2023秋アニメ 10月29日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2023年秋アニメのうち、10月28日深夜に録画して10月29日に視聴した作品は以下の7タイトルでした。

 

 

冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた

第4話を観ました。

今回はアンジェリンが仲間のアリッサとミリアムと一緒に里帰りしてベルグリフと一緒に家で過ごすという話。全体的にのんびりした話で、アンジェリンが都でベルグリフのことを勝手に赤鬼だとか言いふらしていたことが分かり、ベルグリフがどうして自分が赤鬼などと呼ばれるのか謎が解けました。その後、ベルグリフがアンジェリンに剣の勝負をしてほしいとせがまれて稽古感覚で軽くアンジェリンをいなしたりしますが、最終的にベルグリフがアンジェリンのことを心配して「自分に勝てなければ冒険者を辞めてもらう」と言って勝負したらアンジェリンも必死になってベルグリフの予想を上回る動きをするが、結局はアンジェリンがベルグリフに甘えたというお話。

アンジェリンが戦った魔王の姿と、昔ベルグリフの片足を噛み切った魔物の姿が似ているという話も出ましたが、なんか結局ベルグリフが本当に強いのか、アンジェリンが父を相手に本気で戦えないだけなのか、そこらへんがずっとフワッとしてて曖昧な印象なんですよね。まぁボルドー家の兵士たちが「隙が無い」とか言って動けなかったぐらいだから本当に強いんでしょうけど、アンジェリン以上なのかどうかは結局よく分からない。無自覚最強系おっさんということなんでしょうか。どのへんに需要があるのかちょっとよく分からないが、私としてはあんまり需要は無いですかね。話もつまらなくはないのですけど、もうこれ以上続きを見たいともあんまり思えなくなってきて、今回で視聴は切らせていただきます。

 

 

ひきこまり吸血姫の悶々

第4話を観ました。

今回はコマリがヴィルを救出するためにミリセントと戦うお話でした。最初にミリセントの生い立ちが描かれますが、ミリセントの父親の教育方針がイカレてて、その結果ミリセントもイカレた人間になってしまったようです。烈核解放という特殊能力を発現させるために過酷な修練を受け続けた挙句、烈核解放の力は発現しなかった。それで3年前に烈核解放の能力持ちであるヴィルをイジメていたところをコマリに咎められて、コマリが自分とずっと比較されてきたガンデスブラット家の娘と知って憎み、コマリを屈服させて殺そうと決意したのだそうだ。そしてコマリのペンダントを奪おうとした後、ミリセントはコマリの発現させた烈核解放の力で3年前に殺されたらしい。その後、復活したミリセントだったが、ガンデスブラッド家によってミリセントの家は国家反逆罪の罪を被せられて没落させられて、その後ミリセントはテロ組織の一員にまで身を落としたのだそうだ。

それがミリセントの恨みで、それでミリセントはコマリとヴィルに復讐しようとしている。完全にイカレてるんですけど、コマリは魔法石でミリセントに対抗して戦います。コマリ自身は烈核解放の記憶も無くて発現の仕方も分からないのでミリセントに対して勝算は無く、それでもヴィルを救うために逆境に立ち向かう。その心の強さによって、ヴィルの血を呑むことで烈核解放が発現してミリセントを倒します。そしてミリセントは本当に弱かったのは自分の方であったと悟る。

実はコマリは3歳の時に血を呑んで烈核解放を初めて発現して暴走して家族を皆殺しにしてしまったらしい。それで父親がコマリの幸せを願って、血が呑めないという暗示をかけたのだそうです。そのおかげでコマリは虚弱な吸血鬼となり、烈核解放も出来なくなっていたわけです。そしてミリセントとの戦いの後も記憶が混乱して、結局はコマリは烈核解放のことも忘れてしまい、血も呑めない状態に戻ってしまったが、ヴィルはもともとコマリの父から事情を聞かされて知っており、これからもコマリの幸せのために傍に仕えると決めたのでした。

今回はそういう感じの話で、ミリセントのイカレっぷりが際立っていて作画も演出もド派手でしたが、話はちょっとぶっ飛びすぎていてついていけないところもありました。まぁベタといえばベタでしたし、派手さだけが際立ってる印象はありましたね。ただ最後にコマリが血を呑めない理由に上手く繋げたのは良かったと思う。まぁそういうわけで普通な感じでしたかね。

