゆる代理出産なのですが、現在の世間一般の普通の代理出産の場合は、妻が自然妊娠しない体質の場合は人工授精させた受精卵を他人の女性の子宮に着床させて出産してもらうという形であり、夫が妻とセックスしたり、別の女性とセックスするという過程は必要ありません。しかしこの物語はミギやダリが13歳で中学に通う現在時点の時代設定が1990年ですから、この怜子とメトリの物語はその14年ほど前、1976年頃と思われ、この時代はまだそうした代理出産の技術が確立されていませんので、怜子の代理で出産をするメトリが怜子の代わりに夫とセックスまでする羽目になるのです。

この作品、どうして時代設定が1990年なのだろうかと不思議に思っていたんですが、この代理出産が物語の起点となる設定だったからなんですね。もし現在時点を2023年、いや原作漫画の連載開始時点の2017年にしてしまうと、その14年前の代理出産の設定が時代的に不自然になってしまうという計算に基づいて現在時点を1990年に設定したのでしょう。

そういうわけで怜子はメトリに自分の代わりに夫とセックスをさせて自分のための子供を妊娠出産をして貰おうとしました。しかし普通はこんなことは夫が拒否します。中には事情を話せば納得してくれる夫もいるかもしれませんが、怜子はそもそも夫に事前に全く相談しようともしていませんでした。自分が自然妊娠できない体質だと診断された事実さえ夫に知らせていませんでした。そんなことを言ってしまえば「完璧な妻」ではいられなくなるからです。

だから怜子はあくまで夫には何も知らせず、自分に変装させたメトリを自分だと誤認させたまま夫にセックスをさせてメトリに夫の子を身籠らせて、出産した後は自分が産んだように偽って、最後まで夫を騙し通すつもりでした。この異常な計画を知る者は怜子以外にはメトリだけであり、自分が「完璧な妻」ではないという事実を打ち明けているわけですから怜子がメトリを深く信頼していたことは間違いないでしょう。だが計画が完璧に遂行されているのか確認するために毎晩怜子は夫の部屋のクローゼットに隠れて夫とメトリのセックスを監視し続けており、既にマトモな精神状態ではなかったとも思われます。

そうしてメトリは妊娠しましたが、この時点で夫は寝室にメトリが怜子のフリをして忍んできていることに気付いていました。ただ夫は怜子が不妊体質で代理出産を企てていることなど全く想像もしておらず、ただ単にメトリが自分に好意を抱いていて妻のフリをしてベッドに潜り込んできているのだと勘違いしており、毎晩自分がメトリの相手をしているとも思っていませんでした。基本は妻とのセックスをしつつ、時々メトリが妻のフリをしてセックスをしに来ていると思っていたようです。

普通は家政婦がそんな恥知らずな行為に及んだら拒絶して説教するなりして、場合によっては解雇するでしょう。あるいはちゃんと事情を聞けばメトリが計画を告白して夫は妻の苦しみを理解して癒すことも出来たかもしれません。しかし夫はメトリとのセックスを役得だと思い楽しんだようです。そしてメトリに対して妻に隠れて「完璧な妻よりも完璧じゃない君の方がいい」などと言って口説き始めた。何処までが本心だったのかは分からない。本当は怜子の方を愛していながら、都合の良い浮気相手としてメトリをキープしておくために適当なことを言って口説いていただけだったのかもしれません。

しかしその場面を覗き見していた怜子にはそれは非常にショッキングなことでした。ずっと「完璧」であることだけを目指して人生を送ってきて、そのために愛する夫にメトリをあてがうという行為にまで及んでいた怜子であったというのに、その夫から「完璧」である自分を否定されてしまったのです。それで怜子の心は此処で決定的に壊れてしまい、これを自分への重大な「裏切り」だと見なした。ただ怜子の認識では、裏切ったのは夫ではなくメトリでした。

実際にはこれは夫による裏切りなのですが、怜子にとっては自分が「完璧」であるためには一条家の医者の夫は必要なものであったので怜子は夫に裏切られたとは思わず、裏切ったのはメトリの方だと思い込むことにした。自分が信頼して夫とのセックスを任せたのを良いことに自分の信頼を裏切って自分から夫を奪おうとしている悪魔のような女だと思い込んだ。そして既に妊娠していたメトリをこれ以上は夫とセックスさせる必要も無かったので夫から引き離すためにやしきの地下室に監禁した。

