2023年夏アニメのうち、8月30日深夜に録画して8月31日に視聴した作品は以下の5タイトルでした。
Helck
第8話を観ました。
今回は孤島に居るヘルクやヴァミリオの話が描かれ、遂に2人は孤島から船出して大陸を目指します。まず孤島でダラダラ過ごしているヘルクとヴァミリオのところにカバノがやって来て、山から魔女が降りてきたという。それでヴァミリオは張り切ってすぐに村長の家に走っていくのだが、村長の家に着くと、もう魔女は山に帰ってしまったという。ヴェミリオは自分がノロマだったのが悪かったのだと大いに反省するが、実はカバノがヴァミリオ達を呼びに行く途中で疲れて寝てしまっていたのが原因だった。いや本当コイツ何の役にも立たない。でも正直なのは良いところです。
ただ村長は魔女にヴァミリオ達の話はしてくれたらしくて、魔女は話をしてくれるとのこと。山の結界を解いて待っていると聞いて、ヘルクとヴァミリオはピウイの道案内で山を登り、そこで遂に魔女と会います。この魔女ですけど、大人の女性でしたが、なんか妙にヴァミリオに似ており、村の住人とは様子が違っていた。また、どうやらヘルクに対してあまり良い感情を抱いていないようにも見えた。
そして大陸の方角を教えてほしいとヴァミリオ達が言うと、魔女は「お前たちの目指す大陸は北西にある」と教えてくれる。だが妙に引っかかる言い方です。まるで帝国のある大陸以外にも他にも大陸があるかのようにも聞こえる。それにこの魔女は別に何かの術を使って帝国の方角を突き止めたわけではなく、もともと知っていたようだし、ヴァミリオ達が帝国から来ていることも知っているようにも思える。それでヴァミリオはこの魔女はもともと帝国から来た者なのではないかとも思った。
また魔女は大陸への航海にはちゃんとした準備が必要だと言って、船ももっと立派なものを用意するようにと助言してくれたので、ヘルク達はもともと用意していたイカダじゃなくてちゃんとした船を村民たちにも手伝ってもらって完成させることにした。そして途中で厄介な海域があって迷うので、この島と大陸の間を行き来する習性のある海の生き物「シカンゴ」を捕獲して水先案内に使わねばならないと助言され、そのシカンゴという生き物の絵を見せてもらったら、それは釣りの時にヘルクが海の中で捕まえてきた海中を歩く鹿みたいな変な生き物のことだった。ヘルクは今朝も見たとか言っていて、滅多に見つからない生き物だと魔女が言う割にはヘルクはやたら頻繁に遭遇するみたいです。
ヴァミリオは魔女に「あなたは帝国の民ではないか」と質問しますが、魔女は内緒だと言ってはぐらかし、そんなことよりも目の前の問題に集中するようにとヴァミリオに忠告する。魔女が言う「目の前の問題」というのはヘルクのことだそうです。魔女の言うには、ヘルクは危険な存在だという。今はヴァミリオにとっては強い味方になるが、いずれはどうなるか分からないという。ヘルクの内側には負の感情が満ちており、希望なき目的の先には闇があり、ヘルクは大きな災いを招く可能性があることを忘れてはいけないと魔女はヴァミリオに忠告する。それを聞いてヴァミリオはヘルクが同胞である人間を自分の手で滅ぼさねばならないという想いを語っていたことを想い出す。それはあまりに絶望的な目的であり、確かにそんなものに突き進むヘルクの未来は闇に向かっているように思えた。
そうして船が出来上がり、シカンゴも捕まえて出航の日を迎えた。船の推進力は魔女が付けてくれた「魔力を増幅して推進力に帰る装置」であり、ヴァミリオの魔力を使って船を走らせることが出来る。但し遺跡で見つけたものを改良したものなので故障するかもしれないと魔女は言う。そういえばピウイが魔女のことを「色々調べたり作ったりしている」と言っていたが、もしかして魔女がこの島にいる目的は、島の周囲にある謎の遺跡を調べてその遺物を探して改造したりすることなのではないだろうか。
