クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

こちらはクラシック音楽のCDの名盤をレビューするブログです!
年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。


尚美学園大学/芸術情報学部/音楽表現学科/音楽メディアコース卒業、トランペット、作曲、編曲、DTM


 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、アンドレ・クリュイタンス&フランス国立管弦楽団によるショスタコーヴィチの交響曲第11番「1905年」です。タワーレコード限定の「Definition SACD Series」で2025年12月26日にSACDハイブリッド仕様の高音質盤として復刻されました。この曲が初演されたのは1957年10月30日、今回の演奏はその翌年である1958年に録音されたのが当盤です。クリュイタンスによるショスタコーヴィチの交響曲第11番の録音が以前より存在しているのは知っていましたが、今回の演奏は歴史的録音としての価値も高いので、大きな期待をして良いと言えます。


「アンドレ・クリュイタンス指揮/フランス国立管弦楽団」

ショスタコーヴィチ作曲:
交響曲第11番 ト短調作品103「1905年」



 ショスタコーヴィチは1958年にパリを訪れており、クリュイタンスの指揮とショスタコーヴィチ自身のピアノ独奏で自作のピアノ協奏曲2曲を録音している。それと同時に1957年に初演された交響曲第11番「1905年」のセッション録音に立ち合った。その時の録音がこの録音である。ステレオ録音(一部モノラル)で聴くことができ、発売当初は忘れられていたが「Testament」からステレオ盤が発売されたことでその人気に拍車がかった。そして、今回タワーレコード限定のSACDハイブリッド盤となって復刻された。


・ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」

録音:1958年5月19日

 第1楽章冒頭よりノイズもあるが正直いって全く気にならない。勢いの良さも素晴らしく、各楽章ごとにテンポの緩急からなるダイナミクス変化も含めて非常にキレ味のある音色と透明度の高い豊かな音色を楽章ごとに分けて聴くことができるようになっている。楽章構成として「緩→急→緩→急」というわかりやすい形になっているのも大きなポイントで、「緩→急」におけるテンポの加速は非常に明確なアプローチからなるダイナミクス変化となっている。トランペットをはじめとする金管楽器の音色も作品にぴたりと当てはまる荒さも音色に加わっているため、第2楽章と第4楽章におけるサウンド作りの細かさには非常に驚かされる。この曲の名盤は個人的にラザレフ&日本フィルによる演奏と考えているが、クリュイタンス&フランス国立管による演奏も引けを取らない仕上がりだった。


 クリュイタンスによるショスタコーヴィチ交響曲第11番は以前よりその存在を知っており、気になっていた録音の一つだった。それをついに聴くことができて、今非常に満足している。正直今日まで何回繰り返しているかわからないくらいである。Testament盤についてはまた探してみて、あれば購入して聴き比べる意味としても聴いてみたいと思う。


https://tower.jp/item/7924074









 みなさんこんにちは😃本日1月2日は日本を代表とする指揮者秋山和慶の誕生日です。今年で生誕85年になります。昨年惜しくも1月26日に亡くなってしまいましたが、今でもその人気は劣えることはありません。今回は東京交響楽団とのブラームス交響曲第1番、ドヴォルザークの序曲「謝肉祭」を取り上げていきます。秋山先生のブラームスといえば、何種類か録音が残されているほどの十八番。今回の演奏は2009年に東京オペラシティにて行われた際のライヴとなっています。


「秋山和慶指揮/東京交響楽団」

ブラームス作曲:
交響曲第1番 ハ短調作品68

ドヴォルザーク作曲:
序曲「謝肉祭」



 秋山さんは23歳で東京交響楽団を指揮してデビューしており、音楽監督、常任指揮者として約40年以上共に活躍を残してきた。2004年には桂冠指揮者に就任している。今回は2009年に東京オペラシティ・コンサートホールで演奏した際のライヴが収録されている。


・ブラームス:交響曲第1番

録音:2009年2月7日(ライヴ)

 ダイナミック・レンジの幅広さがあるということも影響のうちと考えられるかもしれないが、残響が非常に素晴らしいまでの深みを感じることができる演奏となっている。多少強すぎるような印象も受けなくはないが、オーケストラ全体からなる音色や細部まで細かく演奏され尽くされたダイナミクス変化も含めて考えてみると今回の演奏については非常に濃厚かつ豊かな音色を軸としたブラームス演奏を聴くことができた。各楽器ごとの音色も非常に良く、特に第4楽章では透明度の高さも含めて非常に透き通った綺麗な音色を中心に演奏を聴くことができる。


・ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」

録音:2009年2月7日(ライヴ)

