第564回「カラヤン絶頂期にベルリンフィルと録音したマーラー交響曲第5番」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃気付けばマーラーの交響曲所有数が565種類となっていました。そんな本日は記念というわけではありませんが、クラシック音楽界の帝王であるカラヤンが録音したマーラーの交響曲について触れていきたいと思います。その交響曲とは、交響曲第5番です。この録音についていつどのタイミングで触れるべきか迷っていました。ちょうど9月上旬にUHQCD仕様の高音質フォーマットとして再び発売されましたが、タイミングを逃しているのかまだ購入できていません。そのため本日は通常CD盤でのご紹介となります。UHQCD仕様に関してはまた後日ゆっくりとご紹介するタイミングがあればそちらはお話ししたいと思います。


「ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」


マーラー作曲:
交響曲第5番



 カラヤンはマーラーの交響曲を5種類録音している。内訳としては4番、5番、6番、9番と「大地の歌」だ。そのうち9番に関しては2種類録音が存在しており、マニアの間でも好みが分かれている。マーラーの交響曲を収集する身として様々なマーラーを聴いていたが、カラヤンの演奏は個人的に「模範的な演奏」という風に考えている。同じ年代で言えばマーラーはバーンスタインにとって十八番、ベルリンフィルと共演した際も交響曲第9番を取り上げていた。バーンスタインのマーラーは感情的で非常に爆発的だったのに対し、カラヤンのマーラーはどちらかといえば大人しい風にも聴こえるだろう。当時ベルリンフィルがまだマーラーをレパートリーとして取り入れきれていないというのも関係してくるかもしれない。実際バルビローリがベルリンフィルとマーラーを取り上げたこともあるが全ての交響曲ではない。1973年、カラヤンが絶頂期の時に録音をされた当盤は、ベルリンフィルが挑んだマーラーとしていずれにしても一度は聴いてみる価値はあるはずだ。

 オーケストラの音色として全体的に統一されており、バーンスタインやテンシュテットらのような活発的であったり感情的で熱量が多めではなく「美」が演奏に備わっていると言える。録音された環境が往年の名盤を多く残してきたイエス・キリスト協会ということもあるのだろう、「混沌」として知られるマーラーの交響曲を残響でより美しいものへと変化させている。近年のマーラーの録音でも同様の音色は感じられるものはいくつか存在するが、どちらかといえば透明度が高いだけでベルリンフィルのような「美」にはほど遠いものばかり。普段から熱演を聴きすぎていると今回の演奏は平凡に感じてしまうかもしれないが、他の録音にここまで美しいマーラーは存在しないと思う。第1楽章冒頭のトランペット・ソロはマラ5(交響曲第5番)随一の美しさを誇っている。また美しさでいえば第4楽章の「アダージェット」、録音した時期がカラヤンの絶頂期だが作曲したマーラーにとってもマラ5が作曲された時期は絶頂期である。それ故に演奏時間は11分とやや長いが平均的な演奏時間でひたすらに美しさを堪能する至福の時間が存在する。この曲では個人的に第5楽章が一番好きなのだが、淡々と進んでいくだけではなくところどころ工夫がされていて面白い。どこか面白いかは聴いていただくだけでその点がよくわかるのでぜひ聴いていただきたい。

 カラヤンのマラ5はこれまで何度もリイシューされており、SACDシングルレイヤーにもなっている。個人的にはSACDハイブリッド盤が欲しいのだが、発売される予定はないようなのでとりあえずはUHQCD仕様で大丈夫だろうと思っている。個人的にいえばカラヤンのマーラーはライヴ盤も存在しているのだが、そちらは今日において発売されていない。マニアのみが持っている代物だ。最近でいえばバーンスタインのプロムス・ライヴがようやく手に入ったのにカラヤンのライヴ盤はいつ手に入るのだろう?マーラーの交響曲を収集し始めて2年半経つがもう少し先になるかもしれない。そして、とりあえず年内には600種類を迎えられるように収集を続けたいと思う。