2023年冬アニメのうち、1月18日深夜に録画して1月19日に視聴した作品は以下の6タイトルでした。
もういっぽん!
第2話を観ました。
今回も心情描写が非常に丁寧でしたね。というか、前回の第1話は完璧な第1話だと思っていたんですけど、その第1話を更に補完してきたというのは意外なほどの丁寧さでした。前回のエピソードの中でもキャラの細かな仕草や表情を見て、そのキャラの心情を想像することは出来ていて、それで脳内補完して納得していた部分というのはあった。普通はアニメというのはそうやって楽しむものという考え方が何となくインプットされているのですが、そこをちゃんと後で拾って具体的に補完してくれる作品というのは殊更に丁寧だなと思わされます。
前回、直接的な描写が無かったのは、まず永遠がどうして青葉西に入学してきて柔道部を復活させようとしていたのかという部分。それについては前回の中学最後の大会のシーンを注意深く見れば何となく想像がついて、それで十分に脳内補完はしており、別にこのまま詳しく描かれなくても大丈夫とは個人的には思っていました。だが今回はそれについてちゃんと永遠の口から語られていて良かったですね。「良かった」というのは誉め言葉であって、こういう脳内補完で半ば分かっていることを重複して描く場合は、描き方が雑だと蛇足感が強くなってしまいがちだから、よほど上手に描かないといけないのですが、それが今回とても上手だったからです。ちゃんと永遠の見せ場になっており、更にそれが未知や早苗の心情とも絡んで全体のストーリーの中で機能していた。そして、そうして蛇足感を中和した上で、永遠の心情の丁寧な掘り下げになっていて第1話の満足感が更に深いものとなり、第1話の価値も更に上がった。
今回、同様に良い補完になっていたのは、前回の最重要のラストシーンで明かされた早苗が未知と一緒に柔道をやることにこだわっていた理由の部分です。それは中学の時に早苗が未知に柔道部に勧誘されたということ、そしてその際に未知が「一本」の気持ちよさを早苗に語っていたこと、だいたい前回描写されたのはそれぐらいであって、その後に未知が永遠から「一本」をとる形になって、それを承けて早苗が未知にもう一度一緒に柔道をやろうと言って、未知が再び柔道をやる決意をするという場面に続いていました。これら前回のラストシーンはどちらかというと未知の心情がメインで描かれていて、そこにアシストをした早苗の心情描写はむしろ浅くて断片的でしたが、そこは脳内補完して鑑賞できました。未知の心情描写が素晴らしかったので、それをより深く知るために自然と相方の早苗の心情描写も脳内補完して掘り下げてしまえるものなんですよね。だから前回のラストシーンはあれだけで十分に完成されていて満足できるものでした。
だが今回、その早苗の心情が更に掘り下げられ、どうして早苗が未知と一緒に柔道をやることにこだわっているのか、どうして早苗が未知の「一本」にこだわる柔道に惹かれているのかについて、しっかりと描かれました。この内容は前回の脳内補完では想像しきれていなかったものも含んでいて、新たな発見がありました。上記の永遠の心情に関しては前回の脳内補完でほぼ正解だったので、それに比べると早苗の心情描写はより深いものであったといえます。それだけでもう十分に蛇足感というものはありませんでした。
ただ、永遠の心情については前回の永遠の行動の理由として明確な形で永遠の口から語られているので前回の補完なのだということは分かりやすかったのですが、早苗の心情描写に関しては直接的に前回の早苗の行動の理由としては描かれていないので前回の補完であること自体がやや分かりにくく、それゆえに蛇足感が全く消え去っているのですが、同時に前回の内容と繋げて前回の補完であると解釈するためには一定の想像力は必要とするようになっています。これについては冒頭に前回のラストシーンの中の早苗の回想と同じ場面をもう一度挿入した上で、前回は描かれなかった部分まで描き、その上で後の方の早苗の心情描写シーンに繋げるという構成によって、早苗の心情描写が前回の補完であると考えやすくしてくれています。
そして、早苗の心情描写も永遠の心情描写と同様に、単に前回の補完だけなのではなく、ちゃんと今回のストーリーの中の重要な場面として機能していたのが素晴らしい。前回、早苗が未知の背を押すきっかけとなった早苗の中の柔道に対する想いが、今回は未知によって早苗の中でより具体的に強い形で思い出されることになり、そこが前回の補完になっているのと同時に、それによって再び柔道を諦めかけていた早苗自身の背を押すという形で今回のストーリーの重要なピースとして機能していたのです。まぁこのように見ていくと、結局のところ完璧に見えた第1話は実はまだ完成したものではなく、第1話と第2話は一体化した一連のエピソードであったのであり、前回と今回とで合わさることによって、より完璧なものになったのだといえます。
ただ「完璧」といっても、それはストーリーの構成が非常に巧いという意味であって、この作品自体が一分の隙もない「完璧な作品」だと言うつもりはないです。作画は全体的に粗いですね。ただ、柔道シーンのキャラの表情などは素晴らしいし、力を入れるべきところと手を抜くところを弁えている省エネ作画なのでしょう。また、日常シーンで結構どうでもいいギャグシーンもあります。これは少年誌連載のちょっとギャグ寄りの作風なので、まぁこんなものでしょう。つまり基本的にはユルめの作風なのであり、ムチャクチャに制作会社が力を入れてトップを狙いに来てるようなタイプの大作ではない。ただ今期はそういう作品自体があまり多くない上に、そういう作品が上手くいっていなかったりスロースタートであるという現状において、ストーリーのレベルの高さという一点においてこの作品が現時点では頭1つ抜けているというだけだと思います。それでも十分に凄いことではあるのですが、まぁもともとユルい作品なのですから、気楽に楽しむのが良いと思います。