 ブラームス同様に残響が強いため、キレ味などよりも優美さが演奏から通して全面的に押し出されている印象が強いドヴォルザークの「謝肉祭」。テンポの緩急からなるスピーディさが功を奏する演奏ではあるが、なんといっても残響が分厚いスケールからなる演奏となっていることもあって、優美さが演奏から通して感じ取りやすくなっているのがよくわかる。第4楽章終盤の急な加速に関しては度肝を抜かされる印象である。


 秋山さんによるブラームスは聴いているだけでどこか安心感を覚える録音が多い。今回収録された東響とのライヴもそうだった。ストリーミング配信限定で聴くことができる録音もあるようなので、後日それらの録音についても取り上げられたらと考えている。


https://tower.jp/item/2578816












 新年明けましておめでとうございます🎍今年もよろしくお願いします。2026年1回目の「クラシック名盤ヒストリア」の投稿は、藤岡幸夫&東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団による伊福部昭の交響頌偈「釈迦」、貴志康一の交響曲「仏陀」です。こちらは発売と同時に話題となった代物で、待望のライヴCD化となりました。まさに新年を迎えた際に取り上げる名盤としてふさわしい演奏であることは間違いないでしょう。


「藤岡幸夫指揮/東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団」

伊福部昭作曲:
交響頌偈「釋迦」

貴志康一作曲:
交響曲「仏陀」



 藤岡幸夫&東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団による伊福部昭、貴志康一のライヴCDがついに発売された。2月にはタワーレコード渋谷店にてイベントが開催されるとのことだったが、2026年は伊福部昭没後20年という年である。「ゴジラ」などの映画音楽を聴きたいところではあるが、普段あまり演奏される機会が少ないともいえる「釋迦」と貴志康一の「仏陀」という世界観が1枚のCDで聴くことができるようになることこそ素晴らしい名盤というもの。


・伊福部昭:交響頌偈「釋迦」

録音:2025年2月14日(ライヴ)

 「カピラバスツの悉達多」、「ブダガヤの降魔」、「頌偈」の3楽章からなる合唱、オーケストラによる作品。1989年4月に初演された。バレエ音楽、映画音楽を基に再構成、作曲。今回この曲を聴くのは「伊福部昭の芸術」8 特別編以来のことである。各曲ごとに伊福部昭の特撮映画音楽で一度は聞いたことがあるような曲も収録されており、全ての人にとっても注目的な作品であることは間違いない。合唱とオーケストラによる強烈な音響、音色、歌声が展開されており、高音質盤であるということと、現代音楽とは違う幻想的な世界観が非常に魅力的な演奏となっている。普段あまり演奏されない作品だからこそ藤岡さんと東京シティ・フィルによる美しさと荘厳的が合わさった無の境地というべきか、非常に面白い演奏を楽しむことができる名盤とも言える。


・貴志康一:交響曲「仏陀」

録音:2025年2月20日(ライヴ)

 1934年に作曲されたとされ、同年11月18日に旧ベルリン・フィルハーモニーで開催された日独協会主催の演奏会で貴志康一がベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と自作自演を行った。仏陀の生涯をテーマとしており、「アジア独自の精神的土壌をありありと描写」した交響曲としている。全4楽章。マーラーのようでブルックナー、ワーグナー、リヒャルト・シュトラウスを思わせるかのような分厚いスケール感や圧倒的なオーケストレーションの凄みを味わうことができるような作品だ。録音自体これまで小松一彦さんによる録音しかなかったものの、ここで藤岡さんの録音が加わる。他の演奏はまだ聴いていないが、今回の演奏では非常に分厚いスケール感からなる濃厚なオーケストラサウンドを聴くことができ、ダイナミック・レンジの幅広さが増していることによってその長大なオーケストレーションが功を奏する形となっている。まるで一つの映画であり、非常に美しい世界観で広がっている。


 どちらの曲もこれから注目される頻度が増えそうなくらいに素晴らしい世界観であることは、聴いているだけでよくわかる。2025年12月に購入しているが、販売後タワーレコードではお取り寄せ状態になっており、それがすぐなったのも頷ける名盤となった素晴らしい仕上がりであることは間違いない。貴志康一の交響曲「仏陀」に関しては初めて聴いたが、これほどに素晴らしい作品であることは知らなかった。他の録音も探しながら、スコアを見てみたいと思った。2026年はどのような年になるだろうか。今後に期待したい。


https://tower.jp/item/7923907












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ジョナサン・ノット&東京交響楽団によるベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」です。早いもので2025年最後の投稿になります。今回取り上げていくのは、ノット&東響による毎年恒例となっていたベートーヴェンの「第九」。12月24日に発売されたばかりのSACDハイブリッド盤となっています。2020年にも発売されていますが、今回の演奏はその時と比べても比にならない凄みが感じられる名演を収録したCDとなっていました。


