2023冬アニメ 2月19日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2023年冬アニメのうち、2月18日深夜に録画して2月19日に視聴した作品は以下の5タイトルでした。

 

 

TRIGUN STAMPEDE

第7話を観ました。

今回はサンドスチーム編の前後編の後編。暴走したサンドスチームの上でのウルフウッドとリヴィオの対決、そしてその後はサンドスチームの暴走を止めるための各自が力を合わせての怒涛の展開。この中でウルフウッドの心情が描かれ、ヴァッシュの謎に迫っていくことになるのだが、とにかく今回はまるでハリウッド映画のような壮大なスケールの作画が素晴らしかった。相変わらずムチャクチャに惹きつけられます。特に今回はスピーディーなノンストップのパニックアクションであったので作画の素晴らしさが映えましたね。そして、その作画に全く負けていない人間ドラマの重厚な感じがたまらない。相変わらず謎が多くて、まだ物語の全貌は見えてきませんが、それでも大スケールのSF活劇としてかなりの満足感が得られました。

まず冒頭、前回ブルーサマーズの念動力のようなパワーによって機関部のシャフトを折られて針路を逸れて暴走し始めたサンドスチームは、なんとウルフウッドやリヴィオが育った孤児院のある町に激突する針路をとっていることが判明します。これはブルーサマーズがわざとそのように仕向けたことみたいです。その目的はウルフウッドに正しい信仰心を持たせるためなのだそうです。要するにブルーサマーズに言わせれば、プラント崇敬派教団の信仰心には感情というものは必要なく、感情を捨ててひたすら教団に服従するのが正しい信仰心の在り方のようですね。その点、ウルフウッドには守りたいものが多すぎる、それがブルーサマーズには不満みたいです。守りたいものがあると人は感情豊かになり、それが信仰心の妨げになるという理屈みたいです。だから、ウルフウッドの守りたいものを奪う。それもただ奪うのではなく、ウルフウッドの目の前で、ウルフウッドに思いっきり無力感を感じさせてそれが失われるのを見せつけたいということなのでしょう。それによってウルフウッドの感情が死ぬことを正しい信仰のための導きだとブルーサマーズは本気で親切に考えているようです。思うにブルーサマーズは根本的にはウルフウッドに対する悪意は無いのかもしれない。同じ教団の親衛隊組織「ミカエルの目」の一員として、ウルフウッドを正しい信仰の道に導こうとして狂った親切心で行動しているのかもしれませんね。

リヴィオをサンドスチームに差し向けてヴァッシュを襲うよう仕向けたのも、そうすればウルフウッドがリヴィオと戦うことになり、ウルフウッド自身の手でリヴィオを殺すように仕向けるのがブルーサマーズの目的だったようです。これも、リヴィオがウルフウッドにとって「守りたいもの」の1つであり、彼の感情の源であるからなのでしょう。プラント崇敬派はヴァッシュを殺すことは目的とはしていませんから、リヴィオがヴァッシュを殺せるとは思っていないのでしょうけど、ウルフウッドがヴァッシュを守るために戦うということは計算に入っているということになる。そうなると、ウルフウッドがヴァッシュの仲間に潜入しているのはヴァッシュを殺すためではなく、むしろヴァッシュを守るためなのかもしれない。もちろん純粋に守るためというわけではなく、自分達の都合の良いようにヴァッシュを誘導するためにウルフウッドを潜入させているのでしょうけど、ウルフウッド自身は一体どこまで教団の思惑を把握しているのかは分かりません。とりあえず潜入してヴァッシュを守るようにとだけ言われているのかもしれない。何にしても今回の一件でヴァッシュにもウルフウッドが教団の手駒だということはほとんど分かったとは思うので、そのあたりの事情も次回以降おいおい明らかになっていくのでしょう。

