第1635回「クナッパーツブッシュ&パリ音楽院管によるリヒャルト・シュトラウス」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、久しぶりにハンス・クナッパーツブッシュによる録音を取り上げていきます。曲目はリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」と交響詩「死と変容」の2曲です。オーケストラはパリ音楽院管弦楽団となっており、クナによる録音としては貴重な録音と言ってもいいかもしれません。


「ハンス・クナッパーツブッシュ指揮/パリ音楽院管弦楽団」

リヒャルト・シュトラウス作曲:
交響詩「ドン・ファン」作品20

交響詩「死と変容」作品24



 クナッパーツブッシュが珍しくパリ音楽院管弦楽団を指揮した貴重な記録である。フランス音楽作品を指揮するかと思えばリヒャルト・シュトラウス作品を指揮しているのがまた面白いところ。モノラルながらにその高音質ぶりは非常に素晴らしいと言えるだろう。現在では単品で発売されることはなく、2022年3月に発売されたクナッパーツブッシュの「オーケストラ・エディション」に収録されている。


・リヒャルト・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」

録音:1956年5月

・・・この時代のパリ音楽院管らしいサウンドであり、重厚的な重みのあるテンポというよりは非常にエネルギッシュであり豪快さが曲全体から感じ取ることができるような演奏と言っても良いだろう。金管楽器群のサウンドは一貫して「パリッ」とした豊かなサウンドとは真逆に近い印象を受けるが、弦楽器も鋭さと研ぎ澄まされたような感覚を感じる音色で統一がされているため、そこまで大きな違和感を感じることなく聴くことができる。また、ノイズは極めて少なく、クナ(クナッパーツブッシュ)による録音の中でも類を見ない印象を受ける。しかし、残響がそれほどないので多少なりともデッドな空間を感じてしまうかもしれない。


・交響詩「死と変容」

録音:1956年5月

・・・「ただ美しい」というだけで終わることのない世界観で広がっている今回の「死と変容」。テンポの緩急からなる柔軟性や細かいダイナミクス変化などを随所から聴き取ることができるようになっている。先ほどの「ドン・ファン」と比べると、多少ノイズも出てきてはいるが、サウンドとしては変わることなく演奏されているため、「緩→急」へと音楽の流れが変化した際にオーケストラ全体のボルテージが増し、爆発的なエネルギー量を金管楽器と弦楽器から聴くことができるようになっている。


 当盤は中々CDで復刻されることも少ない代物となっているため、今回聴くことができたリヒャルト・シュトラウス作品の2曲は大分楽しむことができた往年の時代における名盤であることは間違いない。クナの「オーケストラ・エディション」にはまだまだ貴重な録音が多数収録されているので、今後も少しずつ取り上げていきたいところである。


https://tower.jp/item/5329610/オーケストラ・エディション<限定盤>