クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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こちらはクラシック音楽のCDの名盤をレビューするブログです!
年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。


尚美学園大学/芸術情報学部/音楽表現学科/音楽メディアコース卒業、トランペット、作曲、編曲、DTM


 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、スザンナ・マルッキ&ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団によるバルトークのバレエ音楽「かかし王子」、バレエ組曲「中国の不思議な役人」です。バルトークが創り上げたバレエ音楽の世界を高音質盤で聴くことができるのは当盤しかないでしょう。


「スザンナ・マルッキ指揮/ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団」

バルトーク作曲:
バレエ音楽「かかし王子」作品13

バレエ組曲「中国の不思議な役人」作品19



 バルトークを知るきっかけとなったのはいうまでもなく、今回収録されている「中国の不思議な役人」である。高校1年時に吹奏楽コンクール自由曲で演奏することとなり、このグロテスクであり強烈な世界観に衝撃を受け、以降毎年一度は必ず聴いていると言っても過言ではないくらいに好きな作品となった。今回のジャケット、作中において役人が青みがかった緑色に輝いた瞬間の姿と、死ぬ瞬間に血を流した姿を連想させる。


・バルトーク:バレエ音楽「かかし王子」

録音:2017年5月

 ドビュッシーやリヒャルト・シュトラウス、ワーグナーなどの影響を受けているとの記述を見たが、確かにその片鱗を演奏から通して楽しむことができたと考えることのできる世界観だった。幻想的であり、ユーモアたっぷりの演奏で時よりストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」や「火の鳥」を思い出させるような音色、響きを聴くことができ、この後に収録されている「中国の不思議な役人」をより聴きやすくしたような印象も受けなくはない。テンポの緩急からなるダイナミクス変化も明確であり、細部まで細かく聴き込むことができるようになっている分非常に面白い。今回「かかし王子」に関しては初めて聴いたが、最初から最後まで余すことなく楽しめるユーモアたっぷりな演奏だったのは間違いない。


・バルトーク:バレエ組曲「中国の不思議な役人」

録音:2018年2月

 組曲版よりも全曲版を好んで聴く私だが、今回の演奏には思わず度肝を抜かされた。テンポの緩急は激しく展開されており、非常に躍動感ある演奏である。弦楽器のストイックな音色、響きからなる強烈なサウンドはさながら「春の祭典」を連想させるような破壊的なサウンドである。ダイナミック・レンジの幅広さが功を奏する形となっていることによって、これまでに聴いたことがないようなほどに細部まで細かく聴き込むことができるようになっているのは非常に素晴らしいポイントと言える。特に終結部におけるテンポの加速は、これまでに聴いたことがないほどの瞬発力であり、鳥肌が立つくらいに度肝を抜かされた。


 個人的な話、「中国の不思議な役人」を知ったのは組曲版がきっかけであるが、今はほとんど全曲版を聴くことが多い。そのため、組曲版における個人的な決定盤を決めかねていたのだが、今回の演奏が一番しっかりときた。この躍動感と強烈なインパクトを感じるグロテスクな演奏、一度ぜひ聴いていただきたい。そして、「かかし王子」に関しても、初めて聴いたが、面白い世界観と「中国の不思議な役人」と比べても聴きやすい作品であったことは間違いないだろう。


https://tower.jp/item/4875738











 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ジャナンドレア・ノセダ&ワシントン・ナショナル交響楽団によるマーラーの交響曲第7番「夜の歌」です。ノセダはすでに他のオーケストラとも何種類かマーラーの交響曲録音を残していますが、両者によるマーラー第一弾として12月に発売されるのが当盤です。今回はストリーミング配信限定で先行リリースされたので、Apple Music Classicalで聴くことのできるDolby Atoms/ハイレゾロスレスの高音質フォーマットから取り上げていきます。


「ジャナンドレア・ノセダ指揮/ワシントン・ナショナル交響楽団」

マーラー作曲:
交響曲第7番 ホ短調「夜の歌」



 ノセダ&ワシントン・ナショナル響とのマーラー交響曲シリーズ第一弾として発売された交響曲第7番、ノセダはすでにトリノ王立歌劇場管弦楽団と交響曲第2番、第9番を、BBCフィルハーモニックと交響曲第1番、第10番のCDを発売している。2017年からワシントン・ナショナル交響楽団の音楽監督を務めているノセダ、これまでに聴いたことがないような「夜の歌」を聴くことができるのは間違いありません。


