クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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こちらはクラシック音楽のCDの名盤をレビューするブログです!
年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。


尚美学園大学/芸術情報学部/音楽表現学科/音楽メディアコース卒業、トランペット、作曲、編曲、DTM


 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ヘルベルト・フォン・カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるブラームスのハンガリー舞曲集、ドヴォルザークのスラヴ舞曲集、スケルツォ・カプリチオーソです。同時期に録音された「英雄の生涯」などと並んで非常に素晴らしい名盤となっています。




「ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」


ブラームス作曲:

ハンガリー舞曲集




ドヴォルザーク作曲:

スラヴ舞曲集

スケルツォ・カプリチオーソ 変ニ長調




 カラヤン&ベルリン・フィルによる録音のほとんどをまだ聴くことができていないため、こうして少しずつ聴き始めている。思えばブラームスやドヴォルザークの交響曲はカラヤンの録音を聴いたことがあったが、管弦楽曲などはまだ聴いていないようにも感じた。今回取り上げるのはそこからである。



・ブラームス:ハンガリー舞曲集


録音:1959年9月4日


 第5番、第6番、第17番、第3番、第1番、第20番、第19番、第18番が演奏される。多少の録音の古さは否めないが、勢いの良いベルリン・フィルの弦楽器を土台としたサウンドを余すことなく楽しめるようになっているのは間違いなく、時代的な背景としてやや暗めの重厚的かつ分厚いスケールによって奏でられる演奏が非常に功を奏する形となっている。演奏されているのは全曲ではないとしても、各曲ごとにテンポの緩急からなる推進力をこの時代特有のカラヤン&ベルリン・フィルによる演奏から余すことなく聴くことができるようになっているので楽しめるのは大きい。




・ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集


録音:1959年9月


 第1番、第10番、第3番、第16番、第7番が収録されている。強靭的なベルリン・フィルのサウンドは、研ぎ澄まされた感覚とキレ味の鋭さを奏でている。各曲ごとにテンポの緩急が非常に優れた演奏となっており、この時代のベルリン・フィルとカラヤン特有のサウンドからなるアプローチが展開されているため、他の録音との共通点が垣間見えるかのようである。




・ドヴォルザーク:スケルツォ・カプリチオーソ


録音:1971年9月


 ハンガリー舞曲、スラヴ舞曲を聴いた後に聴くことができることによって、その延長線上のような世界観を聴くことができ、細かく丁寧に描かれているのがよくわかる。ここまでの曲と録音時期こそは違うかもしれないが、それらを経てこの録音があると言っても良いのでサウンドの変化も込みで楽しめるようになっている。



 カラヤンによるキレ味抜群のハンガリー舞曲集とスラヴ舞曲集。非常に素晴らしい演奏で、聴いている間は非常に豊かな心持ちとなった。今後もまだカラヤンで取り上げきれていない録音は少しずつ取り上げていこうと考えているので、また近いうちに取り上げようと思う。



https://tower.jp/item/2594103












 みなさんこんにちは😃本日2月24日は「takt op. 運命は真紅き旋律の街を」にて登場するキャラクターペール・ギュントの初戦日です。ペール・ギュントはその名前の通り、グリーグの代表作品である「ペール・ギュント」の力を宿したムジカートです。そんな本日ご紹介していくのは、クルト・マズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団による劇音楽の全曲版です。



「クルト・マズア指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団」


グリーグ作曲:

劇音楽「ペール・ギュント」




 2026年3月26日には「takt op. 運命は真紅き旋律の街を OFFICAL ARTWORKS」が発売され、いつ稼働開始になるかはわからないが、「takt op. Destiny」がパチスロとなる。4月になるとサービス終了から2年経つことになるのだが、今でもなおタクトオーパスの人気が衰えることは全くない。むしろ盛り上がりをみせている。そんな2月に初戦日を迎えるのは未実装ムジカートのペール・ギュントだけ。声優も未発表だったが、ティーブレイクなどのBGMはストリーミング配信などで聴くこともできるのでぜひ聴いてもらいたい。





・グリーグ:劇付随音楽「ペール・ギュント」

録音:1988年3月


 エドヴァルド・グリーグの代表作で、ヘンリック・イプセンの戯曲「ペール・ギュント」のために作曲された劇付随音楽。後に第1組曲と第2組曲が作られ、現在では組曲版が盛んに演奏される傾向にある。初演は1876年2月24日に舞台上演で行われた。指揮はヨハン・ヘンヌム。