 

 

SPY×FAMILY Season2

第29話を観ました。

今回はまず前半パートは「知恵の甘味」といわれるイーデン校に言い伝えられる「食べるとインペリアルスカラーになれる」とかいうお菓子をアーニャ達が争奪するという話。その正体はマカロンだったのだが、4つのマカロンをアーニャ達が5人で奪い合うことになり、ババ抜きで最下位となった者が食べるのを諦めることになる。

アーニャは心を読む超能力を使って簡単に勝利するが、あまりにアッサリ勝ったので怪しまれてしまい、このままでは超能力者だということがバレてしまうと思ってアーニャは焦り、わざと失敗しているうちに本当に負けそうになってしまう。アーニャはゲームの間、思いっきり顔に出てしまうので相手がアーニャの持っているカードが何なのか分かってしまい、アーニャは相手も超能力者なのではないかと疑ったりする。それで結局、ダミアンもババ抜きが弱くてアーニャとダミアンで最下位決定戦となるが、最後は負けそうになったアーニャの泣きそうな顔にドキッとしてしまったダミアンが勝ちを譲ってしまいダミアンが最下位となりマカロンを食べられなかったという話でした。

後半パートはフランキーがお気に入りのカフェの女店員の気を引くために迷子の猫を探すという話で、ヨルがそれに協力しますが、これは子供向けっぽくてあんまり面白くなかった。まぁ前半パートも子供向けっぽいといえば子供向けっぽいんですけど、前半パートの方は割と面白かったんですよね。最後はヨルの次の殺し屋の仕事の伏線が描かれたのかもしれない。

 

 

新しい上司はど天然

第4話を観ました。

今回は新たな新入社員キャラとして金城くんというのが登場します。金城はもともと別の会社でパワハラ上司で苦しんでいたのだが、たまたま白崎と桃瀬の遣り取りを見かけて転職しようと決意して白崎の会社に入社してきた。だが金城の教育係になったのは青山課長だった。青山は寂しがりで白崎の天然ボケに対抗意識を燃やしたりします。そして金城は青山の扱いを心得ています。白崎が「二時から出社する」をLINEで「虹から出社する」とか「煮汁から出社する」とか誤字ったりするのは笑えた。あと飲み会で白崎が酔っぱらって面白かった。アイス枕と冷凍うどんを間違えるのも笑えた。

まぁこういう感じで随所で笑えるギャグもあるのだが、全体的には、パワハラ上司あるあるネタとか、いちいち上司がカワイイと言うノリとか、そういう会社員ギャグみたいなのがあんまり個人的な需要に合わない感じで、ちょっと自分がこの作品の対象としている視聴者層と違う気がしてきた。そういうわけで、別に続きを見る必要もないと思えてきて、嫌な作品ではないのですが、今回で視聴は切らせていただくことにしました。

 

 

豚のレバーは加熱しろ

第4話を観ました。

今回はジェスの隠していた秘密がようやく明らかになりました。なお、前回のラストは豚が刺されて死にそうになってましたが、ジェスが悪者の持っていた黒のリスタを使って治してくれたみたいで冒頭の一瞬で解決してましたね。そして王都に向かう道中でジェスが遂にこれまで豚に隠していた事情を明かします。

それも全て謎が明かされたというわけではなく、ジェス自身も分かっていない部分もあるので、そこは不明のままです。不明なのは王都に行った後にイェスマがどうなるのかという点です。ジェスが知っているのは、この世界に生きるイェスマは16歳になると仕えている家を出て自力で王都に向かい身を捧げるのだということです。そしてイェスマの首輪や骨などが高値で売れるので、王都に向かう途中のイェスマを殺そうとする「イェスマ狩り」という連中がいるらしい。

そういうわけでジェスは非常に危険な旅に出ているわけで、豚はジェスを守ろうと決意する。それで途中でスカーフを買ってジェスの首輪を隠したり、途中で別のイェスマのいる店に入って、過去にイェスマが大量に殺されたという場所に案内してもらったりします。こんな感じで、相変わらずオタクのモノローグのノリはウザいのだが、話の方はようやくちょっと面白くなってきました。今後には期待です。

 

 

