第733回「ジークフリート・クルツ&ザンデルリングとSKDによるチャイコフスキーがSACDに!」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、3月17日に発売したタワーレコードの「ベルリン・クラシックシリーズ」、ジークフリート・クルツ、クルト・ザンデルリングとシュターツカペレ・ドレスデンによるチャイコフスキー交響曲第5番と幻想序曲「ロメオとジュリエット」です。アナログ・マスターテープからマスタリングされた世界初SACDで、シュターツカペレ・ドレスデンによるチャイコフスキー2種類がより鮮明になって戻ってきました。


「ジークフリート・クルツ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン」

チャイコフスキー作曲:
交響曲第5番


「クルト・ザンデルリング指揮/シュターツカペレ・ドレスデン」

チャイコフスキー作曲:
幻想序曲「ロメオとジュリエット」



 シュターツカペレ・ドレスデンは今でも多くの人々が知る有名オーケストラの一つ。今回はジークフリート・クルツとクルト・ザンデルリングという巨匠2人によるチャイコフスキーが収録されている。そのうちザンデルリングに関しては今年で没後10年という形で「ロメオとジュリエット」が収録されているようだ。

 チャイコフスキー交響曲第5番、ドイツの深みのある音色と響き、そして抜群の安定感をみせた最高峰の名盤といえる当盤は、1978年に録音されたシュターツカペレ・ドレスデン当時の黄金メンバーによるものと記載がある(タワーレコード紹介文)。有名な第2楽章のホルン・ソロはペーター・ダム、オーボエはクルト・マーン、フルートのヨハネス・ワルター、ティンパニにはペーター・ゾンダーマンなど錚々たるメンバーが揃った最高の状態による演奏だ。チャイコフスキーの交響曲の中でも主要な作品ということもあり、個人的に聴く機会は何度もあるわけだが、その中でも素晴らしい出来栄えを誇っていると言える。同時期の録音には、カラヤンとベルリン・フィルによるチャイコフスキー後期三大交響曲の録音は、過激で誰にも止められない爆発力を秘め、ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルによるチャイコフスキー後期三大交響曲は泣く子も黙る強靭なアンサンブルと特徴的な金管楽器の音色があった。そして今回は交響曲第5番のみだが、安定感のあるドイツらしいオーケストラの音色とバランスの良い演奏を聴くことができる。ジークフリート・クルツの名は今ではあまり知られていないことだろうが、これほどまでに素晴らしい名盤を知らないのは損した気分になること間違いない。

 幻想序曲「ロメオとジュリエット」、1960年に録音された若き日のザンデルリングによるエネルギッシュな「ロメオとジュリエット」である。ザンデルリングがドイツ音楽を得意としていることは多くの方々が知っていることだが、今回こうしてチャイコフスキーの作品を録音しているのは中々貴重である。今回の「ロメオとジュリエット」は早い段階でラフマニノフの交響曲の録音を行なったりと盛んな時期に録音された貴重な演奏。その音はドイツの深みに加えて輝かしさや爆発力を体感することができる。今年没後10年ということだが、よりザンデルリングによる名盤が復刻してくれることを期待したいところだ。

 今回、ジークフリート・クルツとクルト・ザンデルリングによるシュターツカペレ・ドレスデンによる貴重な演奏が復刻されたが、2種類とも素晴らしい出来栄えとなって蘇っている。弦楽器、金管楽器、木管楽器、打楽器全ての音が均等にバランス良く演奏されるドイツの香りが香るチャイコフスキーは多くの人々を魅了すること間違いなしだ。ぜひ多くの人々に聴いていただきたい名盤となっているので、気になったら購入していただければと思う。