 全曲版は全27曲からなり、全5幕に分けられる。内容は以下の通り。



・第1幕

1. 婚礼の場で

・花嫁の行列の通過

2. ハリング舞曲

3. 跳躍舞曲


・第2幕

4. 花嫁の略奪とイングリの嘆き

5. ペール・ギュントと山羊追いの女たち

6. ペール・ギュントと緑衣の女たち

7. ペール・ギュント「育ちの良さは馬具見りゃわかる」

8. ドヴレ山の魔王の広間にて

9. ドヴレ山の魔王の娘の踊り

10. ペール・ギュントはトロルに追い回される

11. ペール・ギュントとベイグ


・第3幕

12. オーセの死

・番号なしの曲


・第4幕

13. 朝のすがすがしさ

14. 盗賊と密売者

15. アラビアの踊り

16. アニトラの踊り

17. ペール・ギュントのセレナーデ

18. ペール・ギュントとアニトラ

19. ソルヴェイの歌

20. メムノン像の前のペール・ギュント


・第5幕

21. ペール・ギュントの帰郷、海の嵐の行方

22. 難破

23. 小屋でソルヴェイが歌っている

24. 夜の情景

25. ペンテコステの賛美歌「祝福の朝なり」

26. ソルヴェイの子守唄




 第1組曲、第2組曲の内容は以下の通り。




・第1組曲 作品46

1. 朝

2. オーセの死

3. アニトラの踊り

4. 山の魔王の宮殿にて


・第2組曲 作品55
1. イングリッドの嘆き
2. アラビアの踊り
3. ペール・ギュントの帰郷
4. ソルヴェイグの歌



 落ちぶれた豪農の息子で母のオーセと共に暮らしている夢みがちな男ペール・ギュントは、恋人だったイングリを結婚式から奪取して逃亡する。しかし、イングリに飽きてしまったペール・ギュントは彼女を捨て、たまたま出会った緑衣の娘(トロルの娘)と婚礼を行おうとする。結局直前になって逃亡した後、ペール・ギュントは純情な女ソルヴェイに出会い恋に落ちるも、緑衣の女が奇怪な孤児と共に目の前に現れる。ペール・ギュントはソルヴァイを置いて再び逃亡し、あちこち旅を淡々として年老いた状態で故郷に戻ると、ペール・ギュントは1人のボタン職人に出会った。そのボタン職人は、天国や地獄どちらかに行くような人間ではない者をボタンに溶かし込む役割を持った者だった。自分の末路がボタンになるのは嫌だとペール・ギュントはいろいろな人に証明をしてもらおうとするが、誰も証明してくれない。最後に年老いた女性に会い、彼女が証人となってくれることになったのだが、なんとその女性は…



 原作をもとにクルト・マズア&フリードヘルム・エーベルレによる台詞を追加したコンサート・バージョンを演奏している。各曲ごとの場面によって、テンポの緩急が優れた演奏となっているものの、軸としてブレることが少ない安定感からなる重心の低さが非常に良い。台詞が演奏に追加されることによって、その世界観はより一層明確なものとなり、聴きやすさも増す。合唱の美しい歌声とゲヴァントハウス管による緊迫の熱演にも注目しながら聴くのも面白いだろう。


 2月に初戦日を迎えるムジカートはペール・ギュントのみ。しかし、来る3月ではなんと7人ものムジカートたちが初戦日を控えている。今日は1日グリーグの「ペール・ギュント」を聴きながら、3月の各ムジカートでどの名盤を取り上げるかじっくり考えたいと思う。




 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、グスターボ・ヒメノ&トロント交響楽団によるバルトークのバレエ音楽「中国の不思議な役人」、管弦楽のための協奏曲、エミリー・セシル・ルベルの「the sediments」です。2月20日に発売されたばかりの新譜で、両者による録音第三弾として発売されました。メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」も素晴らしい仕上がりとなっていたので当盤も目が離せません。




「グスターボ・ヒメノ指揮/トロント交響楽団」



バルトーク作曲:

バレエ音楽「中国の不思議な役人」作品19
管弦楽のためな協奏曲



エミリー・セシル・ルベル作曲:

the sediments





 バルトークブームの最中である今日、グスターボ・ヒメノ&トロント交響楽団による第三弾録音として、バルトークの「中国の不思議な役人」、管弦楽のための協奏曲、カナダの作曲家エミリー・セシル・ルベルによるトロント交響楽団委嘱作品「the sediments」が収録されている。



・バルトーク:バレエ音楽「中国の不思議な役人」


録音:2024年11月


 テンポの緩急も明確化された狂気的かつ凶悪なサウンドが功を奏する演奏となっている。以前別の録音を聴いた時から気づいたのだが、かつてのブーレーズらによる全曲版と比べてオーケストレーションが一部違うのが指摘できる。おそらく、最近の改訂が施されたか何かになるとは考えられるが、いつもの調子で聴いていると足を掬われる感覚にあう。ただ、それも含めて現代的な要素をより強める形となるので世界観としては正解とも言える。「春の祭典」と同じく、よりオーケストラ全体が細部にわたって狂ったような音色を奏でながらも美しさ溢れる響きを奏でているのが非常に面白い。それを鮮明かつ高音質盤で楽しむことができるというのだからこの録音は名盤である。



・エミリー・セシル・ルベル:the sediments


録音:2024年11月


 トロント交響楽団委嘱作品。かつ世界初録音である。環境保護活動家レイチェル・カーソンの著作と彼女が記した地球の要素の永続的な存在に関する洞察からインスピレーションを受けた音響的な作品となっている。極めて現代的ではありながらも、難解なイメージを脱するかの如く安定したテンポとダイナミクス変化より奏でられる和音の重なりが非常に面白い。バルトークを代表とする混沌とした2曲の間に挟まれたこの曲は始まりこそ、現代曲であるが故に聴きづらいと考える人もいるかもしれないが、曲が終わる頃にはこの曲の美しさを味わうことになるだろう。