「ジョナサン・ノット指揮/東京交響楽団」

ベートーヴェン作曲:
交響曲第9番 ニ短調作品125「合唱付き」



 ジョナサン・ノットと東響は現在交響曲第6番&第1番、第2番&第5番、第3番&第8番という順番で「Exton」からCDを発売している。今回12月に発売されたのは、交響曲第9番で両者にとっては2種類目のCDとなる。ベートーヴェン交響曲全集も残すところ交響曲第4番&第7番のみ。発売されるとしたら来年になってしまうかもしれないが、交響曲全集が完成されるとなるとこれはマニアにとっても嬉しい。


・ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」

録音:2024年12月28,29日(ライヴ)

 第1楽章から通して快速調のテンポによって演奏が展開されていく。60:42という「第九」にしては演奏時間がかなり短い形になっているのも一つの特徴となっている。第4楽章では特に露見されているが、テンポを速めていることによるオーケストラ全体の荒さが多少目立っているようにも感じられなくはないが、ストイックで筋肉質すぎる熱量の多いサウンドではないので驚きながらも演奏を楽しむことができる。ただ、やや駆け足になっている印象にも思えなくはないので、たっぷりとした伸びやかなスケールを味わいたい演奏向きではないことに関しては先に述べておく。


 ダイナミック・レンジの幅広さもあるが弦楽器を中心として攻撃的な姿勢からなる音色が貫かれているため、豊かな音色というよりは駆け抜ける疾走感をベートーヴェンの「第九」で味わいたいという方にとってはぴったりな名盤となるのだろう。私はまだ他に発売された両者のベートーヴェン録音を聴いていないが、今回の演奏から興味を持ったので後日購入して聴いてみようと思う。


 ノット&東響による名コンビによるベートーヴェン。正直インパクトとしてはブルックナーよりもあった。聴き終えた後にここまで白熱した「第九」はいつぶりだっただろうか。バッティストーニ&東フィルによる「第九」とセットで今後も聴き続けていくであろう名盤としていきたい。2025年もいろいろなことがあったが、今年も毎日クラシック音楽の名盤を聴くことができて非常に充実した1年だった。2026年はどのような年になるのか。


https://tower.jp/item/7925976












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ヘルベルト・フォン・カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるドビュッシー、ラヴェルの管弦楽曲集です。前回1960年代に「ドイツ・グラモフォン」に録音を行った名盤を取り上げていますが、今回は「旧EMI」。SACDハイブリッド盤にもなっているので非常に高い人気を誇る名盤と言っても過言ではないでしょう。


「ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」

ドビュッシー作曲:
交響詩「海」

牧神の午後への前奏曲

ラヴェル作曲:
ボレロ



 カラヤンが複数回録音したドビュッシー、ラヴェル作品を収録している当盤。以前取り上げた1960年代の録音と比べても、カラヤンとベルリン・フィルによる絶頂期における素晴らしいフランス音楽を両者による演奏で聴くことができる。両者による「旧EMI」からの録音はどれも素晴らしい名盤ばかりだが、その中でも筆頭に入るのは間違いない。


・ドビュッシー:交響詩「海」

録音:1977年1月

 カラヤン3度目の録音。前回2回目の録音を聴いているが、その時に比べて多少シャープになり落ち着いたテンポからなる演奏を聴くことができるようになった。オーケストラとの一体感も増しており、分厚いスケールというよりはキレ味を聴くことのできる弦楽器と金管楽器が軸となった凄まじいテンポの緩急からなる演奏を聴くことができる印象だ。


・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

録音:1977年1月

 2回目の「牧神」。透き通るように美しい木管楽器、弦楽器が作り出す透明度の高い音色、響きが展開されたドビュッシー、「牧神」の世界。先ほどの「海」と比べるとテンポもゆったりとしている分、弦楽器を中心としたスケールをたっぷりと聴くことができる。フルートやクラリネットが奏でる音には芯のある明確さが演奏から感じ取られる仕上がりになっており、緩やかで美しい。


・ラヴェル:ボレロ

録音:1977年1月

 カラヤンにとって2種類目のボレロ。一体感のあるテンポ、スネアドラムの安定したリズムと細かいダイナミクス変化をベースとした演奏で、弦楽器の演奏は多少シャープな印象が見受けられる。それによって歯切れの良さも演奏から通して聴くことができるようになっている。徐々に楽器数が増えてダイナミクスと共にテンションも上がっていく中、スネアドラムの音が個人的には非常に強い印象を残した演奏だったとも感じられる。