それで今回の内容ですが、まず冒頭は前回も早苗の回想で描かれた中学時代の未知が早苗を柔道部に勧誘する場面から始まりますが、前回の時点でおそらく中学1年生の入学時期だろうとは想像はついていましたが、今回は教室に「1ーC」というプレートがついているカットがあったので明確に中学1年生の入学時期ということが分かります。それで前回は未知が「一本」が気持ちいいと言って早苗を勧誘するところで描写が終わっていましたが、今回はその続きも描かれていて、早苗は柔道をやったことがないので断ろうとするのだが、未知が自分が教えるからといって強引に誘って見学に連れていくという遣り取りまでが描かれていて、どうやらそのまま早苗はなし崩しに入部することになったようです。
まぁこの回想シーン自体に何か凄い情報が込められているというわけではないんですけど、ここから後の方の未知と早苗の中庭での乱取りの場面での回想シーンに繋がっていくので、前回のラストでの回想シーンと今回の乱取り時の回想シーンが繋がっていて、後者が前者の補完になっていることを示すためのジャンクションのようなシーンと考えればいいでしょう。そういうわけで、この冒頭の回想シーンでは、早苗が未知に教えられて、未知の背を追いかけて柔道をやり始めたのだという中学時代の2人の関係性が分かればそれでいいと思います。
そして場面は現在、青葉西高校に入学して、前回の武道場での一件で未知と一緒にまた柔道部に入ると決めた日の翌日の朝、早苗の自宅での場面となります。学校で貰って来た柔道部への入部届に名前を書いて、あとは親のサインとハンコを貰うだけの早苗ですが、親に柔道部に入る件を言い出せずにいました。実は早苗は「高校では部活には入らずに大学受験に備えて学業に専念する」と親と約束していたのです。
早苗は学業は優秀なので普通にしていても学校の勉強で遅れるということはないでしょうから、レベルの高い大学に進学するために学業を頑張るということなんでしょう。ただ、本当に教育熱心な家庭ならば娘を青葉西のような普通の公立高校には行かせずに私立の進学校に行かせるでしょうし進学塾にも通わせるでしょうから、滝川家は特に教育熱が高いエリート志向の強い家というわけでもなさそうです。おそらくそんなに裕福な家庭でもなくて、たまたま娘の頭の出来が良いので学費の安い国立大学でも行ってくれたらいいと思っているという程度と思います。
だから、娘にエリートコースを強要しようとか、そういう親ではなく、高校生ともなれば卒業後の進学や就職のことも考えなければならず、せっかく娘の頭の出来が良いのだから進学させてやりたい。でも家計も裕福じゃないので国立に進学出来た方がいい。それなら今から勉強をしっかりやった方がいい。そういう、娘の幸せを第一に考えての判断だと思います。だから部活だって娘本人がやりたいというのなら無理矢理辞めさせるつもりなどは本来は無いのだと思います。学業に支障が無い程度にやるのならば問題は無いと常識的に考えられる親なのだと思う。
ただ、早苗の場合は中学3年の時点で未知と「高校では柔道はしない」と約束していたので、内心は残念な気持ちはあったものの、一旦はそう決めたことですから、親にも「高校では部活には入らないで学業に専念する」と、早苗自身から言い出す形で約束してしまっていたのでしょう。当然、親としては早苗本人がそう望むのであれば、そっちの方が良い。もともと母親は中学時代に早苗が柔道で骨折して心配した父親が胃潰瘍になった事件などもあったことから、早苗が柔道をやることはあまり嬉しくは思っていなかったというのもあり、早苗が高校では柔道をやらないという話は歓迎され、滝川家では早苗は高校では部活に入らずに学業に専念するものだという前提となっていたのです。
だから、ちゃんと早苗が言葉を尽くして事情を説明して、学業に支障が無いようにすると約束すれば、親としても断固反対するというほどでもないのだとは思います。ただ、まだ高校生になったばかりの娘が昨日まで言っていたことと真逆のことをいきなり言い出して約束を反故にするとか言い出したならば、普通は親は娘の発言を信用することはないでしょう。いい加減な思い付きで喋っていると決めつけて娘の言葉をしっかり聞こうとはせず頭ごなしに叱るでしょう。更に、学業を頑張るとか言っていたのも同じようにいい加減な気持ちで言っていたのだろうと思い、娘の将来が心配になってくることでしょう。まぁそういうわけで親子仲がギクシャクすることは必至といえます。
それが予想できる程度には頭が良いので、早苗は柔道部の入部届の件を結局、親に言い出せませんでした。また、第1話でも描写されていたように早苗は周囲がよく見えている心優しい子なので、そういう親の気持ちも分かってしまい遠慮してしまうのでしょう。そして、そうした早苗の性格は父親譲りみたいで、父親は早苗の様子をチラチラ見て、何か悩んでいるようだと気付いて早苗にそれとなく話を向けるのですが、早苗は結局、父親にも何も言えないまま学校に行きます。
