みなさんこんにちは😃このブログも2019年4月から始めてついに900回目となりました。そして100回目ではシュトックハウゼンの「ヘリコプター弦楽四重奏曲」、200回目ではジョリヴェの「赤道コンツェルト」とミヨーのピアノ協奏曲第1番を、300回目ではベリオの「シンフォニア」、400回目ではペンデレツキの交響曲全集、500回目では芥川也寸志の交響曲第1番、伊福部昭の舞踊曲「サロメ」、600回目はカーゲルの「フィナーレ」、700回目ではリゲティの「マカーブルの秘密(トランペット版)」、そして800回目ではメシアンの「トゥーランガリラ交響曲」を取り上げました。今回も現代音楽の中から代表格として多くの人々に知られ、愛されている作品を見ていきます。その作品とは?
「ジュリー・スタインバーグ」
ジョン・ケージ作曲:
4分33秒
現代音楽の代表格であり、ジョン・ケージが作曲した作品の中で最も知られる曲であるこの曲。3楽章の構成となっているが全ての楽章で共通して「tacet(休止)」と記載があり奏者に対する指示が記載されていない。そのため聴衆はその場で起こる音を聴くこととなる。例えば聴衆の咳や足音、クーラーの音などが当てはまるだろう。それ故に楽器を指定しているわけではなく、ピアノを中心にオーケストラや様々な編成で演奏されることが多い。日本でも度々演奏されており、トリビアの泉でも演奏された他に、太田弦&神奈川フィルも演奏した。
今回この曲を取り上げるにあたり、大学時代に大学内の図書館で「4分33秒」が収録されたCDを見かけたためそれを探していたのだが中々見つかることはなく、最終手段としてiTunesで探してみることにした。iTunesでは過去にカーゲルの「フィナーレ」も見つけているのでおそらくあるだろうと思っていたが、見つかった。ジュリー・スタインバーグが演奏したとされるものでアルバム名は「Non Stop Flight / Deep Listening Band」。この中のトラック1とトラック5に「4分33秒」が収録されていた。実際に流してみると聴衆の席や足音などが聴こえる空間芸術が完成している。まさかCDが残っているとは思っていなかったもので、聴いてみて感じた正直な感想としてはCDよりも映像があったほうがこの曲の面白さがよりわかる。なので、別のアーティストが演奏したYouTubeのURLを最後に載せておきたいと思う。
余談だが、大学時代に現代音楽の作曲家として有名な川島素晴先生の門下生がこの曲のオマージュとして同じ4分33秒間楽譜をただ見続けるという作品を発表していた。その時の演奏会を見にいったが聴衆の何人かは笑っていたりしたため私も少々つられそうになったが、最後まで無事聴き終えることができた。なお終わった後は賛否両論も特になく拍手喝采だった。日々音と共に生きているため、改めて4分33秒という時間の長さを体感したと同時に中々現代音楽の演奏自体あまり行われないということもあり、その場で聴くことができてよかったと思っている。
さて、900回目に取り上げたジョン・ケージの「4分33秒」、楽譜を見てみるとよりさらに詳しい内容が書いてある。一種の問題作として扱われるだろうが、こういった型破りなところが現代音楽の面白さでもあると私個人は考えている。ベートーヴェンやモーツァルトらの音楽とは違うため理解されにくいところがあるのが難点だが、話題性はあると思う。著作権が残る作品だが多くの演奏会で、様々な編成で演奏してみるのも面白いと思う。そしていよいよ当ブログも1000回目に向けてギアを加速していくこととなる。すでに取り上げる曲は現時点で決まっているので、あとはそのまま無事に続けていくことのみである。いつもご覧になってくださっている方々には心から感謝したいと同時に、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。ではまた明日のブログにて!