またまた質問が来ました。

均時差について、もうすこし噛み砕いてということでした。

質問1
均時差表というものがあるのか?

まず、均時差をネットで調べると、

[均時差]=[平均太陽時]-[真太陽時] …(1)
[均時差]=[平均太陽時]-[視太陽時] …(2)
[均時差]=([時差]-([経度]÷15))+[12時]-[南中時刻] …(3)

のような式を見つけることが出来ました。

平均太陽時とは、
平均太陽の南中時刻を基礎とした時間のシステム。
南中から次の南中までを24時に分け、南中時刻の12時間前を起点としてはかる。
平均太陽の時角に12時を加えたもので、19世紀以後この方法は全世界で用いられている。

真太陽時とは、
南中時刻を正午とした時刻。

視太陽時とは、
ある地点における視太陽の時角に基づいた時刻。

何を言っているのかさっぱり解りません。

太陽が一番高いときの時刻を南中時刻。
これは間違いがなさそうです。

南中時刻を12時に固定してしまうと、1日の長さは24時間丁度にはならず、季節によって長かったり、短かかったり、してしまいます。
これは、地球が太陽の周りを楕円軌道で回っていることと、移動速度が一定でないことに由来していると考えられます。

1日の長さが変化するのは不便だったのでしょう。
平均太陽時は、文字通り平均を取って、1日を24時間とした。
これにより、南中時刻は12時丁度にはならず、均時差という時差が生まれた。


さて、ご質問の均時差表というものがあるのか?

あるとしたら、このような表を作っているところを考えると、天文台だということになります。

東京には三鷹の国立天文台がありますね。
私はサーバーやワークステーションの修理で何度も行った記憶があります。
また、ここには日本の時刻を決定するセシウム原子を用いた原子時計サーバーがあります。

日本の標準時であるGMT+9:00というものは、グリニッジ天文台を0:00とすると、日本は9:00ですということ。
地球一周を360度、一日を24時間とすると、
9×(360÷24)=135
つまり、東経135度の地点であり、兵庫県明石市となります。

明石市立天文科学館というものがありますが、天文台としての機能があるのか、データを計測しているのか、ということはわかりかねます。

他にも、旧東京天文台(麻布飯倉)がありました。

いろいろ調べてみると、国立天文台(監修か発行)の理科年表に、上記に準ずる観測データがあるようです。
観測地点は旧東京天文台で1950年代のデータのようです。


質問2
均時差が三角関数の和という意味が解らない。

均時差の近似式は、2つの三角関数(正弦関数、sin)の和で表すことが出来ます。

なぜ、2つの三角関数かというと、
簡単に言えば、地球の地軸の傾いた自転と、楕円軌道の公転の、2つの回転運動だからでしょうか。

n=近日点からの日数
θ=2nπ/365.242
[均時差]=-7.657sin(θ)+9.862sin(θ+3.599) …(4)

といった近似式になります。(私が計算して値を求めたわけではありません)

仮に、

近似式1=-7.657sin(θ)
近似式2=+9.862sin(θ+3.599)
[均時差]=[近似式1]+[近似式2] …(5)

として、Excelで表を作ってみます。

A1セルに、n
A2セルに、=ROW()-2

B1セルに、θ
B2セルに、=2*A2*PI()/365.242

C1セルに、近似式1
C2セルに、=-7.657*SIN(B2)

D1セルに、近似式2
D2セルに、=9.862*SIN(2*B2+3.599)

E1セルに、均時差
E2セルに、=C2+D2

A2からE2を選択して、下方向に必要なだけ伸ばします。

 


こんな表が出来上がります。

B列からE列を選択して、散布図を描くと、



このグラフを見る限り、
近似式1(青線)は、自転の回転運動
近似式2(赤線)は、公転の回転運動
でしょうね。

均時差は、この2つの三角関数の和(緑線)とはこういうことです。


均時差の表はあるのかと言えば、

  1. 過去の観測データ
  2. 天文観測から得られた値から作られた近似式による疑似データ

の2つがあることになります。

なぜ均時差は2つの三角関数の和で表せるのかと言えば、地球の自転と公転の2つの回転運動が関係しているから。というのが最も簡単な説明となるでしょうか。

解る範囲で結構噛み砕いたんですが、おわかりいただけましたでしょうか。


ではでは