・マーラー:交響曲第7番「夜の歌」

録音:2024年5月27日〜6月2日

 チクルスをこの交響曲第7番「夜の歌」から始めるというのも個性的であるが、演奏も非常に個性的な世界観からなる音色と響きによる演奏となっていた。SACDハイブリッド盤が発売されるのは12月とまだ先の話ではあるが、Dolby Atmos/ハイレゾロスレスの高音質フォーマットからなダイナミック・レンジの幅広さによって細部まで細かく聴き込めるのと、よりダイナミックな演奏を聴くことができるようになっている。


 全楽章共通してやや重めの重心低めからなる演奏が展開されているが、未だかつてこれほどに生き生きとした「夜の歌」があったか?と思わず感じてしまう。特に第5楽章における目まぐるしくテンポが変化していく緩急の中で、個々の楽器が自由過ぎてもバランスが良い。この時点でこのマーラーが新時代における名盤であることは十二分に理解できた。SACDハイブリッド盤の発売が待ち遠しい。


 さて、12月に発売される予定のSACDハイブリッド盤で聴くことのできるノセダ&ワシントン・ナショナル響によるマーラーシリーズ。今回は第7番「夜の歌」だったが、これまでにイメージしてきた世界観とはまた違う面白さを味わうことができた名盤であることは間違いないだろう。今回はストリーミング配信での試聴だったが、はやくCDで聴きたいものだ。


https://tower.jp/item/7225795











 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、朝比奈隆&大阪フィルハーモニー交響楽団によるマーラーの交響曲第2番「復活」、第3番、交響曲「大地の歌」です。キャニオンクラシックス原盤による朝比奈隆のマーラー3種類がSACDハイブリッド仕様となって復刻されました。世界初SACD化であり、限定600セットという非常に素晴らしい朝比奈隆のマーラー、目が離せません。


「朝比奈隆指揮/大阪フィルハーモニー交響楽団」

マーラー作曲:
交響曲第2番 ハ短調「復活」

交響曲第3番 ニ短調

交響曲「大地の歌」



 朝比奈隆はマーラーの交響曲を全曲とまではいかなかったが複数録音を残している。今回取り上げる交響曲以外には第4番、第6番、第7番、第8番、第9番が発売されている。いずれも復刻されないため、正直後から手に入れるのが少々難しくなってしまっているが、今回こうしてキャニオンクラシックス原盤による名盤がSACDハイブリッド仕様の高音質盤となって復刻してくれたのは非常に嬉しい。


・マーラー:交響曲第2番「復活」

録音:1995年7月23日(ライヴ)

 ダイナミック・レンジの幅広さによって長大なるスケールをたっぷりと味わえるようになっている「復活」。非常に骨太で豪快な印象を受けるアプローチからなる演奏となっており、特に金管楽器による勢いの良さが功を奏している。もちろん弦楽器や木管楽器による軽やかで柔軟性の高いサウンドも素晴らしく、第2楽章では特に余すことなく楽しめるようになっていると言えるだろう。そして、第5楽章後半から加わる合唱とオーケストラの一体感。まさに神秘的で息を呑む美しさが体感できるようになっているので、これも2025年最新マスタリングによるダイナミック・レンジの幅広さと音質工場による賜物であると言える。


井岡潤子(ソプラノ)

竹本節子(メゾ・ソプラノ)

武蔵野合唱団



・マーラー:交響曲第3番

録音:1995年9月17日(ライヴ)

 第1楽章は特に金管楽器の存在感が凄まじいものの、それ以降の楽章に関しては弦楽器や木管楽器による濃厚な音色と響きからなる美しいサウンドを味わうことができるようになっている。まさに息を呑む感動の連続。ブルックナーやベートーヴェンでは得られないような両者の息ぴったりとしたマーラー演奏を、余すことなく2025年最新マスタリングからなるダイナミック・レンジの幅広さによってたっぷりと隅々まで味わうことができるようになっている。最後まで聴き終えた時、やはり感じるのは金管楽器が骨太であり、一音一音に大きな迫力が感じられる演奏であるということ。過去にここまで存在感を発揮した大阪フィルによる演奏は聴いたことがないようにも思える。これは聴きどころ満載である。


