第73回「太刀打ち不可能!メータとロサンゼルスフィルのマーラー3番!」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。


みなさんおはようございます☀
1970年代。それは世界的にマーラーの交響曲がブームになっていた時期で世界初の交響曲全集を完成させたアブラヴァネルとユタ響を筆頭にバーンスタイン、アバド、ショルティや小澤征爾など名だたる名指揮者たちが挙ってマーラーの交響曲を演奏した時代です。
今回取り上げるのはその中でも熱演多いマーラー指揮者である「ズービン・メータ」とロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団によるマーラー交響曲第3番をご紹介します。

「ズービン・メータ指揮/ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団」

マーラー作曲:交響曲第3番


メータのマーラーで特に有名なのはウィーンフィルとの2番「復活」です。同時期にバーンスタインも録音していますがそちらよりも白熱させてくれる復活を聴くことができ今でも名高い名盤とされています。
本作は1978年に録音されたもので、演奏したオーケストラとしてはメータと非常に相性の良いロサンゼルスフィル。

このコンビとして名盤が上がるのは「惑星」、「スターウォーズ組曲」、「春の祭典」、「ツァラトゥストラはかく語りき」など挙げたら途方も無いくらいの名盤、熱演の数々でありこよ時期のメータとしては言ってしまうと全盛期と言っても過言ではないかと思います。
今は当時と全く違う表現をしていますが、この時のメータはもう熱い、とにかく熱い演奏表現の数々です。
しかしその中でもキレがある楽器群と瞬時に判断できる音楽的センスも兼ね備えたメータが思い浮かべたマーラーがここにあります。

マーラーの3番と言えばバーンスタインやブーレーズ、ホーレンシュタイン、ベルティーニなどのものが有名で今回のメータの3番に関してはどちらかというとマニアしか知らない印象があり、ディスクも1枚目はSACDハイブリッド仕様、2枚目は通常CD仕様と面白いものになっています。
しかしそれでいても音質と演奏はとても素晴らしい。
演奏自体の響きは非常に煌びやかで暗さを感じることがほとんどないです。
マーラーといえば暗く重たい印象を受けがちですがこのロサンゼルスフィルとの録音は全く違い、プラスマイナスの差はあれど暗いと感じてしまいがちの部分がそこまで深くない。
春祭や惑星を吹き上げたレベルの高い管楽器群も注目でき、無駄な力みもなく透き通った風のように溶け込まれるサウンドに新しいマーラー像を確認できます。

ウィーンフィルとの復活は非常にエネルギッシュであった演奏に対して3番は落ち着きがあるため聴いていて長さを気にすることもなく最後まで聴くことができます。そもそもこの曲自体90分を超える交響曲としては非常に長い部類に当たる曲で1楽章に関してはギネス記録に乗るほど長く、その長さ約35分。のちの6番や9番も長いですがそれらよりも明るさがあり比較的聴きやすいかなと思われます。まぁそれでいても長いんですが…

ベートーヴェンで言うところの田園に当たるこの曲。それを理解するのにはこのCDは必ずと言って良いくらい通るべきかと思います。
しかしCDも7000円代で破格であり中々売っている場所が限られているためタワーレコードではまず手に入れられません。
それでも手に入れるのが一つの礼儀かと考えています。
ディスクユニオンではよく見かけるので置いてあったらぜひ一度手に取っていただき聴いていただきたいです。
ちなみに下のURLにあるのはレコード盤となっていますが、音質に関しては申し分ないかと思います。
ただCDではないのでご注意を。