ティアムーン帝国物語 ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~

第4話を観ました。

今回はセントノエル学園の新入生歓迎のダンスパーティーが描かれ、今回もミーア姫は絶好調で、自己中心的な動機による行動を繰り返しながら相手が勝手に勘違いしてどんどんミーア姫にたらし込まれていきます。あまりのバカバカしさに大爆笑でした。全員がバカすぎるんですけど、相手が勝手に勘違いしている側面は確かにあるんですが、ミーアの行動にもちゃんと筋が通っているところもあるので相手が好意的に解釈するだけの根拠はちゃんとあるんですよね。

まず前回のラストシーンで、ミーアがアベル王子が自分のダンスパートナーだと宣言する場面ですが、ミーアはとにかく絶対に関わってはいけない相手であるシオン王子からのダンスの誘いを断るために、無理矢理に「もともとアベル王子と踊る約束をしていた」ということにしただけなのです。そのためにアベルが兄王子から「お前のような出来損ないにロクなダンスの相手が見つかるはずがない」と侮辱されている状況を利用したのです。

もともとアンヌ考案の「ハンカチ落とし作戦」でアベルを落とすはずが見事に空振りに終わってしまって焦っていたミーアは、アベルが兄王子に侮辱されている現場に割って入って「ティアムーン帝国の第一皇女である自分がアベルのダンスパートナーである」と宣言してみせた。アベルのレムノ王国はティアムーン帝国に比べると格下の国ですから、アベルがそのティアムーンの皇女であるミーアとダンスの約束をしているということになると、兄王子のアベルへの侮辱は見当違いとなり、むしろ兄王子がミーアを侮辱し、ひいてはティアムーン帝国を侮辱しているということになり、非常に兄王子の立場は悪くなり、対してアベルの株は上がる。つまりミーアはアベルに助け舟を出した形になるわけであり、そうなるとアベルとしてはミーアとダンスを踊るしかなくなる。だから「もともとアベルが私のダンスパートナーだった」というミーアの嘘を受け入れるしかない。その結果、ミーアは穏便な形でシオン王子のダンスの誘いを断ることが出来たのです。

シオンの方は別にミーアに対して恋愛感情があったわけではなく、前回ティオーナに助け舟を出したミーアの姿を見て「帝国の叡智」と噂されるミーアに興味を抱き親交を結びたいと思っていただけですので、ミーアにはアベルという相手がいるのだと納得して引き下がりました。あるいはミーアがアベルを庇う形で割って入るのを見ていたシオンは、ミーアがアベルに助け舟を出しているのだと理解して、ティオーナの一件に続いてのミーアの慈悲深い行動に感心して、あえてそれを邪魔してはいけないと思って引き下がっただけなのかもしれないですね。

それでミーアは上手くシオンからのダンスの誘いを躱すことが出来たことに安堵し、更に前の時間軸では散々酷い目に遭わされた忌々しいシオン王子に今回は公衆の面前でダンスの誘いを断るという侮辱を与えることが出来たことでほくそ笑んでいた。ところがここでミーアにとって予定外の事態が起きる。アベルの方はミーアがシオン王子からのダンスの誘いを断るのを見て、本来はシオンとダンスの約束をしていたミーアが自分が兄に侮辱されているのを見て同情して「私がアベルのパートナー」と嘘をついて自分を救ってくれた代償としてシオンとのダンスを諦めてくれたのだと解釈してしまった。そして、自分のような二流王子なんかのために高貴なミーア姫が犠牲になるべきではないと畏れ多く思って、ミーアを追いかけてきて「僕と貴方とでは釣り合いません。ダンスのパートナーにはシオン王子を」と言ってきたのでした。

しかしミーアとしてはシオンとダンスを踊るなど死んでも御免なので「ならば私のために自分を磨きなさい」という言葉をアベルに投げ返して、あくまでアベルとダンスを踊る方針を曲げない。それに対してアベルが「僕には才能が無いのでシオン王子はおろか兄にすら勝てない」と弱音を吐くと、ミーアは「勝てないのは今の貴方の話でしょう?」と鼻で笑い「研鑽を積み上げて未来に至る場所は誰にも分からない」と言い返し、「この私がダンスパートナーに選んだ貴方がシオン王子や兄君に勝てぬなど絶対にありえない」と言ってアベルを鼓舞する。

