さっきの記事で、古刀は折り返し鍛錬を重ねただけの無垢鍛えが主で、新刀期に芯金を皮鉄で巻いて割り込み作りが普及した、、、という意味の事を書いたのですが、備前長船助光刀匠から貴重なご意見を頂きました。

 

以下、そのお言葉

 

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ボロばかりの切断ですが、今まで鎌倉時代から軍刀まで、100振り以上の刀を切断して来ましたが、
古刀は、殆どが芯金が使われてました。
名刀とされる場合も、フクレの破れから推測すると、皮金が薄いです。

古刀は無垢と言う話をネットや本でみますが、実際に無垢で鍛えた刀を見た事がありません。
逆に、新刀になると、正真銘の場合無垢が多かったです。

ボロといっても、朽ち込み等で金銭価値が無いと言う理由で捨てられた刀達でしたから、名刀もありました。勿体ないですが、スクラップにされるより、
刀に生まれ変わる方が良いため、進んで切断しております!!

潰す前に実験もしてますが、その結果、古刀より新刀の方が斬れ味は優秀でした。
しかし、折れ試験では古刀が価値ます。

とは言え、新刀はヘルメットに切り込んだり、レンガを割ってももびくともしなかったので、言う程弱くは無いと思います!

 
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うーん、古刀は無垢鍛えが多いと本やネットによく書かれているのですが、たくさん刀をつぶしてきた刀匠が「無垢鍛えの古刀を見た事がない」と言う。
 
なんとも、何が本当なのかわからなくなってしまいます。
 
本に書かれている事を簡単に信じない方が良いのかもしれません。
 
実は、私も仕事がらみで過去に6冊本を書いた事があります。すべて実用書です。
 
でも、内容が正しいかどうかなんて全くチェックされません。
 
というか、私(著者)が専門家で出版社の編集者は専門家ではないので、著者の書く事が正しいという前提で本は出版されるのです。
 
そう思うと、刀の書籍に書かれている事も専門家の思い込みで書かれている事も多いのかもしれません。