 今年はラヴェル・アニバーサリー・イヤーということもあって、新譜から旧譜まで様々な名盤を聴くことができて非常によかった。明日で今年2025年も終わる。今年の東急ジルベスターコンサートではラヴェルの「ボレロ」が演奏されるとのことなので、こちらに関しても注目したい。


https://tower.jp/item/3582503











 みなさんこんにちは😃本日12月28日は、指揮者朝比奈隆の命日です。今年で没後24年になります。そんな本日ご紹介していくのは、朝比奈隆が2000年に行った「20世紀最後のベートーヴェン・チクルス」と題したベートーヴェン交響曲全集の完全限定盤が2021年にタワーレコード限定でSACDハイブリッド仕様の高音質盤として復刻されていました。中々取り上げるタイミングを見失っていましたが、今回ついに取り上げていきます。12枚のCDに収録された朝比奈隆&大阪フィルハーモニー交響楽団による数多くの名演をみていきましょう。


「朝比奈隆指揮/大阪フィルハーモニー交響楽団」

ベートーヴェン作曲:
交響曲第1番 ハ長調作品21
(2000年7月8日、21日、23日の3種類)

交響曲第2番 ニ長調作品36
(2000年3月10日、12日の2種類)

交響曲第3番 変ホ長調作品55「英雄」
(2000年7月8日、23日の2種類)

交響曲第4番 変ロ長調作品60
(2000年5月3日、10日の2種類)

交響曲第5番 ハ短調作品67
(2000年5月3日、10日の2種類)

交響曲第6番 ヘ長調作品68
(2000年3月10日、12日の2種類)

交響曲第7番 イ長調作品92

交響曲第8番 ヘ長調作品93

交響曲第9番 ニ短調作品125「合唱付き」
(2000年12月29日、30日の2種類)

蛍の光(スコットランド民謡)



 朝比奈隆によるベートーヴェン交響曲全集。当ブログでもこれまでに何種類か取り上げているが、その絶大なまでの人気は今でもなお健在である。今回取り上げていくのは、2021年11月26日にタワーレコードとオクタヴィアレコードとの企画で復刻されたSACDハイブリッド仕様の高音質盤である。すでに6枚組の交響曲全集として発売されていましたが、セット発売される以外にはその中に含まれていない録音があった。それを含めて完全限定盤となったのが今回取り上げていく全集である。


[Disc 1]

・ベートーヴェン:交響曲第1番

録音:2000年7月8日(ライヴ)

 弦楽器の研ぎ澄まされた音色が非常に素晴らしい演奏で、伸びやかでありながらもテンポが想像していた以上に遅くないため、比較的にパワフルなダイナミクス変化を中心として聴くことができるようになっている。2021年最新マスタリングが施されているため、ダイナミック・レンジの幅広さや深みのある響きを軸としても楽しめるようになっている。ここまで瞬発力と深みのあるサウンドも明確になった演奏は中々聴くことができないだろう。


[Disc 2]

・交響曲第1番

録音:2000年7月21日(ライヴ)

 やや8日の演奏と比べると、多少テンポに重みが加わり奥深いサウンドが加えられた印象を受ける。ダイナミック・レンジの幅広さが増しているのはわからず、ヴァイオリンをはじめとする弦楽器の迫ってくるような臨場感やオーケストラ全体のバランスの良さが非常に素晴らしい。テンポの緩急が明確になっているかと言われるとその点は8日の演奏の方が多少なりともスピーディな印象はあったかもしれない。


・交響曲第1番

録音:20007月23日(ライヴ)

 最終的に溜める場面ではしっかりと溜め、テンポの緩急も含めた瞬発力をあわせ持つ非常に素晴らしい交響曲第1番演奏として仕上がったのがよくわかる。オーケストラ全体における一体感に加えて、ダイナミック・レンジの幅広さが増していることによるスケール、各楽章ごとに明確であり明瞭さの増した透明度の高い音色からなる演奏を聴くことができる。


[Disc 3]

・交響曲第2番

録音:2000年3月10日(ライヴ)

 テンポは基本一定な落ち着きを感じさせる安定感を演奏から通して聴くことができるようになっている。極端にテンポが遅かったり、速かったりするわけではないので、まとまりあるサウンドからなる弦楽器を中心としている。楽章によっては厳格かつやや固さのあるアプローチからなる演奏のようにも聴こえなくはない。細かいダイナミクス変化には度肝を抜かされるライヴだ。


・交響曲第2番

録音:2000年3月12日(ライヴ)

 テンポの緩急もありつつ、瞬発力からなる躍動感溢れる演奏が展開されている12日のライヴ。固すぎたり筋肉質すぎていない分近年における古楽奏法の演奏に少々近いものを感じる。オーケストラ全体が奏でる音色に関してもまとまりのある豊かなサウンドを聴くことができ、ティンパニと金管楽器の音色はどちらかといえばまろやかな印象にも思えなくはない。