・バルトーク:管弦楽のための協奏曲


録音:2024年11月


 これまでこの曲はどこか混沌としすぎる印象が強く、何種類か演奏を聴いたとしてもどこか身構える要素が強い曲として記憶している。それが今回のヒメノ&トロント響による演奏では、第1楽章より各楽器ごとにバランスの良さと卓越されたアンサンブルの透き通る感覚が抜群に良く、美しい。レーベル特有のマスタリング効果もあるかと思うが、そうした面もあって今回の演奏に関しては今までのイメージを払拭することができたかのように楽しめた演奏であることは間違いない。第5楽章における「緩→急」へと向かうテンポの変化としても勢いの良さから迫っていく強烈さがあったとしても非常に面白い演奏である。


 ちょうどバルトークの「中国の不思議な役人」を聴きたいタイミングでこの新譜を聴くことができたので聴いている間は非常に満足だった。また、管弦楽のための協奏曲についてもイメージを払拭できるような演奏となっていたのは間違いないので、繰り返し聴く名盤となるに違いない。何より「中国の不思議な役人」に関しては後日時間がある際にスコアをじっくり見ながら演奏を聴いてみようと考えている。








 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ジャナンドレア・ノセダ&ロンドン交響楽団によるチャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」です。ショスタコーヴィチ交響曲全集を完成させたノセダによるチャイコフスキーの交響曲。今回はApple Music Classicalにて先行リリースされたハイレゾロスレスの高音質フォーマットで聴くノセダによるチャイコフスキーを取り上げていきます。




「ジャナンドレア・ノセダ指揮/ロンドン交響楽団」



チャイコフスキー作曲:


交響曲第6番 ロ短調作品74「悲愴」


ムソルグスキー作曲:

歌劇「ホヴァンシチナ」より前奏曲「モスクワ河の夜明け」




 ノセダ&ロンドン響によるチャイコフスキーの交響曲録音は、交響曲第4番と第5番をすでに録音しており、これがCD発売となれば後期三大交響曲が揃ったことになる。今回は「悲愴」とムソルグスキーの「ホヴァンシチナ」より前奏曲が収録されている。




・チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」


録音:2023年12月6〜7日


 第1楽章からダイナミック・レンジの幅広さが増しており、非常に分厚いスケールからなるダイナミクス変化を弦楽器、トロンボーンなどから聴くことができる。12:00あたりにおける圧倒的な音圧も凄まじいが、それが終わってからの弦楽器によるスケール感からなる伸びやかなサウンドは非常に効果的である。テンポの緩急からなる躍動感が非常に素晴らしく、インパクトを十二分に味わえる豪快さが演奏から通して聴くことができる。


 第2楽章では芯のある音を聴くことができながらも一音一音に関しては明確なものがあり、弦楽器にしても木管楽器にしてもバランスの取れたテンポの緩急からなる演奏を聴くことができる。牧歌的でありながらも推進力からなるテンポの速さが第2楽章からは聴くことができるようになっているので、自然な流れではあったとしても非常に聴きやすい演奏である。


 第3楽章のゴリゴリに演奏されていく弦楽器の太さからなるサウンド、金管楽器や木管楽器によるキレ味の良さが非常に功を奏する演奏となっている。ダイナミック・レンジの幅広さも含めて音が迫ってくるかのような凄みをたっぷりと味わうことができるようになっているので、演奏が進んでいくごとにテンションがどんどん上がっていくのが聴いているだけでもよくわかる。弦楽器のスケール感と共に演奏が展開され、ティンパニの打撃にも圧倒されながらオーケストラ全体の盛り上がりがよくわかる名演である。


 第4楽章では、弦楽器を演奏の軸としながらたっぷりとしたら分厚いスケールからなる濃厚な演奏を聴くことができる。しかし、それによってテンポが遅くなることはなく、より一層伸びやかに奏でられるアプローチが貫かれており、「緩→急」へと向かうテンポの緩急も含まれている。それによる盛り上がりは大きな感動を呼び起こしてくれるので、聴き手の心を掴む演奏であることは間違いない。




・ムソルグスキー:歌劇「ホヴァンシチナ」より前奏曲「モスクワ河の夜明け」


録音:2020年1月30日、2月9日


 「ホヴァンシチナ」でもよく抜粋されることの多い前奏曲。木管楽器と弦楽器による調和的な音色、透明度の高さからなる響きの良さが特に功を奏する演奏となっている。ダイナミック・レンジの幅広さが増していることによって、細部まで細かくダイナミクス変化を演奏から通して聴くことができるのも今回の演奏における特徴の一つである。



 先ほども述べたが、これでノセダ&ロンドン響によるチャイコフスキー後期三大交響曲録音が完成した。ここで気になるのは第1番〜第3番までが録音されるのかという点。SACDハイブリッド仕様の高音質盤で聴くことができるということもあって、第4番と第5番については楽しむことができたのでできれば第1番〜第3番も聴いてみたい気持ちがある。



https://classical.music.apple.com/jp/album/1858654593?l=ja-JP









 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、2月13日からApple Music Classicalにて配信開始となったN響定期公演シリーズ。今回はファビオ・ルイージの指揮、ネルソン・ゲルナーによるピアノと共にN響の演奏を聴くことができます。曲目は、スメタナの歌劇「売られた花嫁」序曲、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、12の歌よりリラの歌、ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編)です。Dolby Atomsで聴くことができるので、さらに注目度があがります。