これはミーアとしては本当に自分が見込んだ相手であるアベルがシオンや兄王子に勝てるようになるのは死活問題だったということに過ぎない。ミーアはシオンのダンスの誘いを断るためだけにアベルをダンスパートナーに選んだわけではなく、シオンにダンスを誘われるというアクシデントが無くてももともとアベルに狙いをつけていた。それは将来的にもし革命が起きた時にアベルにレムノ王国の援軍を率いて参戦して助けてほしいからなのです。その時は当然シオン王子の率いるサンクランド王国軍と戦うことになるわけですから、アベルが「私はシオン王子には勝てない」とか思っているようでは困るのです。また、兄王子に押さえつけられているままのアベルであればミーアのために援軍を出すことすらおぼつかないでしょう。だから、ミーアとしてはあくまで自己中心的な理由で「アベルがシオンや兄王子に勝てないなんてことはあってはいけない」のです。

ただ、そんな自己中心的な理由で発したミーアの言葉がしっかりとアベルの胸に響いたのです。もともとアベル自身が自分の可能性など信じていなかったのですから、ミーアの上っ面の言葉など本来は胸に響くはずはない。しかしミーアの言葉がアベルの胸に響いたのは、そこに真実があったからです。真実があったのは「貴方がシオン王子や兄君に勝てぬなど絶対にありえない」という言葉の方ではなく、その前に言った「研鑽を積み上げて未来に至る場所は誰にも分からない」という言葉の方です。この言葉は、前の時間軸で断頭台で首斬られた自分がいかにダメな皇女であったかを痛感したミーアが、そんなダメ皇女である自分を必死で変えて未来を改変しようと足掻いているからこそ重みをもって吐けるセリフなのです。そうしたミーアの言葉に心動かされて、本来は二流王子となる運命だったアベルの運命は変わり、そして自分の人生を前向きな方向に変えてくれたミーアに深く感謝することになるのです。

しかしダンスパーティー当日、またもミーアに想定外の事態が勃発してしまう。とっておきのドレスを着てパーティー会場に向かおうとしていたところ馬のくしゃみを浴びてしまいドレスが台無しになってしまいミーアもびしょ濡れになってしまったのです。それで結局、アンヌが強く推すので風呂上りに軽装のドレスで会場に遅刻して駆けつける羽目となってしまったのだが、むしろその上気した肢体が露出多めの軽装の白いドレスに映えて、その美しさは会場中の注目を集めることになる。

前の時間軸ではぼっちパーティーで見事に壁の花であったミーアが今回は大違いです。しかしミーア自身は前の時間軸での忌まわしい記憶があるので、まさか自分が美しいと思われているなど想像もしていない。もともと「どうせ誰にも相手にされない」と思っている。アベルをダンスパートナーとして確保はしたが、それは貸しを作って半ば強引に約束させたものであり「アベルだって内心では自分のような女と踊りたいとは思っていないだろう」と思っていた。ただでさえそんな状況であるのに、加えて突然のアクシデントでアンヌの提案で変な軽装での参加となり、ミーアは不安でいっぱいでした。だから皆が自分に一斉に視線を注ぐのを見て、遅れた上に変な格好で現れて非難されていると感じていた。

それでミーアもさすがに弱気になってアベルに見放されていないだろうかと心配で、アベルを見つけると近づいて「申し訳ありません」と切り出す。アベルはあまりにミーアが美しいので気後れしてしまっていて、そこにミーアが謝ってきたので「やはり自分とのダンスパートナーは解約してシオンと踊ることにしたのだと言おうとしているのだろう」と思う。そしてそれは仕方ないことだと自分自身を納得させて「いや、構わないよ。君はとても美しいから」とアベルは言う。すると、それを聞いてそれまで不安いっぱいだったミーアは、アベルだけがドレスのことを咎めずに褒めてくれていると感じて安堵して「ありがとうございます!アベル王子!」と嬉しそうにアベルの手をとりダンスに誘うのでした。アベルはどうしてミーアが急に嬉しそうにしたのかよく分からなかったが、心の底から嬉しそうに喜ぶミーアの美しさに見惚れるのでした。

そうしてミーアとアベルはダンスを踊り始めるのだが、実はミーアは社交ダンスがとても上手でした。しかしアベルとのダンスはとても地味な印象のものでした。これは実のところミーアが真にダンスが上手だからなのです。社交ダンスはあくまで男女がペアになって表現するものであり、2人のダンスが調和していなければ美しいとはいえない。どちらか一方が上手いからといって自分の技量をアピールすることを重視して相手との調和を無視すれば見るに堪えないものとなる。ここではミーアはダンスがあまり上手ではないアベルの技量に合わせて調和を重視しているのであり、それが出来るのはミーアが上手だからなのです。本当はもっと上手く踊れるのだが、自分1人が上手さをアピールしたら調和が台無しになってしまうことが分かっているのでアベルに合わせているのです。