永井和子(アルト)

大阪すみよし少年少女合唱団



・マーラー:交響曲「大地の歌」

録音:1995年11月11日(ライヴ)

 交響曲第2番「復活」、第3番とはまた違う美しさが展開されている「大地の歌」。分厚いスケールからなる演奏となっており、その状態でアルトとテノールが存在感たっぷりに演奏をしている。各楽章ごとに特徴的な音色とサウンドを奏でており、ダイナミック・レンジの幅広さが増していることによって一音一音非常に濃厚な演奏を聴くことができるようになった。特に第6楽章における溜めと共に演奏される魅力たっぷりな演奏には思わず聴いているだけでもうっとりしてしまうだろう。



伊藤直子(アルト)

林誠(テノール)



 今回は比較的に合唱や歌手とオーケストラによるマーラーの交響曲録音が中心だったが、今後他の交響曲録音もぜひ復刻してほしい。あわよくばSACDハイブリッド盤で発売されるとなお嬉しい。朝比奈隆の復刻SACDハイブリッド盤でいえば、まだ最晩年のベートーヴェン交響曲全集を聴けていないので、誕生日までには取り上げたいと思っている。


https://tower.jp/item/6829081









 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、アンドレス・オロスコ=エストラーダ&フランクフルト放送交響楽団によるリヒャルト・シュトラウスの楽劇「サロメ」です。両者によるリヒャルト・シュトラウス第二弾として発売されたSACDハイブリッド仕様の高音質盤による「サロメ」、これは聴きものであることは間違いないでしょう。


「アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮/フランクフルト放送交響楽団」

リヒャルト・シュトラウス作曲:
楽劇「サロメ」作品54



 オロスコ=エストラーダによる録音もほとんど聴き終えており、その中でも特に衝撃的に思えたのがこの「サロメ」だったかもしれない。まず高音質盤であるということ、ライヴであることが功を奏したことによって、これまでに聴いたことがないような「サロメ」の世界観を楽しむことができたと言える。


・リヒャルト・シュトラウス:楽劇「サロメ」

録音:2016年9月10日(ライヴ)

 非常に繊細かつ、研ぎ澄まされたかのような感覚を味わえる場面が多い印象を受ける「サロメ」だ。各配役における存在感というのも非常にある重みを体感できるようになっているのは間違いなく、テンポの緩急からなるダイナミクス変化は特に息を呑むような美しさが味わえる。有名な「サロメの7つのヴェールの踊り」における演奏は過去にここまで色っぽく、魅了するかのような音色と響きによる演奏があったか?と思わず考えてしまうかのような濃厚さには驚かされた。それ以外の場面でもたっぷりと歌い上げる瞬間は幾度もあるので、一度聴き終えた後の満腹感は凄まじいかもしれないが、大きな満足感は間違いなくある素晴らしい名盤である。



・サロメ:エミリー・マギー(ソプラノ)

・ヘロデ:ペーター・ブロンダー(テノール)

・ヘロディアス:ミヒャエラ・シュースター(メゾ・ソプラノ)

・ヨハナーン:ヴォルフガング・コッホ(バリトン)

・ナラボート:ベンジャミン・ブルンス(テノール)

・ヘロディアスの小姓:クラウデ・アイヒェンベルガー(アルト)



 「サロメ」は一度でいいから演奏してみたい、聴いてみたい作品。今回のライヴ録音は聴いている際に目を閉じるだけでその世界観が広がるかのような素晴らしい演奏となっていた。さて、両者によるリヒャルト・シュトラウス作品の録音も残すところ第一弾のみとなった。このまま流れにのって取り上げたいと考えている。オロスコ=エストラーダ&フランクフルト放送響によるリヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」、「マクベス」も「サロメ」以上の衝撃があることを期待したいと思う。


https://tower.jp/item/4644581












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、アントン・ナヌート&リュブリャナ放送交響楽団によるブルックナーの交響曲第8番です。マーラーの交響曲録音がここまでにUHQCDなどで発売されてきましたが、ここでまさかのブルックナーが復刻しました。まだマーラーの交響曲第9番を聴き終えていませんが、どのような演奏となっているのかも含めて気になるので、今回まず先にナヌートによるブルックナーを取り上げていきます。


