クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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こちらはクラシック音楽のCDの名盤をレビューするブログです!
年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。


尚美学園大学/芸術情報学部/音楽表現学科/音楽メディアコース卒業、トランペット、作曲、編曲、DTM


 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、チョン・ミョンフン&フランス国立フィルハーモニー管弦楽団によるストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」、ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」です。チョン・ミョンフンが得意としたレパートリーに組み込まれる2曲、どちらもこれまでに聴いてきた同曲録音とは一線を博する名盤であることは間違いありません。


「チョン・ミョンフン指揮/フランス放送フィルハーモニー管弦楽団」

ストラヴィンスキー作曲:
バレエ音楽「春の祭典」

ムソルグスキー作曲:
組曲「展覧会の絵」



 チョン・ミョンフン&フランス放送フィルによるストラヴィンスキー&ムソルグスキー作品が収録されている当盤。いずれもチョン・ミョンフンが得意とするレパートリーであることに間違いはないが、独特なアプローチによる演奏が展開されているので聴きごたえがある。どちらの演奏でも驚かされる要素が盛りだくさんとなっているので、良い意味で一瞬も気が抜けないというのはこのことである。


・ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」

録音:2007年3月

 テンポの緩急や細かい溜め、ダイナミクス変化が他の演奏では聴くことのできない刺激に満ち溢れた演奏である。それがあったとしてもその演奏からなる音色と響きは、なおのこと色彩感溢れる美しいアプローチを保っている。部分的に間髪入れず演奏が進められていく場面もあるが、それによる強烈なサウンドからなる演奏はオーケストラ全体がパワー型ではないとしても十二分に楽しめるテンションの高さである。勢いの良さ、躍動感などを味わいたい時にぴったりな「春の祭典」となっている。


・ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編)

録音:2008年12月

 しつこさをあまり感じることのないどこかさっぱりとした演奏で、曲によっては骨太な低音、弦楽器の鋭さからなるスケールが功を奏する場面も少なからず見受けられる。「キーウの大門」になった瞬間の音の広がりは非常に美しく、テンポが落ちた後の重心の低さもより作品の世界観を明確なものとするアプローチへ繋がっている。溜めがあまりないこともあってあっさりとした演奏に聴こえなくもないが、最初から最後までソロ、オーケストラ全体含めて一貫性が貫かれているのも、この曲を聴く上で非常に素晴らしい点と言えるだろう。


 チョン・ミョンフンの名盤、特にフランス音楽は得意なレパートリーということもあって素晴らしい演奏ばかり。以前取り上げた「ダフニスとクロエ」も非常に素晴らしい名盤だった。また近いうちに取り上げたいので、そちらについてはまた聴こうと思う。


https://tower.jp/item/2996207












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ヘルベルト・フォン・カラヤン&ケルン放送交響楽団によるカール・オルフの「時の終わりの劇」です。1973年8月のザルツブルク音楽祭で両者によって初演された作品で、今回の録音はその1ヶ月前の録音となっています。それ以降録音が存在していないというのも大きな特徴となっています。以前より存在は知っていましたが、今回満を持して取り上げていきたいと思います。


「ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ケルン放送交響楽団」

オルフ作曲:
歌劇「時の終わりの劇」



 カラヤン&ケルン放送交響楽団が1978年8月20日のザルツブルク音楽祭にて初演を行った。その1ヶ月前に、ザルツブルク音楽祭での演奏キャストと同じ面々でセッション録音を行っている。当盤に収録されている録音はそれである。同時にこの曲唯一の録音となっており、四半世紀経った今でもなお録音は行われていない。


・オルフ:「時の終わりの劇」

録音:1973年7月

 1960〜1971年にかけて作曲が行われた。オルフ最後の劇作品とされており、その拡大された楽器編成、合唱などもあって当盤以降録音も行われていない。全3部に分けられており、第1部と第2部では世界の終末について古代ローマ、初期キリスト教、オルフェウス教のテキストをもとに予言を通じた悲観的なイメージからなる世界観が展開される。第3部では「怒りの日」の旋律が歌われる中で世界の終末が訪れる場面が描かれている。


