第535回「ホロヴィッツ生誕祭!アメリカデビュー40周年記念時の名演がSACDで蘇る」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日10月1日はウラディミール・ホロヴィッツの誕生日。それを記念して「ホロヴィッツ・オン・テレヴィジョン1968 アルティメイト・エディション」を取り上げる。ホロヴィッツの演奏は普段あまり聴かないので、入門として購入してみたのが今回のものである。3枚のSACDハイブリッドとDVD1枚で収録されている。最終編集発売版、1月2日収録無修正版、2月1日収録無修正版と計算種類を楽しむことができる素晴らしい曲集だ。今後としてホロヴィッツの演奏をどんどん聴いていく予定なので、今回はその一歩としてこの演奏を聴いていく。

 

 

ウラディミール・ホロヴィッツ(ピアノ)

 

 

ホロヴィッツ・オン・テレヴィジョン1968

アルティメイト・エディション

 

 

 

 今回の演奏はホロヴィッツアメリカ・デビュー40周年記念としてカーネギーホールで演奏した際のもの。演奏の模様は全米放映された。27万5000ドルという制作費も驚きだが、ホロヴィッツが今回初のTVとのことだった。また、TVでピアノ・ソロ・リサイタルを放映すること自体も初の試みだったようだ。今では「クラシック音楽館」など「らららクラシック」、「題名のない音楽会」と多くのクラシック関係のTV番組を見ることができるが、改めて良い時代に生まれたということを理解する。曲目としては以下の通り。

 

1.ショパン:バラード第1番ト短調 op.23

2.ショパン:夜想曲 第15番ヘ短調 op.55-1

3.ショパン:ポロネーズ第5番嬰ヘ短調 op.44

4.D.スカルラッティ:ソナタホ長調 K.380, L.23

5.D.スカルラッティ:ソナタト長調 K.55, L.335

6.シューマン:アラベスク ハ長調 op.18

7.スクリャービン:練習曲 嬰二短調 op.8-12

8.シューマン:トロイメライ(子供の情景 op.15より)

9.ホロヴィッツ:ビゼーの『カルメン』の主題による変奏曲

 

 いずれもホロヴィッツを代表する作品が選ばれている。また、3枚あるCDで最終編集発売版も素晴らしいのだが、個人的に一番気になったのが無修正版の1月2日、2月1日の2枚だ。いずれも聴衆の拍手や咳も録音されてしまっているが、わりかし音質が良い。もちろん最終編集版も素晴らしいのだが、ノーカットの録音がここまで高音質なものは当時中々ないのではないだろうか?録音機材の関係もあることだろう。また、ホロヴィッツの技巧も素晴らしく、美しい。曲によっては壮大でダイナミックな演奏を楽しめる。普段ピアノ曲をあまり聴かない私でも知っている作品が多く収録されていることもあり、ホロヴィッツ入門としては非常にうってつけのCDだったかもしれない。個人的に今回の曲目の中でもショパンのバラード1番やシューマンのトロイメライ、カルメンの主題による変奏曲が特に印象強く残っている。ホロヴィッツはこの時64歳なのだが、とてもそうだとは思えない演奏だった。

 

 今回「アルティメイト・エディション」を購入すると同時に、他のホロヴィッツの録音についても調べるため藤田恵司氏著書の「ホロヴィッツ全曲録音を聴く」も購入している。ホロヴィッツが生涯にわたって録音したものを論じると共に、年代ごとにまとめられている本だ。これまでさまざまな評論家の方々が抜粋した名盤の本は「レコード芸術」を含み多く存在するが、こうして一人の演奏家の録音のみを取り上げた本は珍しいようにも思える。普段から聴き比べを何度もしている私としては非常にありがたい本だったので、この本を参考にホロヴィッツのCDを今後収集したいと思う。

 

https://tower.jp/item/4014627/ホロヴィッツ・オン・テレヴィジョン1968-アルティメイト・エディション-%5b3SACD-Hybrid+DVD%5d