「自分勝手なワガママ姫」と言われるミーアだが、このようにちゃんと他人との調和を重視する側面も持ち合わせている。しかし常に誤解されがちなのがミーアであり、ここでもミーアがアベルとの調和を重視しているという高度テクニックは周囲には全く理解されず「ティアムーン帝国の皇女といってもダンスは大したことはないな」と侮られてしまっている。ただ、一緒に踊っているアベルただ1人だけはミーアが本当はとてもダンスが上手なのに自分のレベルに合わせてくれていることに気付き、自分のせいでミーアが侮られてしまっていることを申し訳なく思い、ミーアが自分の可能性を信じてくれたというのに、その自分がミーアの足を引っ張ってしまっていることにアベルは悔しく思う。

それでアベルはミーナと1曲踊ると、ミーアの手を引っ張ってシオンのもとに行き、ミーアと踊ってほしいと頼む。ダンスの上手なシオン王子と踊ればミーアも全力を出すことが出来て喝采を浴びることが出来るだろうとアベルは思ったのです。だがそれはアベルにとって屈辱的な決断でした。本当ならば自分が一緒に踊ってミーナを輝かせてやりたい。しかし今の自分にはその実力が無い。だから今ミーナを輝かせるためにはシオンにパートナーの座を譲るしかない。それがアベルにはとても悔しい。自分に実力が無いことがこんなに悔しいということをアベルは初めて知った。そして必ずや雪辱を果たさねばいけないと思った。ミーアが信じてくれたように、研鑽を詰めば未来の自分はどんな高みまで登るか分からないのです。

シオンの方はアベルの意外な申し出に一瞬驚いたが、ミーアとはもともと一緒に踊ってみたいと思っていたので「では1曲だけ」と快く引き受ける。しかしミーアはアベルがいきなりシオンに自分と踊るよう頼むのでビックリしてしまう。シオンからの誘いを断るためにアベルとダンスすることにしたのに一体どうしてこんなことになったのか全く理解できずミーアはパニックとなる。ミーア自身は社交ダンスはあくまでペアの調和を魅せるものと心得ており、自分のダンス自慢をする気など毛頭無いので、別にアベルとのダンスに物足りなさを感じてなどいなかった。だからアベルの「ミーアを輝かせたい」という気持ちが全く理解も想像も出来ない。ただ単にいきなり絶対に関わり合いになりたくないシオンとのダンスを強要されてしまい困惑するばかりでした。ただ、この状況でシオンとのダンスを拒むとますますシオンの心証を悪くすると思い、仕方なくダンスを受けることにする。

そうしてミーアとシオンが踊り始めますが、シオンの顔を見ているとミーアは前の時間軸でのシオンへの恨みが募ってきて、いっそこの状況を利用してシオンに仕返ししてやりたいという衝動に駆られる。幸い自分はダンスが上手なので、本来は社交ダンスにおいてはマナー違反なのだが憎きシオン相手だから特例ということで、わざと激しいダンスで振り回して派手に転ばせて恥をかかせてやろうと企む。ミーアはシオンがダンスが上手だということは知っていたが、前の時間軸でも一緒に踊ったことはないのでその腕前を正確には知りませんでした。だから自分が全力で踊ればきっとシオンはついてくることが出来ないだろうと甘く見たのですが、ミーアの全力ダンスにシオンも対応してきた。それでミーアは驚いて焦りますが、結局そのままミーアとシオンの全力ダンスはちょうど同じぐらいのハイレベルで調和して拍手喝采を浴びたのでした。

ミーアとアベルのダンスも同じぐらい見事に調和していたのですが誰もその価値に気付かなかった。しかしミーアとシオンのハイレベルな調和は誰の目にも明らかに素晴らしいものだと理解され、そこではじめて皆はミーアがダンスにおいて相手との調和を第一に考えているのだということに気付いた。セントノエル学園の生徒会長であるヴェールガ公国のラフィーナ姫もまたその1人であり、ラフィーナはミーアのダンスを見て、ミーアの素晴らしい人格に敬意を表すのでした。