また、ウルフウッド個人に対するこの異常なまでのこだわりはブルーサマーズ個人の感情のようです。一緒に行動しているザジはブルーサマーズのウルフウッドへのこだわりの強さにちょっと引き気味ですから。ザジの言動を見るに、そもそもサンドスチームを襲っている最大の目的は、その動力源となっているプラントを奪うことであるようです。ただ、その作戦の決行時にたまたまヴァッシュが乗り合わせていたという偶然は有り得ないので、ヴァッシュとウルフウッドが乗船したのを確認した上で襲撃してきたのは間違いない。そしてサンドスチームを暴走させて町に突っ込ませて、イオン砲という破壊兵器まで稼働させて大惨事を惹き起こそうとしている。これは教団の必須の使命としてのプラント強奪に加えて、ヴァッシュに大きな絶望感を与えることを目的とした作戦なのでしょう。そうした教団としての基本的な作戦の上に、作戦担当者のブルーサマーズの個人的なウルフウッドへの強いこだわりが乗っかって、リヴィオを刺客として送り込んだり、サンドスチームを突っ込ませる町がウルフウッドの大切にしている孤児院のある町に決定されたりしているのだと思います。

そうした教団およびブルーサマーズの思惑のもと、まずサンドスチーム船上でリヴィオの襲撃によってヴァッシュとウルフウッド、更に船の警備員まで出動して三つ巴の銃撃戦が展開されることとなり、更にブルーサマーズの破壊活動によってサンドスチームが針路を外れて暴走を開始して異常事態は加速していく。そして更にそこに盗賊団が襲撃してくるのですが、これは教団やブルーサマーズの思惑とは関係なく自然発生的に起こったことのようです。ただ、これによってサンドスチーム船内の状況はますます混沌化していき、そんな中で再びリヴィオが襲ってきたのでウルフウッドはリヴィオを食い止め、ヴァッシュにサンドスチームから逃げるよう言いますが、ヴァッシュは盗賊団を制圧して船内の安全を図ろうとして駆け去っていく。

ウルフウッドがリヴィオの相手をする役目を負ったのはヴァッシュを守るためというのもあるが、リヴィオを自分の手で倒すためというのも大きな理由でした。リヴィオは出現した当初からウルフウッドのことも分かっていない様子で、理性を失っている様子でした。おそらく教団から与えられた「ヴァッシュを殺せ」という命令だけに従って動いているみたいで、兄のように慕っていたウルフウッドのことも単なるヴァッシュの仲間というぐらいにしか認識出来ていないのでしょう。だから本気でウルフウッドを殺そうとして襲ってくる。これは風車の村で戦ったロロと同じ状態であり、薬物耐性が高くて生体実験後も理性を保つことが出来たウルフウッドとは違い、リヴィオはロロ程度の薬物耐性であったので生体実験後は理性を無くしてしまったようです。そうなるとウルフウッドとしてはロロを殺した時と同様に、もはや人間には戻れない以上、殺してやるのがせめてもの情けだと考えるしかない。しかもロロの場合と違い、リヴィオが実験体になってしまった経緯にはウルフウッドも関わっている。自分と関わらなければリヴィオはこんなことにはなっていなかったはず。そう考えると、せめて自分の手でその悲劇の人生を終わらせてやるのが自分の為すべきケジメだとウルフウッドは思うのでした。

一方、盗賊団の制圧に向かったヴァッシュはそこでロベルトとメリルと再会します。どうやらヴァッシュ達を追ってサンドスチームに乗り込むためにメリルがたまたま通りがかった盗賊団がサンドスチームを襲撃すると聞いて独占取材という形で一緒にサンドスチームに乗り込むという契約をして、それでロベルトとメリルの2人は船内に入り込んできていたのです。そしてヴァッシュは2人と一緒にいた盗賊団を制圧すると再び甲板の上で戦うウルフウッドとリヴィオのもとに戻ります。

