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通常、一戸建てやマンションを購入する場合
当然にその建物が建っている「土地」も売買の対象に入ります。
不動産売買をする結果を
お家を買う= そこに立っている建物を買う
のように思っている人も少なくありませんが、
もう少し詳しくこの認識を正すと
そこに立っている建物を買う
お家を買う= +
建物の立っている土地も買う
このように、「建物」と「土地」という2つのモノを購入するのが
一般的な「不動産売買」という行為の結果になります。
しかし、情報サイトで都内の一戸建てやマンションの販売情報を見てみると
その中に「借地権付き」という条件が記載されている物件があります。
記入されている箇所もあまり目立たないし、
「借地権」というものがよくわからないので
あまり意識しないという方もいらっしゃいますが、
「借地権」の不動産を購入するというのは
通常の土地付きの不動産を購入するのと何か違う意味があるのでしょうか?
「借地権」の物件を購入する契約の場合
建物は買主さんの物になりますが、土地は買主さんの物にはなりません。
誰か別の人の持っている土地の上に、自分の建物を持つという形になります。
「借地権」付きの不動産売買は
主に高級住宅街と呼ばれるエリアの物件に存在します。
そもそも何故借りている土地の上に建物を建てているかというと、
少しでも価格を下げて不動産を販売しようという理由があります。
三大都市圏の人気エリアの住宅地に立つ不動産というものは高額な物件が多く
郊外ならば3000万円ほどの価格の新築一戸建て物件があったとして、
土地・建物の広さや階数、中に設置する設備など、
そっくり同じ条件の不動産を三大都市圏の人気エリアに持ってきただけで
価格が1億円を超えるという場合も珍しくありません。
両者の「土地の価格」が圧倒的に違うためです。
ちょっと不動産情報サイトを検索すれば確認できますが
郊外と三大都市圏人気エリアでは、
土地の価格に天と地ほどの差が存在することがわかります。
しかし、人気エリアの不動産が高いのは解るけれども、
そんな高額の物件が購入できる人ばかりではありません。
そこで考えられたのが
「土地を借地にして、建物だけを販売する」という方法でした。
この方法では「土地の上の建物」は購入者さんのものになりますが、
「建物の立っている土地」は変わらず販売者さんのものです。
しかし、土地の所有権が価格に含まれることがないので
購入費用を抑えることができます。
人気エリアながら割安感のある不動産は
誰もが憧れる利便性の高い場所に住みたい人たちを中心に受け入れられ、
今日まで売買が行われています。
残念ながら資産価値という視点でみれば
購入者さんの手元には将来何も残らない借地権付き不動産ですが
それでもかまわないという人は過去にはたくさん存在していました。
主にバブル期と呼ばれる経済が好調だった時の話で、
いわゆる「見栄を張る」という行為がとても好意的に見られていた時代です。
当時の人たちの中では高級車を乗りまわし、高い洋服を着て、
ブランド物の時計やバッグを身に着けることがステータスであり憧れでした。
「都内の人気エリアに家を持つ」ことも高い関心がもたれており
後々自分の物ではなくなってしまうとしても人気エリアに家を持つことができる
この販売方法も当時はよく利用されていたそうです。
時代が変わり、「資産が残らないともったいない」という意見が多くなった現在では
そういう憧れ的なモノは薄れてきているように感じますが
販売方法は残り続け、「人気エリアにどうしてもお家が欲しい」という人たちに
割安にお家を手に入れる手段として一役買っています。
実際に購入するとどういう義務を負うことになるのでしょうか。
大きいものとして重要なのは
「土地を借りる期間が終了したら建物を明け渡して
販売者さんに返さないといけない」という点でしょう。
大体は購入条件に「借地期間が経過したら建物を解体し、土地を販売者に返す」
という文言が入っており、購入した場合借地期間が終了したら
購入者さんはその通りに行動しなければいけません。
何かしら特約がついている場合を除けば、
期間が終了に近づいたら住んでいた購入者さんは違う物件を探して
引っ越しをすることになります。
価値観が変わり、
必ずしも「高級であればあるほど良い」という思考ばかりでなくなった現在では
郊外の中古物件をリフォームして終の棲家にするという方も増えました。
リモート式で仕事をすることが社会の主流になれば
さらに変化の流れが活性化し「三大都市圏に住む」ということへの憧れを
そもそも持たないという人も増えるかもしれません。
しかし、もし「新しいお家を人気エリアにどうしても欲しい!」
という考えの方がいらっしゃれば
将来立ち退く必要があることをよく理解した上で、