学校に着くと、未知の方は入部届に親のハンコもしっかり貰って持ってきていました。未知は兄も柔道をしていたというから家族は柔道に全く抵抗も無いみたいだし、未知は青葉西に補欠合格したぐらいの劣等生なので親も早苗の場合のようにハナから大学受験とか考えていないのかもしれません。それに未知自体があまり物事を深く考えない性分なので、昨日まで「高校では部活に入らない」と言っていたのと真逆のことを言いだして叱られることを気にすることもなくストレートに親に入部届を見せてサインしてもらいハンコも貰ったようです。その入部届の未知の親の筆跡を見る限り、未知の親も未知同様に大雑把な性格みたいですから、細かいことは考えずサインしてくれたようです。
それで未知は自分の入部届に加えて早苗の入部届と、あとは別のクラスの永遠の入部届と合わせて3枚の入部届を一緒に職員室に持っていこうと言って張り切ります。柔道部は現在は廃部になっていて、部員が3人集まれば復活という規則ですので、3枚の入部届を一緒に持って行かないと受理してもらえないのです。しかし早苗はまだ親のハンコを貰えていないので入部届が用意出来ていないのだが、早苗はそのことを未知に言い出せず、家に忘れてきたと言ってしまう。もしかしたら自分が入部出来なくなって柔道部の復活も無しになってしまうかもしれないとは、張り切ってる未知を見ると言い出せなかったのです。
それを聞いて未知は今日から練習したかったのに出来なくなってしまったと言って残念がります。もちろん早苗が明日に入部届を持ってきてくれて明日から練習が出来るという前提で、単に柔道をやるのが1日遅れてしまって残念という意味で悔しがっているだけなのですが、そんな未知の明るい顔を見て早苗の心は痛みます。そこに、まだ柔道部が正式に復活していないと聞いて安奈がやって来て、武道場に永遠が敷いた畳を一旦撤去しろと言ってくる。そうしていると、そこに永遠がやって来て、何やら未知に話がある様子なのですが、なかなか言葉が出てこない様子です。
これに先立って永遠がトイレの鏡に向かって、未知に声をかける練習をする場面も描写されていて、永遠という子はとにかく引っ込み思案で、自分の想いを言葉にするのが苦手みたいです。ただ、それでも未知にどうしても話をしたいことがあるみたいなのですが、前回の永遠の描写から「永遠は未知と一緒に柔道がしたいのだろう」とは想像はしていました。前回描写された中学最後の大会の後、そのことを言おうとして言い出せなかったのだと解釈していたので、それについては前回のラストシーンで未知に伝えることが出来て、未知が柔道をやると決意してくれたことで永遠の願いは叶ったはずです。だから、ここで永遠が未知に言おうとしていることが何なのか、ちょっと謎でした。
結局、永遠が未知の名を呼び間違えたり、未知も永遠の名を呼び間違えたりして、その挙句に永遠が恥ずかしくなって逃げ出してしまったので、永遠が未知に何を伝えようとしたのかも不明のまま、また永遠の入部届も受け取れないまま、その場はお開きとなり、その後、昼休みに未知と早苗は安奈に言われて体操着に着替えて武道場の畳の撤去をやらされます。
ここで未知と早苗は畳を運びながら、中学の時もこうして一緒によく畳の片づけをしたという思い出話になり、そこから未知が中学の時に柔道の試合で一本勝ちした時の思い出を1つ1つ語り始めます。未知は一本勝ちが気持ち良いので大好きで、自分が一本勝ちした試合を全部覚えているのだと言う。そんな未知の話を早苗も嬉しそうに聞きます。出会った時から「一本勝ち」が大好きなところがずっと変わらない未知ですが、早苗にとっては未知との思い出、柔道の思い出の中の大事な場面で、必ず未知の一本勝ちの記憶がある。そんなにたくさん一本勝ちをしたわけではない未知ですが、それらの一本勝ちの思い出は、未知にとっても早苗にとってもかけがえのない中学時代の思い出であったのです。
そうして思い出話をしているうちに未知は運んでいた畳を中庭に敷いて早苗と乱取りを始める。未知は入部届を提出して今日から柔道の練習を始めるつもりだったので、やっぱり待ちきれなかったようで、即席の柔道場を作っての乱取り開始で、昼休み中の生徒達も面白そうに見物してくる中、未知はそうして乱取りしながら引き続き中学時代の一本勝ちの思い出話をして、最後にベストワンの一本勝ちの話をする。それは市民大会でベスト8になった時の上四方固めでとった一本勝ちだったと未知は言うのだが、早苗は未知がそんな一本勝ちをしたという記憶が無い。それで不思議そうにしていると、未知はそんな早苗に上四方固めを決めながら、それは早苗の初勝利の時の一本勝ちの思い出なのだと言う。
未知は自分の一本勝ちだけでなく、早苗の一本勝ちのことも覚えてくれていたのです。それは未知にとっても思い出深い出来事だったからです。早苗が骨折した後の最初の試合で、なんとしても勝ちたいと頑張って復帰してきた早苗のために未知も一緒に一生懸命に作戦を考えて、その末に掴んだ初めての一本勝ちだったのです。そして、それは当然、早苗にとっても大切な思い出でした。あの時、初めて早苗は「一本勝ちの気持ち良さ」を実感することが出来た。ずっと背中を追いかけてきた未知が知っている世界がどういうものなのか知ることが出来た。そして、それは未知と一緒だったから知ることが出来た人生の充実感だった。あの時にその充実感を知ったから自分は柔道を好きになれたんだと早苗は、今こうして未知の言葉を聞いてハッキリ思い出した。
前回のラストシーンで、早苗は未知が今でも柔道が好きで一本勝ちが好きなのだということを知り、中学時代のように一本勝ちが大好きな未知と一緒に柔道をしたいという気持ちを伝えることが出来た。そして今回、未知に自分の初めての一本勝ちの時の思い出話をされて、早苗は自分も未知と同じように一本勝ちが大好きになっていたから未知と一緒に柔道をしたいと思ったのだということがハッキリと分かったのでした。ただ、それを未知に言われるまで自分は忘れていた。それだけ自分は柔道への想いが未知に比べて弱くなっている。だから親にも入部届の話をする勇気が湧いてこないのだと思うと、早苗は自分が情けなくなって涙が溢れてきた。こんなに未知と一緒に柔道をやりたいという気持ちがハッキリしたのに、それでも親に入部の話をする勇気の出ない自分の心の弱さが情けない。それで溢れる涙を人に見られたくなくて、早苗は上四方固めをして覆いかぶさっている未知の身体に抱き着いて顔を隠して涙が止まるまで必死で誤魔化すのでした。
