第516回「初演110年記念!バーンスタイン&ウィーンフィルザルツブルク音楽祭のマーラー8番」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃今から110年前、とある曲がミュンヘンにて初演された。その曲とはマーラーの交響曲第8番「一千人の交響曲」である。指揮はもちろんマーラー自身の手によるもので、オーケストラはミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の前身であるカイム管弦楽団が演奏を担当した。初演は見事に成功した。この時の演奏を聴いた人物としてブルーノ・ワルター、メンゲルベルク、シェーンベルク、クレンペラー、ラフマニノフ、リヒャルト・シュトラウス、ストコフスキーなど音楽界の著名な人物がこの作品を聴いた。そして今回、それを記念してマーラーの交響曲第8番「一千人の交響曲」を取り上げたいと思う。演奏はマーラーといえば必ず名前が一番にあがるレナード・バーンスタインとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が1975年にザルツブルク音楽祭で演奏したライヴ録音のものをみていく。

 

 

「レナード・バーンスタイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」

 

 

マーラー作曲:

交響曲第8番「一千人の交響曲」

 

 

 

 初演時に演奏を聴いた中の人物で、ストコフスキーはその後1916年にアメリカ初演を行い、1950年にはニューヨーク・フィルハーモニックと世界初録音を残した。こちらに関しては当ブログでも過去に取り上げたが、年代が古い割にオーケストラ、歌手陣の透明度の高い演奏を聴くことができる。録音状態は正直悪いものではなかった。

 

 ザルツブルク音楽祭にてウィーンフィルと共に演奏をした今回。NYPやロンドン響とも同曲を録音したが、熱量は今回の演奏が凄まじいくらいに優っている。ライヴ録音のため所々演奏上ばらつきやミスもあるが、正直そういった点すら気に留めることもないくらいに素晴らしい演奏だ。歌手陣含め合唱の透明度が高く伸びやかな歌声は聴いているだけでうっとりしてしまう。ウィーンフィルの演奏も素晴らしく、ダイナミスレンジも幅広くとられているため最初から最後まで迫力のある演奏を楽しめる。大編成かつ多くの人数を必要とする作品のため、簡単に演奏することができない作品だが、その数少ない録音の中でもトップに君臨してもおかしくない「一千人」だ。第一部では常にテンションがハイになっているように爆音+爆上げ状態だったが、第二部に入ってからはそのテンションも落ち着きを取り戻し、美しいオーケストラの音色と歌手陣の歌声がザルツブルク祝祭大劇場にこだましている。今回UHQCD仕様のCDを聴いているが、なかなか音質が良い。ライヴでなおさら素晴らしい。オルガンの音もよく聴こえるため、「やはりマーラーを聴くときはライヴでないと。」という結論に至ることは間違いないだろう。個人的に決定盤にならないところをあげると、音質は良いのだが音がパリパリとなっている点が決定盤にならない理由でもある。また曲の構成上、何度も曲の頂点が来るのと、演奏時間もそれなりに長いため聴き終えた後はいつも疲れてしまう。某特撮ヒーローでいうところの「最初からクライマックスだぜ!」と言わんばかりの演奏ともとれる。なので、私個人としては「一千人」を39種類聴いてきたが、今回の演奏は5番目に好きな演奏である。

 

 交響曲第8番「一千人の交響曲」に関しては今日のクラシック音楽において重要なレパートリー、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」や自身の交響曲第2番「復活」を凌ぐ編成となっており、演奏するのは中々難しい。故にライヴで演奏を聴けるだけでも貴重である。今回の演奏はザルツブルク音楽祭関係のBOXやバーンスタイン2回目のマーラー交響曲全集に収録されているため気軽に手に入れやすい。私個人としては音質を重視したのでUHQCD仕様を購入している。今後もマーラーの交響曲は収集を続けていくつもりなので、「一千人」も聴いていくだろう。現時点での決定盤はショルティ&シカゴ響の演奏となっている。これを凌ぐ演奏やマニアックなものが見つかれば良いなと考えながら今日もマーラーを聴いていこう。

 

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