ウルフウッドとリヴィオの戦いは強化人間同士の血みどろの戦いとなり、互いに正面から撃ち合い、傷を負っては修復するのを繰り返す壮絶なものとなっていた。そんな中でリヴィオは「追いつくんだ」と譫言のように繰り返し呟く。リヴィオは子供の頃から繰り返してきたのと同様にウルフウッドに追いつくために、ウルフウッドが辿ったのと同じ道を辿り強化人間になる手術に志願したのでした。それを聞いてウルフウッドはリヴィオに僅かに残った理性がそのような妄執であり、それは自分が持たせてしまった妄執なのだと責任を痛感し、やはり自分の手でリヴィオの妄執を終わらせてやろうとします。

だが、そこにヴァッシュが割って入り、どうにかして本来のリヴィオの人格を取り戻して救ってやろうと言う。きっと何か忘れられないことがあるはずだというヴァッシュの言葉を聞いたウルフウッドは、リヴィオが機関砲のマガジンを交換する際の手つきが、子供の頃にウルフウッドがリヴィオに教えてやったオイルライターを扱う独特の手つきと同じであることに気付き、リヴィオの中にどうしても忘れられない子供の頃の自分と遊んだ日々の記憶が残っていることに気付く。そしてウルフウッドはリヴィオに向かって突進し、リヴィオの顔に装着された装置に銃撃を浴びせてその機能を停止させ、リヴィオに目を覚ますよう呼びかける。するとリヴィオは一瞬、記憶を取り戻し「ニコ」とウルフウッドの名を呼ぶ。だが次の瞬間、教団で受けた洗脳の言葉が頭の中を響き渡り、錯乱したニコは暴走する自分を抑え込むように自分の頭を撃ち抜き、船外に落ちていった。

その後、ブルーサマーズは力ずくで孤児院を消してしまおうとして遠隔操作でサンドスチームに積んであるイオン砲を起動させる。イオン砲というのはサンドスチームの船体と同じぐらいの大きさの超巨大砲で、どうしてそんなトンデモないものがサンドスチームに積んであるのかというと、ヴァッシュの説明によればサンドスチーム自体がもともとは宇宙船だった機体を流用して砂漠を行く高速巨大トレーラーに改造したものだからみたいです。その宇宙船として運用されていた頃に宇宙空間の障害物を排除するために積んでいた破壊兵器がイオン砲であり、恐るべき破壊力のレーザー兵器でした。ブルーサマーズはそのイオン砲でサンドスチームの進行方向にある孤児院のある町を吹き飛ばしてしまおうとしているのです。

仮にイオン砲を使わなかったとしてもサンドスチームは暴走によって孤児院のある街に突っ込んで破壊するであろう。だがサンドスチームは機関部の破壊によって船体の暴走と同時に機関部も暴走を始めており、いつ大爆発を起こすか分からない状態となってしまっており、そうなれば町に突っ込む前に自滅してしまう。だからその前にイオン砲を使って町を吹っ飛ばそうというのがブルーサマーズの思惑であった。

つまり、ヴァッシュ達はイオン砲の発射による町の破壊、サンドスチームの暴走による町への突入、機関部の暴走によるサンドスチームの爆発という3つの危機を食い止めねばならない状況となってしまった。リヴィオの襲撃も含めてこれら危機が全てブルーサマーズによって仕組まれたものと気付いたウルフウッドは激昂して、どうにかしてその企みを食い止めようと言う、それに応えてヴァッシュが駆け出し、皆が続く。まずは今にも発射されようとしているイオン砲を止めるということになる。

ここでヴァッシュはサンドスチームにイオン砲が積まれているということはサンドスチームが元は宇宙船であり、宇宙時代の名残が船内にあるはずだと言い、宇宙時代に使われていたと思われる現在は封印されたコントロールルームを見つけ出して侵入する。そのコントロールルームの装置は他の誰も見たことがないような代物であったがヴァッシュはそれを起動させてなんとかイオン砲を止める操作を試みますが、結局発射は止められない状態になっていたので物理的に止めるしかないということになる。

