全日本吹奏楽コンクールは、2013年以降昨年まで、課題曲と自由曲を総合してA・B・Cの3段階で評価。審査員はA・B・Cの数を必ず守ったうえで審査し、過半数がAなら金賞。過半数がCなら銅賞。それ以外は銀賞が与えられるというやり方で各賞が決まっていました。この審査方法が、全日本吹奏楽連盟公式サイト掲載の「全日本吹奏楽コンクール審査内規」改定(令和6年5月8日付。2024.6.22アクセス)により、今年秋の第72回大会から変わります。

変更される箇所と、従来通りの箇所をまとめると、以下のようになります。

 

〈変更される点〉

・審査員は課題曲、自由曲それぞれをA・B・C3段階で評価。

・A=3、B=2、C=1の数値に置き換え、その数値を合計した得点の、満点に対する割合を百分率で算出する(小数第1位四捨五入)。

・算出割合により、80%以上:金賞、80%未満~60%以上:銀賞、60%未満:銅賞を贈る。

 

〈従来通り〉

・審査員はA・B・Cの数を必ず守ったうえで審査。

・各賞の数については制限がない。

 

ということで、今年からは「課題曲のできばえだけで見るとAだが、自由曲のできばえが印象的によくなく、総合的に見るとCをつけざるを得ない」といった演奏が、今年からは「課題曲:A、自由曲:C」といった形でそれぞれ評価されるようになります。よって、従来の評価では銅賞になるが、今年からの評価では銀賞に上がる可能性も起こり得ます。審査員の審査傾向が、「課題曲・自由曲それぞれを均等に見る」「課題曲やや重視」「自由曲やや重視」のいずれになるかも、評価に影響を及ぼすと言えます。

 

出場する側からすれば、新しい審査方法をいかに自分たちの味方につけるかによっても、全国大会の評価は変わってくると言えます。幸いにして、審査観点が今年から明確化され、全日本吹奏楽連盟公式サイトで発表されていますので、その観点を熟読するとともに、課題曲・自由曲それぞれをしっかり練習し、磨きをかけることが大切ですね。