第1973回「演奏会の告知、江戸川区吹奏楽連盟第52回定期演奏会」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

こちらはクラシック音楽のCDの名盤をレビューするブログです!
年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



 みなさんこんにちは😃本日は演奏会の告知をしていきたいと思います。来る9月15日日曜日に、江戸川総合文化センター大ホールにて「江戸川区吹奏楽連盟第52回定期演奏会」が行われます。こちらに私が所属しているリコリスウインドアンサンブルが昨年に引き続き出演するので、今回演奏する曲の解説をしていきたいと思います。



 江戸川総合文化センター大ホールは高校時代に定期演奏会で演奏したホールであり、私が所属しているリコリスウインドアンサンブルは江戸川区を拠点とする吹奏楽団なので、過去3回に渡って行われてきた定期演奏会は全てこの江戸川総合文化センター大ホールにて演奏を行なっている。YouTubeに投稿されている当団の演奏を載せておくのでぜひ聴いていただければ。





 そんな9月15日に演奏する曲目は建部知弘作曲、藤田玄播補作のコンサート・マーチ「テイクオフ」、アルフレッド・リードの「パンチネルロ」の2曲。パッとみた感覚は吹奏楽コンクールでありそうな並びの曲順とも言えるかもしれない。

・建部知弘作曲、藤田玄播補作:コンサート・マーチ「テイクオフ」
 1986年度第34回全日本吹奏楽コンクール課題曲「D」として採用された課題曲である。今でもなお根強い人気があり、ホルンによるメロディは特に有名だ。2006年になにわオーケストラル・ウィンズが演奏した際に改訂されたコンサート・マーチ「テイクオフⅡ」とはまた違う。「テイクオフⅡ」に関しては以前より存在を知っていたものの、今回取り上げるにあたりはじめて「テイクオフⅡ」を聴いたが、個人的にはやはり課題曲版が聴き慣れていることもあるが、「テイクオフⅡ」に関してはあまり改訂が良いとは思えなかった。1980年代における吹奏楽コンクールの課題曲は現在の課題曲と比べても難易度は非常に高く、三善晃による「深層の祭」や真島俊夫による「波の見える風景」など今でも愛されて演奏される課題曲の多くが集中している。その中の一曲にこの「テイクオフ」もある。冒頭からロマンティックに演奏され、オーボエのソロやホルンのメロディ、トランペットによる快活的なリズムなど多くの魅力が盛りだくさんとなっている。「テイクオフⅡ」がコンサート・マーチという枠を超えた作品であるように、課題曲版に関してもクラシックよりはポップスに近いアプローチがふんだんに盛り込まれているのは聴いていただくとよくわかるだろう。






・リード:パンチネルロ
 「パンチネルロ」のサブタイトルには「ロマンティック・コメディのための序曲」と記載がある。西イリノイ大学ウィンド・アンサンブル委嘱による作曲、1973年に初演が行われた。曲名は16〜18世紀にかけてヨーロッパで盛んに行われた人形芝居、もしくは仮面道化芝居の主人公の名前である「パンチネルロ」から取られている。なお、「パンチネルロ」のイタリア語は「プルチネルラ」となり、同じ名前の作品といえばストラヴィンスキーのバレエ「プルチネルロ」があるがこれも名前の題材は同じである。また、今回演奏してみてわかったことだが、「ペトルーシュカ」の第2部「ペトルーシュカの部屋」の終盤で演奏されるホルンの動機が「パンチネルロ」でも音は違うものの、それに似た形で演奏されている。これが本当に正しいとはわからないが、関連性は少なからずあるとも言えなくはないだろう。これに関してはぜひみなさんに一度聴いていただいてほしい。構成としては他のリード作品と同じようにシンプルな「A→B→A」の「急→緩→急」となっている。快速調のテンポからなるシンコペーションがこの曲の軸となっており、はじめはクラリネットを中心とするメロディがコミカルに奏でる。中間部はホルンとコーラングレが美しい旋律をたっぷりと奏でており、この点はまさにロマンティックと言えるだろう。その後トランペットによるファンファーレ風の動機が演奏され、再び「緩→急」へと変化する。スケール感たっぷりに駆け抜けていく姿はまさに圧巻のラストとも言える。近年ではほとんど演奏される機会も少なく、私自身今回演奏のが初めてとなる。曲の読み方も世代によって違うようで、「パンチネルロ」が正式名称だが「パンチネロ」と呼ぶ層も一定層あるようだ。名盤はやはり東京佼成ウインドオーケストラとリードによる自作自演の演奏が非常に素晴らしいと言いたいところだが、近年発売された大井剛史&藝大ウインドによる演奏も明確さと緩急を備えている演奏となっているので引けを取らない名盤と言えるだろう。

1. アルフレッド・リード&東京佼成ウインドオーケストラ(自作自演)



2. 大井剛史&東京藝大ウィンドオーケストラ


3.ストラヴィンスキー: バレエ音楽「ペトルーシュカ」よりペトルーシュカの部屋



 今回の演奏会でリコリスウインドアンサンブルが演奏するのは一番最後で18時前後くらいになる。江戸川区内の吹奏楽部や吹奏楽団による演奏を朝から夜までたっぷり聴くことができるので、吹奏楽コンクールとは違う、各団体の色を楽しむことができる。

 ぜひお時間があれば足を運んでいただければと思います。