「ファビオ・ルイージ指揮/NHK交響楽団」


スメタナ作曲:

歌劇「売られた花嫁」序曲


ムソルグスキー作曲:

組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編)




「ネルソン・ゲルパー(ピアノ)、ファビオ・ルイージ指揮/NHK交響楽団」


ラフマニノフ作曲:

ピアノ協奏曲第3番 ニ短調作品30




「ネルソン・ゲルパー(ピアノ)」


ラフマニノフ作曲:

12の歌 作品21よりリラの歌




 クラシック音楽館でも放送された第2026回定期公演での演奏。12月5日のライヴ録音である。Apple Music Classicalにて配信が始まったN響のライヴ、これからシリーズ化していくのだろうか?していくのであればCD化されていない近年におけるN響の名演は多数存在しているので、今後が楽しみで仕方がない。Dolby Atoms/ロスレスで聴くことができる。




・スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲


録音:2024年12月5日(ライヴ)


 つい先日ノイマン&N響による1978年ライヴでの同曲録音を聴いているが、今回はファビオ・ルイージ&N響による演奏を聴くことができる。オーケストラ全体にあげる音色も多彩かつキラキラとしたサウンドに変化しているのも特徴的であり、テンポの緩急が明確化されているので勢いの良さが非常に素晴らしい。弦楽器群のまとまり合った深みある音色の良さにしても非常に濃厚な演奏を聴くことができるのは時代による変化とも言えるかもしれない。




・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番


録音:2024年12月5日(ライヴ)


 ブレることのない演奏を軸としており、その中でテンポの緩急が明確かつロマンティックなアプローチが光る名演である。ネルソン・ゲルナーによる技巧も安定感があり、ルイージ&N響による伸びやかながらも美しい分厚いスケールが印象的だ。技巧としても優れた縦横無尽なピアノが功を奏する演奏であり、ライヴならではの空間的な芸術の美しさを特に第3楽章で味わうことができるようになっている。このラフマニノフは繰り返し聴きたくなる名演だ。




・ラフマニノフ:リラの歌


録音:2024年12月5日(ライヴ)


 12月5日でのアンコールとして演奏されたのが「リラの歌」だった。ピアノ協奏曲第3番を聴き終えた後だからこそ楽しめる美しさに満ち溢れた演奏となっており、広々とした奥行きや細かい溜めや揺れも含めて非常に聴きやすい演奏となっている。




・ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」


録音:2024年12月5日(ライヴ)


 たっぷりと演奏された各楽器のソロや伸びやかなオーケストラサウンドが非常に功を奏する演奏となっている。オーケストラ全体が奏でる演奏としても、バランスの良い音色と響きによってまとまりある演奏を聴くことができるようになっているので、各曲ごとに多彩な演奏を堪能することができる。Dolby Atomsで聴くことができるため、空間的な音の広がりや自身がホールにいるかのような感覚を味わえるようになっているのも今回のライヴで楽しめるポイントと言えるだろうか。



 N響の定期公演がこうしてストリーミング配信で聴くことができるようになるというのは、ファンにとっては非常に嬉しいことで、クラシック音楽館という枠組みを超えてその世界観を改めて楽しむことができる。ルイージのブルックナーやソヒエフのショスタコーヴィチなどとは別の演奏がきっとここで聴くことができるようになるのだろう。これがどのくらいの頻度で更新されていくのかも気になるし、次はどのライヴを聴くことができるようになるのか楽しみだ。



https://classical.music.apple.com/jp/album/1876295623?l=ja-JP









 みなさんこんにちは😃本日2月20日は、日本を代表とする作曲家武満徹の命日です。今年で没後30年になります。そんな本日ご紹介していくのは、1984年にNHK交響楽団の「作曲家の個展」シリーズにて演奏されたライヴです。「オリオンとプレアデス」が初演された記念すべき演奏会となっています。他にも「ノヴェンバー・ステップス」など武満徹の名作が収録されています。




武満徹作曲:



「岩城宏之指揮/NHK交響楽団」
地平線のドーリア
鳥は星形の庭に降りる


「堤剛(チェロ)、岩城宏之指揮/NHK交響楽団」
オリオンとプレアデス


「鶴田錦史(琵琶)、横山勝也(尺八)、岩城宏之指揮/NHK交響楽団」
ノヴェンバー・ステップス





 1981年から始まった「作曲家の個展」。松平頼則、黛敏郎、山田耕作ときて武満徹が4年目に演奏された。日本初演となった「オリオンとプレアデス」の他に、「ノヴェンバー・ステップス」など代表的な作品が多数収録されている。また、注目的なのは、「ノヴェンバー・ステップス」で尺八や琵琶を演奏しているのが世界初演と同じ奏者であるということ。名盤であり歴史的な録音である。




[Disc 1]

