第1747回「Apple Music Classical登場!高音質でラフマニノフを聴く」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



 みなさんこんにちは😃1月24日ついに配信スタートされた「Apple Music Classical」。22日にはこれを記念して表参道でイベントが行われ、24日にはリリースされたが、みなさんは試されましたか?私自身Amazon Musicに手を出したのもここ最近のため、まだまだストリーミング配信サービスに関してはどっぷりと浸かるところまできてはいません。しかし、やはりクラシックファンとしてはクラシック音楽に特化したサブスクということで気になるものは気になります。そこで本日は、「Apple Music Classical」で聴いた名盤を取り上げていきたいと思います。取り上げる演奏もせっかくであれば限定感のある音源がいいということで、見つけました。限定アルバムとして配信されているキリル・ペトレンコ&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるラフマニノフの交響曲第2番、交響詩「死の島」、交響的舞曲です。



「キリル・ペトレンコ指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」


ラフマニノフ作曲:

交響曲第2番 ホ短調作品27


交響詩「死の島」作品29


交響的舞曲 作品45




 「Apple Music Classical」は月額1080円で聴くことができる。これは「Apple Music」を契約するだけで使うことができるので、追加料金はいらない。ちなみに私が別で登録しているサブスクは「Amazon Music Unlimited」で、これも月額1080円と変わらない(ちなみにiTunes経由で月額を支払うと1180円になるので注意したいところ。)。


 フォーマットについて、例えば「Amazon Music Unlimited」ではDolby AtmosかUltra HDに変更することが可能となっているのに加えて、トラックごとにフォーマットを見ることができたが、「Apple Music Classical」ではその切り替えはできない。しかし、アルバム名の下にフォーマットの記載はある。音質に関しても細かい違いがあり、今回取り上げるキリル・ペトレンコ&ベルリン・フィルによるラフマニノフは「Amazon Music Unlimited」にはないため細かい比較は出来なかったが、以前「Amazon Music Unlimited」を取り上げた際に聴いたヤニック・ネゼ=セガン&ヨーロッパ室内管弦楽団によるベートーヴェン交響曲全集が両方にあったため、聴き比べたところ「Amazon Music Unlimited」ではボリュームにおける振り幅が大分大きく、ボリュームを上げすぎるとイヤホンで聴いた際耳を壊しかねないほどのインパクトを味わえるが、「Apple Music Classical」ではその点整われているかのような形となっていて非常に聴きやすいと言える。パワーでは押していないと言えるだろうか。その他「Apple Music Classical」では楽器、指揮者、奏者、時代などで曲を探すこともできるので、よりクラシック音楽に特化した作りがされている。マスタリングなどにも手を加えたかは不明確だが、個人的にはクラシック音楽寄りの変更がされているようにも感じた。


・ラフマニノフ:交響曲第2番

録音:2021年3月20日

・・・ダイナミック・レンジの幅広さを生かした濃厚さたっぷりで演奏される美しい音色と響きを余すことなく味わうことができるのもそうだが、スタンダードなアプローチながらにペトレンコとベルリン・フィルによるラフマニノフの交響曲第2番からはしつこさを感じることがない。これは決して悪い意味ではないのだが、これまでに聴いてきた同曲録音からすると新しい発見に繋がるかのような素晴らしい演奏だったと言えるだろう。何より音質が良いことによって、細部まで細かく聴き込むことができるようになったため、各楽器ごとによる音色を聴き分けることも明確になった上に、アンサンブルの高さにも驚かされる。個人的にマゼール&ベルリン・フィルによる交響曲第2番が決定盤だったが、それに引けを取らない名盤となるかもしれないと感じた。


・交響詩「死の島」

録音:2021年1月16日

・・・交響曲第2番の後に収録されているということもあって、延長線上としてこの「死の島」を楽しむことができる。ベルリン・フィルが奏でる鮮明な音色と響きからなる美しい世界観を悲観的に、より不気味にすら感じるような世界観で演奏されている。ダイナミック・レンジの幅広さが功を奏する形となっており、木管楽器や金管楽器、弦楽器など個々の楽器が奏でる美しい音色は聴いていて非常にうっとりとしてしまう演奏であると言える。交響曲第2番とセットで聴きたい完成された名曲としての姿がこの演奏にはある。


・交響的舞曲

録音:2020年2月15日

・・・Dolby Atmosでの高音質音源を聴いていることもあって、細部まで隅々聴くことができる。奏者の息遣いまで細かく聴き取ることができるようになっており、テンポの緩急からなるダイナミクス変化もより一層わかりやすくなっている。細かいテンポの揺らぎによって変化する弦楽器や木管楽器の演奏や金管楽器のダイレクトに来るサウンドの流れなど、非常に聴きやすさが増していると言えるだろう。オーケストラ全体としてはクリアでやや重厚的なサウンドをきかせている分鋭さも残るが、後味もスッキリとしているので十二分に楽しめるラフマニノフであることは間違いない。


 今回取り上げるキリル・ペトレンコ&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるラフマニノフの交響曲第2番、「死の島」、交響的舞曲はCD及びBlu-ray Discが1月下旬発売予定となっている。ピアノ協奏曲第2番も収録されているのが今回取り上げた部分と違うところだ。音質の細かい違いに関しても気になるので、これに関しては発売されたら購入してみたいと思う。昨年2023年ラフマニノフ生誕150年を記念してることもあり、力の入れ具合は類を見ない仕様となっているのでぜひ「Apple Music」を使用している方は「Apple Music Classical」で聴いてみてほしい。