みなさんこんにちは😃
先日購入したアバドがウィーンフィル、ベルリンフィルそれぞれでドイツ・グラモフォンから発売したCDを集めた全集は本当に面白いものばかりで心から楽しめます。
すでにいくつか所持していますが、マーラーの交響曲もありますし、ベートーヴェン交響曲全集やオペラなども…
今回はその数あるオペラの中からアバドがウィーンフィル(ウィーン国立歌劇場管)と演奏したアルバン・ベルクの歌劇「ヴォツェック」をご紹介する。
演奏時間も短く非常に聴きやすいところではあるのだが…
「クラウディオ・アバド指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(ウィーン国立歌劇場管弦楽団)」
ベルク作曲:
歌劇「ヴォツェック」
演奏時間は約1時間35分で、3幕からなるオペラである。1幕ごとに5場とそれぞれ分かれている。
ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」に影響を受けているため楽器編成も非常に大きい4管編成となっている。
この曲からの派生作品として「ヴォツェックからの3つの断章」という曲があり、「3つの断章」を1924年に初演している。この時の指揮者はマーラーの交響曲第5番をカットして演奏し、賛否両論を巻き起こしたヘルマン・シェルヘンである。その1年後の1925年に全曲初演が行われ、この時はあのエーリヒ・クライバーが初演を指揮した。
この曲自体私は名前を結構前から耳にしていた。(大学の講義中に出てきたので)しかし、中々曲自体を聴くことがなく今日まで来ていた。ベルクのオペラ作品としてはブーレーズ指揮による「ルル」を過去に聴いたことがあるくらいだった。
ヴォツェックもいずれ聴いてみたかったのだが、どれも廃盤となっているため中々手に入れるのも一苦労だったが、今回アバドのドイツ・グラモフォン全集に収録されていて安心した。
初めてこの曲を聴いた際の印象としてはどこかリゲティの歌劇「グラン・マカーブル」に似ているものであった。
混沌と化した音楽が冒頭から始まり、ノンストップで音楽が淡々と進んでいく様子はまさに難解な現代音楽そのものである。
ただ時より姿を見せる形ある美しい和音に心が安らぎ、再びパンドラの箱が開かれたかのような怒涛の音楽が繰り広げられる。
また、ワーグナーを意識した4管編成かつ舞台上にも別の楽器隊を加えているのだが、なんというか小編成的な印象も捉えられなくはないと思う。
ドホナーニやブーレーズらの演奏を聴いていないのでまだわからないが、アバドとウィーンフィルによる演奏も非常に高水準なものでライヴ宛らの迫力となっていて常に面白い。
時期的にいうとこの後にベルリンフィルの音楽監督に就任するアバドの「序章」ともいえるだろう
。
この手の音楽は情報をしっかりと調べた上で聴かないとよくわからないまま終わってしまう。
そこが現代音楽の面白いところなのだが、こうして考えるとアバドによる指揮のもと現代音楽が演奏されていると考えるとどこか面白いなとも思えるのは気のせいだろうか?
後にベルリンフィルともリゲティやシュトックハウゼン、ノーノらの作品も録音しているし、隠れた名盤ということは間違いないだろう。
アバドのドイツ・グラモフォン全集には「ホヴァンシチナ」や「ファルスタッフ」も収録されているのでこちらもまた後日聴いていきたいと思っている。
コスパの良いアバドのドイツ・グラモフォン全集、ぜひオススメしたい曲集である。