夫はメトリが自分に迫られてそれが嫌で失踪したのだと思い、残念に思ったがすぐに元の生活に戻ったのでしょう。一方で怜子はメトリを監禁した後ますます精神に異常をきたしていき、自分が子供を産めない身体になっていたのはメトリという悪魔の呪いによるものだったのだと思い込むようになり、メトリを監禁したことによってその呪いが解けて自分は妊娠したのだと思い込むようになった。そうしてお腹に詰め物をして妊娠したように見せかけるようになり、夫は本当に妻が妊娠したのだと思い込んだようです。医者なのに妊娠の偽装にも気付かなかったのかと呆れますが、そこは怜子がバレないように上手くやったのと、夫がかなり妻に興味を失っていたというのもあるのでしょう。

そうしてメトリは監禁された地下室で子供を出産しました。怜子は産まれた子供をメトリから取り上げて自分の子供にするつもりであったのですが、メトリが産んだのは三つ子であり、メトリ譲りの金髪の子供が2人と、父親譲りの黒髪の子供が1人であった。それで怜子は自分と夫の子供が金髪では不自然だと思い、黒髪の子供1人をメトリから取り上げて連れ去り自分が産んだ子供だということにして、金髪の子供2人はメトリと共に地下室で監禁し続けることにした。

この金髪の子供2人というのがミギとダリであり、黒髪の子供が瑛二であったのです。ミギとダリの記憶にある母親と過ごした部屋の記憶というのはこの地下室の監禁時代の記憶であり、出産から5年経ってメトリはミギとダリを連れて地下室から脱走に成功したが、すぐにオリゴン村から逃げずに、オリゴン村を見下ろす山の中にテントを張って息子2人と一緒に暮らした。それはもう1人の息子である瑛二を奪還するためだったのです。そしてその年のクリスマスの夜、一条家に忍びこんだメトリは瑛二の部屋に忍びこんで瑛二を連れ出そうとして壁をよじ登り、二階の窓から瑛二に声をかけたのだが、瑛二は見知らぬ女が窓の外に現れたので怖くなって思わず突き飛ばしてしまった。そのことを瑛二から聞いた怜子はメトリが瑛二を奪いに戻って来たのだと思って警戒して、瑛二には「お化けを見たのだ」と言って誤魔化して、その後はメトリの動きを探るためにオリゴン村を監視するようになったのでしょう。

一方、瑛二に突き落とされて落下したメトリは、瀕死の重傷を負いながらミギとダリの元へ戻ろうとしたのか、それとも誰かが死体を移動させたのか、詳細はよく分からないが、とにかくメトリの遺体はミギとダリによって発見されて、ミギとダリは自分たちの住んでいた山中の場所にメトリを葬って墓標を建て、母の墓標に向かい、母を殺した犯人への復讐を誓った。そうしてミギとダリは孤児院に行き、そこでオリゴン村の住人の養子になる日を虎視眈々と待ったのです。

これがここまでの出来事が全部1つに繋がった物語ということになります。なお瑛二の妹ということになっている華怜は何だったのかというと、おそらく「より完璧な一条家」を志向した怜子が瑛二には可愛い妹も居た方がいいとでも思ったのでしょう。ただメトリの失敗で代理出産はリスクが高いことを学習した怜子は、既に一条家の血を引く瑛二を確保していることから、華怜に関しては特に血統にはこだわらず、他人の子供を奪うことにしたのでしょう。もちろん夫に対しては自分が妊娠して産んだ夫婦の子供だと思い込ませる工作はしたと思われ、夫は瑛二のことも華怜のことも本心から自分と妻の間の子供だとずっと信じ込んでいたようです。

怜子の告白によって大体こういうことが判明したわけだが、ミギとダリはあまりの驚愕の内容に頭がついていかないようでした。そこに怜子が2階によじ登ってきて丸太の撮っていたビデオカメラを弾き飛ばして、ビデオカメラは1階に落下して暖炉の中に入ってしまう。そして怜子はミギとダリも排除して瑛二を取り戻そうとして瑛二に「帰りましょう」と手を差し伸べる。ところが瑛二はその怜子の姿が8年前のクリスマスの日の窓越しに呼びかけてきたメトリの姿と重なって見えて、その時メトリが「帰ろう、兄弟のもとへ」と言ったことを思い出し、それによって正気に戻った瑛二は思わず怜子を突き飛ばして、怜子は2階から1階に落下する。