一方、昼休みの購買部では生徒達がパンを買いに来ていたが、そこで永遠が人だかりに割り込むことも出来ず声を上げて注文することも出来ないうちにパンが売り切れてしまい、やたらキャラの濃い購買部のおばちゃんに余りもののあんパンを施してもらうというシーンが描かれます。まぁ施しとか言いながらしっかり金は取るんですけど。
ここは一見するとコミカルシーンであり、実際コミカルシーンなんですけど、おばちゃんが「ここは戦場」と言い「勇気無き者に勝利の女神は振り向かない」と妙にカッコつけたことを言います。要するに自分の想いを言葉にして主張する勇気の無い永遠には購買部でパンを買うことすら出来ないということで、未知に言いたいことを伝える勇気が湧いてこなかった永遠の心の弱さがここで重ねて否定された場面なのだといえます。ただ、そこに畳運びに手間取ったせいで遅れてやってきてパンを買いそびれた未知たちに、先ほど施してもらったあんパンを分け与えることによって永遠にはリベンジのチャンスが訪れます。
そうして永遠は未知と早苗と安奈と一緒に屋上で昼食をとることになり、永遠はおもむろに柔道着を取り出して制服の上から着る。すると何故か永遠は少しマトモに喋れるようになる。なんでも柔道着を着ると少し勇気が出るのだそうです。確かに学校で制服姿の永遠はいつもビクビクしていて気持ちが弱そうですが、前回の柔道の試合の時はキビキビ動いていて気持ちは強そうでした。しかし試合後に制服に着替えた後は未知に言葉もかけることが出来ず仕舞いでしたから、確かに柔道着を着てる時とそうでない時の差は激しいようです。まぁそうはいっても豹変するというほどでもなく、マトモに喋れるようになる程度の差みたいですけど。とにかく永遠としては先ほどの購買部のおばちゃんの名言「勇気無き者に勝利の女神は振り向かない」に背を押されたところはあるみたいで、ここは勇気を出すことが大事なのだと気付き、そのためには柔道着を着た方がいいと気付いたようです。つまり、永遠の未知に伝えたいことはよほど勇気が必要なことだということです。
それは実は謝罪だったのでした。永遠は柔道着を羽織って未知に向かって土下座して、前回描写された未知の中学最後の試合で未知を締め技で失神させてしまい、その動画で未知のアヘ顔が世界中に拡散されてしまう原因を作ってしまったことを謝ったのでした。まぁそれは実際は永遠は何も悪くないのだが、それでも永遠はずっとそのことを謝りたかったみたいで、それで前回、その試合の後に未知に声をかけようとしていたということになります。そして、その時に未知が青葉西に進学しようとしていることを聞いたので、未知に謝るために永遠も青葉西に進学したのだという。
いや、そうなると「永遠は未知と一緒に柔道をしたくて声をかけようとしていたのであり、青葉西に来たのも未知と一緒に柔道をやるためだったのだろう」という前回の私の考察は大外れだったのかと一瞬焦ってしまいましたが、もちろん、謝罪という目的もあったが永遠が未知と一緒に柔道がしたいと思ったのもまた事実であったと分かって安心しました。こうして一瞬焦らせてくるのもなかなか上手いと思います。まぁそもそも謝罪だけが目的なら青葉中学に行って会えば済む話ですから、もちろん永遠は未知と一緒に柔道がしたくて青葉西に来たのでした。
ただ、それは私が視聴者の立場で、しかも結構真面目にストーリーを考察しながら観たりしてる立場だから、そういう話の流れを自然なものとして受け止めることが出来るのであって、劇中人物である未知や早苗にとっては永遠のこの言葉はかなり意外なものでした。あの時に出会っていたのならば、未知が高校では柔道をする気が無いと言っていたことは永遠は知っているはずです。それなのに未知と一緒に柔道をしたくて青葉西に進学してくるというのは、かなり無茶な行動に見えます。
だが永遠は、あの試合の後で「もう柔道はおしまい」と言っていた時の未知の顔が寂しそうであったこと、そして自分との試合の時、懸命に一本勝ちを狙って生き生きと動く未知の顔がとても楽しそうであったことから、未知が柔道を辞めるわけがないと確信したのだという。そしてそんな未知と自分も一緒に柔道をしたいと思ったから自分は青葉西に来たのだと永遠は言います。そして明日、一緒に柔道着を着て購買部のパンを勇気を出して買い、その後、一緒に柔道の練習もしたいと、永遠は自分の気持ちを素直に未知にぶつける。
それを聞いて早苗は心動かされた。いくら未知が柔道を辞めるわけがないと確信していたといっても、その確信だけで青葉西まで入学してくるのはとても勇気の要ることです。そして、その上で「柔道はやらない」と言う未知に柔道部に入るよう先に声をかけたのは永遠であり、その上でこうして謝罪もした上で再び真っすぐ自分の気持ちを伝えてくる。そういう永遠に比べて早苗はそもそも未知が柔道を辞めると思っていたし、そう思い込んだ上で自分も柔道を辞めようと思って親ともそういう約束をしてしまい、そのために今は親に本当の気持ちを伝えることも出来ずにいる。