 オルフ作品で度々みられる引用だが、この作品でも同様の形が一部で取られている。それはオルフの代表作である「トリオンフィ」から「アフロディテの勝利」冒頭がそのまま第1部冒頭に引用されている。また、オルフ作品といえば特徴的なリズムで、「カルミナ・ブラーナ」の一部の曲から同じリズムが引用されている。また、大量の打楽器を多用したオーケストレーションは「カトゥリ・カルミナ」との類似点が上げられる。


・第1部「シュビラ」

コレット・ローラント

ジェーン・マシュー

ケイ・グリフェル

シルヴィア・アンダーソン

グウェンドリン・キルブルー

カーリ・レヴァース

アンナ・トモワ=シントウ

ヘルイェ・アンゲルヴォ

グレニー・ルリス


・第2部「隠者」

エリク・ガイゼン

ハンス・ヴェークマン

ハンス・ヘルム

ヴルフガング・アンハイザー

ジークフリート・ルドルフ・フレーゼ

ヘルマン・パツァルト

ハンネス・ヨーケル

アントン・ディアコフ

ボリス・カルメリ


・第3部「その日」

クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)

ペーター・シュライアー(テノール)

ヨゼフ・グラインドル(バス)

ロルフ・ボイゼン(語り)



 演奏として、全3部からなる作品ではあるが、約1時間ほどと比較的に短い時間で聴き終えることができる。ダイナミック・レンジの幅広さが大きくあることによって、細部まで細かく演奏を聴き込むことができる空間的な芸術も非常に見事である。大量に使われる打楽器の強烈な打撃や合唱など個性的な面が非常に強く、どこか狂気を感じるのも面白いポイントとなっている。録音状態も非常に良く、オーケストラが奏でるサウンドと歌手の歌声の調和的な演奏が功を奏する形になっているので、カラヤン&ケルン放送響の息もぴったりになっている。


 タワーレコード限定でCD化も行われており、その後オルフ没後40年価格としてUHQCDが発売された。願うことならカラヤン盤に次ぐ新しい録音が登場することだが、同年8月に行われたザルツブルク音楽祭でのライヴ録音があればそれも聴いてみたいものだ。いずれにしてもオルフ最後の劇作品となったこの「終末劇」、非常に素晴らしい名曲となっていた。


https://tower.jp/item/5317423












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、下野竜也&東京交響楽団による羽田健太郎の交響曲「宇宙戦艦ヤマト」です。1984年に大友直人&NHK交響楽団によって初演が行われてから約40年という年月が経ち、素晴らしいソリストと指揮者、オーケストラによって演奏されたライヴを収録しています。


「下野竜也指揮/東京交響楽団」


宮川泰(テーマ、モチーフ)/羽田健太郎作曲:

交響曲「宇宙戦艦ヤマト」



 「宇宙戦艦ヤマト」は知る人ぞ知る国民的人気アニメ。現在でもリメイク版のアニメが映画などで多くの人々に愛されている。今回は、そんな「宇宙戦艦ヤマト」のテーマとモチーフを使って羽田健太郎が作曲した交響曲「宇宙戦艦ヤマト」を取り上げていく。1984年に大友直人&NHK交響楽団によって初演が行われ、2009年にセッション録音、2018年には大友&東響によってライヴ録音された。そして2023年に下野さん&東響の演奏でライヴ録音が行われ、今回収録されたのである。


・宮川泰、羽田健太郎:交響曲「宇宙戦艦ヤマト」

録音:2023年7月8日(ライヴ)

 各楽章ごとに標題が付けられている。


第1楽章 誕生

第2楽章 闘い(スケルツォ)

第3楽章 祈り(アダージョ)

第4楽章 明日への希望(ドッペルコンチェルト)


 第1楽章では有名なメインテーマ、「イスカンダルのテーマ」を用いたソナタ形式。第2楽章では「完結編」の音楽。第3楽章ではヴォカリーズを起用、第4楽章では「大いなる愛」をテーマとして独奏ヴァイオリンとピアノによる演奏でドッペルコンチェルトを構成としている。ヴァイオリンは三浦文彰、ピアノは髙木竜馬。