そして瑛二はミギとダリに向かって「俺たちは兄弟だ」と言い、8年前のメトリの「帰ろう、兄弟のもとへ」という言葉のことも伝えるが、ダリは兄弟ではないと激しく否定し、瑛二が母親を殺したのだと非難する。そして、あくまで瑛二を他人として扱い、自分の母親である怜子の心配でもするようにと言って突き放す。それによって瑛二は自分が一体何処の何者であるのか存在意義を消失してしまい大きな虚無感に襲われてしまう。

そうして瑛二は怜子を介抱して抱き起して共に監禁部屋の方に戻っていき、残されたミギとダリは瑛二の父親に見つかり、そこで丸太や華怜が事情の説明をしようとしたところ、監禁部屋の方から怜子の悲鳴がして、慌てて全員で監禁部屋に向かうと、部屋の奥で怜子が何者かに殺されていた。全員驚愕し、ミギとダリは瑛二が殺したに違いないと考えるが、華怜がどうも怪しいと思って本当に怜子が死んでいるのか確かめようとしたところ、怜子は死んだフリをしていただけであった。そして怜子は急に動き出して部屋の外に飛び出していくと、外から鍵をかけて全員を監禁部屋に閉じ込めて外に出られなくしてしまう。

そして怜子は「瑛二と一緒に知らない土地で人生をやり直す」と言う。どうやら怜子は過去の自分の罪が全部バレてしまった以上、もうこのオリゴン村には居られないと判断して、証人である夫や華怜、ミギやダリや丸太も皆閉じ込めてしまった上で瑛二と一緒に何処かに逃げようとしているようだった。そうして再び完璧な人生を目指すつもりみたいです。しかもこれは瑛二と相談して決めたことなのだという。

しかし、そうしてミギとダリたちを地下の監禁部屋に閉じ込めたまま瑛二と共に旅立とうとした怜子は瑛二に刺されてしまう。そして瑛二は「こんな狂った家、終わらせないと」と言って屋敷に火を放ち、自らも死のうとする。瑛二は虚無感に冒されていて、最初から怜子を殺して自分も死に、家族も皆殺しにしようと考えて、怜子の誘いに乗るフリをしていただけだったのです。そうして一条家の屋敷は炎に包まれてしまうが、果たしてミギとダリ、丸太や華怜たちは生還出来るのであろうか。

今回はこういう内容であり、これで残りは2話となりますが、今回だいたい謎は全て解けたように見えます。しかしまだよく分からない要素は残っています。まず、瑛二が長男なのにどうして「瑛一」ではなく「瑛二」なのかという問題が残っています。これはどうでもいい話みたいにも思えるが、この謎について質問した際に怜子は過剰な反応を見せていた。何か深い事情があるのかもしれません。また、みっちゃんが瑛二のことでミギとダリに何かを伝えようとしていたことも気になります。もしかしたら兄弟だということを伝えようとしていたのかもしれないが、何か別のことだった可能性もある。そして、やはりメトリの死体発見場所が一条家とは全く違う場所だったことも気になる。これら全ては実際は大した問題ではない可能性も高く、それならば今回明らかになった情報だけで全ての謎は解けることになるが、それならば残り2話もあるというのも少し奇妙です。まぁ次回でそのあたりもクリアになってくるでしょうから、とにかく次回に期待ですね。まずはミギとダリ達がどう生き残るか、瑛二も助け出せるのか、怜子も本当に死んだのかどうか、興味は尽きませんね。

 

 

 

さて今期2023年秋アニメも残り半月の最終局面となってきましたので、ここで個人的に面白いと思っているランキングの現時点で視聴継続している24作品(終了している1作品も含む)の状況を挙げておきます。なお下記の順位は12月12日深夜にテレビ放送を録画した分までのエピソードの評価を反映したものです。また、一応順位表には既に視聴を切ったBランクやCランクの作品も挙げておきます。なお×マークが付いているのは途中で視聴を打ち切った作品です。