・武満徹:地平線のドーリア


録音:1984年6月13日(ライヴ)


 セルゲイ・クーセヴィツキー財団からの委嘱として1966年に作曲された。録音による初演は同年の7月に若杉弘&読売日本交響楽団によって行われ、公開初演は1967年2月にアーロン・コープランド&サンフランシスコ・ムジカ・ヴィヴァにて行われた。曲名にある「ドーリア」はドーリア旋法のことで、2群の弦楽合奏によって演奏が展開されていく。演奏が弦楽器ということもあって、その細部まで細かく演奏されるダイナミクス変化の細かさには驚かされるものがあり、不協和音ではあるが大きな苦になるような響きではないというのが面白い。岩城さんとN響による安定感のある演奏ながら明確な点と線による演奏を聴くことができるようになっているので、自由度の高い作品を楽しめるようになっている。




・ノヴェンバー・ステップス


録音:1984年6月13日(ライヴ)


 武満が作曲した琵琶と尺八のための「エクリプス」を小澤征爾がバーンスタインに聴かせたところ、非常に気に入り日本の楽器とオーケストラによる協奏曲を書いてほしいと依頼したことがきっかけで1967年に作曲された。ニューヨーク・フィルハーモニック125周年記念委嘱作品。1967年11月9日に今回もソリストとして演奏している鶴田錦史、横山勝也、小澤征爾&ニューヨーク・フィルハーモニックによる演奏で初演が行われた。この曲を聴くことによる安心感はいつになっても消えることはなく、紛うことなき武満徹作品の代表的な名作であることは間違いない。複雑ではあるが尺八と琵琶の協奏的な世界観が独特ではあるおしても、N響がオーケストラであることによって非常に素晴らしい安定感を生み出しているのは間違いない。ライヴであるということもあり、その圧倒的な臨場感には演奏を聴くだけで圧倒されてしまうのは間違いない。




[Disc 2]

・鳥は星形の庭に降りる


録音:1984年6月13日(ライヴ)


 1977年にサンフランシスコ交響楽団の委嘱によって作曲。同年11月30日に小澤征爾&ボストン交響楽団によって初演が行われた。作曲の委嘱を受けた年の春にポンピドゥー・センターで後頭部を星形に刈り上げたマルセル・デュシャンを写真家のマン・レイが撮影した写真を見た武満がそれによって喚起された夢を見た逸話がある。ベルクとの関連性を指摘されており、現代的で強烈なサウンドを聴くことができる一方で弦楽器が奏でる音色からは美しい響きを合わせて聴くことができるようになっている。曲が終わる瞬間の響きも美しい。N響による演奏では、抜群の安定感からなるテンポの緩急と弦楽器による細かいサウンド演奏を聴くことができる。




・ドリームタイム(夢の時)


録音:1984年6月13日(ライヴ)


 チェコの振付師イリ・キリアンの委嘱により、ネーデルランド・ダンス・シアターのために1981年に作曲。1982年6月27日に岩城宏之&札幌交響楽団によって初演された。曲名はアボリジニの神話「夢の時」から採られている。テンポの揺らぎからなる緩急が絶妙な演奏で、一体感あるN響の演奏も素晴らしい。指揮を岩城さんが行っていることの安定感、一音一音における細かいダイナミクス変化の演奏も含めて非常に面白い演奏となっている。




・オリオンとプレアデス(日本初演)


録音:1984年6月13日(ライヴ)


 1984年にサントリー音楽財団によって委嘱されて作曲。パリにて世界初演。今回の演奏は日本初演となっている。チェロとオーケストラのための作品で、ここまでに聴いてきた作品と比べても非常に聴きやすい印象を受ける。攻撃的な不協和音もなく、スッキリとしていて聴きやすく透明度の高さも非常に良い。ダイナミクス変化がスケールのある演奏から行われていることによって、チェロとオーケストラそれぞれにおける濃厚さと透明度の高い音色からなる演奏を聴くことができる。ライヴの臨場感も含めて収録されているので、最初から最後までたっぷりとした演奏を楽しめた。




 武満作品の名盤は手元にいくつかあるが、今日まであまり聴いてこなかったところがある。苦手意識があるのかもしれない。ただ、セッションよりもライヴ録音の方が武満作品の素晴らしさについて理解しやすい印象が深まった。武満作品についてはこれまでに聴いてこなかった分これから少しずつ取り上げていけたらと考えている。



https://tower.jp/item/2130502




 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ヴァーツラフ・ノイマン&NHK交響楽団によるスメタナの歌劇「売られた花嫁」序曲、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」、ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」、「タラス・ブーリバ」、ベートーヴェンの交響曲第1番です。先日のクラシック音楽館にて1986年ライヴのドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」第3楽章、第4楽章を見てから両者による演奏をまた聴きたくなったので、つい先日購入した1978年ライヴの録音を取り上げていきます。



「ヴァーツラフ・ノイマン指揮/NHK交響楽団」



スメタナ作曲:

歌劇「売られた花嫁」序曲



ドヴォルザーク作曲:

交響曲第9番 ホ短調作品95「新世界より」



ヤナーチェク作曲:

シンフォニエッタ


タラス・ブーリバ



ベートーヴェン作曲:

