母子家庭になったばかりの頃だから、

もう20年以上も前の話。


息子が小学校1〜2年生の頃。

我が家は息子の友達が集まってゲームをしたり、

外遊びの休憩場所になることが多かった。

つまり、たまり場。

当時はだいたい会社に行っていたけど、家で仕事をする日もあって、私が在宅の時だけ友達を呼んでもいいことにしていた。


こどもの日が近いある日。

6〜7人の悪ガキ達がうちに来たので、私は

近所の和菓子店に柏餅を買いに行った。


「何これ〜⁉️」

「葉っぱの中になんか白い饅頭がある‼️」

「この葉っぱ食えんの?」


なんと。

うちの子以外全員が柏餅を知らなかったのだ。


保育園でも学校でも柏餅は出ないので、

家庭で出されなければ知らないんだな。

でも、こういうの知っといた方がいいんじゃない?…と思ってしまった私は、節句について彼らに説明した。


うちの子達は好きだったので気づかなかったけど「あんこ嫌いだから食わない」という子も結構いたはず。

ムリにすすめたわけではないから、残した子もいたかもしれない。覚えてないけど。


また、うちにある図鑑や本を珍しそうに見て

「これは買ったの?どこで買うの?」と聞く子がいた。


その子は、本屋さんにも図書館にも行ったことがないとのことだった。

(もう少し上の学年になると、学校から地域の図書館に出かけて本の借り方などを学びます)


ちょっとしたカルチャーショックだった。


うちに来ていたサッカー仲間のほとんどが母子家庭で、そうでない子が「うちのとーちゃんがさぁ」と話し始めた時、一同騒然「お前んち、とーちゃんいるの⁉️」には笑った。


ポテチとコーラ、カップ麺、菓子パンが大好きな彼らに、よかれと思って私は手作りご飯をふるまい、手作りおやつを出していた。


よかれと思って。。。。



だけど数年後、息子が大学生になった頃。

柏餅を食べながら、その頃の話になったことがある。


息子曰く、

「あれはお母さんの自己満足の押しつけだった。

悪いけどそういうの要らんお世話だよ」


後頭部をレンガで殴られた感じ。

残酷なことをさらっと言ってくれるね。

私は喜んでくれていると思い込んでいたよ。


…だけど言われてみたらそのとおりかも。


節句を知らなくたって

柏餅なんか食べなくたって

菖蒲湯なんかに浸からなくたって

彼らは元気で子だくさんの家庭を築いている。

本なんか読まなくたって立派な職人になっている。


私は「よかれと思って」

善いことをしているつもりで、

実は迷惑を撒き散らしていたのかもね。


これを思い出すとちょっと落ち込むんだけど、

やっぱり自戒しなくちゃいけないだろう。


「自己満足」の「要らんお世話」をした私。

柏餅の苦ーーい思い出です。