アベルもミーアとシオンのダンスを素晴らしいと思い、自分の実力不足を痛感していた。だが、ミーアにとってはシオンとのダンスもアベルとのダンスも、ダンスとしての価値は同じであった。見た目の派手さよりも相手との調和こそが大事と考えるミーアにとってはアベルとのダンスも十分に素敵なものでした。そして、そんなことよりもミーアは激しいダンスで喉が渇いた自分を気遣って冷たい飲み物を用意して待っていてくれたアベルの優しさの方が嬉しかった。思えば前の時間軸も含めて、ミーアは臣下の立場ではなく対等な立場で男子からこんなふうに1人の女の子として優しい扱いを受けたのは初めてのことだったのです。だからアベルの優しさが本当に嬉しくて心がときめいた。

それにひきかえシオンはミーアにとっては憎き敵であり、ダンスが終わった後「もう1曲」と所望してくるシオンに対してミーアは「貴方にはもっと相応しいお相手がいるのではないですか?」と笑顔で拒否する。前の時間軸ではティオーナと組んで自分を殺したクセに図々しいという腹立たしさから出た皮肉でした。一方でシオンに対して劣等感を抱くアベルに対しては「自分を卑下しないでください」と言い「貴方は素敵な方です」と褒める。シオンに勝ってほしいという想いももちろんあるのだが、やはり本心からミーアはアベルの優しさが嬉しくて、アベルを本当に素敵だと思っていたのです。

ところで、このダンスパーティーの裏でとんでもない事件が起こっていました。しかもそれにミーアの侍女のアンヌも巻き込まれていました。アンヌはミーアのドレスが台無しになったアクシデントの対処に骨を折ったご褒美にミーアからお金を貰って「自由にお使いなさい」と言われたのですが、それをアンヌは「ミーアのお金の自由裁量権を与えられた」と勝手に解釈して、そのお金を自分のためではなく、ミーアの代理として何に使うべきなのか思案していた。すると、そこにティオーナの侍女のリオラがやって来て助けてほしいと言ってくる。リオラの言うにはティオーナは監禁されているという。

それでアンヌがリオラの案内でティオーナが監禁されているという場所に行くと、そこには見張りがいて困ってしまう。すると、そこにシオンの従者のキースウッドが通りがかって加勢してくれて見張りを倒してティオーナを救出することが出来た。事情を聞くと、どうやらティアムーン帝国の貴族による嫌がらせのようで、ティオーナのドレスは台無しにされてしてダンスパーティーに行かせないようにされていた。

そうしたティオーナの話を聞いて、アンヌは「ミーア様ならどうするだろう」と考え、ミーアから自由裁量を任されたお金を使うのは今をおいて他に無いと判断し、ティオーナにミーアから貰った金を渡して「ミーア様からお預かりしていたものです」と言い、そのお金でドレスを買うようにと言う。これじゃまるで「ティオーナのためにドレスを買うお金を渡すように」というのがミーアの意思みたいです。ティオーナもすっかりそう誤解してしまったようで、なんだか感動してます。

しかしキースウッドは、ティアムーン帝国の貴族が関与している事件なのだから皇女であるミーアが関与している可能性もあるだろうと疑い、アンヌの行動はもしかしたら主人であるミーアに逆らうものかもしれないと忠告する。しかしアンヌは呆気にとられて、そんなことがあるはずはないと笑い飛ばす。同じようにティオーナもそんなことはないと思うと言うので、キースウッドもミーア姫というのはよほど人望があるのだなと感心する。

そうしてドレスを急いで買ってダンスパーティー会場にティオーナが到着したのがちょうどミーアとシオンのダンスが終わった時で、「貴方にはもっと相応しいお相手がいるのではないですか?」とミーアに言われた直後のシオンに近づいてティオーナはキースウッドから預かっていたティオーナ監禁事件の顛末を書いたメモを渡します。そこに書かれた「ミーア姫が事件に関与している可能性もある」という言葉を見て、シオンはミーア姫の侍女の言動などからもそんなことは無いだろうと考える。おそらくキースウッドもそうは思っていないのだろうということも分かった。そして、むしろミーアがこの事件の顛末を既に把握していて、侍女を使ってティオーナへのフォローをしていたのだろうと考える。そしてミーアはティオーナが新調したドレスでパーティー会場に到着したのを目視で確認すると、帝国貴族の意地悪のせいでパーティーに遅れて来る羽目になってしまったティオーナにせめて楽しい思い出を作ってあげたいと思い、それで自分に対して「貴方にはもっと相応しいお相手がいるのではないですか?」と言ったのではないかとシオンは考えた。

