おはようございます!
今日は大好きな本の紹介です。
丸山浩路さんの『本気で生きよう!なにかが変わる』
一部紹介させてもらいますね。
山田太郎という名の男の子がいます。
彼の両親は言語聴覚障害。つまり耳が聞こえません。
ある日、彼はクラスメイトに次のように言われました。
「やぁい、おめぇんちの父ちゃん、母ちゃん、耳聞こえねぇだろ。しゃべれねぇだろう。この前の運動会のとき、おめぇんちの父ちゃん、母ちゃん、変な声出してサルみてぇに手で踊って話してやんの。
おめぇ、一度も名前呼ばれたことねぇんだろう。犬や猫だって名前呼ばれんのによぉ。これからもずっと呼ばれねぇんだぞ。ザマアミロ!」
両親に名前を呼んでもらう…太郎にとって、考えてもみなかったことでした。
泣きながら家に帰り、父親に向かって手話を始めます。
「ぼくの名前呼んで!親なら子どもの名前を呼ぶのは当たり前なんだぞ!
この前の運動会。走っているときみんな転んだだろ。転んだとき、みんなは父さんや母さんに名前を呼ばれて応援されたんだぞ!僕だって転んだんだ。
でも、僕の名前は聞こえてこなかった…
父さん、名前呼んでよ!一度でいいから僕の名前呼んで…名前を呼べないなら僕なんか生まれなければよかったんだ…」
父親にしがみつき、その体を揺さぶりながら、太郎は声をあげて泣きました。
じっと目を閉じていた父親は、力いっぱい息子を抱きしめ、手話で語り始めました。
「私は耳が聞こえないことを恥ずかしいと思っていない。神が与えた運命だ。名前が呼ばれないから寂しい?母さんも以前そうだった。
君が生まれたとき、私たちは本当に幸せだと思った。
五体満足で声を出して泣くことを知ったとき、本当に嬉しかった。
君は体をふるわせて泣いていた、何度も何度もよく泣いた。
しかし、その泣き声は私たちに聞こえなかった。母さんは一度でいいから君の泣き声が聞きたいと、君の唇に聞こえない耳を押し当てた。
(わが子の声が聞きたい!この子の声を聞かせて!)
と何度願ったことか。しかし、母さんは悲しそうな顔をして首を左右に振るだけだった。
私には聞こえないが、おそらく母さんは声をあげて泣いていたと思う」
太郎は初めて父親の涙をみました。
「でも、今は違う。私も母さんも耳の聞こえない人間として、最高の生き方をしていこうと約束している。
君もそうして欲しい!耳の聞こえない両親から生まれた子どもとして…そうしてくれ。これは私と母さんの二人の願いです」
五体満足でいられることが、どれだけ幸せなことなのか…
そして、本気で生きるってどういうことなのか…
すごく考えさせられる本です。
山田太郎君については、高校の先生との愛が溢れるエピソードも書かれています。
良かったら読んでみてくださいね!
でも、人前では読まないほうがいいと思います(笑)
今日も最幸の一日をお過ごしください!

