Asian Muslims denounce Trump
(December 9, 2015, The Japan Times)
「アジアのイスラム教徒 トランプ氏を非難」
すべてのイスラム教徒のアメリカへの入国を禁止すべきというトランプ氏の発言に対し、パキスタンとインドネシアのイスラム教徒の人々は一斉に同氏を非難しました。彼らは、共和党候補者指名レースの先頭を走るトランプ氏は差別主義者だとして拒絶しています。
トランプ氏は、先週発生したカリフォルニア州での過激化した2人のイスラム教徒夫婦による銃撃事件を受け、事件の状況が判明するまで、イスラム教徒の入国を完全にシャットアウトすべきだと主張していました。
パキスタンの著名な人権派弁護士のジャハンギル氏は、「いちいちコメントするのもバカバカしいくらいの発言」と不快感を示しました。
また、インドネシアを代表するイスラム教の団体の一つムハマディア代表のスヤムスディン氏は、「グローバル化したこの時代に、特定の人たちのアメリカ入国を禁止させようとする偏狭な人間がいること自体、笑える話だ」と述べました。
トランプ氏の主張を聞いていると、その特徴には、統計データや裏付けに乏しいまま、大衆受けしやすい直言で大衆を扇動しているというイメージがあげられそうです。もっとも、本人には扇動しているという意識はなさそうですが、自分の直言が反ワシントン的(反既成政治家的)でもあり、受けていることにますます酔っている感じがします。
ただデータや裏付けに乏しい主張なので、その理屈はかなりお粗末な感じです。批判はこの点に集まっていると言えます。
それでも、これまでの予測可能な常識範囲での問題解決しかしてくれない既成政治家への苛立ちを持つ、中産階級の保守層には受けそうですね。逆に、論理的、理性的に思考するインテリ層にはかなり受けが悪いでしょうね。
そもそも、どうやってイスラム教徒であることを入国管理で見抜くのでしょうか? みんながみんなブルカのたぐいを身につけている厳格なイスラムばかりではないのに、外見や国籍から宗教を見抜いて選別すること自体、明らかに不可能です。それに、メキシコとの国境にメキシコの予算で壁を造らせるとか…。メキシコ大統領選に出馬してるのかな??
トランプ氏は、何度も自分で「私は頭がいい」と発言していますが、めちゃくちゃな政策提言のいくつかを聞く限り、「ところで、その施策の運用はどうやって担保されるの?」と考えてしまうことばかりです。ビジネスの大成功者にしては、ずいぶんとお粗末は政策提言の数々という矛盾が、私には不思議でなりません。でも、不思議なものを観察できる興味深い大統領選であることは間違いありません。