日本国債の格付けが下げられる! | めざせ!FP3級!~女性FPのお金の花道~

めざせ!FP3級!~女性FPのお金の花道~

すべての方々に、FP3級程度のマネーリテラシーを普及できたら…
キッズ・マネー・ステーションの女性ファイナンシャルプランナーたちが
さまざまなお金の知識をご紹介いたします。

第4週担当の宮川朋子です。
今年も宜しくお願いいたします。

全然別のテーマで書こうと準備していたら、先週まさに「旬」なニュースが飛び出したので、こちらについて書くことにします。

「日本国債の格付けが下げられる」!!

先週、民間の格付け会社のスタンダード&プアーズが、日本国債の格付けをそれまでのAAからAA-(マイナス)に一ランク引き下げました。

これは一体何を意味しているのか?

国債とは、国が発行した債券です。
その格付けが下げられた、ということは、債券の発行元である日本という国が、日本という国は以前よりもちょっと危ないぞ」WARNINGと宣言された、というです。

今回の格下げの理由としては、日本の財政が債務超過状態になっており、その改善の兆しが見えないことだといわれています。日本の累積債務が国内総生産の200%を上回っている状況は確かですし、これから少子高齢化社会に向けて、ますますの社会保障費が必要となるなか、何か経済・財政政策に手を打たない限り、「日本は危ない」はほんとになってしまいかねない、ということですあせる

国債の格付けが下がるとどんな影響があるのでしょう?

ひとつは、国債が売れなくなる、という懸念があります。
国は税金のほかに、債券を発行することでお金を調達していろいろな事業をしています。この債券の買い手がいなくなるということは、政府が何かをするためのお金を調達することができなくなるということ。これは政府としては避けたいですよね。

また、売れない債券は利率が高くなります。
国債の金利が上昇する、というのは、最終的には我々の生活まわりの金利も上昇するということ。
銀行に預けている人は利息が増えてうれしいかもしれませんが、住宅ローンなど借金をしている人は負担が重くなる可能性がありますずっしり↓

一方、国際社会では、円を売るという動きが出てきます。そうなると今度は円安になります。
今の日本では円安になると海外輸出を事業の柱としている会社の売上が伸びる可能性があり(輸出品が安くなるため買われやすくなる)、株価が上昇する可能性もあります。
株価が上昇すると、大抵国債は買われなくなるために、ますます金利は上昇…ということになるかも!!

「株価が上がって金利もあがり、デフレ脱却ならいいのでは?」
いえいえ、金利が上がるということは、国の借金の返済額も膨れるということ。今の日本の国債発行額を考えると、返済額が膨れることは、いつまでたっても返せない…どころか、間に合わなくって本当に赤字破綻!?ガーン


....なんて、考えると暗くなるようなことばかりです。

実際にAA-という格付けは、ヨーロッパで財政赤字に苦しむスペインよりも低いものとなっています。
幸い、以前の記事でも書いたように、日本の赤字は他国とはちょっと異なる状況にあり、国債の90%以上が国内で消化されていることや、国民の貯蓄が1400兆円もあるといった状況です。
すぐに「破綻!」ということにはなりそうもないことも、国際社会から認識されているところです。

とにかく、この日本の財政に対して出された「イエローカード」イエローカード、きちんとうけとめなければいけませんよね。
今後、このイエローカードに対して日本政権がどうしていくのか、政治の動きからはますます目が離せません。