みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ラファエル・クーベリック&バイエルン放送交響楽団によるマーラーの交響曲第3番、第10番よりアダージョです。ついに取り上げる時が来たと言いましょうか。逆に今まで取り上げてきていないというのも意外なのですが、先日「audite」に録音されたクーベリックのマーラー交響曲集がはじめてセット発売されました。それを取り上げる前に同時期に録音された交響曲全集は取り上げなければならないと考えましたので、少しずつクーベリックによるマーラーの交響曲を取り上げていきたいと思います。まずは特に人気を博している交響曲第3番とカップリングの交響曲第10番をみていきます。
「ラファエル・クーベリック指揮/バイエルン放送交響楽団」
マーラー作曲:
交響曲第3番 ニ短調
交響曲第10番 嬰ヘ長調よりアダージョ
クーベリックはバイエルン放送交響楽団と交響曲全集を完成させているが、同時期にライヴ録音による交響曲集も残している。今回の交響曲第3番はクーベリックによるマーラーの交響曲全集の中でも特に重要視されている名盤の一つであり、SACDシングルレイヤーが発売されるほどの人気を誇る名盤として多くの人々に愛されている。
・マーラー:交響曲第3番
録音:1967年5月23〜25日
第1楽章から快調なテンポによって非常に駆け足で演奏が進められていく。この時期におけるクーベリックのアプローチらしいといえばそうなのだが、第1楽章、第2楽章、第3楽章が特にその影響を大きく受けていると言っても過言ではない。しかし、テンポが速いからといって演奏に乱れが生じるのかと問われるとそうではなく、むしろ統一性が増している。空間的な音の広がりはやや冷静にも聴こえるため、ドライな印象を受けがちではあるが、その分弦楽器や木管楽器の高音域が奏でられた瞬間の透明度の高い音色と響きからなる美しいサウンドは聴きごたえのある演奏となっている。特にその点では第6楽章が弦楽器中心の世界観となるため、それが功を奏する形となったのは言うまでもない。また、第4楽章、第5楽章におけるアルト歌手のマージョリー・トーマス、バイエルン放送女声合唱団、テルツ少年合唱団の歌声も伸びやかで聴きやすい存在感があった。
・マーラー:交響曲第10番
録音:1968年12月7,8日
テンポが非常に前向きなため、急ぎ気味な演奏に聴こえてしまうかもしれない。しかし、冷静な姿勢からなるアプローチが功を奏する形となっていることによって、弦楽器を筆頭として迷いやくもりのない透き通るような音色、響きからなる美しい世界観が展開されているので不協和な部分も含めて非常に楽しめる演奏が展開されている。演奏時間が比較的に短縮されたように聴こえるような演奏は他に類を見ないと言っても良いだろう。
今回ようやくクーベリック&バイエルン放送響によるマーラーの交響曲全集を取り上げることができた。これから少しずつではあるが、取り上げていきたいと思う。合わせて「audite」に録音された交響曲集も忘れないうちに取り上げたいところ。



