先日あべのハルカスにこの展示を見に行きました。その売店で素晴らしい書籍をみつけました。

 

名刀大全 38,500円

 

アマゾンでも売られていました↓

 

 

 

素晴らしいものなのですが高過ぎて買えません😭

 

この本をさっき図書館で見てきました。

 

 

写真集と解説書の2冊セット。

 

解説書の中に日本刀の歴史に関する記述がありました。私が気になった箇所だけ抜粋します。

 

 

 

↑初期の日本刀の形状は不思議なほど地域差が見られない。まるで同じ雛形か設計図に基づいて作られたのではないかと思われるほどで、都から規格を指定した発注があった可能性があったのではないかと考えられる、、と書かれています。



鎬筋と横手筋のある切刃造の刀は漢代(弥生時代)には存在していた。

 

 






従来の「馬上使用のために反りのある湾刀(太刀)が生まれたのではないか?」という説について、現在は専門家が否定しているという事の説明が書かれています。

 

他は画像サイズの関係もあるのでTwitterにあげてリンクを貼っておきます。

 

 

 

 

 

 

 

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初期の日本刀は姿に地域差がない。中央で陰陽師などが太刀の姿をデザインして全国で作らせたのではないか? 

 

過去に助光刀匠がこのように書かれていたように記憶していますが、学者も似たような考察をしている所は大変興味深い所であります。

 

実際に中央でデザインされたものと同じものを作る事が可能な体制が、まだ律令制が生きていた時代には整っていた事も明らかになっています。

 

「古代の刀剣」から↓

 

 

 

 

また、太刀の馬上使用説が現在では否定されている事はこのブログでも近藤氏自身の記述から紹介した事があります。

 

本書にも書かれているように太刀の使用記述は徒士使用ばかり。

 

ここで疑問に思う事。

 

太刀から打ち刀への変化は馬上戦闘が廃れて徒士戦闘主体に移行したから、、、というのが従来の通説です。

 

しかし太刀が元々馬上で使用される事が稀で徒士使用が主であったのなら、この説明には無理があると言えます。専門家はここをどう説明するのでしょうか。本書では従来説を否定せずそこへの言及は避けられているように見えます。

 

過去の通説が否定される事は稀ではありませんので、この部分にも新たな説明がなされる日がいずれくるのでしょう。

 

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ちなみに、この書籍の素晴らしさは解説書のほうではなくて写真集の方なのです。

 

素晴らしい画質です。こんなに素晴らしい刀剣写真をはじめてみました。

 

間違いなく全ての愛刀家に勧められる素晴らしいものです。

 

金額的に無理じゃない愛刀家は必携の一冊でしょう。

 

 

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