そのあたりは謎のままであったが、魔女はヴァミリオに「この旅はお前にとっても大事な旅になる」と言って送り出す。何やら魔女はヴァミリオにずいぶんと期待してるようです。そうして出航となり、船は大海原を進んでいくが、ピウイが隠れて船に乗って付いて来てしまった。なんか魔女もピウイがついて行くことを許可したみたいです。こうしてヘルクとヴァミリオとピウイの3人旅となり、途中で巨大なタコの怪物に襲われて逃げたりします。途中で魔女の言っていた霧で迷う海域に出くわしてシカンゴに水先案内をさせるが、そうすると海中にある遺跡に遭遇したりもした。その後も順調に航海は続いたが、今度は嵐に遭遇して、更に大渦に船が呑み込まれそうになり、そこに巨大なタコの怪物がまた襲ってくるというところで今回は終わり、次回に続きます。さてヘルク達は無事に大陸に辿り着けるのでしょうか。
自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う
第9話を観ました。
今回は迷路階層に居残ってハッコンやラッミス達が調査の任務に当たっていたところ、ミシュエルというイケメンの剣士に出会い一緒に任務に行ったりする。このミシュエルという剣士がいかにも二枚目キャラなのですが実際は陰キャのコミュ障で他人と接するのが苦手なので、それを隠すために孤高のイケメンキャラになり切っているだけだった。そして人とコミュニケーションしないで買い物が出来る自販機のハッコンを気に入って一緒に行動するようになったのだが、どうやらこのミシュエルはワケありの立場みたいで、何者かに刺客を送られたりして命を狙われていた。それでハッコン達も一緒に戦って刺客たちを返り討ちにする。ミシュエルは強さの方は見掛け倒しではなくて本当にかなり強かったが、ハッコンも車のコイン洗浄機にフォームチェンジして、ラッミスが放水で戦ったりして大活躍でした。
今回はそのミシュエルの話以外には、ラッミスが任務の途中で生理による体調不良になってしまい、ハッコンがタンポンの自販機にフォームチェンジして手助けするという驚愕の展開もありました。まさかそんなネタまでぶっこんでくるとは想定外で爆笑しました。てゆーかヒュールミのタンポンに対する理解度が高すぎて笑ってしまった。そうはならんやろと。更にコインランドリーになったりして、もはや自販機じゃないですね。最後はミシュエルと別れて清流階層に戻ったら偽物のハッコンがあって、クサリ食堂のインチキと分かって、本物のハッコン登場で撤退していきました。
わたしの幸せな結婚
第9話を観ました。
今回は美世と清霞の関係が何だかすれ違ってギクシャクしてしまうという、なんともモヤモヤする展開となりました。間男の鶴木はひたすらネットリと怪しい行動をとっているし、まさか香耶を超えるここまでヘイトを集めるキャラが登場するとは予想外でした。コイツ本当にイライラしますね。無礼にもほどがあるだろ。それから異形の皆さんも相変わらず元気だし、帝都に危機が迫っているようで大変です。そうしたモヤモヤが詰まりまくった溜め回でしたが、次回は大きく動きがありそうですね。
まず冒頭は街中で気分が悪くなってしまった美世が鶴木に助けられるという前回のラストの続きの場面から始まります。美世は鶴木と初対面であり相手が何者かは解っていませんが、鶴木の方は初対面のはずなんですが美世のことを知っているようなことを以前から言っているシーンが何度も描かれていて、今回ももちろん偶然ではなくて美世のことを知った上でちょっかいをかけてきているのでしょう。ただ、美世をストーキングしていてたまたま美世がフラついたので手を貸したのか、それともこうやって美世に接触すること自体に何らかの目的があるのか、そのあたりは不明です。
