おばあちゃんの知恵袋と私たちのゴミ袋

 

3階建て2世帯住宅の1階には、親世帯が入る想定です。

 

足腰の弱った老体に毎日階段を上り下りさせるような鬼ではありませんし、

 

ゆくゆくは足腰の弱った私が住むことになります。

 

それを見越して自分が暮らしやすいような要素も取り入れておく必要があります。

 

 

親の希望としては、寝室と各自の趣味部屋で3部屋と、

 

トイレを各自の部屋の傍に1つずつ欲しい!という点が強調されました。

 

老人になるとトイレがやたら近くなるので、

 

トイレが1つしかないと、どちらかが入っている時の待ち時間が地獄

 

という老人あるあるを語る声音が真に迫っていました。

 

 

私自身も、私が入った後のトイレが汚いだの臭いだのと、

 

嫁には散々文句を言われていますので、1階にトイレ2つは妙案です。

 

さすがに亀の甲より年の功と言いますか、年の功より老いの尿と言いますか、

 

若者には到底達観できぬ発想には痛み入るばかりです。

 

 

後は、私たちが取り入れようと思っている間取りで、

 

洗面台と脱衣室は空間を分けて、ランドリールームを併設します。

 

脱衣室を分けるのは皆さん良くお分かりの通り、

 

誰かが入浴中でも洗面台を利用できるようにするためです。

 

 

あまり凝ったからくり屋敷にすることもないので、その程度とすることにしました。

 

 

 

さて、2階、3階は私たち、いわゆる子育て世帯向けの間取りになります。

 

2階には、さっきも書いた、洗面台は独立し、脱衣室、浴室、ランドリールーム、

 

そしてベランダへとつながる一連の家事動線を配します。

 

後はLDKに併設して子どもが勉強したり遊んだりする部屋を置いて、

 

2階で多くの時間を共に過ごすようにします。

 

 

キッチンの流行は対面型やアイランド型だそうですが、

 

嫁的には壁付けI型吊戸棚あり一択だそうで、目の前に横滑りの窓必須だそうです。

 

 

このLDKに関して、渡されていた設計希望アンケートでは、

 

下のような絵から選ぶようになっています。

 

 

えーと、キッチンは壁付けのI型で、出来るだけ広い方がよくて、

 

リビングはもうテレビの前で皆でswitchできるくらいの広さでいいから、

 

えーっと、、なんこれ?

 

イラストの意味がようわからんですたい。

 

 

 

家事関係については嫁任せで、私のこだわりとしてはリビング階段が欲しいです。

 

子どもが、帰宅して親の顔も見ないで自室に入る間取りは教育上よろしくない、

 

というまことしやかな眉唾物の情報をわりと気にしていたりします。

 

 

そうして親と顔を合わせて3階への階段を上れば、そこには各自の部屋がある、

 

というだけのありきたりな間取りですが、そんな中で最も大事なこだわりが、

 

全室に有線LANジャックを配備することです。

 

 

スマホ社会の今時ネットやるのに有線使うとかMARIONETTEかよ! BOØWYかよ! 

 

と思っておられる方がいるかと思いますが、ネットが遅い、繋がりにくいことほど

 

BAD FEELINGなことはありません。

 

今のこの家の構造のせいなのか、周辺環境のせいなのかわからないのですが、

 

我が家ではなぜだかうまくWiFiがハイウェイに乗ってくれず、

 

一時期は毎日のように嫁から遅い遅いと不満を聞かされていました。

 

蛇足ですが契約回線は10Gbps、無線で4803Mbps飛ばせるやつです。

 

 

 

後、絶対いらないものとして、庭は一切不要、全面土間コン一択です。

 

今の家には庭があります。でかい岩がごろごろして鹿威しみたいな筒が寝ていますが

 

一面雑草だらけのただの近所迷惑ストレス空間です。

 

庭いじり、手入れのできない人間に庭は無用の長物でしかありません。

 

植栽、シンボルツリー、一切いりません。土が見えたらそこは雑草の繁殖地です。

 

万が一設けるとしたら鉢植えを置く程度でいいでしょう。

 

 

和室もいりません。全面フローリングにした方が掃除は楽です。

 

畳を感じたければ、たまの家族旅行で和室に宿泊する程度で充分です。

 

 

吹き抜けもいりません。高いところの汚れに簡単に手が届かないからです。

 

 

 

最初の設計希望はそのくらいでした。

 

それなら各階30坪もいらんじゃろと思われたことでしょうが、

 

60坪の容積率200%なんだったら、

 

目いっぱい使わにゃもったいないお化けが出るでしょうが!

 

というもったいない精神からくる崇高な思いだったのです。

 

 

というか、その余白を埋めるのは設計士の仕事でしょう。

 

余裕のある空間で、いかにワクワクする提案をしてくれるのか、

 

そこが設計士の腕の見せ所なわけです。

 

 

そうして翌日、担当さんが設計士さんを連れて、我が家にやって来られたのです。

 

 

 

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。