「アントン・ナヌート指揮/リュブリャナ放送交響楽団」

ブルックナー作曲:
交響曲第8番 ハ短調(ノーヴァク版)



 ユーゴスラヴィア、スロヴェニアを代表とする指揮者であるアントン・ナヌート、調べてみると意外とCDが残されていた。ベートーヴェンやブラームスなどの名前もあるが、個人的に注目してしまうのはやはりマーラーの交響曲録音。全集ではないが、比較的多くの録音を残しているので、今後復刻されるのか?と期待しながら待ち続けている。ブルックナーの交響曲は第7番も録音されているようなので、これに関してはまた後日聴いてみたいと思う。Apple Music Classicalにて大量に見つけたので、中々手に入れづらいCDなだけあってこれはありがたい。


・ブルックナー:交響曲第8番

録音:1988年

 マーラーとは対照的に、意外とスケール感や響きからなる演奏ではなく、近年増えつつあるシャープでコンパクトめなブルックナー演奏となっている。そのため、多少筋肉質的な印象を受けなくもないが、テンポの緩急を含めて豪快なブルックナーを聴きたい時にはぴったりと言えるかもしれない。また、UHQCD × MQA-CDによる高音質盤となっていることもあって音質は非常に良い。それによる音のメリハリや点と線がわかりやすくなっているのはこの盤だからこそであると言っても良い。全体的にうまくバランスのとられた非常に良いブルックナーの交響曲第8番を楽しめた。


 アントン・ナヌートのブルックナー、マーラーと現在聴いているが、今後他の録音が復刻されるかどうか。「ATS」は過去のライヴ録音を中心としてUHQCDの高音質盤で復刻しているので、全てが復刻されるわけではないだろうが、マーラーの交響曲だけでも聴きたいと思っているので、今後続いていってほしい。ひとまず、近いうちにマーラーの交響曲第9番を取り上げる予定だ。


https://tower.jp/item/6953148











 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、アントニオ・パッパーノ&ロンドン交響楽団によるヴォーン・ウィリアムズの交響曲第5番、第9番です。両者によるヴォーン・ウィリアムズ交響曲チクルス第二弾として10月下旬にリリースされるSACDハイブリッド盤が、Apple Music Classicalではストリーミング配信の先行リリースされていたので、今回はそちらを取り上げます。Dolby Atmos/ハイレゾロスレスによる高音質フォーマットで聴くことのできるパッパーノによる新しいヴォーン・ウィリアムズの世界はどのようなものとなっているのでしょうか?


「アントニオ・パッパーノ指揮/ロンドン交響楽団」

ヴォーン・ウィリアムズ作曲:
交響曲第5番 ニ長調

交響曲第9番 ホ短調



 パッパーノ&ロンドン響によるヴォーン・ウィリアムズ交響曲チクルス第二弾として発売される交響曲第5番、第9番。第一弾は交響曲第4番、第6番だった。まだ第一弾に関しては聴くことができていないので、近いうちにこれは聴きたいと思う。普段あまり聴かないヴォーン・ウィリアムズ作品だからこそ、今後スタンダード的な立ち位置になりうる最新録音と言えるだろう。


・ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番

録音:2024年4月17日(ライヴ)

 パワー型ではなく、伸びやかなサウンドからなる美しさ溢れるスケールとたっぷりと歌い上げる弦楽器群のまとまりの良さが非常に素晴らしい演奏となっている。普段あまりこの曲を聴かないからこそ得ることのできる感動があると思える凄みが演奏からは感じ取ることができ、Dolby Atmos/ハイレゾロスレスとなっていることによるダイナミック・レンジの幅広さ、高音質盤による透明度の高さが曲と見事に良い愛称として演奏を聴くことができるようになっている。木管楽器の音色における深みのある音には特に注目しながら聴いていただきたい。


・ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第9番

録音:2024年12月15日(ライヴ)

 映画音楽が始まったかのようなスケール感、各楽章ごとに聴くことができるテンポの緩急からなるメリハリの良さと、細かいダイナミクス変化には驚かされる。特に第3楽章は面白い。細部まで細かく聴き込めるようになっている高音質からなる音源だからこそ楽しめると言える。パッパーノとロンドン響の息もぴったりとなっており、金管楽器群が咆哮したとしても弦楽器や木管楽器とのバランスが崩れないのはさすがである。


