みなさんこんにちは😃
つい先日マーラーの交響曲を500種類集め、その後交響曲第6番「悲劇的」を100種類集めた。
次はブルックナーの交響曲を集めようかなと考えている。
そんな今回ご紹介するのはブルックナーの名盤なのだが、版が多く存在するためそれによって聴こえ方が全く違う。
演奏しているのは20世紀に活躍をしたブルックナー、ワーグナーを得意としたクナッパーツブッシュとウィーンフィル。
そしてこのコンビが奏でるブルックナーといえば…?
「ハンス・クナッパーツブッシュ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」
ブルックナー作曲:
交響曲第5番(シャルク改訂版)
交響曲第5番(シャルク改訂版)といえば先日ロジェストヴェンスキーと読響がノーカットの完全版をライヴ演奏したのを当ブログでも取り上げたが、ロジェストヴェンスキーによるシャルク版の演奏を聴くまでこの版の存在は全く知らなかった。
1950年代ではシャルク版はアメリカを中心に演奏されていたらしいが徐々にその熱は終息していった模様。
そして今回のクナッパーツブッシュとウィーンフィルによるシャルク版は1956年にて録音された伝説的な演奏である。
そんなクナッパーツブッシュはシャルク版をウィーンフィル、ミュンヘンフィルの2つのオーケストラでそれぞれ録音している。
ミュンヘンフィルとのものに関しては最近UHQCDによって音質が向上して帰ってきた模様。基となったのはファンの間で有名な盤らしいがきっとそちらも素晴らしい仕上がりをみせてくれるはず。こちらは後日ご紹介しようと思う。
私自身ブルックナーの交響曲を集め始めたのもようやくのことで、まだ戦後戦中の録音には他の作曲家含めそれほど手を出していない。
故にクナッパーツブッシュの演奏もそこまで多くは所有していないのだ。
また、今回のウィーンフィルとの演奏も存在は知っていたもののシャルク版での演奏ということは全く知らなかったので購入していなかった。(購入したのはロジェストヴェンスキーと読響による演奏を聴いた後に購入。)
まず驚いたのはその音質。
タワーレコード限定のSACDハイブリッドシリーズだから期待は裏切らないのだが、正直毎度驚かされてばかりだ。
年代からしてノイズが激しいだろうという想像は消え失せるかの如く各楽器の美しい音色や弦楽器のピッツィカートなどダイナミクスレンジが幅広い。これは近年の演奏にも劣ることのないクオリティで、本当に素晴らしいと思う。
特に金管楽器の最後バンダ隊として出現する咆哮には毎度シビれるし、心からかっこいいと思えるばかりだ。
今ではすっかり聴かないシャルク版だが、この時代ではほぼ当たり前に演奏されていただけあって不慣れな演奏というわけでもなく、ブルックナーを得意としたクナッパーツブッシュによる完璧なるアプローチのもと素晴らしいものに仕上がっている。
ブルックナーの広く、奥深い世界を改めて知らされる名盤だろう。
また、世界初SACD化という点も評価高いところでタワーレコード限定版では過去に同じくウィーンフィルと演奏した交響曲第3番「ワーグナー」と4番「ロマンティック」、ワーグナーのジークフリート牧歌のセットを販売している。それが発売されたのが2015年のことで今回のSACD化は2018年。オリジナル・アナログ・マスターテープを修復した上でのマスタリングにより想像を超える音質と迫力を備えて戻ってきたのだから脱帽ものだ。
ということでマーラーの世界の次はブルックナーの世界に足を踏み入れたわけだが、おそらくこの世界からは当分抜け出すことは中々難しいだろう。
各交響曲存在する膨大な数の版。
中にはマーラーが編曲しているものもあるのでマーラー・ファンである身としては注目したいところでもある。
ひとまずは今回こうして20世紀を代表するブルックナー指揮者だったクナッパーツブッシュが演奏する現在では貴重な交響曲第5番(シャルク版)
をまだ知らない多くの人々にオススメしたい。
原点版との違いが歴然としているので好みが分かれるかもしれないがこれまでとはまた違うブルックナー像を見ることができることは間違いなのでぜひ気になった方は聴いてみてください。
4楽章ラスト2分は鳥肌ものですので…