最近、「昔より刀の価格が下がっている」とか、

「新しく刀を作っても売れない」等と聞きます。

 

個人的にも、確かに全体としてみると昔より価格が下がっているような気がします。

 

私は子供の頃から刀が欲しくて、高校生の時には刀の通販カタログを毎月取り寄せていました。きっとこんな変態高校生は他にいなかったでしょう。

 

当時はまだネットがなかったから。

 

ちなみに先日40歳になってしまいました。

 

高校生の頃からずっと刀の価格を見てきたのですが、私が高校生の頃、

 

1998年くらいだと居合や試斬で使えそうな拵え付きの現代刀が60万円くらい、昭和の軍刀が20万円台、室町時代後期の古刀は安めで20~40万円台くらいだったのを覚えています。江戸時代の新刀・新々刀の価格はよく覚えていないのですが、費用対効果が悪いような気がして無視していた気がします。

 

戦国時代の刀は安い

軍刀は安いが少し短い

まともな刀は60万円くらい

 

こう思ったのをよく覚えています。

 

今思うと、当時はまだ状態の良い軍刀拵入りの軍刀が格安で売られていました。

 

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現在の価格はどうでしょう?

 

拵え付きの新しい刀が60万円前後というのはさほど変わりがないように思います。

 

ただ、最近というほど新しくはない、戦後に作られた現代刀が結構安くで売られている事があります。

 

拵なしで30~40万くらい、拵つきで40~50万くらいかな。最近は平成の中頃までの刀もこのレンジ内で売られている事も多いです。

 

 

軍刀は昔と比べると売っている数が減りました。価格も少し上がっている気がします。

 

室町時代後期の安い刀は昔と変わらずといったところでしょうか。

 

特筆すべきは江戸時代の新刀・新々刀の価格が随分安くなっている事です。

 

私が刀を買ったこちらのお店だと30万円前後で江戸時代の刀がたくさん売られています。

 

https://ikedaart.net/?mode=cate&cbid=2116118&csid=1 

(良いお店です。おすすめ)

 

安いには安い理由があるのかもしれません。

 

例えば研ぎ減りなど。

 

しかし、それを踏まえても随分昔より安くなっていると思います。

 

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刀が安くなっていると感じる理由は

 

・昭和後半から平成中頃までの現代刀が安くなった

・江戸時代の刀が安くなった

 

おそらくこの2つです。

 

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新しい刀、例えば注文打ちなどはずっと60万円くらいで価格が下がっていません。

 

これは、どうも原価の問題でこれ以上は下げられないようです。

 

しかし、古い刀が安くで売られているので新しく刀を作っても売れない。

 

どうもこれは刀好きからすると、むしろ憂慮すべき問題のようです。

 

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なぜ古い刀が安くなったのか。

 

単純に需要がないからでしょう。

 

そういえば最近はテレビで時代劇をみかける事もなくなりました。

 

 

今後、団塊の世代が徐々に亡くなっていくので更に値下がりしていくかもしれません。
 
しかし、海外に販路が広がって反対に値上がりしていく可能性もないとは言えません。
 
先日中国の通販会社アリババのAliexpressというアプリで中国製品を購入してみたのですが、ものすごく簡単に個人輸入ができました。似たようなサイト(アプリ)にアメリカのEbayというのもあります。
 
日本の会社もこのようなサイトを作って英語や中国語に対応する時代が来れば、外国人が簡単に日本刀を買えるようになるかもしれませんね。
 
相対的にみると、日本はどんどん物価の安い国になりつつあります。日本人からみれば高額な日本刀も外国人なら簡単に買える時代が来るかもしれません。