 ヴォーン・ウィリアムズ交響曲を聴いたのは、サー・エイドリアン・ボールトによる全集以来となるので、大分久しぶりである。そして、想像していた以上に楽しめたのは言うまでもない。この流れで第一弾も聴きたいと思う。今後続くであろう第三弾以降も引き続き追い続けていきたい。


https://tower.jp/item/6945339











 みなさんこんにちは😃さて、早いもので10月になりました。今年も残すところ3ヶ月、残りも楽しみながら音楽を聴いていきましょう。そんな本日ご紹介していくのは、アンドレス・オロスコ=エストラーダ&ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団によるマーラーの交響曲第1番「巨人」です。先日からオロスコ=エストラーダの録音がちょっとしたブームになっていますが、今回ついにマーラーを取り上げていきます。月初めにマーラーを取り上げることができ、非常に幸先の良い月になりそうです。


「アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮/ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団」

マーラー作曲:
交響曲第1番 ニ長調「巨人」



 オロスコ=エストラーダによる名盤はここまでにリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」、ストラヴィンスキーの「春の祭典」や「火の鳥」を取り上げてきた。今回ついにマーラーを取り上げることができ、今非常に嬉しく思っている。月初めということあって、何かリフレッシュしたいという気持ちもあったので、このタイミングでマーラーの「巨人」を聴くことができたのはよかった。


・マーラー:交響曲第1番「巨人」

録音:2009年10月3,4日(ライヴ)

 ややゆったりとした、遅めのテンポを軸とした緩急のある演奏である。たっぷりと歌い上げるため、ゆったりとした場面やが第3楽章での濃厚さは群を抜いているが、それだけではなく「緩→急」へと向かっていく瞬間の瞬発力含めた加速からなるダイナミクス変化のエネルギー量が非常に素晴らしい。ライヴであるということもあるのだろうが、管楽器含めて弦楽器などの音色がその際輝きを一層増しているのが聴いていてよくわかる。壮大なるスケールを持って演奏が行われているので、第4楽章終結部含めた圧巻の演奏を楽しめるのは間違いない。直近で聴いた「巨人」の中でも一番の名演だった。聴き終えた時に、10月を良いスタート切れたと個人的には感じることができた。


 まだまだ個人的に熱が感じられるオロスコ=エストラーダの演奏。マーラーを聴き終えてしまったが、ワーグナーやリヒャルト・シュトラウス作品がまだ残っていると考えてみると、聴きごたえがありそうだ。オロスコ=エストラーダの名盤は今後も少しずつ取り上げていきたいと思う。ひとまずは、今回マーラーの交響曲演奏を聴くことができて良かった。


https://tower.jp/item/2716967











 みなさんこんにちは😃本日は先日映画「ひゃくえむ。」を見てきたので、そちらをレビューしていきます。先日1週間に映画を3本見るという週になりましたが、その中でも一番白熱した映画こそ「ひゃぬえむ。」だったと私は考えます。大ヒットアニメ「チ。地球の運動について」の漫画家でもある魚豊先生の原点が劇場アニメとなったとのことだったので、これは見るしかないと思い、見に行ってきました。サウンド・トラックがもう発売されていたので、そちらもセットに取り上げていきます。


〜ひゃくえむ。〜

映画「ひゃくえむ。」オリジナルサウンドトラック



 「ひゃくえむ。」は、ウェブコミック配信サイト「マガジンポケット」にて2018年11月6日〜2019年8月6日まで連載されていた。つい先日まで再放送されていた「チ。地球の運動について」と同じ漫画家魚豊先生の作品である。全5巻で、特装版は全2巻。「人生に意味を与える10秒」、「100m走という一瞬に人生を変えられる熱狂」などがキャッチコピーとなっている。

 2016年5月期マガジングランプリで佳作を受賞し、「ひゃくえむ。」の前身である「100m」を読み切りで発表。この題材となったのは2016年リオ五輪の中継。100m走のルールもわからず見ていた時に、フライングで失格になる選手がいた。その時「フライングで失格になるんだ。今の一瞬の揺らぎで、この4年間がなくなるのか?次は4年後か?もしくは、この選手にとってはこれが人生最後のオリンピックだったとしたら?」と考えたとのこと。その世界観を、その恐ろしさを描いた世界がこの「ひゃくえむ。」だったとインタビューにて述べている。