[Disc 4]

・交響曲第3番「英雄」

録音:2000年7月8日(ライヴ)

 ややテンポの重さからなるスケールによる長大な演奏をダイナミック・レンジの幅広さからなる演奏をもって楽しむことができる「英雄」のライヴとなっている。テンポの重さからなるゆったり感もそうだが、分厚めなスケールによる演奏を楽しむことができるのは非常に素晴らしいポイントとも言える。特に弦楽器や木管楽器がそのアプローチの強さを明確に受けている印象が強く、緩やかなテンポの緩急含めて非常に濃厚なサウンドによる素晴らしいライヴを聴くことができる。


[Disc 5]

・交響曲第3番「英雄」

録音:2000年7月23日(ライヴ)

 テンポ自体も落ち着いたゆったりとしたアプローチによる感覚となっており、伸びやかな木管楽器、弦楽器による演奏が非常に功を奏するサウンドを聞くことができるようになっている。ダイナミック・レンジの幅広さも充分にあるため、オーケストラ全体の演奏的にパワー型ではなくゆったりとした演奏となっていたとしても、分厚いスケールをセットで楽しめる名演である。


[Disc 6]

・交響曲第4番

録音:2000年5月3日(ライヴ)

 第4楽章が意外にもテンポが遅いというのが意外に感じられる交響曲第4番。優美であり、伸びやかな親しみやすい音色と響きが重視されている印象で、ダイナミック・レンジの幅広さも演奏から聞くことができるため、普段聴き慣れた俊敏さよりも拍車がかる形で壮大なる演奏を聴くことができるようになっている。ここまでたっぷりと聴くことができた交響曲第4番も中々ない気がしている。


・交響曲第4番

録音:2000年5月10日(ライヴ)

 3日のライヴと同じく、テンポの緩急が非常に緩やかな演奏となっている交響曲第4番。どっしりとした安定感からなる重心の低さをたっぷりと演奏から聴くことができる。演奏として、キレ味がある演奏ではないが、これまでに聴いたことがないほどのスケール感を味わえる演奏であることは間違いない。濃厚な朝比奈隆のベートーヴェンを聴きたい時に最適なライヴと言える。


[Disc 7]

・交響曲第5番

録音:2000年5月3日(ライヴ)

 テンポの緩急というよりも、どっしりとした重みのある分厚いスケール感をたっぷり演奏から通して聴くことができる名演である。特に第3楽章から第4楽章へと向かっていくクレッシェンドの中で軽快なファンファーレではないとしても、重量感のある分厚いサウンドをきかせた金管楽器によるファンファーレを聴くことができた際の衝撃は非常に大きなものである。


・交響曲第5番

録音:2000年5月10日(ライヴ)

 個人的には3日のライヴと比べると多少透明度の高い音色によって演奏が行われているようにも聴こえた交響曲第5番だった。ダイナミック・レンジの幅広さも壮大なるスケールによって展開されているため、伸びやかな大阪フィルの美しい音色と響きを楽しむことができた。弦楽器による演奏もしなやかで伸び伸びとした音を奏でているため、その音色をベースとした美しさをたっぷり味わえるベートーヴェン演奏となっているので、最後まで聴き入ってしまう名演だ。


[Disc 8]

・交響曲第6番「田園」

録音:2000年3月10日(ライヴ)

 一音一音における分厚いスケール感が非常に素晴らしい「田園」となっており、第5楽章が始まった時にはその伸びやかさと濃厚さに驚かされる。ダイナミック・レンジの幅広さが増していることによって、弦楽器の伸びやかで豊かな音色と響きを余すことなく堪能することができる。弦楽器と木管楽器の自然豊かで牧歌的な世界観をここまで堪能することができるのも中々ない。


[Disc 9]

・交響曲第6番「田園」

録音:2000年3月12日(ライヴ)

 緩やかであり、豊かな音色からなる演奏を聞くことができた10日と比べてみると、多少ばかりメリハリも演奏から通して聴くことができるようになった12日ライヴ。テンポの緩急が非常に濃厚な演奏で、速さが味わえるわけではない。しかし、美しさ溢れる世界観に関しては演奏を通して聴くことができる。木管楽器と弦楽器が奏でる調和的な美しい音色による演奏を余すことなく楽しむことができる。


[Disc 10]

・交響曲第7番

録音:2000年9月24日(ライヴ)

 ダイナミック・レンジの幅広さからなる分厚いスケールが展開されていることによって、これまでに聴いたことがないような分厚いスケールを今回の演奏で聴くことができる。この曲における新しいイメージを与えてくれたと言っても過言ではないスケール感を明確に堪能することができる演奏となっている。テンポ自体も遅すぎるわけではないので、普段から聴き慣れた推進力溢れる演奏も含めて熱狂的な交響曲第7番演奏と言える。演奏が終わった後のブラボーもこの点に関しては納得がいく。


