第358回「堂々たるベートーヴェン、フリッチャイとベルリンフィルによる交響曲5番と7番」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



みなさんこんにちは😃
同じ作品でも指揮者によって解釈や表現が違う面白さが楽しめる。
「そういう演奏をより多く堪能してみたい。」
という考えのもと私はマーラーの交響曲を集めている。
その考えが私の中で拡大していて、ベートーヴェンやブルックナーなど他の作曲家の作品も複数所持する様になってきている。
その分金も浪費するのだが充実したクラシック音楽を堪能できるので満足している。
今回はご紹介するのはベートーヴェンの交響曲。
ここのところ購入する頻度が高いためブログに書くのもベートーヴェンの作品が頻繁に取り上げられる様になっているのだが、アニバーサリー・イヤーだしその点はご愛嬌ということで。
これからベートーヴェンを聴こうとしている方々へ軽く参考にしていただければ幸いです。
演奏しているのはフェレンツ・フリッチャイとベルリンフィル。
曲目としては交響曲第5番「運命」と交響曲第7番
の有名な2曲だ。


「フェレンツ・フリッチャイ指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」


ベートーヴェン作曲:
交響曲第5番「運命」、交響曲第7番



交響曲第5番と7番というまさに王道の組み合わせ。
同曲の名盤であるカルロス・クライバーも同じ2曲を一つのCDに収録している。
「運命」という標題で有名な交響曲第5番。
冒頭の有名な動機に始まり1楽章の中で重要な役割を果たす。
クラシック音楽の中で最も有名な作品ではあるものの「運命」という標題を使っているのは日本くらい。「運命の扉を叩く」というところから当初は取り「運命」という標題としていた説があるが今では信憑性の問題などを考慮してほとんどの国々では「運命」とは呼ばなくなった。(当ブログではベト5という形で表記する。)

まず今回のフリッチャイとベルリンフィルによるベト5は両者にとっても最後のセッション録音となった曲。
これまで数多くのベト5を聴いてきましたが、これほどまでしっかりとした足取りで、なおかつ重厚感と奥域のある響きで演奏されているものは聴いたことがない。
最近発売されたヤノフスキが似た形ではあるが、演奏しているのがベルリンフィルだからだろうか全体的なテンポは遅いとしてもその臨場感と迫力においてはこのベト5の方が圧倒的に上である。
冒頭の有名な動機でさえ非常に長く感じられるし、3楽章から4楽章へ移り変わる瞬間への勝利のファンファーレに関してもフリッチャイが全ての力を振り絞っているのがよくわかる。
まさに豪快な演奏。しかし第九の時に見せたバランスの良さなどはやや失われている点が少々残念なところ。
とは言ってもベト5の中でもズバ抜けて名を残す名盤ということには変わりない。

もう一つの交響曲である第7番。
大分前ではあるがのだめカンタービレで1楽章の第1主題が使われており、一時期ブームを巻き起こした。
ベートーヴェンの数ある交響曲の中でもポップで親しみやすい曲でわあるのだが、同時に4楽章の疾走感においては数ある難曲の中に入れられるほどの代物。繰り返しも含めると42分くらいだが、かのカラヤンが35分を切る演奏をするなど演奏の仕方によっては時間にも大きい変化がある作品。

今回のフリッチャイの演奏に関して疾走感はないものの先のベト5の1年前に録音された演奏。
重さが増しているため別の曲にも聴こえなくないのだが、たまに垣間見える軽さも含めた時の推進力は同曲の演奏には見られない良さが秘められている。
豪快な演奏でもあると同時に圧倒的な部分も見られるのでフリッチャイ自身の力に関しては衰えていないことを確認することができる名盤。

今回世界初のSACD化されたことによる結果は非常に良いものであり、これに似た演奏を探したとしても中々見つけることはできないだろう。
時期的にはクリュイタンスやカラヤンが全集を制作する中で録音されているものなので、聴き比べを行うことができる。
クリュイタンスの全集やカラヤンの全集もSACD化されているのでより良い音質で3人の指揮者によるそれぞれの解釈を一つの同じオーケストラであるベルリンフィルのもと楽しむことができる。
まさにこれは至福の時と言っても過言ではないだろう。
最近購入したベートーヴェン交響曲全集の話をするとシューリヒトとカラヤンの全集、そして1966年に来日された際東京文化会館にてライヴ録音された全集、ケンペの新リマスター版、バーンスタインの全集などたくさん購入した。
それらも聴いていけるのが非常に楽しみなところだ。