ここで注目すべきは、結局は失敗はしたもののヴァッシュがこんな誰も見たことがない装置を当たり前のように操作していたことです。それは「宇宙時代」の遺物だとヴァッシュは言った。メリル達も「宇宙時代」という言葉を当たり前のように使っており、その「宇宙時代」の装置が実在しているのを見て驚いていたということは、メリル達から見て「宇宙時代」というのはかなり昔にあたると思われる。「宇宙時代」ということは「人類が宇宙に進出していた時代」という意味なのでしょう。

そういえばメリル達はこの砂の惑星で移動手段は車やサンドスチームのような巨大船だけであり飛行機というものは使っていないようだ。もともとは宇宙船だというサンドスチームが宇宙船としては使われず大型トレーラーのように改造されて使われているのは技術の退行としか思えない。つまり、かつて人類が宇宙を飛び回っていた時代から年月が経って文明が退行した時代が現代なのだといえる。少なくともこの砂の惑星ではそういう状態なのだろう。そしてヴァッシュはその大昔の宇宙時代から生き続けているみたいなのです。そうなると、第1話の冒頭で描かれた、ヴァッシュとナイヴズの兄弟が宇宙船から脱出する場面というのは現代の出来事ではなく、大昔の宇宙時代の出来事だったということになる。ナイヴズとヴァッシュの双子の兄弟は太古の宇宙時代から生き続けており、ナイヴズはプラントを自分達のものだと言って強奪し続けているということになる。そうなると、プラントとは一体何なのかという疑問が湧き上がってくる。

そうした疑問はとりあえず置いておいて、ここでヴァッシュ達は手分けしてイオン砲の向きを変えるため懸命に力を尽くす。ウルフウッドはイオン砲の砲身の根元に行って機関砲で撃ちまくる。そしてヴァッシュは乗務員が逃げ出して無人となった船の操縦室で船の全部の錨を操作してそれらのワイヤーを砲身に巻き付けて錨を砂面に突き刺して、船がの推進力をテコの原理で砲身に負荷をかけて、ウルフウッドが根元を破壊した砲身を上に向けて折ろうとする。だが砲身は頑丈であり、根元は破壊できず、錨のワイヤーでも砲身を上に向かせるのはなかなか出来ない。それでヴァッシュとウルフウッドは2人で砲身の下に潜って力任せに砲身を上に向かせようと持ち上げる。

そうして懸命に砲身を持ち上げながらヴァッシュは隣で砲身を持ち上げるウルフウッドに謝罪する。「君には何に替えても守りたいものなど無いのだろう」などと心無い言葉をウルフウッドに浴びせてしまったことを謝罪したのです。リヴィオを必死に救おうとしたり、町を必死に守ろうとするウルフウッドの姿を見て、ヴァッシュは自分が間違っていたことを素直に認めたのでした。そして遂に砲身が僅かに上を向き、その瞬間、コントロールルームでメリルがイオン砲を発射する。少しでもイオン砲が上を向いて町が照準から外れたらイオン砲を発射してほしいというヴァッシュの指示通りでした。その結果、無理な向きで発射されたレーザーの威力が砲身に強大な負荷を与えて、砲身は後方にひっくり返るように弧を描き、レーザー光線は空を切り裂くように前方から後方に向けて流れていき、最終的に負荷に耐えかねて巨大な砲身が船体の後方でポッキリ折れると、レーザー光線の発射も止まったのでした。そうして町の危機は去り、折れた砲身の巨大が瓦礫が砂面に降り注ぎ、追走してきていたブルーサマーズの車の進行を阻んだ。