とりあえず鶴木はここでは特に怪しい言動はしておらず、当たり障りの無いことを言って去っていくのですが、美世たちが去っていくのを見て「君は特別な存在なのだから気をつけないと」みたいなキモいことを独り言しています。鶴木は以前に帝と思しき相手と薄刃の血について話をしていましたから、この「特別な存在」というのは薄刃の血を引いているということなのでしょう。ただ、その「特別」がどういう意味合いなのかは詳細はよく分からないところはあります。薄刃の血を引いているというだけで「特別な存在」なのか、それとも薄刃の血を引く者の中でも美世が「特別な存在」ということなのか。清霞の見立てでは薄刃の家の者は正体を隠して活動しているっぽいので、そう考えると「薄刃の血を引く」というだけで「特別な存在」というのはちょっと違うようにも思えます。美世は薄刃の血を引く者の中でも特別な存在なのかもしれません。前回も鶴木たちがやたらと美世の覚醒を心待ちにしているような様子も描かれており、やはりどうも美世は薄刃の中でも特別な存在のような気がする。そもそも薄刃の者は通常は薄刃の姓を名乗らないはずなのに美世の母の澄美だけはどうして薄刃の姓を名乗っていたのかも謎です。どうも澄美も美世も普通の薄刃の人間とは異質な存在のように思えてくる。
とにかく美世は気分が悪くなって屋敷に戻ってきて寝込んでしまいました。原因は疲労なんですが、悪夢で体力が削られていたところに淑女としての稽古を頑張り過ぎたことによるものでしょう。根本的には悪夢が原因といえますが、悪夢を止める方法が見つからない現状では、とにかく稽古を中断するしかない。そうなると9月のパーティーでの淑女デビューも難しくなってしまうが、身体のことを第一に考えるならそうするしかない。
清霞は悪夢を何とかしたいと思い、その原因を考察する。結界は破られていないが異能の残滓もあったし、薄刃の異能ならば美世の夢に干渉することも可能なのかもしれない。しかし、それにしても外部からの異能の作用ならば結界に何の痕跡も無いというのも妙な話であるし、あるいは美世が薄刃の血を引いていることが関係しているのかもしれないとも清霞は考えた。美世の体内の薄刃の血が美世の身体に悪影響を与えている可能性もあるかもしれない。ただ、そうであるとしてもこれまではそんなことは無かったのだから何かきっかけを与えた者がいるはずです。もし、薄刃の血が暴走するような作用を一度与えておいて後は放置しておけば美世の身体の中で変化が進行していくのだとすれば、美世が外出した時を狙って何者かがそうした作用を美世に与えることは十分に可能だし、それなら屋敷の結界の有無は関係ない。
しかし、もし美世が薄刃の血を引いていることが美世が悪夢でうなされていることと関係があるとしても、どうして今さら薄刃のに関する動きが起こるのか清霞には分からなかった。これまでずっと薄刃などは異能の家柄の者達の間でも伝説のようなもので実体など無いものだと思われてきた。それなのに美世の母の澄美は薄刃の姓を名乗って斉森家に嫁いでおり、その澄美から生まれた美世は薄刃の異能絡みのように思われる悪夢に苦しめられている。いったい何が始まろうとしているのか、どうにも不気味なものを清霞は感じていた。
葉月はいっそ美世に薄刃のことについて何か知らないかと聞いてみたらどうかと提案するが、清霞は乗り気ではない。そもそも美世の母の澄美は美世が幼い頃に死んでおり、美世は薄刃について何も知らない可能性が高いだろうと清霞は言う。ただ、それでも美世は幼い頃の母との会話も断片的に覚えており、そこから何らかの薄刃の手掛かりが得られるかもしれない。少なくとも清霞が情報屋にやらせているような「帝都中の澄美さんを全部調べる」みたいな方法よりもよほど有望な気もするんだが、それでも清霞は美世に薄刃のことを問い質す気は起きないようです。それはどうしてなのかというと「たとえ聞いても話してくれるかどうか」自信が無いようなのです。
そもそも清霞は美世が倒れたこともショックだったが、倒れるまで苦しんでいながら美世が悪夢のことを自分に相談してくれなかったことにショックを受けていた。美世が悪夢を見ていることは清霞は知っていたが、清霞が悪夢のことを知っていることを美世自身は知らない。だから美世は心配をかけたくなくて悪夢のことを隠していたのでしょうけど、倒れるほど消耗していて、それでも相談してくれようとしていなかったとなると、清霞としても自分は婚約者なのにそこまで頼りにされていないのかと思い、かなり傷ついていました。そして美世は自分に本心を全て話すことを躊躇っているようだと清霞は思った。だから清霞は「自分が薄刃のことを聞いても美世が正直に話してくれるか自信が無い」と弱気になってしまっているのです。