先月末に投稿した終盤前のランキングから割と変化してきていますが、ようやく収まるべきところに収まるべき作品が収まってきたという印象ですね。それでもまだここから動くところは大きく動きますね。それはやはりクールの畳み方には各作品ごとに大きな差異が出るからなのでしょう。だから、動くところはこの先もまだ大きく動く可能性が高い。最終順位確定まで、このまま終わるということはないでしょう。

 

◆SSランク(別格の作品)

Dr.STONE NEW WORLD 第2クール

進撃の巨人 The Final Season 完結編 後編

 

◆Sランク(大満足した作品)

1位 16bitセンセーション ANOTHER LAYER

2位 ティアムーン帝国物語 ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~

3位 オーバーテイク!

4位 SHY

5位 カノジョも彼女 Season2

6位 星屑テレパス

7位 ミギとダリ

8位 Helck

 

◆A+ランク(満足できた作品)

9位 君のことが大大大大大好きな100人の彼女

10位 柚木さんちの四兄弟。

11位 葬送のフリーレン

12位 薬屋のひとりごと

13位 アイドルマスター ミリオンライブ!

14位 SPY×FAMILY Season2

15位 聖剣学院の魔剣使い

16位 経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。

 

◆A-ランク(普通に観れた作品)

17位 ブルバスター

18位 MFゴースト

19位 ひきこまり吸血姫の悶々

20位 ウマ娘プリティダービー Season3
21位 僕らの雨いろプロトコル

22位 豚のレバーは加熱しろ

 

◆Bランク(退屈だった作品)

×23位 鴨乃橋ロンの禁断推理

×24位 暴食のベルセルク

×25位 私の推しは悪役令嬢。

×26位 新しい上司はど天然

×27位 でこぼこ魔女の親子事情

×28位 冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた

 

◆Cランク(苦痛だった作品)

×29位 川越ボーイズ・シング

×30位 婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む

×31位 ポーション頼みで生き延びます!

×32位 帰還者の魔法は特別です

×33位 攻略うぉんてっど! ~異世界救います!?~

×34位 はめつのおうこく

 

 

先月末の「終盤前の状況」投稿時と比べて特に目立った変化としては、まずは3話で視聴を打ち切ってCランクに置いていた「僕らの雨いろプロトコル」が視聴復活してA-ランクに在るということです。これはなんかヤバくなってきたという噂を聞いて観てみたところ最終話まで見届ける価値はあると思えたからです。

そしてもう1つ目立った変化は、「終盤前の状況」投稿時にはSランク1位に置いていた「進撃の巨人 完結編」を今回はSSランクに配置を変えていることです。実質SSSランクで尺が短いぶん補正して2ランク落としてSランク1位にしていたんですが、尺的には実質4話分だったので厳密には2ランク弱落とせば良くて、それならギリギリSSランクの下限ぐらいでもOKでした。それを一応SSランクの「Dr.STONE」と差別化するためにSランクにしていたのですが、Sランクも大所帯になりそうになったのでSSランクに上げることにしました。それに、やはり特番枠というのもあって、やはりこの「進撃の巨人」は別枠扱いにしておいた方がしっくりくるようにも思えたのでSSランクで良いと思います。

 

今期は現状、SSランクが2作品、Sランクが8作品、A+ランクが8作品、A-ランクが6作品あり、バランスが良いです。前クールもこれと似た感じで最終盤を迎えたんですが最終的にはSランクから2作品落ちて6作品になりました。しかし今期の場合は逆にここからSランクが2作品増えて10作品になる可能性が割と高い。その上にSSランクが2作品もありますから、今期は「大豊作クール」となる可能性がかなり高くなってきました。それはこうした量的な面だけでなく、質的にもSランク作品の出来が通常クールに比べても現状ではかなり上出来で、どの作品も終盤になってかなり面白くなっている。通常はSランク作品が8作品もあれば終盤になって失速気味で序盤中盤の貯金でSランクを維持している作品というのが幾らかあるものだが、現状8作品全て終盤まで勢いが落ちておらず勢いが増しているというのは凄い。いや一旦少し勢いが落ちた2作品をあえてA+ランクに落としているので、それも最終盤で勢いが盛り返せばSランク10作品が盛り上がったままフィニッシュするということになり、そうなると非常に充実した大豊作クールということになるでしょう。

 