 壮大かつ圧倒的なスケール感を終始感じながらの演奏を楽しむことができる名演である。チャイコフスキーからの影響が強いのだろう、楽章によっては「ロメオとジュリエット」からの旋律に近かったり、ピアノ協奏曲第1番からの引用が見え隠れしている。ダイナミック・レンジの幅広さも明確でここまでたっぷりと聴くことができるライヴをなぜ今までスルーしていたのかわからないと自分に解いた。交響組曲「宇宙戦艦ヤマト」を大学2年時に文化祭で演奏したり、高3の時に甲子園にも行き、アルプススタンドで野球応援をした時にも吹奏楽部員として「宇宙戦艦ヤマト」を応援歌として演奏したこともあって、この音楽は非常に好きである。今回の演奏はそれらを演奏していた当時の白熱するような心を昂らせてくれる名盤だった。第4楽章におけるヴァイオリン、ピアノの豪快かつ繊細に描かれるアプローチからの演奏も非常に聴きごたえがあるので、これには感動しっぱなしだった。


 まさかこのCDがここまで素晴らしい演奏だったとは思いもしなかった。UHQCD仕様の高音質盤で聴くことができるのも嬉しい。当盤を聴いてから空前の宇宙戦艦ヤマトブームが到来した。これに合わせてアニメ本編も長いことは理解した上で見てみたいと思う。また、1984年に初演されたCDも廃盤ではあるが積極的に探していきたい。


https://tower.jp/item/6249610












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、クリスチャン・ツィメルマン、ヘルベルト・フォン・カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるシューマン、グリーグのピアノ協奏曲です。若き日のツィメルマンがカラヤン率いるベルリン・フィルと共演した際の貴重な録音となっています。度々セットにされることの多い2曲が、両者によって至極の演奏となった名盤を取り上げていきます。


「クリスチャン・ツィメルマン(ピアノ)ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」

シューマン作曲:
ピアノ協奏曲 イ短調作品54

グリーグ作曲:
ピアノ協奏曲 イ短調作品16



 若き日のツィメルマンと晩年のカラヤン&ベルリン・フィルが録音したシューマン、グリーグのピアノ協奏曲。これまでも何回か復刻される機会はあったが、UHQCD仕様の高音質盤で名盤を楽しむことができるようになっている。それぞれ1枚のCDに収められることが多い曲ということもあって、比較的に聴きやすい名盤であることは間違いない。


・シューマン:ピアノ協奏曲

録音:1981年9月、1982年1月

 楽章によっては自由さよりも多少の固さからなる厳格な印象を受けるアプローチが取られている。その点は意外だった。ただ、第3楽章が始まった瞬間もそうだが、「緩→急」へと向かっていく瞬間は特に音が広がる瞬間が非常に素晴らしい。それには大きく感動した。有名な第1楽章にしても、第3楽章にしても細部まで細かく演奏するピアノタッチからなる演奏を行うツィメルマンと分厚いスケールを奏でるベルリン・フィル、それぞれの面白さが聴いていて非常に素晴らしいシューマンのピアノ協奏曲を楽しめる瞬間となった。


・グリーグ:ピアノ協奏曲

録音:1981年9月、1982年1月

 より一層ベルリン・フィルとのサウンドに相性が良くなった演奏とも言える迫力のあるアプローチが連続している。シューマンはどちらかといえば慎重に聴こえた印象が、グリーグではエネルギーを爆発させるかのような情熱を感じさせるサウンドで描かれているので非常に感動的だ。ダイナミック・レンジの幅広さが増していることもあって、その豪快さは若い頃のツィメルマンならではの良さであると言える。


 ツィメルマン&カラヤンによるシューマンとグリーグのピアノ協奏曲は、以前よりその存在を知っていたが聴くのは今回がはじめてだった。やはり想像している以上に面白い演奏だったことは間違いなく、普段とは違う作品のスタイルを楽しむことができた。


https://tower.jp/item/6782582












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ジェームズ・レヴァイン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」、デュカスの交響詩「魔法使いの弟子」です。レヴァインとベルリン・フィルによる人気盤として博した素晴らしい名盤をついに取り上げていきます。1980年代に録音されたレヴァインの演奏はどれも素晴らしい演奏ばかり。色彩豊かな美しい世界観を楽しんでいきます。


「ジェームズ・レヴァイン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」

サン=サーンス作曲:
交響曲第3番 ハ短調作品78「オルガン付き」

デュカス作曲:
交響詩「魔法使いの弟子」



 レヴァインは一時期ウィーン・フィル、ベルリン・フィルと積極的に録音を行った。今回取り上げる「オルガン付き」、「魔法使いの弟子」はその時期に当たる。非常に素晴らしい名盤で、力強いレヴァインのアプローチもありつつ色彩的で透明感のある美しい世界観を楽しめる演奏だ。



・サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」

録音:1986年6月

 カラヤンがベルリン・フィルと唯一録音した「オルガン付き」が1981年だったが、その後に録音されたのが今回の演奏である。テンポの緩急にしても息ぴったりであり、各楽章ごとにおけるオーケストラのまとまりあるサウンドも非常に分厚く演奏されている。特に弦楽器の音色はカラヤン時代そのものにおける重厚さからなる分厚いスケール、瞬発力を感じ取ることができるような鋭さが功を奏する形となっている。オルガンの音色、響きに関しても非常に美しさ溢れる音で、第2楽章第2部になった瞬間の

音の広がりは明確であり、空間が広がる感覚を演奏から通して聴くことができた。その後における全体的なバランスの良さによるダイナミクス変化も聴きごたえ抜群なのは非常に素晴らしい。


・デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」

録音:1986年6月

 オーケストラ全体から聴くことのできるバランスの良いサウンドもそうだが、細かく変化していくテンポ設定が非常に明確なものとなっている。決してパワーでゴリ押ししているような作品でもないということもあって、木管楽器や弦楽器のキラキラとした透明度の高い音色、響きが作品の世界観にぴたりと当てはまっているのがよくわかる。テンポの加速も急ではあるが聴き手に強い印象を残してくれる演奏となっている。


 レヴァインによる名盤はまだほとんど聴けていないが、個人的にはホルストの「惑星」やマーラーの印象が強かった。そのイメージを打破してくれるような存在となったのは今回の「オルガン付き」と「魔法使いの弟子」だった。特に「オルガン付き」に関しては好きな曲ということもあるのだろう、繰り返しずっと聴いている。今年でレヴァインが亡くなって5年経つ、そろそろレヴァインによる「ニーベルングの指環」かモーツァルト交響曲全集を取り上げてみたいものだ。


https://tower.jp/item/4601517












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、中村紘子&岩城宏之、森正&NHK交響楽団によるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番、ショパンのピアノ協奏曲第1番、矢代秋雄のピアノ協奏曲です。チャイコフスキーを岩城宏之、ショパンと矢代秋雄を森正が指揮しています。中村さんといえば日本を代表とするピアニストの1人で、その人気は絶大なものとなっていました。そんな今回は1960年代にライヴ録音された3曲のピアノ協奏曲を取り上げていきます。


「中村紘子(ピアノ)、岩城宏之指揮/NHK交響楽団」

チャイコフスキー作曲:
ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調作品23


「中村紘子(ピアノ)、森正指揮/NHK交響楽団」

ショパン作曲:
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調作品11

矢代秋雄作曲:
ピアノ協奏曲



 中村さんの十八番とも言えるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を筆頭に、ショパンと矢代秋雄のピアノ協奏曲が収録されている。チャイコフスキーの演奏当時は18歳というのも驚きだ。また、矢代秋雄のピアノ協奏曲は放送初演が行われたのが1967年11月5日の放送初演なのだが、公開初演のライヴが今回収録されている演奏にあたる。


[Disc 1]

・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

録音:1963年2月26日(ライヴ)

 モノラル音源ではあるがその美しいピアノ演奏と重厚的で骨太なサウンドからなる演奏を余すことなく堪能できる演奏である。テンポの緩急を明確に聴くことができ、第3楽章は特に「緩→急」における加速と細かいダイナミクス変化が絶妙なアプローチによって展開されているので、非常に聴きごたえ抜群な演奏となっていたのは間違いない。以前「Eテレ大人のタイムマシン」にてマーツァル&N響による伴奏と中村さんによるピアノとのチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番を見た。そちらの演奏も凄まじいインパクトを残すものとなっていたが、今回の演奏も引けを取らない名演だった。


[Disc 2]

・ショパン:ピアノ協奏曲第1番

録音:1967年7月8日(ライヴ)

 軽快かつリズミカルなピアノ演奏を聴きながらも、骨太で重厚的な弦楽器を中心としたN響のサウンドが対照的に聴こえるショパンのピアノ協奏曲第1番。第1楽章が始まった瞬間の音質の不安定感は否めないが、その後安定してくるので良い。全楽章共通して重心の低さからなるどっしりとしたサウンドからなる演奏になっているので、聴きやすいのも良いポイントと言えるだろう。


