第991回「ついに届いた『バイロイトの第九』センター盤!4種類を聴き比べ!!」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

こちらはクラシック音楽のCDの名盤をレビューするブログです!
年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



 みなさんこんにちは😃早いものでスウェーデン放送所蔵音源による「バイロイトの第九」、通称BIS盤が発売されてから1ヶ月が経ちました。2007年にセンター盤やオルフェオ盤が登場してからそれまで聴いてきた旧EMI盤とは違う音源には多くの人々が驚かれたことでしょう。そしてその真実が1ヶ月前にわかり今ではその衝撃もおさまりつつありますが、私はBIS盤を聴きつつフルトヴェングラー・センターに注文し、今回手元に「バイロイトの第九」のセンター盤が届きましたのでそちらを含めた4種類の「バイロイトの第九」をみていきたいと思います。

「ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮/バイロイト祝祭管弦楽団」

ベートーヴェン作曲:
交響曲第9番「合唱付き」



 今回「バイロイトの第九」をみていくにあたり試聴に使用したのは2011年に発売された旧EMI盤(SACDハイブリッド盤)、2007年に登場したフルトヴェングラー・センター盤、同じく2007年に発売されたオルフェオ盤、そして2021年11月に発売されたBIS盤。旧EMI盤に関しては繰り返し復刻されているため、私の手元にある一番音質の良いと考えているSACDハイブリッド盤を試聴している。「フルトヴェングラー正規レコード用録音集大成」にも「バイロイトの第九」は収録されているのだが、これに関してはまた別で取り上げたいと思っている。




 旧EMI盤(2011年SACDハイブリッド盤):リハーサルとライヴをそれぞれ編集して出来上がったものがこの旧EMI盤だ。これに関しては以前BIS盤を取り上げた際にも取り上げている。演奏としてノイズも比較的少ない多くの人々が聴き親しんだであろう1951年の「バイロイトの第九」である。オーケストラ全体のアタックはそこまで強すぎるイメージはない。ただ強いて言えば、若干音がぼやけ気味になっている印象を受ける。しかしダイナミック・レンジの幅広さや残響などはリマスタリングよる効果がわかりやすいくらいに発揮されている。「バイロイトの第九」の真の姿を知った今に関しては普通に聴く分に関しては十二分な演奏であると私は思っている。



 オルフェオ盤:2007年に登場したフルトヴェングラー・センター盤と同じバイエルン放送音源からの「バイロイトの第九」である。以降取り上げるセンター盤、BIS盤、オルフェオ盤含める3種類は全て完全なるライヴ演奏となる。センター盤と同じバイエルン放送音源を使用しているがマスタリングは別物で、ノイズなどはオルフェオ盤の方が多いようにも思える。しかし独自のマスタリングが施されたことによって聴きやすく改良されており、ダイナミック・レンジもそれなりに付けられている。ただ、パワーや音の輪郭などはセンター盤の方がわかりやすい。旧EMI盤と比べアタックがはっきりとしている点や合唱の歌詞も聴きやすいので旧EMI盤とはまた違う面を楽しむことができる演奏といえるだろう。



 BIS盤:つい先日発売されたばかりのスウェーデン放送所蔵音源の「バイロイトの第九」だ。他の盤とは違う点として4カ国語のアナウンス、フルトヴェングラーの登場から演奏、演奏が終わった後の拍手が全て収録されている。旧EMI盤でいう「足音付き」は後から付け加えられたものだが、このBIS盤では楽章間のインターバルから全てノーカットの1951年7月29日当時の記録をそのまま聴くことができる。演奏はSACDハイブリッド盤ではあるものの、修正が施されていないということもあって演奏のボリュームが小さかったり、ノイズなど雑音が激しく目立つ。楽章によっては綺麗で非常に美しい音色を奏でている部分もあるが、同じSACDハイブリッド盤で考えれば旧EMI盤の方がダイナミック・レンジの幅広さなど聴きやすさはあるかもしれない。BIS盤は歴史的録音としての価値が大きいだろう。長年議論され続けた「バイロイトの第九」における真実の記録として一度は聴いてみるのも良いと思う。



 フルトヴェングラー・センター盤:2007年バイエルン放送所蔵音源でセンター会員のみ手に入れることができた「バイロイトの第九」だ。その後、同年2007年にオルフェオ盤が発売されるわけだが、センター盤は特にマスタリングなどが行われていないのにも関わらず音質は非常に良いものとなっている。特にスウェーデン放送所蔵音源のBIS盤と比べても圧倒的にセンター盤の方が良い。ノイズも多少はあるが、アタックやアーティキレーション、ダイナミクスなどを明確に聴き分けることができる上どこかパワーもある。室内楽編成やピリオド楽器の演奏とまではいかないが、わりかし固めのサウンドとなっている印象を受ける。BIS盤はノーカットとなっているがセンター盤に関しては一部の楽章で演奏が終わるとフェードアウトしたり拍手などは含まれていない。今回試聴及び注文したのは通常CD盤だが、SACDシングルレイヤー盤も存在する。私はあいにくSACD対応プレイヤーを所有していないのでいつか手に入れた際には聴いてみたいと考えている。


 長年議論されてきた「バイロイトの第九」の謎がこれでひとまず幕を閉じることになる。ここ最近で何十回「バイロイトの第九」を聴いたか正直覚えていない。それは比較も含めてだが、BIS盤を聴いて流れを知ってから改めて旧EMI盤を聴くなど真っ新な気持ちで演奏を楽しんだ回数も含んでいる。またそのうち「フルトヴェングラー正規レコード用録音集大成」に収録されている「バイロイトの第九」を聴くこととなるが、これほど何度聴いても飽きることのない演奏は中々ないと思う。


 今回で2021年最後の投稿となります。未だコロナウイルスの猛威は続いていますが、みなさんにとってはどういう年だったでしょうか?私個人としてはコロナ後久しぶりに吹奏楽での演奏会を行うことができ、生演奏の良さを体感することができました。また、Twitterを通して多くの方々と交流を深め、大変楽しい時間を過ごすことができました。来年1月には早いもので当ブログを始めて1000回目の投稿となる日も近づいています。その時取り上げるものはすでに決まっていますが、今後も「クラシック名盤ヒストリア」をどうかよろしくお願いします。来年も引き続き毎日投稿していきます!それでは良い年を!


https://tower.jp/item/3705187/ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」-足音、喝采入り


https://tower.jp/item/2356849/ベートーヴェン:-交響曲第9番《合唱》-(7-29-1951)-(音源:-バイエルン放送)


https://tower.jp/item/5266710/スウェーデン放送所蔵音源によるバイロイトの第9