それではまずはSSランクですが、これは現状「Dr.STONE3期」と「進撃の巨人 完結編」の2作品があります。このうち「進撃の巨人 完結編」は上記したように実質はSSSランクですが尺が短いぶん補正してSSランクの下位に置いています。実質的には今期のナンバーワンの作品といえますが、1クール作品ではないので、あくまで別枠と考えた方がいいでしょう。また、既に完結している作品なのでこの先の動向なども考える必要も無く、順位もこの位置で確定であり、今回は特に触れません。

もう1作品のSSランク作品が「Dr.STONE NEW WORLD」であり、「Dr.STONE」の3期にあたります。分割2クール作品であり、今期やっているのは後半クール分にあたる。前半クールは今年の春クールに放送済みであり、そこではSランク2位にしましたが、話が中途半端なところで終わったぶん減点して2位にしただけであり、こうして後半クールに話が繋がって総合評価し直せば前半クール分も評価は上がります。今期の後半クール分はその前半クールの盛り上がったところからそのまま始まったので最初からずっと圧倒的に面白く、しかもそれがどんどん加速していったのでここまでずっと今期の1クール作品の中ではナンバーワンの飛び抜けた面白さをキープしてきた。既に2話前にピークに達しており最新話はエピローグ展開に入っているが、残り2話も感動的なフィナーレと4期への導入が予定されており最後までずっと面白い。当然このままSSランク筆頭でフィニッシュします。これは予想ではなくて決定事項と言ってよい。

 

次いでSランクですが現状は8作品あり、どの作品も名作揃いで、終盤に入ってから非常に盛り上がってきており、現時点の瞬間的な面白さでは優劣がつけられない状況です。また、キリが良いところで終わる作品が多いので終盤の展開の出来次第で順位が大きく動く可能性も高く、Sランク内の最終順位の予想は極めて難しい状況となっています。

逆にSランクのレベルが高すぎて、A+ランク最上位に一旦Sランクから暫定的に落としている「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」「柚木さんちの四兄弟」の準Sランク2作品以外の今期の他作品はSランクに食い込む余地はほぼ無いと言って良いでしょう。またこの準Sランク2作品も、もしSランクに返り咲いても現在Sランクの8作品の順位争いに加わることはなくSランク下位に落ち着くだけでしょう。

そうした現状Sランクの8作品ですが、おそらく上記の順位から最終的にはかなり変化してフィニッシュするとは思いますが、現時点でとりあえず順位を付ける決め手としたのは、1クール通して盛り上がった期間の長さの差です。最終的には終盤の面白さが最終順位を決定することは分かっているのですが、その終盤の出来の優劣が全部終わってみないと分からない以上、現状ではここまでの積み重ねの差でひとまず優劣をつけるしかない。そして、それは最終的に終盤の盛り上がりが同じ程度であった場合には勝敗を分けるポイントにもなります。

そういう観点では、やはり「16bitセンセーション」と「ティアムーン帝国物語」が頭一つ抜けているといえます。またこの上位2作品は現時点の面白さでも他の作品をリードしているといえます。ここからの最終盤も2作品とも盛り上がりそうではあるんですが、「16bitセンセーション」は展開が全く予測不能であり、神作品になるかコケるかの危なっかしさがあり、「ティアムーン帝国物語」の方が安定感や安心感が高いといえます。

それ以外のSランクの6作品は完全に混戦状態で、順位は予測不能です。終盤前の予想では「オーバーテイク!」「カノジョも彼女」が強かったんですが、この2作品は順調であるものの、それ以外の作品で、特に「SHY」「星屑テレパス」「ミギとダリ」の終盤の勢いが予想以上であり「オーバーテイク!」「カノジョも彼女」に肉薄しつつある。また「Helck」もここからかなりのスパートをかけてくることが予想されており、これら下位作品は最終盤の勢い次第では「16bitセンセーション」「ティアムーン帝国物語」を脅かす可能性すらゼロではないだろう。もちろん「オーバーテイク!」「カノジョも彼女」も侮れない。

ただ、それら下位6作品の中で、既に残り話数が1話しか残っていない「オーバーテイク!」と「SHY」は現在順位からのそんなに大きな伸びしろは望めないと思われ、2作品とも6作品の中では現時点で上位にあるが、この後他の下位作品に追いぬかれる可能性は高い。特に「SHY」は最新話がピークだったのでこの4位が上限と思われる。「オーバーテイク!」は最終話で一番盛り上がると思うので3位をキープはする可能性が高めだが、上位2作品に迫るのは難しいだろう。