・交響曲第8番

録音:2000年9月24日(ライヴ)

 やや遅めのテンポかつゆったりとした姿勢による演奏は変わらず貫かれており、第4楽章は想像していた以上にやや遅めだったので驚かされた。交響曲第7番と同日の演奏ということも関係してくるのだろうか、アプローチは近い印象である。ティンパニによる打撃も加わり、その一音一音における太めな衝撃が非常に深みある音をきかせてくれるようになっている。


[Disc 11]

・交響曲第9番「合唱付き」

録音:2000年12月29日(ライヴ)

 ダイナミック・レンジの幅広さがあることによって、優雅で伸び伸びとした美しい世界観が特徴的な演奏となっている。合唱が加わる第4楽章ではやや遅めのテンポによって演奏が行われていることで、分厚いスケールと共に緩やかな「第九」を聞くことができる。ライヴならではの臨場感も加わったことにより、古楽奏法での強固な演奏とは違うゆとりのある美しさを重視した名演を終始楽しめた。歌手の歌い方も少々こだわりがあり、個性的ながらもバランスの良さを楽しむことができる。


[Disc 12]

・交響曲第9番「合唱付き」

録音:2000年12月30日(ライヴ)

 ゆとりがあり、長大なスケールを含めて伸びやかな演奏による「第九」となっているのは29日の演奏と同様に思える。強いて言えばまとまりの良さやオーケストラと合唱の創り上げる世界観が非常に美しさを増しているのは聴いているだけでよくわかる。2021年最新マスタリングによるダイナミック・レンジの幅広さによって、強烈なまでのテンポの緩急を演奏から聴くことができるようになっているわけではないが、緩やかでここまでのベートーヴェンを聴いてきたことを考えれば全集の最後としてふさわしい。


 ベートーヴェンの交響曲全集で12枚のCDにまで及んだものは聴いたことがない。しかも全てSACDハイブリッド盤というのだからそれも含めて驚きだ。「第九」を聴き終えた後には「蛍の光」が収録されている。「第九」の後に収録されているため、どこか感動するものがある。朝比奈隆のベートーヴェン自体聴いたのは大分久しぶりだったので、今日までに素晴らしい名演を聴くことができて今はただ満足している。


https://tower.jp/item/5273549









 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、野平一郎&オーケストラ・ニッポニカによる「管弦楽のための協奏曲」です。当盤には3人の作曲家による管弦楽のための協奏曲が収録されています。プリングスハイム、三善晃、大栗裕という顔ぶれになっていて、特にプリングスハイムによる協奏曲は50年ぶりの演奏ということもあって注目的と言えるでしょう。


「野平一郎指揮/オーケストラ・ニッポニカ」

プリングスハイム作曲:
管弦楽のための協奏曲 ハ長調作品32

三善晃作曲:
管弦楽のための協奏曲

大栗裕作曲:
管弦楽のための協奏曲



 オーケストラ・ニッポニカは2002年に設立された団体で、正式名称が芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカ。プロやアマチュアが加わっており、これまでCDこそ少ないものの芥川也寸志作品を中心とした日本の現代作品を演奏、録音している。今回のテーマは「管弦楽のための協奏曲」。プリングスハイムの貴重な作品を聞くことができるというのが一つの特徴であるが、三善晃と大栗裕の作品も目が離せない。


・プリングスハイム:管弦楽のための協奏曲

録音:2024年12月22日

 1935年10月13日に東京音楽学校第76回定期演奏会にて自作自演で初演される。その後1974年2月6日に山田一雄&日本フィルハーモニー交響楽団によって再演されたが、楽譜の紛失などによる問題から以降演奏されることがなかった幻の作品。それが50年という時を経て蘇った。プリングスハイム自身が語る日本的な第一主題が印象的な単一楽章による作品である。演奏当時や直後の批判的な記事を多く見掛けるが、決して現代的ではない演奏ということもあって個人的には意外に感じられた。とはいえ第二主題以降の変奏ではその影も見られないので無理もないかもしれないが、バルトークや高昌帥、ルトスワフスキなどの曲と比べると明るく、ユーモア性に満ちた演奏を楽しむことができるのは間違いない。今回の演奏ではバランスの良さからなるダイナミクス変化、管楽器を筆頭とする音色、響きの良さが明瞭度の高い演奏として楽しめるようになっている。


