今日までにタワーレコードではバッハ作品のSACDハイブリッド盤が複数種類復刻されている。今回のマウエルスベルガーとSKD(シュターツカペレ・ドレスデン)によるバッハ「ロ短調ミサ」は1958年のステレオ初期に録音された名盤の一つである。後ほど歌手陣の名前は載せるが、マリア・シュターダーやジークリンデ・ヴァーグナー、テオ・アダム、エルンスト・ヘフリガーという当時東西ドイツにて活躍していた歌手が揃っている。加えて合唱にはドレスデン聖十字架合唱団というまさに完璧な布陣と言ってもいい形で演奏が行われた。
・バッハ:ロ短調ミサ
録音:1958年11月
・・・LP時代には西側では発売されることもなく、CD時代に入ってからも国内盤としてこれまで発売されたことがないとのタワーレコード紹介文に記載がある。今回は2021年最新マスタリングが施された状態でのSACDハイブリッド盤の高音質盤で名手揃いの「ロ短調ミサ」を楽しむことができるようになっている。
・マリア・シュターダー(ソプラノ)
・ジークリンデ・ヴァーグナー(アルト)
・エルンスト・ヘフリガー(テノール)
・テオ・アダム(バス)
ドレスデン聖十字架合唱団
今日における演奏スタイルとはまた違う点も多いかもしれないが、近しい部分もある。それが今回ダイナミック・レンジの幅広さが増したことによって非常に美しい世界観と数多くのオペラで活躍を残した4人の歌手たちによって美しく伸びやかな歌声を聴くことができるようになっている。歌手、合唱、オーケストラのバランスも非常に良い形で演奏が行われており、重々しい感覚は一切なく透き通るような透明度の高い明瞭さがこの「ロ短調ミサ」で味わえるようになっている。金管楽器の音色に関してもバッハ演奏に適したものとなっているため、聴きやすい感覚がある。
当盤含めて何年か前に発売されたタワーレコード限定復刻のバッハ作品SACDハイブリッド盤でまだ聴けていないものが複数存在している。今回の「ロ短調ミサ」は他のCDも少しずつ聴いていきたいと思える演奏であったことは間違いない。
https://tower.jp/item/5203959/J-S-バッハ:-ロ短調ミサ<タワーレコード限定>