追い上げる下位作品のうちの残り4作品の中では、ラストスパートの開始が最も遅かった「Helck」が一番苦しいといえるが、溜めたぶん最終盤の盛り上がりは大きいかもしれず侮れない。残り3作品の中では、ここまでの貯金が一番大きいのは「カノジョも彼女」でありラスト2話が一番盛り上がるので十分上位を狙える力はあるが、ここからの最終盤が一番凄そうなのは「星屑テレパス」と「ミギとダリ」だろう。

 

まず「16bitセンセーション ANOTHER LAYER」は序盤から一貫してストーリー展開が奇想天外かつ緻密であり、毎回が予測不能の展開で楽しめた。しかも回を重ねるごとに面白さが増していき勢いが落ちることはなく7話時点でSランク1位になった。終盤に入って更に勢いを増しており、このままの加速度で残り3話で物語が完結すれば神作品となりSランク1位のままフィニッシュするだろう。ただ展開が全く読めない上に物語が壮大になっているので上手く畳むことが出来るのか不安はある。

「ティアムーン帝国物語」は序盤からコメディの巧さと感動展開も織り込んだ物語構成の完成度の高さで惹きつけられた。ギャグで笑える一方で情報量多めのストーリーは見応えがありキャラも魅力的で非常に完成度が高い。「16bit」が面白過ぎて中盤で1位を譲ったが地力と安定感では勝っている。終盤に入ってから予想外の展開で大団円に向けて盛り上がっており、残り2話を綺麗にまとめて「16bit」がコケるのを待ってもいいが、深い感動展開で締めれば自力でSランク1位奪還もあり得る。

「オーバーテイク!」は深みのある人間ドラマを描く脚本の完成度が非常に高い。序盤から終盤まで脚本の安定感は今期のトップクラスを維持してムラが無い。作画も安定しており物語が今期で綺麗に完結するのも強み。残り1話なので大体は展開は読めるが綺麗に盛り上げて更に評価を上げて終わる安心感がある。間違いなくSランク上位に相応しい名作だが、ストーリーの質は高く深みもあるが、密度は薄い印象なので上位2作品には及ばず、今期の下位作品の勢いも少し脅威には感じるところ。

「SHY」はヒーローアニメの中でも屈指の傑作で、物語の完成度が極めて高く、むしろ難しすぎて不人気なのではないかと思う。序盤から質の高いエピソードが多めだったが物語はスロースタートで評価は抑えめにしていた。しかし8話以降の「氷の故郷編」で本領発揮して盛り上がってきて特に最新話は超絶神回だったので一気に順位を上げた。ただSランク作品の中で最も早くピークを迎えたゆえの高順位でありスロースタートの減点は否めず、残り1話は後日談だろうから順位は下がると思う。

「カノジョも彼女 Season2」はギャグセンスの高めのラブコメであり、続編作品なので序盤からトップギアに入った面白さをずっと維持してきた。このコンスタントな面白さの貯金はかなり強みであり、更に残り2話も今期で最も盛り上がる部分でありキリの良いところで終わることもあり本来ならほぼ死角が無く、今期のラインナップならばSランク3~4位で終えられるはず。実際そうなる可能性も十分あると思うが、最終盤の下位作品の勢いが凄そうなのであまり安心していられる訳ではない。

「星屑テレパス」はきらら系アニメだがストーリーに深みがあり脚本が結構緻密で見応えがある。序盤はちょっと掴みどころが無い印象だったが、3話で瞬が登場して以降はストーリーが見応えがあるものになった。ただやはりクール前半は薄めな印象で評価は抑えめだったが折り返しを過ぎて同好会が動き出して一気に密度が濃くなった。そして9話と10話の神展開で一気にSランクで順位を上げていき、残り2話が更に盛り上がっていきそうなので最終盤の台風の目の1つになりそうな予感がする。