・三善晃:管弦楽のための協奏曲

録音:2024年12月22日

 1964年オリンピック東京大会協賛「芸術展示」としてNHK委嘱によって1964年10月に作曲された。第13回尾高賞受賞作品。初演は1964年10月22日に外山雄三&NHK交響楽団による演奏で行われている。これぞ三善晃の管弦楽曲であると言わんばかりの複雑さと不協和音、細部にわたって演奏が行われる世界観ともいえる。先ほどのプリングスハイムと比べると圧倒的に世界観は真逆であることが聴いていただくとよくわかるだろうが、縦と横の関係といおうか、オーケストレーションが細部まで細かく展開されているからこそ、ここまで高音質で楽しむことができる演奏となっている。


・大栗裕:管弦楽のための協奏曲

録音:2024年12月22日

 1970年に作曲された。朝比奈隆が渡欧する際に作曲された曲で、1971年1月7日に朝比奈隆&ワイマール国立歌劇場管弦楽団の演奏で初演された。しかし、日本初演に至るまでは何方が経過してしまい、2018年7月11日に秋山和慶&大阪フィルハーモニー交響楽団による演奏が行われた。三善晃と同様に現代的ではあるが、大きく複雑性や混沌としたサウンドからなる強烈なサウンドが展開されているわけではない。どちらかといえばまだ聴きやすい面は多いとも考えられる。ダイナミック・レンジの幅広い高音質盤ということもあって、オーケストラ全体を細部まで細かく聴き込むことができるのはこの曲における明瞭さやオーケストレーションの理解にも繋がると考えて良い。プリングスハイム、三善晃の中間に属する現代的な作品という解釈もできるので、ストイックさもありつつ聴きやすい演奏だった。


 現代音楽作品寄りだったので、現代音楽作品のCDを取り上げる100回単位の回で取り上げてもよかったが今聴きたくなったため今回取り上げている。三善晃の曲については手元に「N響伝説のライヴ!尾高賞受賞作品Ⅰ」があるのでそちらでその世界観を体感している。貴重なプリングスハイムの作品も聞くことができたので非常に満足している。これは知らない人にも聴いてほしい名盤である。


https://tower.jp/item/6814244












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、アンドレ・プレヴィン&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」です。プレヴィンは「TELARC」を中心にリヒャルト・シュトラウス管弦楽作品の多くを録音しました。以前「ばらの騎士」や「サロメ」などを収録した演奏も取り上げていますが、今回はウィーン・フィルとの「アルプス交響曲」。フィラデルフィア管弦楽団との録音もありますが、まずはウィーン・フィルとの美しい演奏を取り上げていきます。


「アンドレ・プレヴィン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」

リヒャルト・シュトラウス作曲:
アルプス交響曲 作品64



 プレヴィンは「TELARC」や「旧EMI」に複数のリヒャルト・シュトラウス作品の録音を残した。今回はウィーン・フィルとの録音で、他のオーケストラとはフィラデルフィア管弦楽団とも「アルプス交響曲」を録音している。「ツァラトゥストラ」、「英雄の生涯」も録音されているが、まずはその中で一番気になった「アルプス交響曲」を取り上げていきたい。


・リヒャルト・シュトラウス:アルプス交響曲

録音:1989年11月

 リヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」といえば、名盤はカラヤン&ベルリン・フィルによる唯一の録音ということが承知のことのようになっているが、今回のプレヴィン&ウィーン・フィルによる演奏がどうだったかというと、想像していた以上の凄みを演奏から通して聴くことができたとも言える。ダイナミック・レンジの幅広さが功を奏する世界観となっており、芯のある明確な音を聴くことができるので、強烈なサウンドを奏でる金管楽器の音色による存在感が非常に素晴らしかった。壮大なるスケールとテンポの緩急からなる細かいダイナミクス変化による世界観によって、未だかつて聴いたことがないようなウィーン・フィルによる「アルプス交響曲」となっていたのは間違いない。終始気を抜くことができない度肝を抜かされる名盤である。


 カラヤンをはじめとして数多くの名指揮者たちによる録音をこれまでに聴いてきた。今回のプレヴィン&ウィーン・フィルによる「アルプス交響曲」もその中に加わる演奏であることは間違いない。それにしても何故こうもリヒャルト・シュトラウス作品は聴いていてワクワクさせられる名盤が多いのだろう。また今回の録音に関しては今後も繰り返し聴きたい。フィラデルフィア管弦楽団との演奏についてはまた後日取り上げようと思う。


https://tower.jp/item/2593967












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、今年2025年に生誕190年を迎えたフランスの作曲家サン=サーンス、今回リマスターが施されて広上淳一&NHK交響楽団によるサン=サーンス交響曲第3番「オルガン付き」、藤森亮一を迎えたチェロ協奏曲第1番が復刻されました。一部ノイズのある演奏もありますが、非常に濃厚で素晴らしいN響のサン=サーンス、楽しんでいきましょう。