 生まれつき足の速いトガシが、現実から逃れるかのように走っていた転校生小宮と出会い、2人で100走を通して情熱を注ぐ。ライバルであり親友となる物語。小学生編、高校生編、社会人編の3本が映画では構成されている。


トガシ:松坂桃李
トガシ(小学生):種崎敦美
小宮:染谷翔太
小宮(小学生):悠木碧
仁神:笠間淳
浅草:高橋李依
椎名:田中有紀
沼野:榎木淳弥
経田:石谷春貴
森川:石橋陽彩
尾道:杉田智和
樺木:内田雄馬
財津:内山昂輝
海棠:津田健次郎


 さて、今回の演奏はシンセサイザーを含めてドラムやトランペットなど意外にも多重多様。音楽は「東京リベンジャーズ」や「呪術廻戦」、「Dr.STONE」など、数多くの人気アニメやドラマを担当した堤博明さんが担当している。そんな堤さんも演奏に参加して録音を行っている。レコーディングはブダペスト、ニューヨーク、東京の3拠点で行われており、Disc 1には全編フィルムスコアリングで制作された本編劇伴音楽を収録。Disc 2には劇伴音楽の貴重なデモver.や劇伴音楽モチーフの曲からなるエクストラver.、ワークアウトver. などを収録している。まさに、映画本編をいつでも味わえるような空気観の素晴らしいディスクとなっている。余談だが今回の演奏参加に私の大学時代の先輩の名前があった。音楽をやっていると、エンドロールで誰が演奏しているのか気になってしまうものだがその時に知った。

 9月第4週はまさに映画三昧な週だったと思う。近々でこんなに映画を見たことなど過去になかっただろう。そして、そのどれも面白かった。特に今回見に行った「ひゃくえむ。」は3本の中で一番暑くなった映画であることは間違いない。また見に行きたいアニメ映画である。それまでサウンドトラックを聴き続けていきたい。



 みなさんこんにちは😃本日9月29日は、「takt op. 運命は真紅き旋律の街を」にて登場するキャラクターであるG線上のアリアの初戦日です。G線上のアリアはその名の通り、バッハが作曲した管弦楽組曲第3番より第2楽章Airこと、「G線上のアリア」の力を宿したムジカートです。そんな今回取り上げていくのは、数ある名盤の中からカール・リヒター&ミュンヘン・バッハ管弦楽団による名盤を取り上げていきます。アリアはタクトオーパス内での推しなので、今回ギリギリまでブログを書いています。


「カール・リヒター指揮/ミュンヘン・バッハ管弦楽団」

バッハ作曲:
管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV.1068



 アリアはわかりやすくいえばメンヘラである。その綺麗で美しい容姿に、華麗であり優美な姿は誰もが見惚れてしまう。一方で、非常に非常に寂しがり屋な彼女は想いが強すぎる。我が強いこともあって、中々他のムジカートやコンダクターたちと打ち解けられていない。自分と話してくれるだけで相手のことを愛してやまない愛に飢えたムジカートである。声優は金元寿子さんが担当している。代表作は、「侵略!イカ娘」シリーズよりイカ娘役。「スマイルプリキュア!」より黄瀬やよい/キュアピース役。機動戦士Gundam GQuuuuuuXよりドゥー・ムラサメ役。


 タクトオーパスの中でも、その特徴的な性格や美しい容姿から人気が高い。サイドストーリーがアプリではできた他、アニメにも一瞬だけ出てきている。


・バッハ:管弦楽組曲第3番

録音:1960年6月、1961年6月

 1710〜1720年ごろに作曲された。明確な初演日の記載はない。同じくバッハの「ブランデンブルク協奏曲」と並ぶ管弦楽作品の一つである管弦楽組曲。BWV1066〜1069の組曲全4曲からなる。その中でも特に有名なのが管弦楽組曲第3番で、その第2楽章に当たるアリア(エール)がヴァイオリニストであるアウグスト・ウィルヘルミによって編曲された。その曲こそ、「G線上のアリア」だった。


 元々はニ長調で演奏されるアリアだが、ハ長調へと移調したことによって、ヴァイオリンの4本ある弦の中でも最低弦であるG線で演奏できることから由来とされている。ここで間違っていけないのは、G線のみで演奏をすることのみに作曲されたわけではないということである。