「ミギとダリ」はシュールギャグとミステリーが混在した作品で、序盤はシュールギャグが目立っていて最初は面白かったがすぐに飽きた。しかし中盤になると双子設定を活かした作劇が純粋にハイレベルで面白くなってきて、折り返しを過ぎるとミステリー要素が強めになってどんどん謎解きが進んでいき面白さはトップレベルに近づき、9話以降の怒涛の展開は現状は今期のトップクラスといえる。スロースタートだったぶん現状はSランク内でも下位だが残り2話で台風の目になっていきそうです。

「Helck」は連続2クール作品の終盤戦に入ってきていて、今期の後半クール分に入ってきてからは過去回想編が徐々に盛り上がってピークに達してSランクに上がってからは現在篇に入って一旦落ち着いてから再び徐々に盛り上がってきたところ。意外に一気に盛り上がってこないが徐々に世界観の謎が明かされていく様は素晴らしい。おそらく残り2話は過去回想編と同じく一気に最高潮の盛り上がりになると予想され順位アップが期待出来る。ただラストスパートが最も出遅れた分は不利と思う。

 

次にA+ランクですが、現状は8作品あって数的にはかなり充実していますが、最上位の「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」「柚木さんちの四兄弟」の2作品は暫定的にSランクから落としてきている準Sランク作品という印象であり、終盤の展開次第でSランクに返り咲く可能性は十分ある。そうなると実質的なA+ランクは6作品であり、「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」「アイドルマスター ミリオンライブ!」という上位3作品と、「SPY×FAMILY」「聖剣学院の魔剣使い」「経験済みなキミと経験ゼロなオレがお付き合いする話」という下位3作品に分かれている印象がある。ただ、ここに終盤の展開次第でA-ランクから「ブルバスター」が上がってくる可能性はある。

「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」「柚木さんちの四兄弟」の2作品はSランクを窺い、ダメならA+ランク最上位争いをするだろう。この2作品がSランクに去れば「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」「ミリオンライブ」がA+ランクの最上位争いをすることになるだろう。この3作品のうち地力は「フリーレン」が一番高いが、今期終盤に関しては「薬屋」の方が盛り上がると思われ、「ミリオンライブ」は3作品のうち一番地力は低いが一番勢いがあり、状況は混沌としている。A+ランク下位に関しては「SPY×FAMILY」「聖剣学院の魔剣使い」はA+ランク下位に落ち着きそうだが「キミゼロ」と現状A-ランク最上位の「ブルバスター」の終盤の盛り上がり次第では下位の順位争いも混沌としそう。「キミゼロ」はA-ランクに落ちる可能性は十分あり、「ブルバスター」は逆にA+ランクに上がってくる可能性は十分ある。

 

まず「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」は序盤のインパクトがかなり大きくてSランク上位のスタートとなったが、やはり回が進むにつれてギャグのワンパターン化による若干のマンネリ化が進行し、ヒロインが増えて作劇の陳腐化も若干進んだ。致命的欠陥ではないが終盤になってSランクは厳しくなった。しかし残り2話は新規加入の6番目の彼女のインパクトが強いので巻き返しに成功してSランク返り咲きの可能性はある。

「柚木さんちの四兄弟」はオムニバス形式のホームコメディだが通常はこのタイプの作品はA+ランク以下が定位置。しかしホームドラマとしての完成度や安定感がずっと異常に高かったのでずっとSランク下位に評価せざるを得なかった。そこに最新の第10話がイマイチな内容だったので一旦A+ランクに下げることにした。だが残り2話がこれまでのエピソードと同等以上の出来であるならば十分にSランクに返り咲く可能性はあります。

「葬送のフリーレン」は重厚な世界観であるがここまでは基本的に軽いノリの旅物語。個々のエピソードの完成度は高いがあまり物語には大きな動きはない。良い点が多く悪い点は無いが特に盛り上がっているわけでもないのでA+ランク上位あたりが妥当と思う。連続2クール作品で来期に続き、今期分はたぶん残り2話だと思うがそんなに盛り上がらないだろう。

「薬屋のひとりごと」は連続2クールの後宮ミステリーのはずなのだが現状はまだミステリーとしては薄味で、ちょっとした事件の描写を通して猫猫のキャラの掘り下げをしている。更に今後の物語の伏線をバラ撒いていってる段階で、それらだけで十分魅力的ではあるが、現状はA+ランク上位が妥当。今期分はおそらく残り2話で、そろそろ本筋が動き出しそう。