つまり、ミーアの言う「相応しい相手」というのはティオーナのことであり、ミーアは自分に「ティオーナとダンスを踊って楽しい思い出を作ってあげてほしい」と言ったのだとシオンは想像したのです。ミーアが傷心のティオーナを慰めるという役目を託せる最も適役は自分だという自負がシオンにはあったわけです。そんな感じで、ミーアは全てお見通しで、以心伝心で自分にティオーナを慰める役目を託したのだと勝手にシオンは勘違いして、やはりミーアは凄いと感心したのでした。全くもって全員アホばっかりですね。ともかくそうしてシオンは勝手に納得してティオーナをダンスに誘い、この2人は前の時間軸と同じように恋人同士となるフラグを立てたのでした。但し、前の時間軸では2人してミーナを恨んでいましたが、今回の時間軸では2人ともミーアに心酔してしまってます。

しかし、ダンスパーティーが終わった後、ティオーナ監禁事件について何も知らないミーアは帰ってきたアンヌから事件の顛末を聞いて焦りまくることになる。帝国貴族に監禁されたティオーナはきっとこのままでは自分のことを恨むだろうと思ったからです。それはミーアの最も恐れるギロチンに一直線ルートでした。それを防ぐためには事件に関わった者を厳しく罰しなければならない。それを甘く済ませばティオーナもシオンも事件の黒幕を自分だと疑って恨むだろうとミーアには思えた。また、学園でこんな不祥事を起こして帝国貴族への処分を甘くすれば生徒会長であるラフィーナの怒りも買うであろう。しかし、厳しい処分を下せば貴族たちは自分を恨むかもしれないともミーアは思った。それはそれで革命や反乱に繋がりかねない。

非常に悩ましいところではあったが、やはりミーアは貴族の使用人で事件に関与した者達を学園から追放して帝国に送還した。貴族たちから見ればかなり厳しい処罰であったが、ミーアにはそうした「自分たちは庶民や地方貴族に対しては何をやっても許される」という中央貴族の傲慢は許せなかったのです。何故なら、そうした中央貴族の傲慢に対する庶民や地方貴族の不満が溜まりに溜まって革命に繋がったのだという歴史をミーアは前の時間軸で学んで知っていたからです。

ただ、それはあくまでミーアが前の時間軸の記憶を持っているからこそ分かることなのであり、そうではない中央貴族の子弟たちにはいくら説いてもそのことは理解出来ない。だからやはりミーアも彼らの不満が自分に向くことを恐れて、貴族の子弟たち本人を処罰することまでは出来なかった。その上で従者の処罰に対する彼らの不満を宥めるために、ミーアは生徒会長のラフィーナを利用することにした。

生徒会長のラフィーナが厳格な人間なので学園内での事件に厳しい処罰を望んでいて自分はそれに逆らうことが出来ないので従者を退校処分とせざるを得なかったのだが、自分がラフィーナを何とか説得して貴族の子弟本人は謹慎で済ますことで許してもらったのだとミーアは説明した。そうすることによって貴族の子弟たちはミーアに感謝した。これで一件落着のはずだった。但し、それはあくまでラフィーナが本当にその処罰で満足してくれればの話です。実際はラフィーナがこう言っているという話は全部ミーアが捏造したものであり、一件落着とするためにはミーアの方針にラフィーナの事後承諾が必要でした。

しかしラフィーナは承諾するのに難色を示してきた。ラフィーナは学園内で起こった監禁事件という不祥事に腹を立てており、ティアムーン帝国貴族の大国であることを嵩に着た横暴にも怒りを募らせていた。だからミーアが貴族たちを謹慎で済ませたのは甘い処分だと思い、あるいはミーアも事件に関与しているのではないかと疑い、少なからずミーアに幻滅してしまっていた。それでラフィーナと食事の席で詰問されて進退窮まってしまったミーアは、ふとテーブルに出ていたシチューの中に入っていたトマトを見て、以前に今の時間軸の開始直後に城のシェフに言われた言葉をふと思い出し、不味いと言って残したことが罪深いことだと気付くのは食べるものが無くなってからなのだと呟く。