だが、まだ危機は去っていない。船の暴走は止まっておらず、このままでは町に突入し破壊することになる。そこでウルフウッドは機関部の暴走を放置して船を自滅させて町を守ろうと主張するが、ヴァッシュはまだ船内に多数取り残されている乗客を死なせないために機関部の暴走を止めた上で船の暴走も止めるという。そんなことは不可能だと言うウルフウッドは、あくまで誰も死なせたくないというヴァッシュの考え方を非難する。誰かを殺す覚悟が無い者は誰も守ることは出来ないと持論をぶつけるウルフウッドであったが、ヴァッシュが「方法はある」と強く言うのを聞き、今回の件で借りが出来たという理由で今回はヴァッシュに従うと言う。そして「もし孤児院を守れなかったらお前を殺す」と気色ばむウルフウッドを見て、ヴァッシュはウルフウッドにもやはり何に替えても守りたい物があったのだと確信して嬉しそうに「ウルフウッド」と名を呼ぶが、ウルフウッドは「黙れ」と苛立ったように吐き捨て「俺はパニッシャーや」と言う。

あくまで自分は汚れた教団の処刑人であり、ヴァッシュとは違うのだと言うウルフウッドであったが、ヴァッシュに指示されたのは機関室に行って機関部の暴走を止めることであった。ウルフウッドがその役目を放棄して逃げれば、船は町に着く前に爆発して町や孤児院は守られる。だがウルフウッドはヴァッシュの指示に従い、機関室に行くと、薬を飲んで身体を再生させ続けながら真っ赤に焼けた機関部の扉を開き、機関部の暴走を止める。これにより船の爆発は阻止できたが、これでは船の暴走は止まらない。船の暴走を止めるには機関に送り込まれるエネルギーの供給を止めるしかない。ヴァッシュはそのために船内のプラントに向かった。そしてプラントに張り付いて何者かに「本当にごめん。力を貸して」と呼びかける。

すると、サンドスチームは町の寸前で止まった。それを見て作戦が失敗したと悟ったブルーサマーズとザジはリヴィオを回収して去っていった。そして船内のプラントルームに駆けつけたメリルとロベルトとウルフウッドの3人は、プラントに向かって立つヴァッシュを見つけるが、そのヴァッシュに向き合うようにプラントの水槽内に浮かぶ奇怪な生き物の姿を見る。そして振り向いたヴァッシュの顔にも何やら奇怪な模様が浮かび上がっており、一同は驚愕する。

ここで今回は終わりで次回に続くのですが、そもそもプラントとは一体何なのか重大な疑問が浮かび上がるラストシーンでした。これまでにも作中でプラントは何個も描写されていましたが、全て透明な水槽のような容器の中に液体が満たしてあって、その中に何かが浮かんでいました。それは生物の脳みたいにも見えていましたが、一体何なのか謎でした。それがどうやら今回、ヴァッシュの呼びかけに応えて水棲宇宙人のような姿に変形したようです。そしてプラントは機能を停止して機関に動力を送るのを止めて、その結果サンドスチームは町の寸前で止まったようです。しかし、そんな得体の知れないプラントがエネルギー源となっている社会とは一体何なのだろうか。そして、ナイヴズがそれを自分達の所有物であるかのように言っているということは、こういうプラントが宇宙時代から存在しているということなのか。そしてナイヴズがそれを崇敬の対象としており、そのプラントを強奪して集めていることは一体どういう意味があることなのか。ますます謎が深まり、今後の物語が楽しみになりましたね。

 

 

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件

第7話を観ました。

この作品は前回で視聴を切ったと言いましたが、今回一応観てみて普通に良かったので視聴を継続することにします。まぁ良かったといっても普通に良かったというだけで、大して好みの内容でもなかったんだが、この作品のやりたいことはしっかり出来ていたのだと思うので、そこは評価しなければいけないと思います。この作品のファンの人は「神回」とか言うんでしょうけど、私としてはそこまで良いとは思いません。相変わらず設定は雑だし内容は陳腐で、やたら暗くて面白味も無かった。しかも良かったのはBパートだけであって、Aパートはいつもと同じ全くどうでもいいキモい話だったし。