しかし、永遠が一緒に柔道がしたいと思ったという未知の楽しく一本勝ちを狙う柔道は、未知と早苗が一緒にやっていた柔道であり、一緒にやりたいと思っている柔道なのです。自分も一本勝ちの気持ち良さに惹かれて柔道をやっているという点で未知と同じだと、早苗はさっき確信したばかりなのです。その柔道を永遠がこんなに真っすぐに勇気を出して一緒にやりたいと言ってくれる以上、自分も勇気を出さなければいけないと早苗は思った。そうでなければ永遠の気持ちに応えることは出来ないのだと思い、早苗はちゃんと勇気を出して親に事情を話して入部届にハンコを押してもらい、明日は柔道着を持ってきて未知と永遠と一緒にそれを着て購買部に行きパンを買い、そして3枚の入部届を提出した上で正式に柔道部員として3人で柔道の練習が出来るようにしようと思ったのでした。
そうしてその日の夜、早苗は自宅で母親に入部届を見せて、サインとハンコが欲しいと伝えた。母親は早苗が約束を破ったこと自体を厳しく咎めようとはしなかったが、いい加減な気持ちで決めたことなら賛成は出来ないと思った。中途半端な気持ちでやってもまた怪我をするのではないかとも思えた。だが早苗の真剣な表情を見ると、決していい加減な気持ちで柔道をやろうとしているのではないと分かり、父親も「勉強も頑張るよな?」と言ってハンコを出してくれたので、両親とも早苗の決断を尊重することにしたのでした。いや、良い両親で、良い親子です。
そうして翌日、柔道着を着た未知と早苗と永遠と、何故か剣道着の安奈も一緒に購買部で大声を出してパンを買って、購買部のおばちゃんも今回は永遠たちの勇気を認めてサービスであんパンをオマケしてくれて、昼食の後、未知と早苗と永遠は3人揃って職員室に柔道部への入部届を提出し、放課後には武道場に再び畳を運び入れて敷き詰め、再び柔道着に着替えて畳の上に立ち、練習開始となります。それを「結成」か「再始動」か、どっちで表現するかで口論した流れのままで乱取り始める未知と早苗を見て、最初は喧嘩が始まったのかと慌てる永遠が、2人の楽しそうな顔を見て、それが喧嘩ではなく乱取りなのだと理解すると同時に、いよいよ自分も2人の楽しい柔道の仲間入り出来るのだと思い笑顔になる。
ここで今回のお話としては綺麗に締まっており、ここがラストカットでも良かったと思うのですが、今回はこの後に少し描写が続き、それがこの前回と今回で描かれたこの物語の序章に続く本編の物語に繋がる描写になっています。3人で乱取りをやってみて、永遠が実は全国大会にも出場した実力者であることが判明しますが、永遠は柔道は中学2年生から始めたという。つまり、まだ2年ぐらいしか経験が無いわけで、それで全国大会に出ているのですから柔道の天才みたいです。ただ、そんな永遠がどうして柔道の強豪校には行かずに未知たちの柔道に惹かれたのか、そのあたりはちょっと謎です。これは今後のストーリーの中で描かれていくことになるのでしょう。
そして未知の方は、自分よりも短いキャリアで全国大会まで行ってしまう永遠との才能の差を見せつけられて嘆きますが、そんな嘆きは一瞬のことであり、すぐに「そんな永遠と一緒に練習すれば自分も早苗ももっと気持ちいい一本を取りまくれるようになるんじゃないか」と前向きに思考して張り切ります。この未知たちの決して強くはないけど常に前向きな気持ちこそが青葉西柔道部の姿勢なのであり、ここから始まる彼女たちの物語の真の出発点なのだといえます。ここから青葉西の快進撃は始まるのです。そして最後に、そんな3人を見守る謎の人物の登場で次回への引きとなります。
トモちゃんは女の子!
第3話を観ました。
今回はムチャクチャ面白かった。特に最初の、前回から繋がる淳一郎とみすずの中学時代の交際絡みの話が大爆笑モノでした。やっぱりみすずがこの作品で一番面白いんですよね。もうちょっとみすずにハマりかけてます。あの冷静にヒドいことをズケズケ言う感じが笑える。キャロルという相方を得たのも良いですね。
まず最初のパートでは、みすずと淳一郎の中学時代の交際は3日で終わっていたというのが笑えた。初デートが片道40キロのサイクリングとか、それの何処がダメなのか分からないトモちゃんとか、もう全部イカレてる。しかも淳一郎の方からフるとか、そりゃみすずが淳一郎を嫌うのも無理はないと思う。
ただ、この最初のパートの話はギャグとしてもかなり最高ではあるのだが、実は結構重要な情報が含まれていて、淳一郎が中学時代にみすずに交際を持ち掛けたのが中学2年の春みたいなのだが、その前の1年間、中学に入学してからの1年間は淳一郎はトモのことを避けていたらしい。そしてみすずと3日間交際して、その後にトモとまた遊ぶようになったのだという。淳一郎がみすずに交際を申し込む際に「交際というのをやってみたい」と言っていたのを見ると、どうやら淳一郎はみすずで「女と付き合う」ということの練習をしてみたようです。その結果が散々なものだったので、結局はトモとは男友達みたいな関係に戻ったみたいですが、そうなると、中学1年生の時期は淳一郎はトモと男女の交際も検討していたのかもしれない。それでちょっとトモとは距離を置いていたのかもしれない。ただ、そうなると中学に入った時に何か淳一郎にそう考えさせるきっかけとなる事件があったということになるが、それはまだ作中えは描かれていない。ただ、中学入学時にトモがセーラー服を着ているのを見て淳一郎が嫌そうにしているという描写はあった。ただそれだけがきっかけとは思えないので、他に何かあったのだろうとは思う。
続いては淳一郎が御崎先輩と初対面して男だと知り嫉妬して御崎先輩がビビりまくるというのが面白かったが、ここで淳一郎の本音がちょっと描写される。淳一郎はずっと空手のルール内ではトモに勝てないのだそうで、トモに憧れて目標にしているらしい。そして、そのままではダメだと思っているようです。つまり淳一郎はトモを超えない限りは前に進めないという状況であるようです。淳一郎がトモとの関係で前に踏み出せない理由はそのあたりに関係しているのかもしれません。