 今回取り上げていくのは、「G線上のアリア」ではなく管弦楽組曲第3番としての演奏をみていく。近年のオリジナル楽器での演奏とまではいかないが、また豊かな音色含めて筋肉質や固さからなる統一されたサウンドではない演奏を聴くことができる。ぜひ聴くなら管弦楽組曲第3番として聴き、その後に第1番〜第4番までを通して聴いてみると一番面白いだろうと私は考える。それによる一貫性も素晴らしい上に、テンポの緩急を含めたダイナミクス変化や個々の楽器にも注目しながら聴いてほしい。


 9月に取り上げたムジカートの初戦日は2人だけで、なおかつ月末に集中していたのであまり紹介した気にはなれなかったかもしれない。しかし、私の推しムジカートであるアリアの初戦日をこうして祝うことができたのは嬉しかった。今日はとりあえず管弦楽組曲を聴き続けたいと思う。また、10月に取り上げる初戦日のムジカートは4人いる。思えば当ブログでもムジカートの初戦日を取り上げ始めたのは約1年前であるが、今後もタクトオーパスがいつか復活してくれることを祈りながら、毎月の初戦日を祝いたいと思う。


https://tower.jp/item/6782534












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ヨーゼフ・カイルベルト&NHK交響楽団によるベートーヴェンの「コリオラン」序曲、交響曲第2番、第8番です。カイルベルトによる「N響伝説のライヴ!」シリーズで聴くことのできる貴重なCDとなっていて、廃盤となった今手に入れることは難しい代物となっています。そしてその演奏がどうなっているのか?みていきます。


「ヨーゼフ・カイルベルト指揮/NHK交響楽団」

ベートーヴェン作曲:
「コリオラン」序曲 作品62

交響曲第2番 ニ長調作品36

交響曲第8番 ヘ長調作品93



 カイルベルト&N響シリーズはブラームス交響曲第1番、ベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」をはじめとして比較的に集まってきた。先日ハイドン、ブルックナーを取り上げたが、今回は最近購入することができたベートーヴェンの「コリオラン」序曲と交響曲第2番、第8番を取り上げていく。


・ベートーヴェン:「コリオラン」序曲

録音:1968年4月30日(ライヴ)

 常に音割れしているのが気になる。特に盛り上がった際の演奏ではパリパリとした音割れやノイズが気になる。しかし、これはイヤホンなどで聴いた場合で、スピーカーを倒すとそこまで気にならなくなるのだから不思議である。突き進んでいくかのような音のメリハリもありながら、非常に美しい音色、響きが功を奏する演奏となっている。ややアタックが強めに感じるかもしれないが、「コリオラン」はこれくらいが良いのである。


・ベートーヴェン:交響曲第2番

録音:1968年4月30日(ライヴ)

 「コリオラン」同様に、高音域を伴う楽器が演奏された時同じようにパリパリとした音割れがあるのが正直残念である。それを除けば分厚い低弦やスケールを感じ取ることのできるような弦楽器が軸とされた魅力あるライヴとなっているので、聴きごたえがある。豊かな音色と響きは非常に透き通るかのようなサウンドをしており、特に木管楽器と弦楽器の相性は良い。N響全体が奏でるサウンドにはどこか重量感と、安定感のある重心含めた演奏を楽しめるのが非常に素晴らしいといえるだろう。


・ベートーヴェン:交響曲第8番

録音:1968年5月1日(ライヴ)

 今回収録されている曲目の中でも、特に勢いの良い演奏だったと聴いていて感じる場面が多かった交響曲第8番。個々としての音色も素晴らしいが、群となった瞬間のインパクトは非常に分厚いスケールと音の波が作り上げられるので、圧倒される。やはり他の2曲同様にパリパリとしたノイズや雑音には気になるかもしれないが、オーケストラ全体のテンションが上がり、盛り上がった瞬間以外は通常通りに聴こえるようになっているため、その点に関しては聴きやすいと言えるかもしれない。


 「King International」が事業終了した以上、同じようなN響ライヴが今後発売されるかは正直なところわからない。そのため、中古市場にて探すことになるのだが、それも価格高騰するだろう。特にヤフオク等などでは人気の高いシリーズである「N響伝説のライヴ」シリーズはその余波を受けるはず。まだ購入できていないCDも含めて、今後も引き続き探していきたいと思う。


https://tower.jp/item/1034767