交響曲第1番 ハ長調作品21




 ノイマン&N響は共演していることが多く、当盤含めて1986年ライヴのドヴォルザーク「新世界より」やスメタナの「わが祖国」全曲などがあったりする。それらについては過去に当ブログにて取り上げているが、今回取り上げるのは比較的に古い貴重なライヴである。いずれもチェコ・フィルと共に繰り返し演奏を行ってきた名曲ばかりだ。




[Disc 1]

・スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲


録音:1978年12月1日(ライヴ)


 N響による弦楽器群のキレ味の良さとスケールの面白さを余すことなく体感できる演奏となっており、冒頭の勢いの良さも含めて圧倒されるパワーとスリルを同時に味わうことができる。テンポの緩急からなる細かいダイナミクス変化も明確であり、オーケストラ全体が一貫性のあるサウンドを奏でているため、驚異的な名演となっている。




・ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」


録音:1978年12月1日(ライヴ)


 金管楽器をはじめとしてオーケストラによるパワー不足は第1楽章より多少感じられるかもしれないが、第3楽章あたりになってくると段々温まってきたのがわかるくらいの熱量を持ってオーケストラ全体で白熱の名演を聴くことができるようになる。第4楽章になると、オーケストラ全体で奏でるサウンド自体も分厚さが増し一音一音における豊かな音色と深みあるサウンドが功を奏する形となる。後に演奏された1986年ライヴも合わせて聴き比べたいライヴだった。





[Disc 2]

・ヤナーチェク:シンフォニエッタ


録音:1978年12月7日(ライヴ)


 冒頭の金管楽器によるアンサンブルにしてもオーケストラ全体のバランスが見事に取れた演奏である。多少空間的な音の広がりも含めて明確に聴くことができるようになっており、金管楽器だかでなく木管楽器や弦楽器のしなやかで美しさ溢れる音色が素晴らしい。芯もありながら透明度の高い音色の良さには思わず感動してしまうだろう。ダイナミック・レンジの幅広さが大きくあることによって、




・ヤナーチェク:タラス・ブーリバ


録音:1978年12月7日(ライヴ)


 荘厳的な趣きや豊かな音色を余すことなくたっぷりと演奏から聴くことができたのは、先ほどの「シンフォニエッタ」かもしれないが、「タラス・ブーリバ」では現代的な要素からなる響きや独特なリズムが加わっており、強烈ではあるが金管楽器の面白いサウンドを軸として楽しめる。




・ベートーヴェン:交響曲第1番


録音:1978年12月7日(ライヴ)


 今回取り上げた曲目の中で最も豊かな音色を奏でながらしなやかな響きと共に演奏が行われている。特に弦楽器の音色の美しさといったら言葉を失うほどの感動が込み上げてくる。オーケストラ全体としてもバランスの良いアンサンブルからなるダイナミクス変化によって演奏を聴くことができるようになっているため、古楽奏法よりも固さはないかもしれないが全体としてスッキリとした聴きやすいサウンドが展開されている。



 ノイマン&N響シリーズは当盤を手に入れることができたので、無事コンプリートしたことになる。またこれまでに取り上げたCDについては改めて聴こうと思うが、ノイマンとN響の相性がよかったことは演奏から聴いてみるとよくわかるはず。一度聴いてみると非常に面白い演奏ばかりなので、ぜひ気になった方は聴いてみてほしい。



https://tower.jp/item/3077728











 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、コンスタンティン・シルヴェストリ&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるショスタコーヴィチの交響曲第5番、プロコフィエフの組曲「三つのオレンジへの恋」、ハチャトゥリアンの組曲「ガイーヌ」です。ショスタコーヴィチ没後50年企画としてタワーレコード限定のDefinition SACD SeriesによるSACDハイブリッド盤での復刻となっています。シルヴェストリは旧EMI録音には何種類か録音を残していて、以前同シリーズにてドヴォルザークの交響曲などを復刻していますが、シルヴェストリが唯一旧EMIに残した録音となったのがこの交響曲第5番でした。カップリングには同じロシアの作曲家であるプロコフィエフとハチャトゥリアンの名作が収録されています。




「コンスタンティン・シルヴェストリ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」



ショスタコーヴィチ作曲:

交響曲第5番 ニ短調作品47



プロコフィエフ作曲:

組曲「三つのオレンジへの恋」作品33bis



ハチャトゥリアン作曲:

組曲「ガイーヌ」第1番





 シルヴェストリ&ウィーン・フィルによるショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ハチャトゥリアン作品を収録している。特にメインであるショスタコーヴィチの交響曲第5番は、ウィーン・フィルにとって初録音となった貴重な演奏。今回ショスタコーヴィチ没後50年企画として2025年12月にタワーレコードから復刻された。




・ショスタコーヴィチ:交響曲第5番


録音:1960年12月10,12〜13日


 2025年最新マスタリングが施されたダイナミック・レンジの幅広さが功を奏する演奏で、テンポの緩急からなる勢いの良さが当時のショスタコーヴィチ演奏を彷彿とさせる面白さがある。今回の録音がウィーン・フィルにとっても初録音となっており、当時のウィーン・フィルがショスタコーヴィチ作品にまだ馴染みがないとはいえ、各楽章ごとにここまでのサウンドを奏でることができるのはシルヴェストリによるアプローチの効果もあると考えられる。「緩→急」になった際の細かいダイナミクス変化が金管楽器の音色を引き立てる形となっており、キレ味の良さや音色の変化も含めてカッコよくきまっている。