また、トモの言うには、淳一郎は中学2年ぐらいからトモの周囲の男に敵意を向けるようになったみたいですから、上記のみすずの話とも総合すると、やはり中学2年ぐらいからトモとの男女の交際は諦めつつも、トモが他の男と付き合うことは邪魔しようとしていたみたいです。
そして後半パートではトモと淳一郎がデートします。といっても普通に2人で遊びに行くだけであり、以前からそういうことはやっているわけですが高校に入ってからは妙に意識してしまってトモの方が断ってしまっていたらしい。それでみすずに言われてトモは淳一郎を誘い、淳一郎は喜んでOKするが、淳一郎としては中学時代みたいに男友達みたいな遊びのつもりです。だがみすずはそれを男女のデートにするために、まずトモに女の子の服装でデートに行くように言い、女物の服をトモとキャロルと一緒に買いに行く。ここでガーリーな服ではなく、ボーイッシュな女子の服をチョイスするというのがシビアで笑えた。ガーリーな服を着せたらトモは正気でいられないし淳一郎は走って逃げるからなのだそうでが、みすずの2人への観察眼の鋭さに感服する。
そしてその絶妙にセーフな服で待ち合わせ場所に現れたトモを見て一瞬思考停止する淳一郎が面白い。その後、バッテイングセンターとかボーリングで結局いつも通りの男友達同士の遊びみたいになってしまうのだが、トモがカラオケ初挑戦すると淳一郎も簡単にOKしたので、どうしてなのかと聞くと、淳一郎はトモがやりたがる遊びなら間違いは無いと信頼しているからだという。子供の頃の淳一郎はトモに引っ張られて無茶な遊びに付き合わされたが、やってみたら全部楽しかった。だから淳一郎にとってトモは最高の友達なのだろいうのです。だから淳一郎はトモがカラオケに行きたがるということはカラオケだってきっと楽しいに違いないと思って信頼しているのです。だがトモは「男女はカラオケに行くもの」というみすずの指示に従ってカラオケに来ただけであり、カラオケ自体を楽しもうとしていない。それでは淳一郎の信頼を裏切ることになってしまう。それではいけないと思ったトモが必死で童謡を歌って淳一郎を楽しませようとして恥ずかしいことになるというオチなのですが、このあたりはトモと淳一郎の関係の本質が描かれているのかもしれませんね。
転生王女と天才令嬢の魔法革命
第3話を観ました。
今回はあまりストーリーに大きな動きは無くて、ユフィリアの心情がかなり丁寧に描かれたという印象です。そのあたりどういう意図なのかは現時点では私にはよく分からない。第1話と第2話の展開を見る限りではここでユフィリアの心情をここまで緻密に描く必要があるとはあまり思えないので、これは今後の展開に繋がってくる伏線なのでしょう。
それゆえ、今回描かれたユフィリアの心情の持つ意味なども現時点ではあまり私にはよく分かりません。ただ前回ちょっと打ち解けた印象のあるアニスに対するユフィリアの心情がまだどうも距離があるという点がずっと強調されている印象でした。それについては深くは掘り下げることは出来ないまでも、その意図するところはおおまかなところは明白で、つまりその2人の関係が徐々に間が詰まっていく様子をこれからじっくりと描くので、現時点では2人の間の心の距離を強調して描いたということなのでしょう。そして、それは主にユフィリアの側に乗り越えるべき課題が多いということなのだと思います。
もちろん今回の全編がそんなもどかしい場面ばかりで構成されているわけではなくて、アニスが登場してから魔導具の実験コーナー、特に空飛ぶ箒の試乗シーンなどは大笑いしてしまうようなコミカルなシーンになっていて、思わずユフィリアも相好を崩して大笑いします。またユフィリア専用の魔導具アルカンシェルのお披露目シーンなどは非常に美しくて見惚れてしまいます。これらの場面ではアニスはやはり生き生きとしていて、ユフィリアもアニスにつられて目を輝かせたりもしますが、ただそれでもすぐに物憂げな表情に戻ってしまう。
冒頭はユフィリアの部屋が片付けられるシーンから始まりますが、これはマゼンダ公爵邸というわけではなく、おそらく王宮内に設けてあった王子の婚約者としての部屋なのでしょう。婚約解消されたのでそこから退去してアニスの離宮の方に移る場面ということなのでしょうけど、ここではあの騒がしいアニスが不在ということもあり、BGMも無いこともあり、何とも静かで空虚な雰囲気が描かれています。そうして離宮に場面が移ってもしばらくはアニスが不在でユフィリアの空虚な時間が流れていく感じで、そこにアニスが戻ってきて一気に騒がしくなりコミカルな場面が続く。ここで箒の試乗シーンなどもあってユフィリアも思わず楽しく笑ったりして、その屈託のない笑顔を見てアニスも嬉しそうにするのですが、ユフィリアがすぐに冷静さを取り戻して、あくまで王女とその助手という立場の差を弁えて、あくまで業務として助手の仕事をしようとする。それに対してアニスは遊び感覚を強調して、ユフィリアはアニスとの間に越えられない壁のようなものを感じた様子です。
ただ、これはユフィリアが不真面目なアニスを非難するという感じではなく、むしろ遊び心も無くただ生真面目なだけの自分を卑下しているようです。この後、国王に呼び出されてユフィリアは先日の婚約破棄事件の事情聴取を受けますが、その後の婚礼準備が廃棄されていく様子を眺める場面なども含めて、ここで強調されているのは、ユフィリアが生真面目に取り組んできたものが全て空虚で無駄になってしまったということです。だが、そんなユフィリアに対してメイドのイリアはアニスが自由気儘に生きていることに触れて、今やユフィリアを縛るものは何も無くなり自由になったのだと励ます。しかしユフィリアはそんなアニスのような自由さよりも、どうしても不自由な縛りの中で自分なりに生真面目に取り組んだ挙句に失われてしまった、そうした空虚の方に心が奪われてしまい前に進めない自分を意識していた。