・矢代秋雄:ピアノ協奏曲

録音:1967年11月29日(ライヴ)

 矢代秋雄のピアノ協奏曲でN響のCDが何枚か発売されているが、そのほとんどはこの録音である。細かい比較については今回行わないが、手元には尾高賞の「N響伝説のライヴ!」シリーズもあるが、どうようの録音だ。矢代秋雄作品としては交響曲と並んで有名な曲である。現代的な作品で、今回の演奏では非常に繊細かつ明瞭なピアノと複雑性の高いオーケストラ演奏からなる技巧を演奏から通して聴くことができる。テンポの緩急も含めて、各楽章ごとに細部まで細かく演奏され尽くされているのも非常に楽しめるというもの。


 中村さんのピアノはあまり聴いてこなかった分、今回収録されているチャイコフスキー、ショパン、矢代秋雄のピアノ協奏曲は非常に楽しめた。特に矢代秋雄のピアノ協奏曲については、手持ちに同じ録音があるので近いうちに聴き比べてみたいと思う。N響のライヴCDもある程度集まってきた。またしばらくブログでもN響のライヴCDを取り上げる機会は増えると思うので、次はどのCDが取り上げられるか楽しみにしていただければ幸いだ。


https://tower.jp/item/4457654









 みなさんこんにちは😃本日1月5日はピエール・ブーレーズの命日です。今年で没後10年になります。そんな本日ご紹介していくのは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と録音したストラヴィンスキーの管弦楽のための交響曲、詩篇交響曲、3楽章の交響曲です。ストラヴィンスキー作品の録音の中でもブーレーズによる演奏は非常に素晴らしいものが多く、バレエ音楽だけではないということを知らしめてくれる名盤と言っても過言ではないでしょう。


「ピエール・ブーレーズ指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」

ストラヴィンスキー作曲:
管楽器のための交響曲

詩篇交響曲

3楽章の交響曲



 ブーレーズのストラヴィンスキー作品は複数録音が残されており、三大バレエ音楽を筆頭として大きな人気を博している曲ばかりである。スコアの細部までその音を明確なアプローチによって演奏を行っているため、聴きごたえのある演奏ばかりだ。今回収録されているのは新古典主義時代の作品が中心で、個人的にも久しぶりに聴く曲がいくつか見受けられる。


・ストラヴィンスキー:管楽器のための交響曲

録音:1996年2月

 ストラヴィンスキー作品の中でも比較的に演奏頻度の多いポピュラーな曲とも言える。厳格さよりも自由度の高い伸びやかさが増しているサウンドを楽しむことができる。特に木管楽器の音色は非常に軽快に演奏されており、金管楽器と共に奏でられた瞬間の音色は美しさを確かに感じ取ることができる。全体的なバランスの良さも素晴らしく、細部まで細かく演奏が行われていることによってダイナミクス変化の良さも演奏から通して楽しめるようになっている。


・詩篇交響曲

録音:1996年2月

 個人的な話だが、いつぶりに聴いたか覚えていないストラヴィンスキー作品の一つである。曲については知っているが、おそらく大学生ぶりになるのではないだろうか?ストラヴィンスキー作品の中でも新古典主義の曲であり、宗教的だ。普段聴き慣れた交響曲としての姿ではなく、「Symphony」の語源の意味に近いアンサンブルという意味で解釈される。合唱とオーケストラによる神秘的にも感じられる美しい世界観、細部まで細かく演奏された音響的な空間芸術としても非常に良い。


・3楽章の交響曲

録音:1996年2月

 こちらの曲も久しぶりに聴いた曲の一つで、明快なサウンドと細かいダイナミクス変化も絶妙なバランスとなっており、テンポの緩急含めて非常に細部まで明確な演奏を聴くことができる。なんといっても各楽器ごとに奏でられている音を細かく聴き分けやすくなっているのも非常に素晴らしい。テンポ自体は前向きで大きな溜めはあまり感じられないかもしれないが、この機械的にも聴こえる面白さこそ作品における印象にぴたりと当てはまるのではないか?とも考えられる。


