助光刀匠が焼き入れで刃切れが出来る理由について書かれていたので、理解のため自分なりに少し整理してみたいと思います。




焼き入れ前の土置き。刃部は薄く、他は厚く塗る。火に入れると土の薄い刃部の方が強く加熱される。






水に入れると土の薄い刃部が先に冷えて収縮するため内反りになる。この時点で焼刃がついて硬化している。




数秒遅れて棟側が冷えて収縮して刀身が反る。この時に刃部が引っ張られるため刃が耐えられないと刃切れが生じることがある。




最終的には強く加熱された刃部の方が膨張しているため反りのついた形で安定する(※マルテンサイト変態による膨張率が刃部と棟側で異なるため)


日本刀が焼き入れで反る理由・刃切れができる理由はこんな感じだと思います。


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新刀以降では棟焼きを入れて刀身が反る力を相殺するようになったそうですが、不思議に思うのはなぜ古刀期にはそれが行われていなかったのか。単純な事ですから思いつかないはずがありません。


棟焼きを入れると折れやすくなるという話をどこかで見たことがあるのですが、素人考えでいうと理屈が通らないようにも思われます。必要であれば最後に棟側を加熱して焼きを戻せば良いだけにも思えますし。


ちなみに、土置きしないズブ焼き・裸焼きでも刃部の方が薄いため熱の通り方の違いよって刃部に焼刃がつき焼き入れで反るという話をどこかで見たことがあります。


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明日から新しい仕事なのでもうあんまりブログ書けない気がします。近所の物流倉庫で時給1200円の肉体労働します。計算ではこの仕事を65歳まで続けられればこれで生きていけるはずなのですが、軟弱者なので続けられるかどうか。


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