そうしたユフィリアのもとにアニスがやって来て、ユフィリア専用の魔導具が完成したと言って魔剣を渡す。そうしてそれを試し打ちなどしてユフィリアを喜ばせ、アニスもそんなユフィリアを見て喜ぶ。そして魔剣の名が「虹」を意味する「アルカンシェル」だと告げたアニスは、それがユフィリアに似合うと言う。それはアニスの偽らざる本心なのだが、ユフィリアはそんな華やかな名前の剣がこんな空虚なだけの自分に似合うのだろうかと疑問に思う。だがアニスがそう言ってくれるのが自分への救いにも思えて、ニッコリと微笑んで礼を言う。そんなユフィリアの心の陰をアニスは多少は意識しながらも、それでも本当に子供の頃からユフィリアのことを虹のように美しいと思っていて、羨ましいと思っていたのだと呟いて、睡眠不足もあってか、そのまま眠りに落ちてユフィリアに膝枕してもらう形となります。
魔法を使えないアニスにとっては、何種類もの属性の魔法を自在に使える美しきユフィリアはまさに天に架かる虹のような羨むべき存在であったのです。しかしそのユフィリア当人にすれば、自分はただ生真面目なだけの空虚な人間であり、むしろアニスのように自由奔放でどんな逆境でも前向きなところが羨ましい。そう思ってユフィリアは膝の上で眠るアニスの顔に向けて涙をこぼして「貴方のようになれたら」と呟くのでした。
このように急激な環境の変化の中でなかなかすぐには切り替えられないユフィリアの苦しい心情というのが今回は緻密に描かれたわけですが、こういう心情描写は自明のこととして省略してどんどん物語を進めていってしまうのも1つの手だと思います。しかしこの作品はそういうことはせず、実に丁寧にユフィリアとアニスの心情を描いている。それはつまりこの作品がそこを重視しているということであり、それを踏まえた上で鑑賞するのが良いということでしょう。
ただ今回、物語部分でもしっかり伏線描写はあり、国王による事情聴取のシーンでは、例のアル王子によりユフィリアへの婚約破棄事件が単なるアルがレイニ嬢に入れ込んだ挙句の暴走というわけではなく、どうやら王国貴族内の保守派と改革派との主導権争いが絡んだ陰謀が背景にあり、アルやその取り巻きの貴族子弟たちは騙されて利用されている気配すらあることが示唆されていました。ユフィリアの父である宰相マゼンダ卿は改革派であり、保守派にしてみれば、ユフィリアがアル王子と結婚して妃殿下となればますます改革派が力を増すことになるので都合が悪かったのでしょう。
また前回、マゼンダ卿が「アニスが国王となりユフィリアがその傍にいるという形でも構わない」というような本気とも冗談とも分からないようなことを言っていましたが、それもつまり、どういう形にせよ改革派が保守派に主導権を奪われるわけにはいかないという意味合いでの発言だったのでしょう。国王自身も改革派寄りみたいで、そして保守派といえばアニスの魔法科学の天敵のような存在であり、前回「アニスの魔法科学は保守派にとって劇薬のようなもの」と喝破したユフィリアは改革派筆頭のマゼンダ卿の娘であるとなると、何となくこれからアニスとユフィリアの魔法科学が王国内の勢力争いと絡んでくることが想像がついてきます。アニスとユフィリアの関係が今後どうなるかも気になるところですが、そうした物語の展開の方も今後は気になるところです。次回はもっと物語が動き出しそうな気もしますので楽しみですね。
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2
第2話を観ました。
今回は第4層のラスボスを倒して第5層に進んだパーティーの仲間たちに風邪でログイン出来なかったために出遅れてしまったメイプルが1人で4層のラスボスを倒そうとしたら、間違えて変な鬼と戦うことになって、また新たなスキルの赤鬼と青鬼を手に入れてしまう。その後、4層のラスボスと戦ってさっそくその赤鬼と青鬼を使って瞬殺してしまう。
そして5層に行くと、そこでマイとユイに出会い、一緒に雷のモンスターを倒してまた新たなスキルをゲットする。天王の玉座とかいう神様の椅子みたいなやつで、なんだか便利そうでメイプルは大喜び。その後は5層を探検して、パーティーの皆で一緒に5層のラスボスも撃破して6層に行くと、6層はホラーゾーンでした。そこでホラーは苦手はサリーは脱落するが、欲しいアイテムがあるので再びログインしてきてメイプルと一緒にお化け屋敷みたいなところに行く。その中でサリーがビビリまくって、メイプルと別行動になってしまい逃げ回り、メイプルも機械神になったり怪物になったりしてサリーを探し回り、結局2人で脱出してクリアして、スキルもゲットした。
まぁだいたいそういう感じの話だったんですけど、ずいぶんテンポが速く進んでいきますね。なんだかメイプルが強くなりすぎていて退屈を感じてきてしまってます。これはちょっと不安ですね。まぁ色々なことをやって楽しませてくれてますが、今後ちょっとどうなるか分かりませんね。
ツルネ ーつながりの一射ー
第3話を観ました。
今回は地方大会の終了まで描かれましたが、いよいよ第2期の物語が本格的に動き出したという印象でした。ただ、どういう感じで動き出したのかは今回を観てもあんまり具体的には分かりませんでした。肝心な部分は謎として伏せてあって、その謎をどうのこうのと詮索する必要もあまり感じなかったからです。