それで結局、清霞は情報屋を使って帝都中の澄美さんを調べ直すという作業によって「薄刃澄美」を特定して、そこから薄刃家の実態をあぶりだすという作戦に賭けることにした。美世の悪夢に薄刃が関わっているのならば、薄刃家の実態を掴んで薄刃の者が美世にちょっかいをかけているという証拠を掴めば、美世に対する干渉を止めさせることが出来るかもしれない。交渉が出来ないというのであれば実力行使で止めさせてもいい。本来は薄刃家に手を出すことは異能の家柄の者達の間ではタブーなんですが、清霞は美世を守るためならばそんなこと関係ないという覚悟であったのです。
その一方で、清霞の本来の任務の方の奥付事件の方は状況は悪化の一途をたどっていた。奥付から逃げ出した異形たちが禁域近くの林で民間人を襲い始めており、帝都に侵入するのも時間の問題となっていた。それで清霞は異形たちが帝都に侵入する前に討伐するべく宮内省から指揮権限を早期に完全に移譲してもらうよう繰り返し要請していたが、なかなか返事が来ず焦っていた。ただ、ここで注目すべき点は、こうして奥付から逃げた異形たちが暴れるのと美世の悪夢とがどうも連動しているみたいであることです。美世が頻繁に悪夢を見るようになったのは、この奥付に関する奇妙な事件と連動しているっぽい。それがどうしてなのかは分からないが。
とにかく美世は、相変わらず悪夢は見るし、淑女の勉強や稽古も無くなってしまったことで酷く落胆していた。それに清霞も仕事が忙しいということで家にあまり帰ってこず、美世は家で安静にしているようにと言われて、1人で家に閉じこもって無為な時間を過ごすことが増えてしまった。それが美世にとって苦しいことであり、寂しがらせてしまっていることは清霞も自覚していて、せめて愚痴でも聞いてやりたいと思って「何か困ったことはないか?」と電話で聞いたりもしたのだが、美世は「問題ありません」と言うだけで、清霞は相変わらず悪夢のことも言わないし、美世はやはり自分には本音を伝えてくれないのかと思い、寂しい気持ちになるのでした。
そんな中、美世の方は久しぶりに葉月が屋敷にやって来た日にゆり江も一緒に3人で食事をとります。その時に葉月が昔、結婚を失敗して離婚した際に後悔したという話をする。それは自分の未熟さゆえに大切な家族との暮らしを失ってしまったという後悔でした。だから葉月は自分の欠点を克服しようと頑張っている美世のことを尊敬していると言い、美世には自分のように後悔してほしくないと言う。だから葉月は美世自身の気持ちを大切にしてほしいのだと言い、美世に「これからどう生きたいのか」と尋ねる。それに対して美世は、自分自身の望みというものが無いことに気付く。
清霞に相応しい嫁になりたいとか、葉月のような立派な淑女になりたいとかいう想いはあったが、それらは全て他人に望まれた自分であり、美世自身がなりたい自分というわけではなかった。斉森の家に居た時からずっと自分がどう生きたいのかなんて考えたことは無かったのですから、いきなりそんなことを思いつくはずがないのです。ただ美世にとってハッキリ分かっていることは、自分は此処にいたいということ、清霞の傍にいたいということでした。
そうして清霞が珍しく早くに帰宅できた日の夜、美世は縁側で涼む清霞の横に腰かける。清霞は自分があまり一緒にいてやれる時間も少ないから美世は自分に本音を言ってくれないのだろうと反省し、あまり家にいられないことを詫び、その上で何か困っていることは無いかと問いかけるが、やはり美世は大丈夫だと言うだけで、清霞は寂しく思う。一方で美世の方は葉月の言葉を思い出し、やはり葉月のように後悔しないためには自分自身の望みを知らなければいけないのではないかと思う。だが自分がどう生きたいのか考えたことの無い美世は、いっそ葉月と同じように家族との幸せな暮らしを自分の望みとしてはどうだろうかと思い、清霞や葉月の久堂家というのはどういう家族なのだろうかと興味が湧き、清霞にとって葉月はどういう存在なのかと問いかける。