 ブーレーズのストラヴィンスキー、もっと掘り下げても良いくらいの名盤が数多く存在している。SACDハイブリッド仕様で昨年発売されたものもあるので、それについてもまた近いうちに取り上げられたら幸いだ。ブーレーズの録音も久しぶりに聴いたが、今後も他の録音を探して聴き続けていきたいと思う。


https://tower.jp/item/5148750












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、山田一雄&NHK交響楽団による黛敏郎の「曼荼羅交響曲」、シベリウスの交響曲第2番です。山田一雄がN響の定期公演に約20年ぶりに登場した記念すべきCDとなっています。珍しいレパートリーに分類されるシベリウスの交響曲第2番、N響の世界一周演奏旅行でも聴くことができる「曼荼羅交響曲」についても非常に貴重と言えるでしょう。


「山田一雄指揮/NHK交響楽団」

黛敏郎作曲:
曼荼羅交響曲

シベリウス作曲:
交響曲第2番 ニ長調作品43



 山田一雄はN響の前身である新交響楽団の補助指揮者として1941年に就任、その翌年には専任指揮者となった。新交響楽団を育て上げた人物である。以前当ブログでは同シリーズで発売された1985,90年のマーラーの交響曲第5番、モーツァルトの交響曲第38番、第41番のライヴを取り上げているが、今回はそれよりも前の1976年ライヴ。25年ぶりにN響の定期に登場した際の貴重な記録である。


・黛敏郎:曼荼羅交響曲

録音:1976年10月13日(ライヴ)

 黛敏郎が作曲した「涅槃交響曲」の兄弟作品に当たる作品。どちらかといえば、「曼荼羅交響曲」の方が編成としても演奏しやすいため録音は多く残されている。1960年3月27日の第4回三人の会の発表会で岩城宏之&NHK交響楽団によって初演が行われた。「涅槃交響曲」でも使われた「カンパロジー・エフェクト」を発展拡大させた日本各地の鐘の音を分析した結果得ることができた「陽旋法」を素材としている。


 十二音技法が使われているため、現代音楽ではあるがその和音や響きの使い方は非常に綺麗な面が多く、複雑なオーケストレーションだったとしても聴きやすいのではないか?と思う。その点、今回の演奏は非常に良い録音状態によって演奏を聴くことができるというのも大きな醍醐味であるため、ダイナミック・レンジの幅広さからなる細部まで細かく聴き込むことができる。濃厚なスケールなどたっぷりと味わえながらも音の切り方はさっぱりしていたりと、ライヴならではとなっているがこの曲の世界観にぴたりと当てはまる名演と言えるだろう。



・シベリウス:交響曲第2番

録音:1976年10月13日(ライヴ)

 透き通るように透明度の高い音色を奏でる弦楽器を中心に、テンポの緩急からなるキレ味の良いダイナミクス変化も細かく演奏されるシベリウス交響曲第2番を聴くことができるようになっている。まさに聴いている最中は爽快感と言ったところで、演奏からは迷いを一切感じさせることがない。ただ、個人的に気になるのは、トランペットが決め所なタイミングで音を外している。これが多々あるのが残念でならない。オーケストラ全体における音色の一貫性によるまとまりの良さは非常に素晴らしいのだが、もう一声欲しかった。空間的にはダイナミック・レンジの幅広さも増しているので、聴きやすい演奏である。


 山田一雄のシベリウスも貴重だったが、個人的には「曼荼羅交響曲」が特に素晴らしい演奏であると感じた。これまでも何種類か録音は聴いているが、今回の演奏は特によかった。また繰り返し聴きたいと思える凄みもあった上に他の録音もまた聴き直したいというこの曲の再認識に繋がる名演だったと思う。


https://tower.jp/item/4342738











 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、アンドレ・クリュイタンス&フランス国立管弦楽団によるショスタコーヴィチの交響曲第11番「1905年」です。タワーレコード限定の「Definition SACD Series」で2025年12月26日にSACDハイブリッド仕様の高音質盤として復刻されました。この曲が初演されたのは1957年10月30日、今回の演奏はその翌年である1958年に録音されたのが当盤です。クリュイタンスによるショスタコーヴィチの交響曲第11番の録音が以前より存在しているのは知っていましたが、今回の演奏は歴史的録音としての価値も高いので、大きな期待をして良いと言えます。