今回は桐先高校の1回戦がまず描かれ、その後で第2期になってから登場した新キャラである二階堂のいる他県の優勝校である辻峰高校の1回戦が描写されます。ここで桐先高校の弓道と辻峰高校の弓道が対比的に描かれており、そして後半パートでは準決勝まで勝ち進んだ湊たちの風舞高校が辻峰高校と対戦して、何故か調子を崩して風舞が敗退してしまいます。結局、決勝は辻峰高校と桐先高校が対戦して桐先が勝って優勝し、全国大会の出場資格を得て、これで風舞、桐先、辻峰の3校ともに全国大会に駒を進めることになりました。
ここで謎として残されたのは、どうして辻峰高校との試合で風舞高校は調子を崩したのかです。それについては今回の描写を見る限り、私には分かりません。弓道に詳しい人ならば分かるのかもしれませんが、私のような弓道に詳しくない人間にはおそらく今回の描写だけではその理由は分からないでしょう。ただ、それはおそらく今後のエピソードの中で説明されていくと思うので、今は余計なことを想像せずにその説明を待てばいいのだと思います。そこまで割り切れるのは、そんな謎のことなど考えなくても、今回のエピソードはその描写された部分だけ素直に見ていれば、それだけで満足できるほど美しくまとまって構成されたものであったからです。
まず、桐先高校の1回戦のシーンで弓具店の中崎の解説で「弓道で上手いというのは寸分違わぬ精神と姿勢で矢を射ることが出来るということ」と言っており、桐先の弓道はバラつきが無いから上手いのだと言っている。これはいわゆる「礼射系」という弓道の流派の考え方であり、桐先はこの礼射系の弓道をする高校なのであり、おそらくこの発言からして中崎も礼射系の弓引きなのでしょう。この試合の後で桐先が優勝するかどうか藤原家の執事の人が質問したのに対して「弓道に勝ち敗けの観念を持ち込むのは無粋ですが」と前置きしてから答えているところを見ても中崎は礼射系の人であることが分かります。
礼射系というのは、もともと儀式用の射から発展した流派で、礼儀作法や型の正確さを重視する流派のようです。風舞高校で湊たちを指導する滝川も本来は神官職であり、自分の家が神社で、そこで弓を引いていました。また、各地の神道の儀式に招かれて弓を引いていますので、完全に礼射系の人だと思います。また、湊や愁を子供の頃に指導してた西園寺先生も礼射系の弓引きであったと思います。つまり、湊の愁も、桐先も風舞のみんな礼射系の流れなのだと思います。もちろん風舞では遼平とか、桐先でも千一や万次など、割と我流で弓を引く者もいますが、基本的には礼射系と見ていいでしょう。
一方でその後の辻峰高校の1回戦の場面では、観戦している静弥がその射形を「斜面打ち起こし」と言っており、礼射系の射形である「正面打ち起こし」とは違って実戦志向の流派の射形だと言っている。この実戦志向の流派というのが、礼射系とは別の「武射系」という流派のことであり、これは礼射系のように儀式用の射から発展したものではなくて、戦場で発達した弓術から発展したものです。礼儀作法や正確な型よりも、とにかく的に当てること、試合に勝つことを重視する流派だといえます。二階堂のいる辻峰高校はこの武射系の弓を引く高校のようです。そして二階堂自身が、湊の桐先中等部の回想シーンを見る限り、もともと武射系の弓引きであったようです。
この二階堂たちの辻峰高校はかなり変則的な弓道をして1回戦を圧勝しますが、どういうわけか湊はこの辻峰の射、特に二階堂の射に強く惹かれてしまったようで、おそらく準決勝で風舞が辻峰に敗北したのはそのあたりに原因があるようですが、その詳細は今回は不明のままです。だが、その根本に礼射系と武射系の2つの流派の問題があるということ、そしておそらくそれがこの第2期を貫くテーマになるのであろうことが見えてきたという意味で今回の構成は見事であり美しいといえます。
そのことを強烈に印象づけたのが、決勝戦の後で辻峰の二階堂が桐先の愁に向けて放った「俺はお前たちを潰すために弓道を続けてるんだ」という宣戦布告のような言葉、そして辻峰戦で調子を崩した理由が分からないと言った湊に対して滝川が下した「弓を引くことを禁止する」という厳しい処断でした。これで一気にこの第2期が面白くなってきたと感じさせてくれた今回のエピソードであったと思います。
氷属性男子とクールな同僚女子
第3話を観ました。
今回は会社で新入社員の配属が決まるということになり、氷室は冬月さんと同じ部署の配属になれるようにと願う。そして同じ部署になれて、更に冬月さんと隣の席だと分かって、そのたんびにいちいち吹雪を発生させて喜ぶ。そして冬月さんをレストランに誘ってもてなそうと考えたり、冬月さんに足ツボマッサージされたりして、結局一緒にレストランに行くことになり、デートみたいだと興奮してりして、冬月さんも赤くなったりする。
それで一緒にレストランに行って食事して、ただ何の話をしていいか分からず会話が続かない。そしてウェイターに「最高の一日です」と言っているのを冬月さんに聞かれてしまい氷室は照れて溶けてしまったりする。翌日、冬月さんが狐女に「氷室くんと仲が良くはないけど気になっている」と言っているのを聞いて氷室は喜ぶ。そして連絡先を交換する。また、冬月さんのスマホのホーム画面は小さくなった時の氷室だということは秘密です。最後はなんか社内で氷室の知り合いみたいな人が登場。
まぁだいたいこういう感じの内容で、全体的にギャグがワンパターン化してきてシュールすぎてあんまり笑えなくなってきましたね。ちょっとキツくなりかけてます。次回観てからどうするか検討ですね。