それに対して清霞は、好きや嫌いは超越して、遠慮や気遣いも要らない、性格は違うけど互いを尊重し合った関係だと答えます。それを聞いて美世は、自分にはそんな関係の人はこれまでいなかったと思い、羨ましく思った。そこには清霞も含まれる。清霞のことはもちろん好きであったが、遠慮も気遣いもあるし、互いを尊重し合った関係とはいえなかった。そもそも美世は清霞に嫌われるなんて耐えられそうになかった。清霞に気に入られる嫁になりたいということしか考えていなかった。しかし、それは清霞に相応しい「家族」の姿とはいえないのだと美世には思えた。葉月のような自分の望みや意志を持った人間こそが久堂家の家族の一員なのであり、今のままの自分では久堂家の家族にはなれないのだと美世には思えた。
そんな美世の手を掴んで清霞は「寂しいなら寂しいと言ってほしい」と伝える。そして自分は美世に寂しいと言ってもらえないのは寂しいという気持ちも伝える。それを承けて美世も「寂しいです」と本心を伝え、清霞は安堵したように「初めからそう言っておけ」と微笑んで美世を抱き寄せ「私が全部受け止めてやるから私に寄りかかって本心やワガママを言えばいい」と言う。そして「自分の感情を曝け出して甘えてもいい。そうして支え合うのが家族だろう」と清霞は美世に諭す。
しかし美世はそれは自分が弱いゆえに優しい清霞が気遣って言ってくれた言葉だと受け止め、清霞の本当に求める家族はやはり葉月のような、自分の問題を自分で何とか出来る強さを持った人間なのだと思い、ここで清霞の優しさに甘えてしまったら自分は久堂家の本当の妻にも家族にもなれないと思う。そして、やはり葉月のような人間になるためには自分には勉強や稽古が必要なのだと思い直すのでした。
そうして翌日、美世が家で1人で居る時、来客が来たので玄関先に出ると、そこには鶴木が来ていた。鶴木は今日は清霞が家に居ると勘違いして来てしまったとか言っているが、おそらく嘘であり、美世に接触しに来たのでしょう。何も知らない美世は思わぬ再会に驚き、普通に対応しますが、鶴木が清霞のことを冷血漢などと悪口を言い出したので動揺する。鶴木は清霞が婚約者の美世のことをほったらかしにして倒れるまで放置していたと非難し、清霞が「美世の真の価値を解っていない」と言ってバカにします。そして淑女の稽古などにも何の価値も無いとボロクソに言うので、美世はショックを受けてまた気分が悪くなってしまい、鶴木はしらじらしく無礼を反省したフリをして帰っていきますが、帰りがけに「俺は貴方に、貴方だけの役割をあげられます」と謎の言葉を耳打ちして「いつでも連絡してください」と言い名刺を渡していったのでした。おそらく鶴木が真に美世に伝えたかった言葉はこの「貴方だけの役割」という言葉なのでしょう。そして、おそらくそれは鶴木が美世のことを「特別な存在」と言うことと関係があることなのでしょう。そして美世もまた、清霞の真の家族になるために「自分だけの役割」というものを求めていたゆえに、この鶴木の誘いが胸に突き刺さったのでした。
その後、鶴木は清霞の駐屯地に行き、宮内省から清霞に奥付事件の対処の指揮権が完全に移譲されたことを伝え、これで清霞は異形を帝都侵入前に掃討する作戦を実行できることになった。その会議の後、鶴木は清霞と2人きりになると、久堂家に行って美世に会ったという話をし始め、清霞が美世を大切にしていないとか、美世のことが見えていないとか、散々失礼なことを言って去っていきました。そしてその夜、清霞のもとに情報屋から連絡があり、帝都中の澄美さんの中で1人だけ出生届けが出ておらず戸籍も存在しない者がいると報告してきて、この女性がもしかしたら「薄刃澄美」なのではないかと言う。それでその女性の名前が「鶴木澄美」であると聞いて清霞は驚く。