「アンドレ・クリュイタンス指揮/フランス国立管弦楽団」

ショスタコーヴィチ作曲:
交響曲第11番 ト短調作品103「1905年」



 ショスタコーヴィチは1958年にパリを訪れており、クリュイタンスの指揮とショスタコーヴィチ自身のピアノ独奏で自作のピアノ協奏曲2曲を録音している。それと同時に1957年に初演された交響曲第11番「1905年」のセッション録音に立ち合った。その時の録音がこの録音である。ステレオ録音(一部モノラル)で聴くことができ、発売当初は忘れられていたが「Testament」からステレオ盤が発売されたことでその人気に拍車がかった。そして、今回タワーレコード限定のSACDハイブリッド盤となって復刻された。


・ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」

録音:1958年5月19日

 第1楽章冒頭よりノイズもあるが正直いって全く気にならない。勢いの良さも素晴らしく、各楽章ごとにテンポの緩急からなるダイナミクス変化も含めて非常にキレ味のある音色と透明度の高い豊かな音色を楽章ごとに分けて聴くことができるようになっている。楽章構成として「緩→急→緩→急」というわかりやすい形になっているのも大きなポイントで、「緩→急」におけるテンポの加速は非常に明確なアプローチからなるダイナミクス変化となっている。トランペットをはじめとする金管楽器の音色も作品にぴたりと当てはまる荒さも音色に加わっているため、第2楽章と第4楽章におけるサウンド作りの細かさには非常に驚かされる。この曲の名盤は個人的にラザレフ&日本フィルによる演奏と考えているが、クリュイタンス&フランス国立管による演奏も引けを取らない仕上がりだった。


 クリュイタンスによるショスタコーヴィチ交響曲第11番は以前よりその存在を知っており、気になっていた録音の一つだった。それをついに聴くことができて、今非常に満足している。正直今日まで何回繰り返しているかわからないくらいである。Testament盤についてはまた探してみて、あれば購入して聴き比べる意味としても聴いてみたいと思う。


https://tower.jp/item/7924074









 みなさんこんにちは😃本日1月2日は日本を代表とする指揮者秋山和慶の誕生日です。今年で生誕85年になります。昨年惜しくも1月26日に亡くなってしまいましたが、今でもその人気は劣えることはありません。今回は東京交響楽団とのブラームス交響曲第1番、ドヴォルザークの序曲「謝肉祭」を取り上げていきます。秋山先生のブラームスといえば、何種類か録音が残されているほどの十八番。今回の演奏は2009年に東京オペラシティにて行われた際のライヴとなっています。


「秋山和慶指揮/東京交響楽団」

ブラームス作曲:
交響曲第1番 ハ短調作品68

ドヴォルザーク作曲:
序曲「謝肉祭」



 秋山さんは23歳で東京交響楽団を指揮してデビューしており、音楽監督、常任指揮者として約40年以上共に活躍を残してきた。2004年には桂冠指揮者に就任している。今回は2009年に東京オペラシティ・コンサートホールで演奏した際のライヴが収録されている。


・ブラームス:交響曲第1番

録音:2009年2月7日(ライヴ)

 ダイナミック・レンジの幅広さがあるということも影響のうちと考えられるかもしれないが、残響が非常に素晴らしいまでの深みを感じることができる演奏となっている。多少強すぎるような印象も受けなくはないが、オーケストラ全体からなる音色や細部まで細かく演奏され尽くされたダイナミクス変化も含めて考えてみると今回の演奏については非常に濃厚かつ豊かな音色を軸としたブラームス演奏を聴くことができた。各楽器ごとの音色も非常に良く、特に第4楽章では透明度の高さも含めて非常に透き通った綺麗な音色を中心に演奏を聴くことができる。


・ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」

録音:2009年2月7日(ライヴ)

 ブラームス同様に残響が強いため、キレ味などよりも優美さが演奏から通して全面的に押し出されている印象が強いドヴォルザークの「謝肉祭」。テンポの緩急からなるスピーディさが功を奏する演奏ではあるが、なんといっても残響が分厚いスケールからなる演奏となっていることもあって、優美さが演奏から通して感じ取りやすくなっているのがよくわかる。第4楽章終盤の急な加速に関しては度肝を抜かされる印象である。


 秋山さんによるブラームスは聴いているだけでどこか安心感を覚える録音が多い。今回収録された東響とのライヴもそうだった。ストリーミング配信限定で聴くことができる録音もあるようなので、後日それらの録音についても取り上げられたらと考えている。


https://tower.jp/item/2578816