今回のBパートで特に良かった点は、周の不快感が無かったことです。この作品の最大にして最悪の欠陥は周の気持ち悪さ、キツさですから、それが無くなっているとかなりこの作品のマイナス点は無くなります。プラス点が増えるとまではいかないですけど、それでもかなり印象は良くなります。

といっても周がキャラ変したわけではない。周のキャラ自体はいつも通りであり、変わったのは話の方です。おそらくあの周の辛気臭くて回りくどくて気取った言い回しと唐突なイケメンムーブが、今回のBパートのようなシリアスなストーリーに合うのでしょう。今回のBパートがこの作品の核心的部分なのであって、そこに合わせて主人公のキャラ設定をしたので、周はああいうキャラになっていたのでしょう。

これは別に褒めてはいません。なんとも安直なキャラ設定だと思います。こんな後先を考えない安直なキャラ設定をしたおかげで、ここまでの日常エピソードでの周がキモくて仕方なかったのは作品にとって大損害といえます。ただ原作のなろう系小説の段階ではこれでも良かったのでしょう。文字で読むぶんには、あの周のセリフのキモさはそれほど致命的ではないですし、あの薄い内容の日常話は一気に流し読みして、すぐにこの核心の話にまで到達できて、周のキャラがそこでバッチリとハマるからです。しかし絵が動いて声がつくアニメとなって、1週間に30分ずつしか放送しない1クールアニメで、あの周のキモさが全く合わない日常回を6週間もやって、それからやっと核心の話を7話目でやるというのは全く褒められたやり方ではない。

原作ファンはいずれ今回のようなこういう展開になることが分かっているから、ここまでの6週間の苦行にも耐えられるのでしょうけど、アニメ初見勢は6週間の苦行に耐えるのは辛すぎます。今回のエピソード自体、周と真昼がこれまで1年間共に過ごした時間の積み重ねがあるからこそ活きるエピソードだということはもちろん承知しています。だから今回の内容を第1話からやれとはさすがに言いません。だが、せめて第4話までにはやるべきだったと思います。1クールアニメを作っているという自覚をもう少し持ってほしかった。ここまで6話かけてやった1年間の日常エピソードを3話に凝縮すると、確かに少し駆け足感はあるでしょう。でも1クールアニメとして楽しんでもらうという観点ではそれぐらいの妥協はすべきだったと思いますよ。現状の構成は原作ファンの方しか向いていないと言われても仕方ないでしょう。

まぁこのように悪口ばっかり言ってますけど、今回のBパートは内容の好き嫌いは置いておいて、キャラとストーリーが見事に噛み合っていて、1つのエピソードとして文句のつけようのない出来であったのは間違いない。これで今後は普通に楽しんで観れるんじゃないかと思ったので視聴は継続します。まぁ次回からまたキモい日常回に戻ってガッカリするかもしれませんけど、一応は期待してます。作品評価自体はこれまでのキモさ全開の6話分があるからどうしても視聴対象作品の中では最低評価クラスにはなりますけど、このまま今回レベルぐらいの話が最後まで続くようなら、歴代クールのA-ランク下位作品ぐらいの内容にはなると思いますので、期待はしています。

 

 

NieR:Automata Ver1.1a

第4話を観ました。

3週間の放送休止期間を挟んで久しぶりの再開となりました。前回ラストのアダムとイブとの戦いから場面は変わって、今回は別のミッションのお話。といっても前回と同じく、機械生命体が人間性を獲得したのではないかという疑惑に絡んだミッションで、根っこはアダムとイブ事件と繋がっています。遊園地の廃墟みたいな場所にある劇場で大きな女性型の機会生命体と2Bや9Sが戦うという話で、相変わらずアクション作画が素晴らしいですね。

