こんにちは、近藤正樹です。
さて、前回の続きです。
(前回はこちら https://ameblo.jp/kms2/entry-12442538547.html)
「お金の話はなんだか後ろめたい……」と思っている方はに。
もともと、お金の話を後ろめたいなんて日本人が思うようになったのは、じつは長い歴史で見ればごく最近のこと。
昔から日本人は、お金や投資を身近なものととして捉えていたのです。
今日は皆さんもご存知の話昔話「桃太郎」を題材にしてみます。
日本で一番有名であろう物語も、じつは投資や資産の大切さ謳っているということをご存知でしょうか?
落語の演目「桃太郎」では、物語のなかに隠された人生とお金へのメッセージを紐解いていますので、紹介しましょう。
昔話といえば、「むかしむかし、あるところに……」ではじまるのが定番。これは時代や場所を特定しないことで、いつの時代、どこにいても普遍的な物語として聞くことができるように配慮されています。
① 「おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に……」
ここでは話に親近感や安心感をもたらすために「おじいさん」「おばあさん」となっていますが、本当は「お父さん」と「お母さん」。
山へ行ったのは「父の恩は山よりも高い」ということの暗喩で、川もイメージを湧かせやすくするためのもの(昔は海辺の村でない限り、海に行くのはひと苦労)で、実際は海を表現しています。つまり川へ洗濯に行ったのは「母の愛は海よりも深い」ということを表しているのです。
② 「桃から生まれた桃太郎」
当然、父と母から生まれた桃太郎では物語としては普通。まして、おじいさんとおばあさんから生まれれば、そっちの方に興味がいってしまいますよね(笑)。つまり、桃から生まれたということは、元気な子どもが生まれたことを昔話風に脚色しているといってよいでしょう。
③ 「鬼ヶ島へ出発!」
立派な青年になった桃太郎は、鬼ヶ島へ鬼退治に向かいます。さて、どうして鬼なのか? これは何を比喩しているか、わかりますか? そう、「渡る世間は鬼ばかり」という言葉に表されるとおり、これは「世間」や「社会」のことなんです。桃太郎は親元へ離れ、立派に自立の道を歩み始めたということなんですね。
そして出発のとき、桃太郎はおじいさんとおばあさんからきびだんごをもらいます。これは果たして、何を意味しているのでしょうか?
④ 「犬、猿、雉をお供に」
桃太郎といえば、犬、猿、雉のお供ですよね。ここにも当然、意味があります。
犬といえば、「一度ご飯を与えると三日恩を忘れない」といわれるほど、忠義に厚い動物です。つまり犬=仁(思いやりや人望)。
猿は人間以外で最も賢い動物の一種。つまり知(知恵や知識)を表します。
雉は馴染みのない鳥なのでイメージが湧きづらいですが、じつは子どもを守るために自らの命も厭わないほど勇敢な鳥。つまり勇(勇気や勇敢)。
桃太郎は社会の荒波に向かうにあたり、「仁」「知」「勇」の三つを携えることになるのです。そして、その三つを手に入れるために使ったものが、おじいさんとおばあさんからもらったきびだんご。つまり、きびだんごこそが桃太郎が自己投資のために使った原資。これは様々なやりたいことや交友関係を拡げたり見聞を拡げる、教育をうけるためのお金の準備と解釈することができるでしょう。
⓹「鬼退治」
こうしておおいに経験値を高めた桃太郎は、見事に鬼を退治=社会の荒波を乗り越えます。そして、たくさんの宝物を持って帰り、幸せに暮らすことになるのです。
もちろん、この宝物はそのまま資産ともいえますし、社会を生きて行くための「信用」ともいえるでしょう。
どうですか? 何気なく聞いていた「桃太郎」ですが、じつは人生そのものであり、計画的なお金の準備によって人生に必要なより多くの宝物を得る物語だということがわかるでしょう。
このように、日本人は昔からお金の大切さを知っていたのです。
お金の準備として預貯金や投資、投機。ギャンブルといった話が広がりますが
このような知識は決して、欧米だけのものではありません。当然ながら日本人にも大切なものですし、知っておくべきこと。
さて、「お金の花道」では様々な講師が毎回お金に関してのコラムを書いてくれますが、わたくし近藤正樹の回ではお金の準備の仕方を「お金の小学校」という題目で記していきたいと思います。
ぜひ、皆様が小学生に立ち返った気分で、「学ぶ楽しさ」ともに読み進めてもらえると幸いです。
近藤正樹プロフィール
お金の小学校代表
チーム★ライフプラン研究会 認定講師
キッズ・マネー・ステーション 認定講師
昭和50年6月18日生まれ
神奈川県川崎市出身。早稲田大学社会科学部卒業
学生時代に好きだった小劇場のパワーあふれる舞台俳優の影響を
受け20代を舞台俳優の活動に専念する。
多くの金融機関の方が専門知識を難しい言葉で話す姿に違和感を覚え、
舞台俳優・落語で得た知識と経験を元に、誰もが悩むお金と人生の関係を、
だれもが知っている昔話「桃太郎」を使って
人生とお金の関係をわかりやすく紐とくなど、親しみやすいマネーセミナー講師として活動。
近年では親子向けのお金の教育にも力を入れている。
家庭に帰るとスキー指導員の資格も持つ、10歳と3歳の父親。
著書:「お金の小学校」(一間堂)
「誰か教えて!一生にかかるお金の話」(中経出版)
記事掲載:新日本保険新聞・「美的」「DIME