「アイドルマスター ミリオンライブ!」は基本的にはキャラが多くて薄味のドラマなのだが作劇が非常に巧みで多くのキャラを使って完成度の高いエピソードを随所で魅せてきた。特に終盤前からは物語の完結に向けてかなり盛り上がってきており加速度がついてきていて残り2話も勢いが加速していけば「薬屋」「フリーレン」の上にいく可能性も十分あるだろう。

「SPY×FAMILY Season2」は序盤は第1話を除けばイマイチな内容で出遅れたが、イマイチといっても基本設定が強い作品なのでそれなりのレベルは維持しており、その後更に豪華客船編が良くて盛り返してきた。しかし豪華客船編が終わり、残り2話を日常エピソードで今期を締めるのならばこれ以上の順位アップは無いだろう。ただA+ランクは何とか維持しそう。

「聖剣学院の魔剣使い」はありきたりな設定で特に際立ったところもない作品だが楽しめる要素がしっかり散りばめてあってエンタメとしてソツの無さが評価できる。現在やってる今期の最終章は現状あまり面白くないが残り2話でしっかり盛り返してくれそうな安心感はある。ただここまでの貯金が多い作品ではないので残り2話がコケたらA-ランクに落ちるかも。

「経験済みなキミと経験ゼロなオレがお付き合いする話」はストーリーの質が高いラブコメなのだが、結局ここまで物語がそんなに大きく盛り上がったというわけではない。どうでもいいシーンも割と多く欠点は多い作品なのだが、随所で凄く良い場面もあり評価が難しい。現状はA+ランク下位のボーダーラインにある印象。残り2話次第でA-ランク落ちもあり得る。

 

A-ランクは現状6作品あるが、A+ランクに上がる可能性がありそうなのは「ブルバスター」だけでしょう。残り5作品はおそらくA-ランクのままで終わりそうです。

まず「ブルバスター」は序盤はかなりつまらなかったのだが中盤から盛り返してきて、ここ数話はかなり面白い。ここ数話だけなら全作品の中でも上位といえるぐらい面白くなっている。現時点でもA+ランクに上げてもいいぐらいだが序盤のつまらなさも考慮して、残り2話で更に面白くなる可能性がかなり高いのもあって現時点では暫定でA-ランクにしている。

「MFゴースト」はストーリー的には大した内容ではなく前作を知らないと分からない部分も多く一応ドラマ的に主軸となりそうな部分も残り1話でキリのよい部分まで描くことも出来なさそうだし、レース描写すら中途半端に終わりそうなので、これでも全編の大部分を占めるレースシーンの出来の良さに免じて十分に評価に下駄を履かせていると言っていいだろう。

「ひきこまり吸血姫の悶々」は世界観の説明不足のまま突っ走ってしまっている感があり、ちょっと話の内容がよく分からないままここまで来てしまった。それでストーリーを楽しむことは出来ていないのだがキャラには魅力があり、各章はそれぞれ最終的にはそれなりに綺麗にまとめて終わらせてはいるし作画も割と頑張っている。残り3話もそんな感じなんでしょう。

「ウマ娘プリティダービー Season3」は史実を面白いストーリーに昇華させることが出来ていない印象で、ストーリーはかなりつまらない。キャラ描写も薄いのでちょっと挽回は厳しいと思う。現状はファン向けの作品になっている。ただ、そう割り切って見るぶんには駄作というほどではない。ただ残り3話だけでも盛り上がればA-ランク最上位ぐらいは行くかも。

「僕らの雨いろプロトコル」は一旦3話切りしていたのだが復活してきた。ただ話がムチャクチャ面白くなったというわけではなくヤンデレ近親愛とかストーカー同性愛とかキワ物的な要素の結末に興味があって視聴しているだけ。そういうネタ枠なのであまり順位の変化は無さそうだが、話はそれなりにまとまって完結しそうなので残り2話次第でちょっと上がるかも。

「豚のレバーは加熱しろ」はあまりに話が動かないので7話で一旦視聴を切ったんですが8話が良くて視聴復活し9話に期待したんですがかなり期待外れだった。それでも今さら切る気も起きないので最後まで惰性で見ようというスタンスでありあんまり期待はしていない。ただ残り3話で物語の節目までは進むみたいなので、ちょっとは順位アップするのを期待してる。