話の内容はまだ謎は多いですけど、話の流れ自体はシンプルで非常に観やすい。テンポも良い。機械生命体が人間に取って代わっていくような世界観も不気味でイイ感じ。味方上層部に何か別の思惑があって2Bや9Sが駒として利用されている感じも、話に裏があって深みを与えていて良いです。人間性を持つようになった機械生命体に対するスタンスが2Bと9Sで差があるのも良いですね。特にあくまで人類を絶対視して機械生命体を憎む9Sの苛烈さと悲しさが好みです。

ここからかなり良くなっていくと期待出来そうだと感じたエピソードでしたが、第1話から第3話まではちょっと初見ではついていけないような話が続き、第3話の終盤から急速に面白くなって、それで今回が全体的に面白かったという状況ですから、まぁまだ総合評価としてはA-ランクでしょうね。今回の単話としての出来は確かに他のA-ランク作品よりは上だったとは思いますが、ここまで7話ぐらいかけてそれなりのものを色々と積み上げてきたような他の作品よりもまだこの作品を上位とする段階ではないと思います。このままのレベルを維持して数話も重ねれば自然とランクも上がるでしょう。

 

 

イジらないで、長瀞さん 2nd Attack

第7話を観ました。

今回は先輩はメガネからコンタクトレンズに替える話と、スキー合宿の話。まずコンタクトの話は、試しにコンタクトを買ってみたもののビビって自分で目に入れられない先輩の代わりに長瀞が先輩の目にコンタクトを入れることになる。まぁそれだけの話なんですがちょっとエロい感じ。最後、先輩がメガネかけてないのにクセで鼻のところのメガネのフレームをクイクイしちゃうのが面白かった。スキー合宿のパートでもやってましたけど、これマジでやってしまうんですよね。

そして学校のスキー合宿では先輩はスキー上手な長瀞にイイ所を見せようとしてスキーの練習を頑張る。最初は長瀞がコーチしてくれるんですが、先輩が全然上手くならなくても長瀞がイジリまくったりしないのは意外でした。先輩と一緒にスキー場でいるのが嬉しいというのもあるんでしょうけど、長瀞って意外と真面目に頑張ってる人、特にスポーツに打ち込んでる人を下手だからという理由でイジったりからかったりしないみたいですね。

でも先輩は長瀞がずっとレベルの低い自分につきあっていて、せっかくのスキー合宿なのに自分のスキーが出来ていないことを申し訳なく思って、ナイタースキーでも先輩を教えようとする長瀞に「疲れた」とウソをついてナイタースキーには行かない。しかしその後1人でゲレンデに出かけて1人で練習していると、暴走してしまった子供を助けたりして、今度は自分が人とぶつかりそうになったら長瀞に助けてもらう。そして子供を助けたところを見てくれていた長瀞に褒められて、結局先輩はナイターでも長瀞にコーチをお願いして、長瀞も嬉しそうに先輩にスキーを教える。

そして最後、スキー合宿も終わり、春が近づいてくる中、部長が美大に合格し、春から3年生になる先輩も美大を目指したいと思うようになる。そして、先輩が長瀞の目指してるものとか将来の夢とか自分は全然知らないということに気付くという場面で今回は終わり、次回は長瀞の将来の夢の話になるのかもしれませんね。

まぁ今回はラブコメ的にはそんなに盛り上がる展開があったわけでもないし、ギャグがものすごく面白い話でもなかったけど、先輩が頑張って長瀞もふざけないで手伝ったりして、なんかイイ感じの話でした。安定感はありましたね。たまにはこういう話もいいでしょう。

 

 

最強陰陽師の異世界転生記

第7話を観ました。

今回は武術大会編の完結話。まずメイベルの正体や目的が明らかになります。カイルの雇用主であるルグローク商会というのは子供を集めて鍛えて傭兵にして売り出すという商売をやっていて、カイルも傭兵なのだが、傭兵になるためには子供の頃から4人チームで訓練をするらしい。そして才能の最も優れた1人が脳の手術を受けて魔力を仕込まれ理性を失って傭兵になるのだが、その際に最終試験で他の3人の仲間を殺さねばならないというルールらしい。実はメイベルはカイルの仲間の3人のうちの1人で、カイルが殺さねばならない最後の1人なのだという。