・プロコフィエフ:組曲「三つのオレンジへの恋」


録音:1960年2月17,18,20&23日


 この時代特有の研ぎ澄まされた美しさとキレ味の誇るウィーン・フィルの弦楽器による音色を余すことなく楽しめる「三つのオレンジへの恋」。金管楽器の音色も独特な音色、音圧と共に演奏を聴くことができる。各曲ごとに個性豊かな特徴をオーケストラ全体による演奏から通して聴くことができ、やや攻撃的ながらもこれほどの強烈なパワーや柔軟な弦楽器によるテンポの緩急からなる演奏を行えているものは両者だからこそと考えても良いかもしれない。




・ハチャトゥリアン:組曲「ガイーヌ」第1番


録音:1960年2月8〜10日


 弦楽器によるスケール感をたっぷりと味わえる優美な演奏となっており、今回演奏されるのは3曲だけだがその1曲あたりにおける特徴的な面白さは見事に楽しめる。「剣の舞」はやや固さが残る印象ではあるが、それまでの2曲で充分な世界観を創り上げることができるようになっている。金管楽器はキレ味良く、弦楽器は柔軟性のある音色、木管楽器は軽快に演奏されている。



 シルヴェストリ&ウィーン・フィルによる演奏は以前聴いたドヴォルザーク以上の衝撃も含めて大いに楽しめた名盤である。ウィーン・フィルの初録音とは思えないショスタコーヴィチ交響曲第5番をメインとしてDefinition SACD Seriesの最新マスタリングによるシルヴェストリの素晴らしさを聴くには非常によかった。


https://tower.jp/item/7924087









 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ヘルベルト・フォン・カラヤン&ドレスデン国立歌劇場管弦楽団によるワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」です。カラヤンによるワーグナー録音といえば、「ニーベルングの指環」や「パルジファル」の名前も上がりますが、その中でも忘れてはならない代表的な録音の一つであると言えるでしょう。



「ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ドレスデン国立歌劇場管弦楽団」



ワーグナー作曲:

楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」





 カラヤンはバイロイト祝祭管とも「ニュルンベルクのマイスタージンガー」をライヴ録音しているが、当盤はその後の録音である。「レコード芸術」に掲載されていた「因縁の一枚」で山崎浩太郎氏によると元々はバルビローリがこの録音を行うとのことをつきとめたとのこと。1968年の「プラハ事件」に際して、クーベリックなどの音楽家たちにあてた「東側諸国での演奏をしないでほしい」という嘆願書にバルビローリが賛同したことによって録音がなくなったようだ。その代役としてカラヤンがドレスデン国立歌劇場管弦楽団と録音を行った。





・ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」


録音:1970年11〜12月



・ハンス・ザックス:テオ・アダム

・ファイント・ポークナー:カール・リッダーブッシュ

・ジスクトゥス・ベックメッサー:ジェイレント・エヴァンス

・クンツ・フォーゲルゲザンク:エーベルハルト・ビュヒナー

・コンラート・ナハティガル:ホルスト・ルウノウ

・フリッツ・コートナー:ゾルタン・ケレメン

・バルタザール・ツォルン:ハンス=ヨアヒム・ロッチュ

・ウルリッヒ・アイスリンガー:ペーター・ビンズツゥス

・アウグスティン・モーザー:ホルスト・ヒースターマン

・ヘルマン・オルテル:ヘルマン・クリスティアン・ポルスター

・ハンス・シュヴァルツ:ハインツ・レーエ

・ハンス・フォルツ:ジークフリート・フォーゲル

・ヴァルター・フォン・シュトルツリング:ルネ・コロ

・ダーフィト:ペーター・シュライアー

・エーファ:ヘレン・ドナート

・マグダレーナ:ルート・ヘッセ

・夜警:クルト・モル

ドレスデン国立歌劇場合唱団

ライプツィヒ放送合唱団


 

 カラヤンが「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を録音しているのは今回取り上げるまで知らず、これまでずっと「旧EMI」のワーグナー管弦楽曲集の第1幕への前奏曲を聴いていた。そのオペラ本編である物語をようやく聴くことができた感動は非常に嬉しいものがあり、4時間近くある演奏時間など正直苦でもなかった。むしろこれまでも何種類か聴いていたが、改めて聴きながら作品について深く知ることができた。

 演奏として、配役を見ていただくとわかるがバイロイト音楽祭でも活躍している有名な歌手たちによる素晴らしい歌唱、絶頂期におけるカラヤン&ドレスデン国立歌劇場管弦楽団による極まった音色、響きが非常に魅力的なサウンドをみごとに創り上げている。「ニュルンベルクのマイスタージンガー」に関してはこれまでも何種類か聴いているが、過去一で興奮した演奏となるのではないだろうか?テンポの緩急に関しても絶妙なバランス、細部にわたってキレ味もありながら一音一音濃厚な歌声、オーケストラのサウンドを聴くことができるようになっている。4時間25分ある演奏時間も正直苦には感じることなく、最初から最後まで楽しめる演奏であったこもは間違いない。


