「戦場で刀はどの程度使用されたのか?」


たまにこういう話題をSNSで目にします。しかし、これは馬鹿馬鹿しいというか「筋違い」な話題だと思うのです。


刀の役割は現代の拳銃に似ています。似ているというか、ほぼ同じです。なぜなら、刀剣と置き換わったのが拳銃だからです。拳銃の性能向上により刀剣は廃れて拳銃に置き換わった。世界的に。


拳銃は戦場ではほとんど使用されません。確か古い時代の研究でも明らかにされている事です。拳銃は射程が短く命中率も低いので小銃相手には戦えない。


だから拳銃は将校とせいぜい下士官までしか持たない。一般的に兵士は拳銃を持ちません。


しかし、それでも拳銃は絶対に必要です。だから世界中の軍隊で将校は必ず拳銃を持っています。軍隊以外にも警察もマフィアも一般人も拳銃をたくさん持っています。


だから拳銃は今でも大量に作られています。必要だからです。


拳銃は間違いなく武器ですが「戦場では役に立たない」という事と「実際には使われない・必要ない」というのは別だということです。


拳銃は武器ではあるけど兵器とは言い難いと言えるでしょうか。


同様に刀も「武器・武具」ではあっても「兵器・戦道具」とは言い難いという感じではないかなと思うのです。


いろんな意味で刀も拳銃も必要性が高いものだった。だから刀は大量に作られたし、拳銃も大量に作られている。


将校の権威を保つにも、マフィアが殺しや脅しに使うにも拳銃は必要というか。


日本の警官は拳銃なんてほぼ使わないけど拳銃を持っている事自体に意味があるわけです。一般人や犯罪者に舐められないようにという意味もあるでしょうし、犯罪の抑止にもなっているでしょうし、特別な身分であることの証明になるものでもあります。これも一種の権威性だと言えるでしょう。日本の警官が持っている拳銃は「武士の刀」に最も近そうにも思えます。


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「戦場で使用する事も稀ではない」という所まで含めて、刀剣と拳銃の役割は同じかなと思うのです。


ただ、権威性とか威儀を保つという意味でいえば日本では拳銃とは別に刀も持ってほしいかなと個人的には思えてなりません。歴史的・民族アイデンティティ的な意味合いもある事ですから威儀も権威も高まるかと思うのです。旧軍の将校と同じスタイルになるわけですが。


将校のもつ軍刀も拳銃も武器ではあっても兵器ではなかったので、いずれも私物扱いだったわけです。


自衛隊でも、せめて将官の礼装時だけでも佩刀して欲しいと個人的に思ったりもします。格好良いですから。無理ならトップの統合幕僚長だけでも良いので金梨地の太刀型元帥刀を!



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