美世の母親とあの宮内省の嫌味な男が単にたまたま同姓であったというだけかもしれない。しかし、鶴木が何度も美世に接触していることや、美世に関する話であのような敵意に満ちた発言をしたことも考えると、それは偶然の一致には思えなかった。おそらく鶴木は「薄刃家」について何かを知っていて、美世に何かを仕掛けているのではないかと清霞には思えた。そして、その鶴木が奥付事件で宮内省からの交渉役として自分に接触してきているというのにも何か不気味なものを感じた。もしかしたら奥付事件そのものにも薄刃が関わっているのかもしれない。とにかく鶴木から全て事情を聞き出さねばいけないと思った清霞であったが、その前にまず美世のことが心配だった。今日も鶴木は美世に接触していたようだから、美世が鶴木に何か変なことをされているのではないかと心配になった清霞は自宅に急行した。
すると美世は台所で1人で料理の稽古をしていた。「自分だけの役割」について考えた結果、とりあえず自分の一番得意分野である料理の腕を更に磨こうと考えての行動であったが、相変わらず悪夢に苦しめられる生活の中ですからすっかりやつれてフラフラの状態の中での稽古は無理があるように見えた。その美世の姿を見て清霞は胸が苦しくなり、美世の肩を掴むと、どうしてそんなに痩せて、悪夢を見たことを隠してこんなに無理をするのかと強くなじる。本心を言って甘えろとあれほど言ったのに、いつまで経っても悪夢のことを言おうとしない。そんなに私が信用できないのかと、清霞は美世を怒鳴りつけてしまう。
美世は清霞が仕事で疲れているので自分のことで煩わせたくなくて悪夢のことは黙っていたのだと説明しますが、清霞はカッとなって、疲れているのはお前の方だろうと怒鳴り、そして「こんなことになるのなら、お前に勉強の機会など与えるのではなかった」と言ってしまう。それは美世があまりに疲れていていたたまれなかったのでつい口にしてしまった言葉であったが、美世は大きなショックを受けてしまう。自分は清霞の家族になるために必要だと思って勉強をしようとしていたのに、清霞がそれを不要だと言うなどとは美世は思ってもいなかったのです。清霞は自分のことを真の家族として求めてくれていないと感じた美世は悲しくて涙を流し、そのまま心労と疲労で倒れ込んでしまう。
清霞は美世の涙を見てハッと我に返り、自分はこんな話をするために戻ってきたのではないことを想い出した。鶴木に何を言われたかを聞きたかっただけなのに、つい美世を心配するあまり美世の気持ちを踏みにじるような暴言を吐いてしまい、美世を家族として認めないような態度を取ってしまった。斉森家で家族なのに家族として扱ってもらえなかった美世にとって、それと同じことを自分にされることがどれだけ辛いことであるか、清霞には痛いほど理解できた。そんなことをしてしまった自分は斉森家の人間と大差無い。これでは鶴木の言っていたように自分は美世を大切にしていないと言われても仕方ないと清霞には思えた。しかし倒れ込んでしまった美世の着物から鶴木の名刺を見つけると、清霞はそもそも美世がこうなった原因は自分ではなく鶴木なのだと思い直し、鶴木を締め上げて薄刃の秘密を暴き、美世を悪夢から解放することが自分が美世に出来る償いだと思い、気を失ったままの美世を車に乗せて鶴木のもとに急行する。ここで今回は終わり、次回は清霞と鶴木の旦那と間男対決で盛り上がりそうです。
白聖女と黒牧師
第8話を観ました。
今回はちょっと悲しくて感動的なお話でしたね。前回のラストでヘーゼリッタの兄のギーゼルベルトに出会ったセシリアとローレンスはヘーゼリッタやアベルやエリックと共にギーゼルベルトの屋敷に招かれて宿泊し歓待されます。ギーゼルベルトはセシリアが聖女だということは知っており、ローレンスに「君は無くさないように」と言う。
そして翌日、アベルとヘーゼリッタが気を利かせてローレンスとセシリアは2人で町を見て回ることになり、楽しい時を過ごし、ローレンスはセシリアに花の形のペンダントを買い、首に付けてあげ、セシリアは良い思い出になったと喜びます。しかし町の中にある大きな庭園の横を通った後、ローレンスが気分が悪くなってしまい、実はその庭園はかつてこの町に居たフレデリカ聖女の墓がある場所で、ローレンスは普段からセシリアの加護を受けていたところに庭園の傍を歩いた際にフレデリカ聖女からの加護も受けてしまい、それで加護が過剰になって体調を崩したようです。
