午後のひとときに、平面充填について書いてみる。


平面充填について、いろいろと過去に書いた記事。

 

 

このなかで、正五角形って一度も出てこなかったですよね。

ちょっと不遇ですよね。

とはいっても、正五角形の内角は108˚なので、充填しようとするとどうしても隙間が出来てしまう。
うまくリング状にすることは出来るのだが、内側には正十角形で充填出来るが、外側にも正十角形を並べると、そこからが続かない。

というわけで、五角形ということを変えずに、正五角形の一部を残した形で平面充填をしてみます。



5辺の内の2辺を凹ませただけの五角形が、いとも簡単に平面充填出来てしまいました。

2色で色分けしていますが、たった1種類のピースだけで平面充填出来てしまっています。

さて、解りやすいように区切ってみます。



太線で区切ってみると一目瞭然なのですが、同心の正十角形が波紋のように広がっていることが解ります。

さて、この凹五角形を別のルールに則って充填してみる。



これでは解りにくいかもしれないので、太線を引いてみる。



螺旋状に隙間なく充填出来るのです。

この形、かなり自由が効くというか、



こんな感じで、解りやすいように太線を入れると、



このような中心から派生させていく平面充填を螺旋充填と呼ぶようです。

また、このピースは直線に並べることも出来るし、右回転、左回転、関係無く行けるので、バリエーションはいくらでも考えられるだろう。


さて、凹五角形ではイメージし難いので、カップ型とでもしましょうか。

それぞれの平面充填を1、2、3とでもしましょうか。

太線を跨がないように、中心に近い方から、2辺で接して隣り合う2色を1ピース(平行六辺形)として見ることが出来ます。

1、2、3、いずれにおいても、仮にブルーのカップをベースにみて、ピンクのカップの左底が入るパターンと、右底が入るパターンがあるかと思う。
(3については、ピンクのカップをベースにするものがあります。)

いずれにしても、平行六辺形は表裏としてみると1種類で充填出来ています。

この平行六辺形を異なる2つの菱形に分けることが出来ます。

これが、ペンローズ・タイルの2つの菱形による非周期充填ということになります。


今度は太線を跨ぐよう、1辺で隣り合うピース同士を王冠のような形を1ピースとしてみても平面充填出来ることが解るかと思います。

ただし、3番目のパターンにおいて、1個目を中心の上下のピースで組んでしまうと、それは他では現れませんので、そこで詰んでしまいますね。


正五角形や正十角形は平面充填には不向きで、不憫だと思っていましたが、凹ますとかなりの自由度が効くピースになりますので、こんな形の積木やタイルやレンガなどがあると、それはそれで楽しいのではなかろうか。


ではでは