第800回「現代音楽における交響曲の代表作、メシアンの《トゥーランガリラ交響曲》シャイー指揮」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃はやいもので本日の投稿で800回目となります。100単位の時には必ず現代音楽を取り上げるという形にしており、これまでシュトックハウゼン、ベリオ、ジョリヴェ、カーゲル、ペンデレツキ、伊福部昭、芥川也寸志、リゲティらの作品を取り上げてきました。そして800回目となる今回取り上げるのはオリヴィエ・メシアンの代表作品である「トゥーランガリラ交響曲」です。日本初演は小澤征爾がNHK交響楽団の行いました。その後もメシアン監修によるCDが発売されるなど、難曲ながら多くの人々に愛されています。今回はリッカルド・シャイー指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団による演奏のものをご紹介していきます。


「リッカルド・シャイー指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」


メシアン作曲:
トゥーランガリラ交響曲



 クーセヴィツキーの委嘱によって作曲されたこの曲。連作歌曲「ハラウィ〜愛と死の歌」、無伴奏混声合唱曲「5つのルシャン」と中世の伝説である「トリスタンとイゾルデ」から受けたインスピレーションをもとに作られている。世界初演は1949年にレナード・バーンスタインの指揮でボストン交響楽団が行なった。ピアノとオンド・マルトノを独奏楽器に置き、大量の打楽器を使う大編成の作品で、全楽章通して10楽章に及ぶ。大学時代に図書館でスコアを見かけたので読んでみたがあまりに分厚かったので驚いた。

 トゥーランガリラ交響曲第1楽章「序章」、第2楽章「愛の歌」、第3楽章「トゥーランガリラ1」、第4楽章「愛の歌2」、第5楽章「星たちの血の喜悦」、第6楽章「愛のまどろみの庭」、第7楽章「トゥーランガリラ2」、第8楽章「愛の敷衍」、第9楽章「トゥーランガリラ3」、第10楽章「終曲」からなる全10楽章の交響曲で、基本無調だが調性が明確となる場面もいくつかの楽章で確認できる。また、「非可逆リズム」が使われている点もよくわかる。第5楽章は特に有名で、頻繁に抜粋されて演奏されることがある。

 今回の演奏ではオンド・マルトノを原田節、ピアノをジャン=イヴ・ティボーデが演奏している。現在「トゥーランガリラ交響曲」の名盤としては小澤征爾、チョン・ミョンフン、そして今回のシャイーの演奏が特に有名だ。一時期頻繁に録音されたことがあったが、その数は決して多いものとは言えず、好んで聴かれる演奏も先ほどあげた3人のものに厳選されている傾向にある。今回のシャイーの演奏は特に音質が良いもので、通常CD盤、SACDハイブリッド盤、SHM-CD盤が発売されている。今回は運良くSACDハイブリッド盤を入手できた。ピアノの音、オンド・マルトノの音も綺麗にとれており、美しい音色を奏でるピアノとオンド・マルトノ、オーケストラが混ざり合い、より神秘的かつ普通に考えて聴くだけでは理解し得ない出来栄えとなっている。これは間違いなく完成形であるだろう。ダイナミック・レンジの幅広さも注目したいところで、最初から最後までこの難曲を余すことなく楽しむことができる。廃盤のため中々手に入れることができない名盤だが、一度はぜひ聴いていただきたい演奏だ。

 メシアンの伝記を以前紀伊國屋で見かけたが、購入はしなかった。ただ、現代音楽を聴く上でメシアンの作品は必ず通ることになるため、いずれはその本を購入したいと思う。また、メシアンの代表作としてもう一曲、「世の終わりのための四重奏曲」がある。こちらに関しては今回取り上げなかったが、この曲も中々面白い作品で一度演奏を聴くとその世界観にどっぷりと浸かってしまい中々抜け出せなくなってしまう。この曲に関してはまた後日取り上げたいと思う。

 さて、これで800回目のブログを締め括るわけだが、こんなにも自分がクラシック音楽のCDを保有していることに対して衝撃でならない。音楽が嫌いだった小学生の頃から想像すると相当なことである。当ブログに関しては今後も余程のことがない限り辞めることはないので、温かい目で見ていただければと思う。マニアックな名盤から王道の名盤などを一つでも取り上げていき、一人でも多くの人々に興味を持っていただければ嬉しい。今後もどうぞよろしくお願いします。