そこでヘーゼリッタがフレデリカ聖女のことについて皆に話します。フレデリカは町の資産家が連れてきた聖女であり、その資産家が彼女を神聖視しすぎたせいで医者にも診てもらえず死んでしまったのですが、生前の彼女とヘーゼリッタとギーゼルベルトは親しくしていた。そして彼女の境遇を心配していたのですが資産家が町を支配していて逆らえずどうすることも出来ず、最期に彼女を看取ることしか出来なかったという。ヘーゼリッタはフレデリカの死後、これほど詳しく彼女の話をしたのは初めてのことであり、ヘーゼリッタも彼女の死を乗り越えて前に進もうとしているようです。
ただセシリアはフレデリカ聖女の加護がローレンスにもたらされたということはフレデリカが自分たちに何かを伝えようとしているのではないかと考え、夜にその庭園に行こうとするのだが、ローレンスに見つかり、そこで2人はギーゼルベルトが夜中に花束を持って何処かに出かけていくのを見かけて尾行すると、ギーゼルベルトはフレデリカの眠る庭園に入っていく。
ギーゼルベルトはフレデリカの墓参りに来ていて、ローレンスとセシリアはフレデリカの墓の前でギーゼルベルトの話を聞く。それによると、ギーゼルベルトはフレデリカを救おうとして大聖女様に密告をしたり、フレデリカを連れて逃げようともしていたらしいが、フレデリカに拒否されて果たすことが出来ず後悔しているという。
そうしてギーゼルベルトが去っていった後、墓石の前でセシリアはフレデリカの声を聞き、彼女がギーゼルベルトとヘーゼリッタの幸せを願い今でも加護を贈り続けているということを知り、それをギーゼルベルトに伝えます。彼女が逃げることを拒んだのも、町の人々のためでもあったが、ギーゼルベルトの一家を守りたかったからでもあったのであり、彼女はギーゼルベルトを深く愛していたのでした。そのフレデリカの切ない恋心に、同じように聖女の身でありながらローレンスを愛するセシリアも深く共感して涙を流します。
デキる猫は今日も憂鬱
第8話を観ました。
今回はちょっと変則的なスケジュールの放送で、普段は金曜日の深夜放送なんですが先週金曜日の深夜は世界陸上で放送は無く、同じ枠の「彼女お借りします」や「AIの遺電子」は普通に1週休みだったんですが、この作品だけ1話分多いので9月中に放送を終えるために水曜深夜に第8話を放送したようです。
まずは公園で夢芽ちゃんが捨て子になってダンボール箱に入っていたのを発見して諭吉がビックリする話から始まります。これは実は捨て猫を拾おうとしたら親にダメだと言われた夢芽ちゃんが、ならばせめて捨て猫の飼い主が見つかるまで傍にいてあげようとして箱の中に入っていたらしい。でも雨が降ってきたのでマンションに連れ帰ると住人のお婆さんが知り合いのツテで飼い主を見つけてくれた。しかし猫と別れての帰り道、猫との別れが寂しくて夢芽ちゃんは本当は自分が飼いたかったと言って泣き出す。そこに夢芽チャンのママが迎えに来て夢芽ちゃんは帰っていきました。
続いて近所に女性ばかり狙う変質者が出没していると知った諭吉は幸来が狙われるのではないかと心配になり防犯グッズを買ったりする。その晩、幸来の帰りが遅いので心配になって公園まで出かけた諭吉は、そこでスーパーの女子大生バイトの仁科が彼氏と別れ話の痴話喧嘩をしているのを見て、相手の男を変質者だと勘違いして戦おうとするのだが、そこに幸来が現れて、襲ってくる仁科の彼氏を合気道で投げ飛ばして追い払います。そして諭吉は幸来に感謝してご飯を作り、変質者は別の場所で逮捕されて町の平和は取り戻されたのでした。
最後は、諭吉が幸来に拾われて飼われ始めた頃、まだ諭吉が小さい猫だった頃の生活が回想で描かれます。最初は生活力の無い幸来を見て絶望する諭吉であったが、幸来が余裕の無い生活の中で懸命に諭吉を育てようとするのを見て恩義を感じ、恩を返そうと考える。そして幸来が怖がっているゴキブリ退治をしたりするという話。