これはミーアは前の時間軸での後悔を思い出してふとこぼした言葉だったのですが、これを聞いたラフィーナは「貴族たちは自分が悪いことをしたことに気付いていない」という意味だと勘違いし、それをミーアが問題視しているのだと勝手に解釈する。つまり、自分が悪いことをしたと自覚もしていない者をいきなり厳しく罰しても恨みしか生じないが、ミーアは謹慎のような軽い処罰を与えることでまず自分が罪を犯したのだということを教育することが長い目で見て建設的だという考えなのだと、ラフィーナは勝手に思い込んだ。そして、そうした教育的な意味合いの処罰こそが学園にとって本来相応しいのだと考え、厳しい処罰をいたずらに求めた自分の考えの方が早計であったと勝手に反省して、勝手にミーアを尊敬した。そしてラフィーナはミーアに友達になりたいと申し出るのでした。前の時間軸ではミーアのことを無視しまくっていたラフィーナがこうして今回の時間軸ではミーアの心強い友となったのでした。

 

 

薬屋のひとりごと

第4話を観ました。

今回は猫猫が水晶宮に出張するという話。一体どうしてそうなったのかというと、帝の意向によってでした。水晶宮の主である梨花妃が以前におしろいの毒で皇子を亡くしてからずっと容態が悪いので治してほしいとの命令で、帝の命令ですから拒否など出来るはずもなく従ってやってきた猫猫でしたが、水晶宮での扱いは非常に悪い。何せ猫猫が本来仕えている翡翠宮の主人の玉葉妃は梨花妃と帝の寵愛を巡って熾烈に争ったライバル関係にあり、水晶宮の侍女たちから見れば、翡翠宮からやってきた猫猫は敵のスパイのようなものといえる。

そういうわけ帝の勅命で梨花妃の治療のために水晶宮に来たはずなのに、猫猫は梨花妃に近づくことさえ出来ない。しかしそのまま放置して梨花妃が衰弱して死んでしまえば猫猫は勅命に背いたことになってしまう。なんとも難儀な話です。だが、ある日、猫猫は梨花妃が皇子の死んだ事件以降は使用禁止となっているはずのおしろいを梨花妃が塗っていることに気付き、それを梨花妃に塗っていた女官を叱り飛ばす。

梨花妃がずっと衰弱したままであったのはこれが原因でした。ただ、侍女は梨花妃を害することが目的で毒の含まれたおしろいを塗っていたのではなく、単に梨花妃がこのおしろいを好んでいたから、梨花妃に美しくなってもらい帝の寵愛を受け続けられるようにと願い、それは侍女の仕事なのだと信じて、あくまで善意でやっていたことであったのです。全ては妃が美しくなり帝の寵愛を受けるために回る、後宮とはそういう場所なのです。

そうしてようやく猫猫が治療に取り掛かることが出来るようになったが、梨花妃の容体は既にだいぶ悪く治療は根気の要るものとなった。とにかく尿を増やして毒を排出させていき、サウナみたいなものを作って汗を多くかかせたりもした。意識が戻った梨花妃は皇子を亡くした悲しみで死にたがっていたが、重湯から粥に移行していた状態であり、それは生きようとしていることだと猫猫は諭します。そして毒のおしろいを使って謹慎していた侍女のことも寛容に赦す梨花妃を見て、猫猫は梨花妃は后に相応しい人格者であったのだと知ります。

そして梨花妃は回復し猫猫が翡翠宮に戻る日が来るが、梨花妃はもう自分は帝の寵愛を失ったと言う。しかし猫猫は自分は帝の勅命でここにきて梨花妃を治すよう言われたのであり、帝は梨花妃を想っているはずだと告げます。花にはそれぞれ美しさがあるのだから玉葉妃に勝つことが大事ではないのだとも言います。そして梨花妃の巨乳をもってすれば玉葉妃に勝つことも出来ると言い、色町で聞いた秘術を伝授します。おそらくパイズリなんでしょうけど、そのおかげなのか、その後しばらく帝が水晶宮に入り浸って翡翠宮でのお渡りが減ったそうな。

こんな感じで今回も後宮ドラマとして面白かったですけど、事件モノとしては前回に比べて地味で、なんか医療ドラマみたいになってましたね。ちょっと前回が良すぎたというか、前回に比べてやや落ちる感じだったかもしれません。