そんなカイルとメイベルがどうして武術大会に出場しているのかというと、それは魔法学園側の依頼であって、どうせ殺される運命のメイベルをアミュの代わりに勇者として喧伝して出場させて、武術大会でカイルに殺させることによって、魔族たちに「勇者は死んだ」と思い込ませ、それによって真の勇者であるアミュを守るというのが魔法学園の目的で、ルグローク商会は魔法学園に依頼されてメイベルを貸し出して、カイルを出場させてメイベルを殺すことでカイルを傭兵として完成して売り出そうとしていたわけです。

ただそうした魔法学園やルグローク商会の思惑とは別に、メイベルには個人的な真の目的があった。実はカイルはメイベルの実の兄であり、手術を受ける前にカイルはもし自分が選ばれて手術を受けて理性を失った化け物になってしまったらメイベルの手で殺してほしいと言っていたのだという。だからメイベルはその約束を果たすために魔法学園の依頼に従って武術大会で殺されるために来たフリをして、実は試合で対戦したらカイルを殺そうと考えていた。だから、何にしてもカイルと戦うためにはセイカに負けるわけにはいかない。だがセイカに勝つためにはメイベルも本気で戦わねばならず、本気で戦えばセイカを殺してしまうかもしれない。だがメイベルは出来るだけ無関係の者を殺したくないので、それでセイカには準決勝を棄権してほしいと言っていたのであり、それを拒否されたので、闇討ちしてケガをさせて準決勝に出られなくしようとして襲ってきたのです。

そしてメイベルはもし決勝でカイルに負けたら殺され、もし決勝でカイルに勝っても商会の追手に殺される運命なのだという。だがセイカはそうしたメイベルやカイルの身の上を聞くと哀れに想い自分が何とかしてやりたくなり、準決勝は棄権せず出場してメイベルに勝ち、決勝で自分がカイルと戦うと言う。そしてメイベルのことは魔法学園で自分が守ると言う。カイルの真の願いはメイベルに殺してもらうことではなくメイベルが自由になることだと思うというセイカの言葉にメイベルは感謝するが、しかしそれでも自分は決勝にいって兄のカイルと戦うと言い、翌日の準決勝ではセイカとメイベルの対戦となります。

この準決勝に危なげなく勝利したセイカは、続く決勝でカイルと対戦して勝利しますが、敗北したカイルは商会にかけられていた呪いが発動して死んでしまう。このカイルをセイカは陰陽術の秘術で生き返らせようとしますが、管狐のユキに諫められて止められます。そもそもセイカは最強であるゆえに前世で殺されることになったことを教訓として転生後は出来るだけ最強であることを隠そうとしてきた。だからこの武術大会も適当なところで敗退するつもりであった。だがメイベルの身の上を聞いて、困っている者を放っておけない本来の優しい性分が出てしまい優勝することになってしまい、これだけでもあまり良くないことであるのに、更に最強の陰陽師だけが使える秘術まで使うようなことは戒めるべきだというのがユキの必死の諫言でした。それを聞き入れたセイカはカイルを生き返らせることは諦めて、せめて埋葬だけはしてやろうと思い、カイルの遺体を隠す。

そうしてセイカはメイベルと共に秘かにカイルを埋葬し、メイベルはアミュやイーファとも友達になり学園で過ごすことになる。実は魔法学園はメイベルの才能を惜しんでメイベルを商会から買い取っており、メイベルを救うためにセイカを武術大会に送り込んでいたらしい。セイカにそういう指示があったわけではないが、学園長はセイカがきっとそうするだろうということや、そうすることの出来る力を持っていることも分かっていたようだ。その思惑通りにセイカは動き、結果としてメイベルは救われたというわけでした。こうしてメイベルが新たに仲間に加わったというお話でした。まぁ綺麗にまとまった話で良かったと思います。