子どもの笑顔を育てる環境をつくるブログ

子どもの笑顔を育てる環境をつくるブログ

主に社会福祉や子ども・子育て知識などのテーマを発信‼︎
その他、成功哲学、DNA、潜在意識、健康、脳科学など様々なテーマにも触れて、全ての人が「子どもの笑顔を育てる環境をつくる」ことができるような学びを提供します(*^^*)
☆子どもの未来はみんなの未来☆

Amebaでブログを始めよう!

はじめに
小舎制児童養護施設の実習報告を聴いた中で、私は特に、「子どもたちの対人関係の不安定さはどうして起こるのだろう?」という疑問に対して関心を持った。それに対する率直な意見としては、施設養護のホスピタリズムと呼ばれるような施設機能的な問題が1つの原因として考えられるのではないだろうか。中でもアタッチメントの概念が対人関係の不安定さに強く結びついていると考える。

社会的養護におけるアタッチメント理論
 私たちが一般的に思い浮かべる家庭で暮らす子どもたちと、親と離れて施設で暮らす子どもたちとの1番大きな違いは、アタッチメント対象の存在であろう。ここでのアタッチメントとは、恐怖や不安な状態において、自分が特定の誰かから一貫して「保護してもらえるという信頼感」、そこから生じる「安全であるという感覚」を確保しようとする行動制御システムの一つである。施設で暮らす子どもたちは育ってきた家庭において「恐怖」や「不安」を感じてきている。また、施設入所という大きな環境の変化に相当のストレスを感じてきていることは想像に難くない。そのうえで施設職員は正しい依存関係や愛着関係を築いていくことに努めなければならない。しかし、子どもが職員に依存したり、愛着を持ったりする以前に「自分が特定の誰かから守ってもらえる」というアタッチメントを子どもの中に形成することが大前提にあるべきことのように思う。アタッチメント対象であるはずの親との分離・喪失体験への心理ケア的対応はもちろんだが、アタッチメント対象を失った子どもへの、新しいアタッチメントの形成が健全な心身の発達に必要だからである。しかし施設職員はローテーションによる勤務体制であるため養育者が固定しないわけだが、適切にアタッチメント形成ができるのか、また、複数の養育者のもとで育つアタッチメントの形成はどのようになるのだろか。新たな疑問が出てきた。

アタッチメントと家庭的養護
 アタッチメントの理論は社会的養護の中からあらわれ、そのあり方(小規模化)に影響を与えている。さらに、施設で暮らす子どもたちは全員アタッチメントの形成と分離・喪失体験を経験した子どもたちであるため、アタッチメントへの知識・理解は施設職員にとって必須と言える。家庭的養護の推進は子どもとのより緊密な人間関係を構築することで子どものニーズに応え、心の安定をはかる意図が存在する。それは結果として子どもの生活、そして対人関係における安定につながることが言われており、そのためにも、ただ家庭的養護を推し量るのではなくて、今一度アタッチメントの理論を現場の職員が見直す必要性があると考える。アタッチメントを学びなおす中で、「愛着」や「依存」など重要だけれども具体的にどのような状態が正しい「それ」にあたるのかあいまいだった考え方を整理することにもなるだろう。アタッチメントの学びなおしの中で「愛着」「依存」の考え方の捉えなおしまですることができれば、近年注目されている「自己肯定感」を育てるヒントも見つかるかもしれない。

おわりに
 今回アタッチメントの理論から対人関係の不安定さについて考察を深めるつもりであったが、学びきれず、整理しきれなかった。しかし家庭的養護の背景にはこのアタッチメントの考えが存在すること、そして家庭的養護の推進の望ましい結果として対人関係の安定が含まれていることから、対人関係とアタッチメントが深く結びついていることがわかった。述べてきたように今後はアタッチメントの理論の基礎をしっかりと学ぶことが必要であると思う。


【参考文献】
・編著者 庄司順一・奥山眞紀子・久保田まり(2008)『アタッチメント 子ども虐待・トラウマ・対象喪失・社会的養護をめぐって』明石書店 225p
・数井みゆき・遠藤利彦編者(2005)『アタッチメント 生涯にわたる絆』ミネルヴァ書房 276p