 カラヤンのワーグナー・オペラ自体聴いたのは久しぶりだったが、今またワーグナー録音を再び聴きたくなりつつあるので、「パルジファル」や「ニーベルングの指環」なども聴いてみようか検討中である。また、バイロイト音楽祭でもカラヤンは「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を録音しているので、後日そちらも聴いてみたいと考えている。いずれにしても久しぶりにここまで白熱するワーグナーを聴くことができたのは嬉しかった。


https://tower.jp/item/2783631?srsltid=AfmBOooJKwAHhUSBkyieWg3P6MQZ4Ht3UgthR16du6x35AqZg8p2Ny1I










 




 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ヴラディーミル・アシュケナージ& シドニー・シンフォニー・オーケストラによるマーラー交響曲第10番です。両者はこれまでも何種類かマーラーの交響曲を録音していますが、今回取り上げるのは2011年ライヴ。しかもバルシャイ補筆版というマニアックなポイントを抑えたマーラーとなっています。クック補筆版などとは違う独特な世界観を明確に楽しめる演奏と言えるでしょう。



「ヴラディーミル・アシュケナージ指揮/シドニー・シンフォニー・オーケストラ」



マーラー作曲:


交響曲第10番 嬰ヘ短調(バルシャイ版)





 アシュケナージによるマーラー交響曲録音は前回の同オーケストラによる交響曲第8番以来となるかもしれないが、シャープかつスリリングさを連想させるアプローチが功を奏する形となっているため、普段とは違うマーラーを聴きたいと思う時にオススメしたい。今回取り上げる交響曲第10番は録音の数も少ないバルシャイ補筆版。アシュケナージによるスコアの細部まで細かく演奏されたライヴだが、ストリーミング配信限定なのはもったいない気がしてならない。




・マーラー:交響曲第10番


録音:2011年(ライヴ)


 第1楽章よりダイナミック・レンジの幅広さを生かしきった伸びやかで壮大なるスケールからなる不協和音の世界、不気味な音色や響きを余すことなく味わえる濃厚な演奏を楽しむことができる。特に弦楽器によって包み込まれるかのような圧倒的な分厚い音の波には非常に驚かされるというべきか。終盤に演奏されるAの音に重なる不協和音すら美しく感じてしまう。バルシャイ版ということもあってか、随所より混沌とした音色からなるアプローチが見え隠れしているのも非常に素晴らしい特徴と言えるだろう。


 第2楽章ではテンポの緩急が第1楽章から比べてよりテンションがオンになった強烈なインパクトを演奏から聴くことができるようになっている。金管楽器の音色は生き生きとしながら細かいダイナミクス変化を聴くことができ、多少聴き疲れてしまうかもしれないが聴き手には大きなインパクトを残す素晴らしい演奏となっている。


 第2楽章からすると、始まったばかりの第3楽章では多少なりとも冷静さを感じ取ることのできる演奏となっているが、1:34あたりからは「緩→急」へと向かいテンポも少し加速する。しかし、第2楽章と比べてみても凶悪なまでに速まっているわけではないため、他の録音と比べても落ち着いた雰囲気を思い浮かべることだろう。その分、弦楽器による演奏は俊敏さからなる面白さもあるため、聴きごたえのあるパワフルさもある。


 第4楽章もこれまでの印象からは第2楽章からの印象を引き続きつつ第3楽章プルガトリオのアプローチも含んでいるため、強烈ではあるがどこかユーモアに飛んだ要素が非常に強い。バルシャイ版に関しては過去にも何種類か聴いているのだが、ここまでポップだったか?と思わず疑問を抱いてしまうくらいである。ギターの音色も情景的で面白い。


 第5楽章が始まると、楽しかった日々から一変して現実に引き戻されたかのように劇的な世界観が演奏される。ダイナミック・レンジの幅広さがあり、空間的にも広々としているため冒頭や随所で叩きつけられる強烈な打撃すら身体を貫かれるかのような衝撃を受けることだろう。劇的なテンポの緩急も含めて味わえるようになっているのは間違いないのだが、金管楽器の音が打楽器と同様もしくはそれ以上に鋭さが感じられるため聴き手によってはキツさが残るかもしれない。再び第1楽章と同じ旋律やトランペットによる強烈なAが演奏された瞬間の世界観からは、感動というものを超越した何かが込み上げる瞬間を感じた。これに関してはぜひ聴いてほしい。その後の苦から解き放たれたかのような弦楽器による美しい演奏は、思わず涙が出てしまうものがある。




 アシュケナージによるマーラー録音は聴いてみると、普段聴きなれたマーラー録音とは明らかに違うアプローチを随所より聴くことができるようになっているのでそれが面白い。惜しくも交響曲全集とはならなかったが、交響曲第9番以外の交響曲録音は行っているようなので後日他の交響曲についても取り上げることができればと考えている。


https://classical.music.apple.com/jp/album/731857584?l=ja-JP