「藤森亮一(チェロ)、広上淳一指揮/NHK交響楽団」

サン=サーンス作曲:
チェロ協奏曲第1番 イ短調作品33


「ギラン・ルロワ(オルガン)、広上淳一指揮/NHK交響楽団」

サン=サーンス作曲:
交響曲第3番 ハ短調作品78「オルガン付き」



 2025年に迎えたサン=サーンス生誕190年を記念してリマスターが施された復刻された当盤。復刻される前から存在は知っていたが、このタイミングで復刻されたのは嬉しい。気になる点とすれば、今回はApple Music Classicalでのロスレス音源を聴いている。どちらの曲でも一部分にノイズが入っているのが少々気になる点になるかもしれない。N響によるサン=サーンスの録音といえば、ピエール・デルヴォーとのライヴCDがある。


・サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番

録音:2007年6月7日(ライヴ)

 チェロ独奏が押し出されるかのような形で演奏を聴くことができるようになっている。その重厚的かつ重量感のある音色には聴くものをうっとりとさせるような効果があり、ノイズが第1楽章から第3楽章まで聴こえたとしても正直気にならなくさせてくれる。奥深いサウンドによる演奏であるため、空間も含めて最初から最後までチェロを余すことなく楽しめる名演とも言えるだろう。


・サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」

録音:2007年6月7日(ライヴ)

 チェロ協奏曲では終始あったノイズはなくなり、ダイナミック・レンジの幅広さをたっぷりと味わうことのできる非常に濃厚な「オルガン付き」を聴くことができる。特に第2楽章第2部のテンポは重めなアプローチからなる演奏が行われるので、オルガンとN響含めて壮大なスケールが展開される。軸の安定したサウンドと細部で細かく演奏されたダイナミクス変化があることによってオルガンだけではなくN響の演奏もセットで聴くことができるのは非常に満足である。


 今回の演奏、ノイズもあるが正直演奏が非常に素晴らしいので大きく気になるようなことはなかった。藤森さんのチェロには思わずあったらしてしまう瞬間が幾度となくあったし、「オルガン付き」で聴くことのできるオーケストラとオルガンの一体感は非常に素晴らしいものとなっていた。


https://tower.jp/item/6819879












 みなさんこんにちは😃本日12月25日はクリスマス、そして東京交響楽団と数多くの名演を残しているジョナサン・ノットの誕生日です。そんな本日ご紹介していくのはブルックナーの交響曲第8番(ノーヴァク版第1稿)です。ノット&東響といえば、「Exton」からはじめてCDを発売した際もブルックナーの交響曲第8番でした。ただ、この時はノーヴァク版第2稿。今回収録されているのは近年演奏されることが増えたノーヴァク版第1稿となっています。9年ぶりに演奏するブルックナー交響曲第8番、ノットの誕生日に取り上げていきましょう。


「ジョナサン・ノット指揮/東京交響楽団」

ブルックナー作曲:
交響曲第8番 ハ短調 WAB108(ノーヴァク版第1稿)



 ジョナサン・ノット&東京交響楽団によるブルックナー・シリーズ最新作は交響曲第8番(ノーヴァク版第1稿)。両者初のCDが同レーベルから発売された時もブルックナーの交響曲第8番だった。この時はノーヴァク版第2稿。その後、交響曲第5番、第9番、第4番、第1番、第2番、第7番とCDを発売していき、もう少しで交響曲全集完成間近となっている。


・ブルックナー:交響曲第8番(ノーヴァク版第1稿)

録音:2025年4月5日、6日(ライヴ)

 ノーヴァク版第2稿やハース版などと比べてみると、初稿に当たるノーヴァク版第1稿はまだ聴き慣れない要素が多いかもしれない。私自身インバル、ルイージ、シモーネ・ヤングと数えて4種類ほどしか聴いていないからなおさらである。第1楽章より全楽章共通して細かいオーケストレーション、旋律が違う。それが多少感じる違和感と共に調和的な東響の弦楽器、金管楽器、木管楽器が奏でる美しい音色と響きによって、濃厚な世界観で描かれている。聴き終えた時には最初に感じていた違和感はなくなり、この第1稿が自分自身の中にしっくりとくる形になる。


 ジョナサン・ノットは、2025年度末である2026年3月をもって音楽監督の任期を満了する。そのラストシーズンの始まりに演奏されたのが今回取り上げたブルックナーの交響曲第8番だった。9年ぶりに録音された交響曲第8番の演奏は、東響の良さを余すことなく味わうことができたような名盤だった。今後さらに増えていくであろうノーヴァク版第1稿の中心的な録音になるはずだ。


https://tower.jp/item/7536137