午後のひとときに、数学の問題を解いてみる。
問題
12
11 |
< |
y
x |
< |
11
10 |
を満たす、正の整数(x, y)の解で、最小のxを求めよ。
シンキングタ~イム
さて、どうやって解きましょうか。
いくつか解法を思いついたので、それぞれ書いてみる。
解法1
2つの不等式に分けて考える。
12
11 |
< |
y
x |
⇒ | 0 | < |
y
x |
- |
12
11 |
= |
11y-12x
11x |
y
x |
< |
11
10 |
⇒ | 0 | < |
11
10 |
- |
y
x |
= |
11x-10y
10x |
x, yは共に正の整数なので、
分母の11x、10xも正であるから、分子も共に正である。
ここで、
11y-12x=a … (1)
11x-10y=b … (2)
とおくと、
a、bもx、y同様に正の整数となる。
(1)式、(2)式を使って、yを消して、xの式を作りたいので、
10倍した(1)式から11倍した(2)式を足すと、
110y-120x=10a
121x-110y=11b
より、
x=10a+11b
y=11a+12b
最小のxを求めたいので、a、bの最小値である1を入れて、
x=10+11=21
y=11+12=23
答え x=21
解法2
仮分数を帯分数にする。
1
11 |
< |
y
x |
-1 | < |
1
10 |
1
11 |
< |
y-x
x |
< |
1
10 |
y-x=cとおくと、
x、yは共に正の整数なので、分母のxが正であり、cも正の整数となる。
cで場合分けして、
c=1のとき、xは整数にならず不適
c=2のとき、20<x<22となり、x=21、y=23
c≧3のとき、x>10cとなり、xはc=2のときより大きくなる
よって、
x=21
y=23
答え x=21
解法3
仮分数を帯分数にして逆数を取る。
1
11 |
< |
y-x
x |
< |
1
10 |
11
1 |
> |
x
y-x |
> |
10
1 |
11>x>10にxの解はないので、分母分子2倍する。
22
2 |
> |
x
y-x |
> |
20
2 |
x=21
y-x=2
y=2+x=23
答え x=21
解法4
逆数を取って分母分子を2倍する。
22
24 |
> |
x
y |
> |
20
22 |
x=21
y=23
答え x=21
他にも解法はあるかとは思いますが、これくらいにしておきます。
この手の問題で、一番やってしまいそうなのが、いきなり通分してしまうことです。
120
110 |
< |
y
x |
< |
121
110 |
120<y<121
には解がないので、分母分子を2倍する。
240
220 |
< |
y
x |
< |
242
220 |
x=220とすれば、y=241となりますが、これが最小のxということにはなりませんので、ここから途方も無い場合分けをするとか、考えたくないですよね。
当然、逆数を取ってから通分しても同じことになります。
まぁ、試してみるのは数学や算数の基本なので、やることはやっても良いですけど、あまりそこに時間を掛けたくはないですよね。