第327回「重い!重厚感たっぷりのクレンペラーによるブルックナー4〜9番!!」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



みなさんこんにちは😃
本日は年末に購入したブルックナー交響曲集の中からご紹介したいと思います。
とはいえまだ今回のものは一部でありブルックナー関連で購入したものは他にもいくつもあるのです…
まずはクレンペラーとニュー・フィルハーモニア管、フィルハーモニア管が演奏した選集をご紹介します。
曲目は交響曲第4番「ロマンティック」、5番、6番、7番、8番、9番の計6曲です。
どうせならば1〜3番までの交響曲も録音していればよかったのですが、そのようなことを忘れさせてくれるような数あるブルックナー作品の演奏の中でも屈指の名盤となっています。


「オットー・クレンペラー指揮/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団」


ブルックナー作曲:
交響曲第4番「ロマンティック」、5番、6番、7番、8番、9番



このコンビで思い出されるのは非常にクオリティの良い音質、演奏が聴ける点と…
そのテンポの遅さです。
マーラーの交響曲第7番「夜の歌」は特に他の演奏と比較しても大分遅かったのを覚えています。
実際問題今回のブルックナーもその延長線上にあると考えても良いでしょう。
交響曲第6番以外が世界初SACDとなっている今回は以前ご紹介した
ワーグナー管弦楽作品集
と同時に最発売されたもの。
どちらの演奏も心惹かれるものが多いです。

作曲家として指揮者として活躍の場を広げていたクレンペラー。
モーツァルト、ベートーヴェン、マーラーは現代においても名盤として名を馳せているものが多か存在します。
しかし、意外にもクレンペラーのブルックナーはあまり認知されていない印象。
演奏史においては長い間ブルックナーを演奏していますが、EMIの本国であるイギリスでのブルックナーの人気もそこまで大きくなく当初の予定では4番「ロマンティック」と7番以外の録音は認められなかったとのこと。
結果としてクレンペラーの強い意志の通りになりましたが最初に録音した7番が1960年に対し、最後の9番を録音し終えたのが1970年。今回の6曲を録音し終えるのに約10年ほどかかっています。

全体として先に紹介したマーラー、ワーグナー、モーツァルトの演奏と同じように音質は非常によくノイズもほとんど感じられないくらいのクリア感でありその点はさすが旧EMIと拍手したいです。
演奏スタイルに関しては4〜9番まで一貫してテンポは重く壮大なスケールで描かれています。
同時にダイナミックレンジも幅広くとられており、最初から最後まで濃厚なブルックナーの世界を楽しむことができるので充分なくらいに満足できます。
正直ここまで芯が太い演奏は中々巡り合えない気がしますね。
音にブレがないので。
生き生きとした音ではありませんが全てを超越し、理解した上で得られる「得」というのが演奏から感じられます。

年末に立て続けに発売された数々のブルックナーの名盤。
朝比奈隆のブルックナーや交響曲全曲のピアノ版やワルターのブルックナーなどなど他にも多く存在しますのが今回のクレンペラーが演奏したブルックナー作品は間違いなくその中の筆頭になるはず。
今までクレンペラーが演奏するブルックナー作品の認知度は低かったかもしれませんが、今回のSACDによる再販できっと人気を博することは間違いないでしょう。
定番の名盤を聴くのも良いですが、今回のような演奏を聴くとまた一つ違った感性を得ることができるので楽しみが増しますね。